
Sabotage Studioが開発した2Dアクションゲーム。プラットフォーマーであり、ほんのりメトロイドヴァニア要素もある。
ゲーム画像を見たら一目瞭然だけど、ドット大きめのピクセルアートなグラフィックで、サウンドもチップチューン。完全にレトロな雰囲気だ。
本作には新しいエリアとストーリーが加わる無料追加DLC『Picnic Panic』も配信されている。
また、本作と同じ世界線の前日譚を描く『Sea of Stars』も開発されている。こちらはターンベースRPGということで別のゲーム性になるそうだ。
『The Messenger』は、PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。
私はXbox版をプレイ。
あらすじ
主人公は隠れ里の忍者。やや不真面目な忍者だ。

「忍者の修行じゃ!」と言われて、「やれやれ」とチュートリアル的な修行をしていると。
ゴゴゴゴゴゴゴ。
と不穏な空気が漂ってきたかと思った途端に里の人々は皆殺しに。悪魔軍団の襲撃を受けてしまう。

「西から勇者が来るはず!」といった趣旨のことを里の長はつぶやく。

で、そこに台本通りに勇者が颯爽と現れて、主人公に巻物を渡してくる。「巻物を東の山にいる賢者に届けろ!」と。
というわけで、主人公はタイトル通りのThe Messenger(使者)となって東へ巻物を届けにいくことに。

しかし、この使者という役目。ただの巻物を届ける係ではないことが、明らかになっていく。主人公は、壮大な世界の謎を知ることになる。

ゲームの特徴
ミスせず進め
主人公はジャンプと近接攻撃が出来る。敵やオブジェクトを斬ると、その反動で2段ジャンプも可能。

また、ゲームを進めていくと、壁登り、滑空、鉤縄や手裏剣など、徐々に出来るアクションは増えていく。

オブジェクトを壊したり、敵を倒すと手に入る「時のかけら」を消費すると、スキルツリーを解放出来る。ステータスのアップグレードが可能。

敵だけではなく、落とし穴やトゲ地獄を上手く避けながら、先へと進んでいく。
激変するゲーム性
ネタバレになるので経緯は伏せるけれど、ある時からゲーム性が変わる。
基本は右へ右へ進んでいくシンプルな2Dアクションだったのが、あっちへこっちへ探索するメトロイドヴァニアっぽさが出てくる。

さらに、8bitな世界と16bitの世界を切り替えながら進む。どう切り替えればいいか、ちょっと考える必要もある。

よく似ているけど違う
8bitと16bitの世界が切り替わる
評価

物語の魅力
ストーリー 4.5
キャラの魅力 4.0
「主人公は使者って言ってるけど、悪魔軍団のボスをうっかり倒しちゃうみたいな流れかなあ。」と思いながら、のほほんと山へと向かった。
しかし、全く予想してなかった方向に物語は展開していく。
ゲーム性も変わるし、突然の展開からの急展開で、「え、おお!?そんな話!?」と口があんぐり。

何回もある驚きの展開はネタバレになってしまうので詳細を書けないのがもどかしい。
とりあえず、このゲームをプレイした人は、「思ってたのと違う!」という感想になるはず。でも、それは「良い方向に違う」なので、ご安心を。
正直2Dアクションなので、ストーリーにはそんなに重視してなかったんだけど、いつのまにか物語に夢中になってた。
本作にはメタ的なセリフやアメリカンジョーク的な話がたくさん出てくる。アクションゲームだけどセリフの種類が豊富。
日本語翻訳が素晴らしくて、店主との会話では何回も笑わせてもらった。


芸術性
グラフィック 3.5
サウンド 4.0
見るからにレトロ。そこは、もう完全にレトロ。特にモダンさとかもなくて、完璧にレトロ。
8bitと16bitの世界を切り替えるっていう発想が面白い。効果音とかBGMも敵のデザインも全部変わる。

BGMはのレトロな雰囲気のチップチューンなんだけど、カッコいい曲揃い。ゲーム終わってもサントラ聴きたくなるレベル。
ちなみに、主人公は忍者だけど、BGMは和風っていうわけではない。

快適さ
操作性 3.5
バランス 4.0
キビキビ動く。操作自体は難しくはないし、操作性も良い。
タイミングよく素早くボタン入力が求められることが多い。空中で敵を斬って飛んで、次の敵も斬って飛んで、壁に鉤縄飛ばして…と、空中をシュバッシュバッシュバッと飛び移っていく。大変だけど、気持ち良い。

レトロスタイルだけど、当たり判定とかアクションの挙動は精度が高い。「え、そこで当たる?」という悪いレトロさは再現されていないので安心。
道中でもボス戦でも、よく死ぬ。ボスは何段階か攻撃パターンが変わるし、やりごたえのあるアクション。

でも、理不尽さはない。トゲ地獄でダメージ受けても主人公が点滅してる無敵状態の間に先に進んでしまおうというゴリ押しも許してくれる。
プレイしていて唯一ストレスになったのは、壁へばりつき。
壁に近づくと自動で壁登りスタイルになって壁にくっついてしまう。
主人公の全身に強力接着剤でも付いてるのかって思うほど、意図していない時にも壁にピターンってくっついていく。壁大好き忍者。

面白さ
システム 4.0
やり込み 4.0
面白い。2Dアクションが好きならオススメ!と言える良質アクション。
レトロっぽさが目立つけれど、別にレトロが好きじゃなくても普通に楽しい。よく作り込まれてる。
1番の面白さは、突然のゲーム性の変化。メタ的なネタを逆手に取った展開に笑いつつも「あー、そうくるか!一本取られた!」と感心。

やり込み要素である、力の封印集めは、正規ルートよりアクションが難しい。けれど、何回も何回もチャレンジすればクリアできるようになる。いい難しさ。

お店で時のしずくを払えば、力の封印の場所が全て開示される。「コンプリート目指してね」という開発者の親切さ(?)が嬉しい。やる気がわく。
まとめ
総合評価
4.0
- 良いところ
-
- 単純な物語と2Dアクションからガラリと変わる展開
- やりごたえのある難易度
- 笑えるメタ的なネタなどのセリフ
- しっかり遊べるボリューム
- かっこいい音楽
- 残念なところ
-
- 主人公が壁にくっつきすぎる
- こんな人にオススメ!
-
- 2Dアクションが好き
- 個性的な物語を楽しみたい
- 歯応えのあるアクションを求めている
- レトロな雰囲気が好き
- オススメではない人
-
- レトロな見た目が苦手
- 難しいアクションが苦手
- メタ的なセリフはやめてほしい
アクションが好きなら