『Call of the Sea』レビュー: 独り言がハンパじゃない
『Call of the Sea』とは、OUT OF THE BLUE GAMESが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
一人称視点でプレイする。
本作は、PS5、PS4、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
南の島
1934年、太平洋のどこかにある南国の島が舞台。
ノラという女性が島に到着するところから物語は始まる。彼女が本作の主人公だ。
ノラは、南の島でバカンスしようってわけじゃない。行方不明の夫ハリーを探しに来たのだ。
ノラの病
夫ハリーが家庭から逃亡したとか、浮気相手とバケーションしてる現場を押さえてやろうとか、そういう話ではない。
ハリーはめちゃくちゃ愛妻家だ。
実は、ノラは身体に黒い斑点のようなアザのようなものが広がる謎の病気を患っている。
その病気を治す手立てがこの謎の南の島にある。そう聞きつけたハリーは、この島へ調査に来た。
ハリーの行方
治療法を探す頼もしい夫、そこまで良かったけれど、ハリーは島に到着後音信不通になってしまった。
で、病から助けてもらうはずのノラ自身がハリーを救出しに来たわけだ。
という、元も子もないような話だ。
ノラは、島に残るハリーの手がかりを追っていく。
そして、もしかしたら、自分の皮膚に広がる黒いシミの治療法が分かるかもしれない。
ノラは徐々にこの島に眠る秘密に近づいていく。
ゲームの特徴Features
手がかりから謎解き
本作は、純粋なパズルアドベンチャーゲーム。
アクションやバトルはない。ひたすら謎解きをする。
物語はいくつかの章に分かれていて、各章のなかでいくつか謎解きをする。
一度攻略した章は、メニュー画面から選択してリプレイも可能。
謎解きの基本は、まず歩き回り調べられる場所を片っ端から調べていく。
謎解きには必要となる情報はノラがノートに書き留めていってくれる。
ギミックがある場所に来たら、見つけた手がかりを元にギミックを操作する。
手がかりを書き込んだノートはいつでも見ることが出来るので、確認しながら作業ができる。
観光もしてみる
探索中には、謎解きに必須ではない情報もたくさん見つかる。
ノラは1人で探索していくので、何かを見つけてはブツブツブツと独り言を喋るのみなんだけど、そこからハリーに何があったか、島に何が隠されているのかが分かってくる。
そうした情報は、ノラのノートの「ログ」の項目に日記として書き足されていく。
やり込み要素ではあるけれど、物語をよく理解するために様々な情報も集めていくのがおすすめ。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ノラの独り言によって物語が進んでいく。
「そんなに1人で喋る?」とツッコミたくなるくらい独り言を喋りまくってくれるので、物語は分かりやすい。
分かりやすいとは言っても、常識では考えられない「何か」がテーマなので、謎が更なる謎を呼ぶ不思議な物語だ。
とにかく先が気になりすぎるので、どんどん進みたくなる。
それぞれの章は長くはないし、盛り上がる展開もあるし、物語が展開していくテンポがいい。
白熱のバトルやアクションがなくても飽きない。
キャラクターの魅力
3.5
ノラは原因不明な病気を患ってるし、最愛の夫が行方不明。
だけど、かなり楽観的。
「一体なんなのかしら?」と怯えてる素振りを見せつつ、その次の瞬間「あら、これって面白いわねー」なんて言ってる。
それによってホラーな雰囲気ではなく、島で何があったのかを推測していくミステリーな感覚で楽しめる。
操作性
3.0
そこかしこにあるものを調べたり、スイッチ入れたり。やることは、それだけ。
それだけなんだけど、正直、操作性はあまり良くない。
3Dのポイント&クリックゲームみたいなものなので、コントローラー操作だとまどろっこしさを感じる。
PCでキーボードやマウスで操作したほうがプレイしやすいと思う。
対象物の結構近くまで行かないと調べたり操作できないし、「これが調べられるよ」アイコンがなぜかすごく小さい。
色んな場所を探しまくらなきゃいけない上に、対象物の前の正しい位置に立たないとアクションできない。というわけで、ぐるぐる回る。というわけで、3D酔いしやすい。
各章の謎解きの量はいいくらいなんだけど、1つの章を終えたら休憩しなきゃってなるくらい、酔いやすかった。
難易度バランス
4.0
謎解きの難易度は、そこそこ。
隅々まで調べ回らないと手がかりは揃わないし、更にその手がかりそのままではなく、情報をよく見て考えないと解けないようになっている。
でも、ノラが「これよ、これ、ね?(チラッチラッ)」とプレイヤーに分かるようにヒントをぶつぶつと独り言で喋ってくれるので、詰まるようなことはない。
ゲームシステム
4.0
物語を追っていくのがメイン。
で、その物語は、ノラの病、夫ハリーに何が起きたか、そして島の謎、といった感じで気になることがバラバラと散らばっているので、とにかく先が気になる。
しかも、ストーリーに没頭させてくれる難易度やテンポの良さなので、余計に先を見たくなる。
謎解きは、手がかりとなる情報集めの方がメインなので、考えるより歩き回っている時間の方が長い。
でも、1つの謎解きが次の謎解きの手がかりになるようになっていて、謎解きの面白さもしっかり味わえる。
ちょっとした手紙や写真にもノラがペラペラと感想を言ってくれるので、物語を聴きながら島を探検している気分だ。
やりこみ要素
3.5
やり込み要素は、壁画を見つけたり、日記をたくさん書き込んだりといった、手当たり次第にくまなく調べまくる内容になっている。
かなり細かな部分まで調べられるものが隠れているので、島の隅から隅まで探索する気にさせてくれる。
ただ、感想を言うのは常にノラなので、調べるものによってリアクションが大きく変わるわけではない。
グラフィック
4.5
舞台となる島。本作は、もはやノラよりも島自体がメインなので、島が魅力的であれば、本作は魅力的ということだ。
で、大丈夫。ちゃんと島は魅力的だ。
自然いっぱいで綺麗で夕焼けが目に沁みちゃう絶景が見えてたと思ったら、めちゃくちゃどす黒い液体にブワァアアーッて飲み込まれて不気味な景色に一変したり。
島の表情が章によってかなり変わる。
フォトリアルなグラフィックというわけではないんだけど、美しいグラフィック。
不気味な部分がなければ、バケーションでもしたくなる素敵な島だ。
サウンド
4.0
音楽は、環境音の方が大きくて、BGMの印象はあまりない。
自然豊かな島なので、木がざわざわしたり、鳥の声が聴こえたり、時には雷鳴がとどろいたり、この自然の音が良い。
正直、雷が鳴っているなかで謎解きしている時は「雷、うるさーーい!」て思ったけど、思い返してみると雰囲気抜群で良い感じだ。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
没頭できるストーリー
グラフィックが美しい
つながっていく謎解きが面白い
残念なところ
解くというより調べる謎解きが多い
コントローラーで操作しにくい
3D酔いしやすい
オススメな人
謎解きが好き
ゆったりプレイできるゲームを探している
超常現象系のミステリーが好き
オススメではない人
探索しまくるのが面倒くさい
3D酔いしやすい
悩む謎解きをしたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
とある古びた施設を探索し、自身の出生の秘密に迫っていくアドベンチャーゲーム。幽体離脱して2画面で探索するのが特徴で、ややホラー要素あり。
こちらも主観視点でプレイするアドベンチャーゲーム。カメラを仕掛けてリスたちの生態を調査しているうちに、陰謀を解き明かしていく物語が楽しめる。独特なグラフィックも魅力。
Call of the Sea
独り言がハンパじゃない
美しくも不気味な南の島で夫と自身の病の謎を解き明かすパズルアドベンチャーゲーム。
島に隠された秘密や行方不明の夫に起こった事件など、謎が明かされていくテンポが良く、物語の先が気になって没頭してしまう。
美しいグラフィックも魅力。
Call of the Sea
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