『クラッシュバンディクー4 とんでもマルチバース』レビュー: 木箱と木の実に命を懸ける
『クラッシュバンディクー4 とんでもマルチバース』とは、Toys For Bobが開発したアクションゲーム。
シリーズ過去作では、スピンオフ作やらレースゲームにまで進出し、開発元もさまざま。本作を手がけたToys For Bobは「スパイロ」シリーズに携わってきたデベロッパーだ。
本作は、タイトル通り『クラッシュ・バンディクー 3』の続編。正当なる正真正銘の最新作だ。(日本で『クラッシュ・バンディクー 4 さくれつ!魔神パワー』として発売されていたタイトルはスピンオフにあたる)
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
デコボコ兄妹
主人公は、半裸のキツネ風のクラッシュ(本当はバンディクートという動物がモデル)。
そして、クラッシュの妹のココも共に旅することになる。
ココは、能天気なクラッシュとは違い、かなりしっかり者だ。
いつもの悪役
「クラッシュ」シリーズの悪役といえば、おデコが目立ち過ぎなネオ・コルテックス。そして、やたらと気位の高い天才エヌ・トロピー。
過去作でのクラッシュの活躍により宇宙を漂流する羽目になっていたネオ・コルテックスとエヌ・トロピーとウカウカ(すべての黒幕である悪いマスク)。
しかし、さすがはマッドサイエンティストコンビだ。時空に穴を開けて、またまた悪だくみを企てている。
オールスター!?
悪だくみを察知したアクアク(善きマスク)は、クラッシュに時空の穴を閉じるように命じる。
時空を閉じるためには、4つのマスクの力が必要らしい。
が、時空に穴が開いてしまったわけで、色んな次元がごちゃまぜに。
クラッシュの元カノのタウナや、過去作では悪役だったグルメワニのディンゴダイルまでもが、クラッシュの冒険に巻き込まれてくる。
更には、悪役のはずのエヌ・トロピーまで!?
ゲームの特徴Features
ヒュンヒュンピューン
本作は3Dプラットフォームゲーム。足場から足場へジャンプが基本。
そして、敵や木箱をスピンで文字通り吹っ飛ばす。それだけだ。
ゲームはステージクリア型で、スタートからゴールまで、ただひたすらに走ってジャンプしてスピンして進んでいく。ちなみに、2段ジャンプやスライディングなどもある。
わけのわからない武装をした敵を倒し、貧弱すぎる足場を乗り越えて、木の実と木箱を回収していく。
各ステージには目標が設定されていて、「木の実を何割取れたか?」「木箱をすべて壊せたか?」などがゴール時に評価される。
マスクの力
クラッシュはマスクによって特別なパワーが使えるようになる。
まず、アクアク。シリーズ最初からの相棒で、クラッシュを冒険へと追い立てる指南役。アクアクは、敵にぶつかったり爆発に巻き込まれた時のダメージを代わって受けてくれる。
そして、本作で新登場の4つのマスク。
クラッシュたちを率先して導いてくれるのがラニロリ。2つの次元を切り替えて、足場や木箱を出現させたり消したりすることが出来る。
無口で強面なアカノ。無限スピンをすることができて、スピン中は普段より高く遠くにジャンプすることができるようになる。
明るく陽気で優しいおばあちゃんのカプナワ。クラッシュ以外を一定時間スローモーションにしてくれる。
穏やかな面とネガティブな面を併せ持つイカイカ。重力の上下方向を切り替えることが出来る。
マスクはステージ上の特定の場所に現れて、装着すると各能力を使うことが出来る。
え?誰?主人公?
通常のコースでは、クラッシュかココを選んでプレイする。
が、ステージによっては、タウナ、ディンゴダイル、エヌ・トロピーとなってプレイする。クラッシュが別のコースを進んでいた時、「一方その頃、タウナは…」みたいな感じ。
例えば、クラッシュが巨大マシンに襲われるコースがあるけれど、それは実はタウナがうっかりマシンを起動させしまったから。といった感じで、他キャラの行動がクラッシュに影響を及ぼしていたことが判明する。
各キャラは、それぞれ出来るアクションが異なっていて、タウナはロープを使ったアクション、ディンゴダイルは強力バキューム、エヌ・トロピーはレーザー銃を使ったアクションが出来る。
ファッションリーダー
各ステージには、単純にクリアするのとは別のモードがある。タイムアタックや左右逆になったモードでプレイできる。
それぞれのモードに設定されている「木の実を一定数取る」などの目標達成するとダイヤモンドが手に入り、1ステージにつき6つダイヤが揃えばクラッシュかココの衣装が手に入る。
強くなるとかはなくて、ただ単にファッションを楽しむためのものだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
クラッシュの常にふざけたノリ(ほぼ顔芸)で、楽しい雰囲気満点!
ストーリーもちゃんとあって、ただただコースをクリアしてるだけで飽きてきちゃったなーとならなくて良い。
キャラクターの魅力
4.0
クラッシュは底抜けにふざけてるし、見てるだけで楽しい。
でも、クラッシュ以外のキャラも魅力的で、それぞれちゃんと活躍する。
あと、悪役であるエヌ・トロピーを操作できるのが楽しい。意外と良いやつ、というか人間味溢れてる。ただのデコッパチではなかった。
操作性
4.0
ずっと飛び跳ねてるしスピンも高速だし、とにかく動きが激しい。
だけど、木箱1個分しか足場がないとか、触れたら即アウトなNitroがゴロゴロ転がってたり、繊細な操作が求められる。
でも、操作した通りにキビキビと動くので、自分の腕と慎重さが大切。時には思い切りの良さも必要になる。たまに疑惑の当たり判定もあるけど、許容範囲な程度だ。
難易度バランス
4.0
難易度は、決して簡単でない。よく死ぬ。死にまくる魔のポイントもある。
でも、「モダン」モードならチェックポイントから復活できるので、諦めなければいつか突破できる。徐々に難しくなっていくけれど、ゲーム序盤からもよく死ぬ。
がっつり3Dプラットフォームの難しさを体感できる。
特に、各コースのボーナスエリアでは順序を考えて木箱を壊さないとクリアできない。パズル要素もあって、正規ルートよりも難しくなっている。
ゲームシステム
4.5
初登場の4つのマスクが面白い!
ジャンプとスピン以外にも考えなきゃいけないことが増えて、「ジャンプしてる最中に足場出現させて、でも、着地したらすぐ切り替えないと」といった感じで複雑になる。
これが面白い。
プラットフォームゲームにありがちな、いかにミスなくジャンプを続けるか勝負だけにならないので、飽きない。
コース内で横スクロールになったり、奥に向かったり、手前に向かったり、画面の方向が矢継ぎ早に変化するのも楽しい。
やりこみ要素
4.5
やり込み要素は、かなりたっぷり。
「同じコースに再挑戦するのめんどくさーい」となりがちだけど。
それぞれのコースがよくできてるし、ミラーモードや色塗っていくモードとかもあって、やる気にさせてくれる。単純にいろんなコスチュームも集めたくなるし。
ただ、やり込み要素である「きおくのカケラのテープ」で解放されるステージは、ぶっとんで難しい。
「なんで今、ジャンプしてしまったんだ!うがぁああ」「なんて繊細なことさせるんだー!」と叫ぶことになる。
グラフィック
4.5
グラフィックが美しくてびっくりした。背景も歩けるんじゃないかと思うくらい、細部まで描き込まれてる。
楽しい。テーマパークにいるみたいな気分になってくる。
サウンド
4.0
BGMは、もちろんクラッシュのノリで楽しくにぎやか。
アクションが難しくても、ずっと楽しい気分でプレイ出来る。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
本格的な3Dプラットフォーマーが楽しめる
美しいグラフィック
マスクやキャラの違いによってアクションが多彩
残念なところ
アクションが苦手な人への救済措置がほぼない
オススメな人
アクションゲームが好き
歯応えのある難易度に挑戦したい
クラッシュシリーズのファン
フザケたノリが好き
オススメではない人
アクションゲームが苦手
お助け機能が欲しい
こちらも底抜けに明るい3Dプラットフォーム+シューティング。様々な惑星でド派手で爽快な大冒険が味わえる高評価作。
クラッシュがスマホでも楽しめる。『クラッシュ・バンディクー』そのものが味わえるランゲーム。
クラッシュ・バンディクー 4 とんでもマルチバース
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