『Knights of Honor 2 Sovereign』レビュー: ど素人王様の策略
『Knights of Honor II: Sovereign』とは、Black Sea Gamesが開発したリアルタイムストラテジーゲーム。
本作はPCでプレイ可能。マウスとキーボードのみで操作できる。
マルチプレイも可能だけど、本稿ではシングルプレイのキャンペーンについてのレビューを行っている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
歴史は変わる
本作に物語要素はない。
最初に1110年、1224年、1360年のどの時代から始めるかと、どの国を自国とするかを選択するのみ。
それだけだ。
史実モードでプレイすると、初期状態や各国の動きは史実がベースになるけれど、その後はプレイヤーの行動によって歴史は変わっていく。
ゲームの特徴Features
どんな国を目指すのか
上述した通り、どこかの国の王になってゲームが始まる。
目指すのは、世界皇帝か世界征服か豊かすぎな国だ。
世界皇帝とは、名声を上げて列強国と呼ばれる大国ランキング上位に入り、さらに投票を行なって他の列強国から「君の国が1番だ!」と認めてもらうことで達成できる。
世界征服は、その名の通り他国を占領したり配下に置く。武力を以って全てを統治する支配国になれば達成できる。
豊かすぎる国とは勝手に私がつけた名前だけど、アドバンテージと呼ばれる特産品など全種類の資源を有することで達成できる。自国で産出するか、輸入でまかなうことで達成できる。
国づくりと政治
ゲーム内では常に時間が流れていて(一時停止はできる)、自国も他国も自動で変化していく。
自国では、王と直属の臣下に指示出しして政治を行い、細かく州にも分かれている国内に施設を建てたり軍隊を配置して国を豊かにしていく。
王と臣下にはクラスがあり、クラスによってできることが異なる。
外交官なら他国と手を結んだり関係改善も出来るし、商人なら他国と貿易協定を結ぶことが出来る。しかし、こうしたコマンドを発動するには特定の資源が一定数必要だ。
資源は、国内に建てた施設で刻々と生み出されるので、自国が充実していないと政治もできないというわけだ。
他国との戦い
他国との競い合いも重要な要素。
任意の国に自ら戦争を仕掛けることも出来るし、他国が攻め来たら防衛しなけばならない。
戦が始まったら、自ら軍を指揮するタクティクスバトルもできる。
しかし、戦争は軍も国も疲弊させ「戦争づかれ」が溜まるので注意。
自国には各階級の満足度があり、不満が溜まると反乱が起こる。
正面突破だけではなく密偵というクラスがあり、他国へ臣下を潜入させて有力者を買収したり反乱や戦争を誘発させて他国の内部崩壊を謀ることもできる。
もちろん見つかって捕まる可能性もあるけれど。
老化する
本作では時間の経過と共にみんな老化していく。
特に王の老化は深刻な問題で、寿命などで死んでしまうと他国との関係が切れたり自国の影響力が落ちてしまう。
というわけで、世継ぎだ。王が誰かと結婚していると、子供が生まれ成長していく。彼らにもクラスを設定することができる。
子供は他の王家と政略結婚させて他国と友好関係を結ぶことも出来るし、大人になれば王位継承者として即位もできる。
こうして世代交代しながら自国を繁栄させていく。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
物語要素はないので評価なし
物語は勝手に自分で妄想するのみ。
キャラクターの魅力
キャラクター要素も特にないので評価なし
歴史に忠実に製作されているので、史実上の王様達が登場するけれど、特別なセリフなどはない。
操作性
3.5
マウスだけでもほぼ全て操作できる。
UIも分かりやすく、各機能にすぐアクセス出来るようになっている。
ただ、視界がやや狭い。世界地図で全体を見ることはできるけれど、自分が選択している場所をもう少し遠めから見れると良かった。近くで起こっている戦いや近場の国の状況は、やはり1番気になる。
そして、これは私がヨーロッパの歴史に詳しくないせいなんだけど(現在は存在しない国名も多い)、どの国がどこにあるかが把握しにくい。州都の名前ともなると大量だ。
で、臣下をどこかの国に派遣しようとする時には、対象国をリストから選ぶのみ。ズラーッと国名が並んでいて「どれがどこ?」だ。
リスト上で国名を選択したら場所も表示してくれると分かりやすかったと思う。
そして、国名を把握し始めても、大量にある国名リストをスクロールしまくって選ぶことになるので、なかなか面倒くさい。
難易度バランス
4.0
私は、国同士が戦うストラテジーゲームのプレイ経験がほぼないので、最初はシステムを理解するのが大変…と思いきや、分かりやすかった。
確かに出来ることは多いし、様々な影響を考えて決断を下さなけらばならない。覚えることは多い。
でも、本当の政治のように変化するので、「この分野に力を入れたら、こうなるだろう」というのは予想しやすい。
難易度は選択できるけれど、どの国で始めるか、どう行動するかによって、かなり難易度は変わる。プレイヤー次第だ。
私は、初めてプレイした時にノーマル難易度でフランスを選択(現在まで長く続いている国なので安全だと思って選択)してプレイし、早々に大国ドイツにケンカを売ってしまって、かなり大変なことになった。
でも、滅亡はしなかった。「敵の敵は味方」が通用するし、密偵による諜報活動もしっかり強力だ。
どんな方法でも攻略が目指せるようにちゃんと調整されている。
ゲームシステム
4.0
たくさんの国の中でのし上がっていくしっかり頭を使うストラテジーが楽しめる。
システムは複雑そうに見えるけれど、私のような初心者でも分かりやすい(実際に活用できるかは別として)。
他国との正面衝突を避け、国の名声や自国を豊かにすることでゲームクリアできるというのも面白い。
この手のゲームに慣れている人にとっては物足りないのかもしれないけれど、王様初心者にとってはとっつきやすかった。
あと、単純に大量の国がそれぞれ史実に基づいて変化していくのが面白い。
色んな国から和平協定が来たり金銭を要求されたり宣戦布告されたり、ポンポンと何かが起こるので、プレイを始めると数時間くらい没頭してしまう。
やりこみ要素
4.5
どの国でプレイするか、それだけでもたくさんの選択肢がある。なんと、200以上。
フランスを選択してプレイしたと上述したけれど、また別のプレイでは地理的に分かりやすいイギリスを選択した。
そして、戦争を極力避けようという方針でプレイしてみると、また全く別のプレイ体験に大変身。
多くの国と協定を結び、貿易を活発に行い国の施設も充実させていると、領土の大きさは変わらずとも列強国入り出来る(イギリスはスタート時点で既に豊かではあるけれど)。
色んな国を選択し、様々な方針でプレイするとなると、かなりたっぷり遊べる。
ちなみに、マルチプレイでは協力プレイや対戦も出来る。
グラフィック
3.5
遠めから見ることになるので、高精細なグラフィックである必要はないし、実際高クオリティグラフィックというわけでもない。
迫力がある演出も特にない。
その分、カットシーンなどに邪魔されず黙々とプレイできる。
サウンド
3.5
BGMは控えめ。効果音も控えめ。
ひたすら黙々とプレイする。
臣下を選択したり何かを命じると、ちゃんと「分かりました、王様!」といったセリフをボイス付きで言ってくれる。
ただし、密偵クラスの臣下は「ぐふふ、俺に任せておけ、ニヤニヤ」みたいな調子なので、そのうち後ろから暗殺されるんじゃないかと心配になる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
評価なし
良いところ
初心者でも分かりやすい
大量の国から選択してプレイできる
攻略方法が複数ある
残念なところ
一部操作が面倒くさい
国や州都の名前を覚えるのが大変
オススメな人
国同士で競うストラテジーゲームが好き
色んな要素を考えてプレイするのが好き
王様になりたい
長時間遊べるゲームを探している
オススメではない人
複雑なゲームが苦手
政治に興味がない
覚えることが多いと面倒くさくなる
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Knights of Honor 2 Sovereign
ど素人王様の策略
史実に基づいた中世ヨーロッパで、好きな国を選び好きな方針で自国を繁栄させていけるリアルタイムストラテジーゲーム。 このジャンルに馴染みがなくてもプレイしやすく、様々な攻略法が試せる。
Knights of Honor II: Sovereign
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