『Raji An Ancient Epic』レビュー: ゴルーのお姉ちゃん『ラジィ 古の伝説』
『Raji: An Ancient Epic ラジィ 古の伝説』とは、Nodding Heads Gamesが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
インドや昔のヒンドゥー教文化がテーマになっていて、ゲーム全体を通してインドの雰囲気全開だ。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作と似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
姉と弟
主人公はタイトル通りのラジィ。彼女には幼い弟のゴルーがいる。
2人は2人きり。親はいない。
2人はお祭りで大道芸のような見せ物をして生活している。
ラジィは綱渡り、ゴルーは影絵のような人形劇を演じてお金を稼いでいる。
ゴルー!ゴルー!ゴルー!
ある日、ゴルーが神様と悪魔の神話を上演していると。
なんと、まさか。
悪魔が本当に出てきた!
大暴れしまくる悪魔は、なぜか子供たちを攫って行ってしまう。
ゴルーも捕まってしまい、駆け寄るラジィと引き離されてどこかへ連れて行かれてしまう。
しかも、ラジィは悪魔にバチンと殴られて気を失ってしまう。
神パワー
気絶した後、不思議な場所で目覚めたラジィ。
ゴルーの行方が分からず悲しみに暮れるラジィは、神様の像にすがるようにゴルーの無事を祈る。
すると、なんと、神様から返答あり!
神様から力を授けてもらったラジィは、神様たちに見守られながらゴルー救出に向かうことになる。
ゲームの特徴Features
謎解きもバトルもあり
本作は、物語の進行と共に舞台が変わっていく。基本的には一本道。
所々では謎解きもあるし、特定のエリアではバトルも発生する。
場所によって変わる戦い方
バトルでは、武器を使った攻撃とローリング回避が可能。
武器は、槍、弓、盾と剣の3種類で、挙動は全く違う。
また、3体の神様の加護を受けて、雷、炎、氷の属性を武器に付与することが出来る。
例えば、槍に雷の属性を付けると攻撃中に敵に雷が落ちたり敵が感電してスタンするなどの追加効果が発生する。
どの武器にどの属性を付与するかの組み合わせはいつでも自由に替えられる。
本作では、敵に遭遇してバトルが始まると、一定のエリア内で戦うことになる。そして、このエリア内にある環境を攻撃に利用することもできる。
壁に向かって走ると壁ジャンプからの攻撃、柱の周りで○ボタン(PS版)を押すと柱をぐるっと周り勢いをつけた攻撃に挙動が変わる。
オーブと体力
基本は一本道だけど、たまに脇道がある。
その先には、体力上限アップアイテムや御加護オーブが隠されている。
オーブを消費すると、武器に各属性のどの追加効果をどのくらいの威力で発生させるかを割り振ることが出来る。
オーブの割り振りはいつでも好きな時に出来るし、振り直しも可能。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
お姉ちゃんが弟のために猛烈なパワーを発揮する物語。
危険を顧みず弟を助けにいくラジィの勇敢さが凄すぎる。開花していく身体能力もすごいけれど。
ヒンドゥー教の神様にまつわるお話も所々で登場する。ゲームではギリシャ神話がよく登場するけれど、ビンドゥー教の神話はかなり新鮮。
ラジィを見守る神様たちがナレーションも担当しており様々な宗教的な背景を説明してくれる。
キャラクターの魅力
3.5
ラジィの弟愛が溢れている。
ゲームクリアした後もラジィが「ゴルー!ゴルー!」と呼ぶ声が耳に残ってるくらい、「ゴルー!」なお姉ちゃんだ。
でも、ラジィは敵と戦っている時は「このくらいでやられないわよ!」とか言ってるし、強気。
強くて優しくて透き通った心の持ち主。ラジィはまさにヒロイン!
操作性
3.5
同じボタン操作のコンボでも立ち位置と武器で挙動が変わる。
コンボは滑らかに繋がるし、気持ち良い。
しかし、本作の視点はかなり遠く、ラジィはドレスを着ていて三つ編みにしたロングヘアはゆらゆら動く。
そう、ラジィの向いている方向が分かりにくいのだ。
ところが、本作では攻撃ボタンを押すと、ラジィが向いている方向の敵が自動でターゲットになる。
「え!攻撃したいのはそっちの敵じゃないんですけど!」とか「うわ、すぐ近くに敵がいるのに遠くの他の敵がターゲットになってる!」となることも。
探索中も同じ原因で変に苦労することがある。
まさかの方向にジャンプしたり、なぜか特大ジャンプになって転落死したり。
アクション自体は面白いだけに残念。
難易度バランス
3.5
バトルの難易度は厳しくない。
敵が大量発生することもあるけれど、神様の御加護がかなり強いのでサクサク攻略することが出来る。
ただ、上述した操作性の問題で、変に難しくなる時があるのは残念。
ゲーム自体の難易度とは違うけれど、謎解きのギミックを操作するボタンが表示されなかったり、加護の付け替えのチュートリアルがなく、手探りでシステムを理解しなければならない部分がある。
ゲームシステム
4.0
ほぼ一本道ではあるけれど、マップ構造が面白くて探索している感がしっかり味わえる。
謎解きを少々交えつつ、武器によってしっかり挙動が変わるバトルを楽しみながら進む、いい配分。
ボリュームはそんなに多くなく、中だるみもせず最後まで楽しめる。
ただ、終盤は「これまでのバトルは何だったのか…」となる展開で、ちょっと不満が残った。
やりこみ要素
3.5
寄り道して御加護オーブや体力上限アップを集めたり、色んな神の御加護を組み合わせて立ち回りを考える。
それらがやり込み要素だけど、それを満喫するにはややバトルが少なめなのが残念。
バトルシステムが面白いので、もう少し戦いたかった。
グラフィック
4.0
インドの雰囲気満点の美しいグラフィック。
宮殿とか蓮が浮かぶ水面とか、色とりどりだし、本当に綺麗。
インドが舞台のゲームの経験があまりないので、かなり新鮮でもあった。
上述の通り、バトルでは視点が遠すぎて困るカメラ位置だけど、先が見えそうで見えなかったり、眼下に広がる宮殿がバーンと映ったり、世界を眺めるという点ではカメラワークが良い。
ちなみにカットシーンは全て影絵になっている。
サウンド
3.5
BGMももちろんインドな雰囲気抜群。
バトルが始まるとBGMにドンドコドンドコと太鼓の音が加わってアップテンポになる。
BGMがぶつ切りにならずバトルに入るのが、ゲームプレイの滑らかな挙動と合っていて良い。流れるように進むゲームだ。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
インドの雰囲気満点
独特なバトルシステム
適度なボリューム
残念なところ
バトル時に視点が遠すぎる
主人公が向いている方向が分かりにくい
終盤の展開が、うーん?
オススメな人
アクションゲームが好き
個性的なゲームを探している
インドの雰囲気が好き
オススメではない人
精度の高いアクションを求めている
視覚的に迫力のあるバトルが好き
長時間遊べるゲームを探している
RUINER ルイナー
こちらはお兄ちゃんのために戦う弟が主人公のアクションゲーム。本作よりアクション度高め。サイバーパンクな世界とハクスラなバトルが魅力。
Lost in Random ロストインランダム
こちらはお姉ちゃんを救うために大冒険する妹が主人公のアクションアドベンチャーゲーム。サイコロを使ったかなり個性的なバトルシステムや独創的な世界設定も魅力。
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