『KUNAI』レビュー: 喜怒哀楽激しい顔面
『KUNAI』とは、Turtle Blazeが開発したメトロイドヴァニアゲーム。
エリアによって変わる最小限の色のみで描かれたドット絵グラフィックが特徴だ。
本作は、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
ロボットの支配
たくさんのロボットが開発され、あらゆることが便利になった世界が舞台。
しかし、悪意に満ちたA.I.のレモンカス(Lemonkus)が現れ、ロボットを操り人類を攻撃し始める。
そして、世界は、レモンカスをボスとするロボット達に支配されてしまった。
ヒーロー復活
しかし、そんなレモンカスに操られず、平和を取り戻そうとするレジスタンスロボット達もいる。
彼らは、レモンカスに対抗するため古代の戦士の魂を封じ込めたロボットを起動!
それが、主人公であるタビー(Tabby)。
頭はタブレット、体はロボット。古代の戦士だとはとても信じられない見た目のとても可愛らしい忍者ロボ。
タビーはレジスタンス達が収集した情報を頼りに、あちらこちらで様々な強力な武器を手に入れていく。
全てはレモンカスを倒すために!
ゲームの特徴Features
正統派メトロイドヴァニア
古代の戦士の魂が封じ込められているらしいタビーだけど、最初は全く何も出来ない。
武器を手に入れるところから始まるくらい何もできない。
本作はメトロイドヴァニアなので、新たな武器やスキルを手に入れると進める場所が徐々に増えていく。
工場だとか人工砂漠だとかサブネットなどたくさんのエリアがある。
エリアとエリアが意外なところで繋がったり、隠し通路もある。
そして、もちろん各地にはボスも待ち構えている。ボスもロボットだ。
ちなみに、本作にはデスペナルティはない。
セーブポイントでは体力回復するし、死んでも直前のセーブポイントから復活するのみ。
忍者戦法
タビーのアクションは、忍者そのもの。
刀で近接攻撃。手裏剣など遠距離攻撃も出来る。
また、忍者というキャラ設定ガン無視でマシンガンやロケットランチャーを連射することも出来る。
手裏剣や銃には弾数があるけれど、時間経過で回復する。
近接攻撃の刀には、エネルギー吸収能力という超便利機能が付いており、敵を刀で倒すと体力が回復する。
忍者の移動方法
ゲームタイトルにもなっており本作の最大の特徴がクナイを使った移動。
タビーは右手左手それぞれにクナイをワイヤーで装着している。
で、クナイをシュパッと投げると、壁や天井に刺さる。
天井に両手のクナイを交互に突き刺しながらシュッシュッシュッと空中を移動していくことが出来る。
また、壁に突き刺すと、壁を駆け上がっていくことも出来る。
そして、遠距離武器にも探索に利用する。手裏剣でスイッチを起動したり、マシンガンを下方向に打つことで空中に浮かぶという離れ技も出来る。
アップグレードタビー
各地にはWiFiスポットがある。そこではショッピングが可能。
買えるのは、タビーの新たなスキルが武器の強化。
各武器をグレードアップしたり、攻撃時に新たなアクションが追加されるスキルを購入することが出来る。
また、旅の途中で出会う鍛冶屋では、刀の攻撃力を上げることが可能。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
ストーリーはシンプル。
カジュアルな見た目だし、笑いどころも多いけれど、物語自体は深刻。
起承転結それぞれの盛り上がりがやや少なめ。
キャラクターの魅力
4.5
なんといっても魅力的なのは主人公タビー。
タビーのとぼけた顔!本当に古代の戦士なんだろうか。
と思いきや、攻撃時は鬼の形相になるので、初めて見た時は笑ってしまった。
タビーにセリフはないんだけど、めちゃくちゃ顔面の喜怒哀楽が激しい。
操作性
4.0
本作の1番の魅力は、クナイを刺しながらの移動方法。
クナイを駆使してのバトルも探索もスピーディーで、アクション精度も高くて、プレイしていて本当に気持ち良く楽しい。
高速移動も出来るし、振りをつけて遠くにジャンプしたりもできる。
ただ、大ジャンプしたい時にはクナイを離すタイミングなどコツをが必要で、慣れる必要がある。
難易度バランス
3.5
本作はメトロイドヴァニアなので探索が面白いところだけど、基本的にNPCがどんどん誘導してくれる。
自力で道を見つけ出すのが苦手な人でも詰まることなく進めていけるはず。
マップの構造は把握しやすいし、メトロイドヴァニア慣れしている人なら、まず迷わないと思う。
自力で道を見つけるのが好きな人にとっては、少し物足りなさを感じるかも。
謎解きやプラットフォーム的なテクニックが求められる場面でもボス戦でも、苦戦することはほぼない。
ゲームシステム
4.0
「カジュアルな感じかな」「グラフィックがレトロだし、大味なアクション精度かな」と思っていた。
しかし、しっかりと作られたメトロイドヴァニアだった。
新たなスキルが登場するタイミングと行ける場所が増えていくサジ加減が絶妙。
ボスは戦い方がどれも違っているし、マップも広いし、やりごたえは抜群。
随所に、他の有名ゲームを彷彿とさせる場面もあってニヤリとしてしまうことも。
ついつい、「もう少し!もう少し!」とプレイを続けてしまう。メトロイドヴァニアならではの中毒性が存分に味わえる。
やりこみ要素
4.0
タビーの顔というか頭部はタブレット。
各地の宝箱からは帽子が見つかる。帽子とは言っても、タブレット顔面の上にちょこんと乗せてるだけだったり、タブレットケースのようにズボッと被ったり。
種類はかなり多いけれど、タビーの性能が変わるわけではない。
単純にファッションであり、収集要素だ。
ただ、見つけた時にタビーがめちゃくちゃ嬉しそうな顔をするので、積極的に集めてあげたくなる。
グラフィック
4.0
レトロなドット絵グラフィックで、2、3色ずつくらいしか使われていない独特でミニマルな配色。エリアによって配色は変わる。
シンプルなんだけど、ロボットはコミカルに動くし、上述したけれどタビーの表情が最高。
サウンド
4.0
音楽もレトロ。ピコピコ音楽。
グラフィックと合わせて、レトロゲーム好きな人なら気に入るはず。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
独特でレトロな雰囲気
クナイを使った移動が気持ち良い
主人公の表情が良い
残念なところ
自分で道を見つける楽しさは少なめ
物語の盛り上がりが少なめ
オススメな人
メトロイドヴァニアが好き
レトロな雰囲気が好き
サクサク攻略できるゲームが好き
オススメではない人
歯ごたえのあるゲームを探している
自力で道を見つけたい
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KUNAI
喜怒哀楽激しい顔面
独特な配色のドット絵で描かれるレトロな雰囲気が楽しめるメトロイドヴァニアゲーム。
天井や壁にクナイを刺したり、マシンガンで浮遊するなど、独創的な移動方法が魅力。
KUNAI
https://www.kunaigame.com/
©The Arcade Crew – TurtleBlaze – 2020