『Lost in Play』レビュー: 振り返ったら異世界 – ロストインプレイ
『Lost in Play ロストインプレイ』とは、Happy Juice Gamesが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
11sheepと共にポイント&クリックADV『The Office Quest オフィスクエスト』の開発に携わったデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私はPC版をプレイ。
『Lost in Play ロストインプレイ』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。
あらすじStory
夢の世界
ゲームが始まると、どこかの草原に赤毛の少女が満面の笑みで立っている。
そこから小人やカエルとお茶会したりと、摩訶不思議なことばかりする少女。どうやら、これは少女の夢の中のようだ。
ちなみに、この夢はチュートリアル。本作にはセリフはなく(キャラ達は喋っているけれど意味は分からない)、テキスト情報の表示もない。
夢の中でゲームの進め方をひと通り習ったら、いよいよ目覚めの時だ。
兄妹
チュートリアルな夢を見ていた少女は子供部屋のベッドで目覚める。隣のベッドではお兄ちゃんが寝ている。
ゲーム内ではちゃんとした説明はないけれど、兄妹の名前はTotoとGal。
先に目覚めた妹は遊びたくてたまらない。眠っているお兄ちゃんをツンツン、ツンツン。
それでも起きないお兄ちゃん。遂には兄の耳元で目覚まし時計を派手にジリリリリ!と鳴らす妹。
あまりの爆音で、さすがに目を覚ましてくれたお兄ちゃんだけど、すぐにゲーム機を取り出してゲームに夢中。妹の相手をする気なんて1ミリたりともなさそうだ。
突然、奇妙な世界へ
なんとかお兄ちゃんの気を引きたい妹は、本を参考に怪物マスクを自作してみる。
そして完成したマスクを被って、ゲームに没頭するお兄ちゃんに忍び寄り「ばあっ!」。
もしお兄ちゃんがホラーゲームをプレイしている最中だったら、心臓が飛び出ただろう。
驚いたお兄ちゃんは、遂に妹と遊ぶスイッチが入り、怪物のマスクを被った妹と追いかけっこしながら家の外へ駆け出して行く。
ところが、2人が家の門をくぐった瞬間、怪物マスクを被った妹は本物の巨大なモンスターに変貌してしまい、周囲の様子も一変する。
こうして不思議な世界に迷い込んでしまった2人(うち1名は怪物化)は、一体どうなってしまうのか。2人は無事に家に帰れるのだろうか(妹は人間にも戻らなければ)。
ゲームの特徴Features
謎解き
本作は、ポイント&クリックでプレイする。
様々なものを調べてキーアイテムを手に入れ、それを特定の場所で使うと先に進めるという流れだ。
手に入れたアイテムはバッグに入り、使える場所に来たらバッグからアイテムを選ぶだけ。
使うアイテムが間違っている場合は、主人公たちが「違うよ」と首を横に振ってくれる。
ゲームはいくつかのチャプターに分かれていて、チャプターごとにリプレイも可能。
記事はさらに下に続きます
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
摩訶不思議だ。
出会う人たち(人じゃないキャラばかりだけど)はヘンテコだし、どんどん風景も変わっていく。
ただ、あくまでも穏やかなヘンテコだ。
見ていて楽しいけれど、主人公達は妙な展開が起こってもリアクションが薄めだし、演出もあっさりめ。
クスクスッと笑えるほのぼのカートゥーンという感じ。
一見にぎやかに見える画面だけど、プレイしている時の私は意外と超真顔なことが多かった。
本作は「まるでカートゥーンをプレイしているみたい!」が謳い文句になっているけれど、アメリカンなカートゥーンのノリを期待してプレイすると、ちょっと物足りなく感じると思う。
キャラクターの魅力
4.0
人形劇に夢中なタコや、お気に入りメニューのピザを食べたくて仕方がない泥棒、剃っても剃っても生えてくる髭(トゲ)に悩むサボテンなどなど。
1人たりともつまらないヤツはいない。
デベロッパーが『Gravity Falls グラビティフォールズ』などから影響を受けて本作を開発したと言っている通りの雰囲気だ。
主人公2人の何かを企んでいるような満面の笑みは可愛いけれど、2人自身は突拍子もないことをするわけではなく、イタズラっ子というわけではない。
主人公達よりNPCの方が個性強め。
操作性
4.0
ポイント&クリックゲームなので、操作が難しいゲームではないし、プレイしていて特に問題もなし。
調べられる物に近づけば自動で調べるアイコンが表示されるし、分かりやすい。
難易度バランス
4.0
謎解きは、その場で周りをよく見て考える。
解き方や何をすべきかなどについてセリフでの誘導はないので、ちょっと変わっている場所や絵柄の規則性を探すのが攻略の糸口になることが多い。
「なんで解けた?」と疑問が残るような妙な解き方はなく、良質な謎解きばかり。
調べられる物を全て触ってみれば自ずと解き方が見えてくるけれど、それでも分からなければ、ざっくりとしたヒントを見ることもできる。
また、道中ではミニゲームのような対戦ゲームが始まることがある。
それぞれ独自のルールになっているけれど、対戦相手の珍妙生物たちはかなり本気で負かそうとしてくるので、しっかりゲーム内ゲームとして楽しめる。
ゲームシステム
3.5
オーソドックスなポイント&クリックゲームだ。
謎解きは多種多様で、いくつかの画面を行ったり来たりすることもある。
でも、そんなに複雑ではなく、誰でも気軽に楽しめる分かりやすさ。
ただ、探索してアイテムを探して来たり上述した対戦ゲームのようなパズルが多いので、頭を捻って考えるという謎解きは少なめ。
解けた時に「あ!なるほど!」と目からウロコがこぼれ落ちるような体験はあまり出来ない。
やりこみ要素
3.0
一本道だ。
たまにほんのちょっとだけ寄り道があって、そこで特定のシーンを目撃したりすると実績解除となるけれど、特に明確なやり込み要素というのはない。
グラフィック
4.0
本作の一番の魅力はまさにカートゥーンを見ているようなグラフィック。
色鮮やかでポップ。海外のカートゥーンが好きな人なら絶対気に入るはず。
私も、本作のグラフィックに惹かれて購入したクチだ。
ただ、あまり派手なカートゥーンならではの演出はないのが残念。
サウンド
3.5
摩訶不思議でカートゥーン調だって?さぞかしにぎやかなBGMが流れているんだろうな!
と思いきや、音楽はかなり控えめ。
楽しい曲調ではあるけれど、ささやかにBGMが流れているくらい。
にぎやかでドタバタした感じを期待していたので、ちょっと残念。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
カートゥーン調のグラフィック
多種多様な謎解き
誰でもプレイしやすい難易度
残念なところ
頭を捻るような謎解きではない
物語描写や演出があっさり
オススメな人
ゆったりプレイできるゲームを探している
カートゥーンな絵柄が好き
短時間で攻略できるゲームを探している
オススメではない人
複雑な謎解きに挑みたい
笑えるドタバタ劇を期待している
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
TOHU
カートゥーン調のポイント&クリックゲームなら、こちらもおすすめ。不思議な世界で様々な謎解きが楽しめる。
Samorost 3 サモロスト3
壮大で奇妙な世界が舞台の高評価ポイント&クリックゲーム。しっかり悩める謎解きがたっぷり楽しめる高評価作。あたたかみのある手描き調のグラフィックも魅力。
Lost in Play
振り返ったら異世界
カートゥーン調のグラフィックが魅力のパズルアドベンチャーゲーム。
誰でも気軽にプレイしやすい様々な謎解きが楽しめる。
やや盛り上がりに欠けるけれど、安心してほのぼのとプレイできる。
Lost in Play
Copyright Happy Juice Interactive LLC 2022
https://www.happyjuice.games