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『Sea of Solitude』レビュー: 孤独な心は怪物に、渦巻く感情は洪水に

sea of solitude レビュー

『Sea of Solitude』とは、Jo-Mei Gamesによって開発されたパズルアドベンチャーゲーム

PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS4版をプレイ。

Nintendo Switch版は、新たな要素が加わったディレクターズカット版になっている。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。

画像はタップもしくはクリックすると拡大して見れます。

Index

あらすじStory

大洪水

孤独のあまり怪物化してしまった女性ケイが主人公。

「自分を変えたい」と願いながら目を開けるとなぜか周囲は嵐で大洪水

sea of solitude

水没した街

悪天候のなかボートで進んでいくと暗闇で明るく光る、不思議な少女と出会う。

彼女の力なのか、嵐はたちまち消えて美しい水没した街の光景が広がる。

sea of solitude

怪物とケイ

少女を頼りに進むものの、水面下から大きな怪物が現れて、ケイの行く手を邪魔する。

怪物は、ケイを責めるような言葉を投げかけてきて、おまけにケイを食べてしまおうと水中をウネウネと泳ぎ回っている。

「自分の進むべき道も分からないし、とにかく光る少女を探そう」と、怪物のスキを突いて進んでいくケイ。

しかし、怪物は1体だけではなく、様々な怪物と出会うこととなる。

でも、怪物たちの話を聞いているうちに、ケイは大切な誰かを思い出していく

sea of solitude

ゲームの特徴Features

とにかく進む

sea of solitude

本作はパズルアドベンチャーゲームであり、謎解きしつつ洪水で沈んだ街を進んでいく。

ボートに乗って進んだり、半分沈んだ建物の屋根を伝い歩いたり、時には建物の中も探索する。

何かが起きる場所には、ケイが「キラキラさん」と呼ぶ光の球がガイドとして浮かんでいる。

ケイは走ることとジャンプすることが出来て、ある程度の高さの段差があってもよじ登ってくれる。障害物を乗り越え、飛び越え、とにかく「キラキラさん」の元へと進んでいく。

特定の場所には、禍々しく空中をうねっている黒い煙のようなものがある。

近づいて穢れを払うと、黒い煙のようなものはケイが背負っているリュックへと回収される。こうしてまた先に進めるようになる。

フレア

sea of solitude

時々、「キラキラさん」を見失ってしまうことがある。何をすればいいか分からなくなることもある。

ケイには、もう1つ出来ることがある。不思議な光の球「フレア」を放つことが出来る。

放たれたフレアは進むべき場所へと飛んでいくので、フレアを追いかけるといい。

フレアは、道中でケイを攻撃してくる奴らの撃退にも使うことができる。

食べる気満々の怪物

sea of solitude

ケイは水に落ちても泳ぐことが出来るけれど、水面下から怪物がケイを狙っている。ケイが水に落ちると、怪物がものすごい勢いで襲ってきてケイを食べてしまう。

そうなると、チェックポイントからやり直しになる。特にデスペナルティはない。

足場をジャンプで渡っていく必要がある場合には、水に落ちてしまわないよう注意。

もし泳がなければならない場合は、怪物が迫ってくる前に、急いで泳いで渡りきる。

評価と感想Rating and Impressions

sea of solitude

プレイを始めてすぐに、水没した街の美しさに完全に見惚れてしまった。

そして、突然登場する不気味な怪物。本当に不気味で悪意しか感じられない。

怪物が現れると、辺りは嵐となり暗くなってしまうので、「さっきの美しい街並みをもっと見ていたかったのに!」「嫌なことばかり言うのやめてくれ!」と、怪物から逃げたいし、なんなら倒したいと思った。

でも、怪物の心情が視覚的にもセリフでもしっかり描かれていて、「怪物を倒したい」という気持ちから、「怪物とちゃんと正面から向き合わなければ」という気持ちに自然となっていた。

まさにケイと同じ心持ちになっていたというわけだ。

人間は孤独になると感情が少なくなるのではなく、逆に感情が洪水のように溢れ、内に抱えている問題が大きく膨れ上がる

そういった人間の心理がよく理解できる素晴らしい物語

sea of solitude

そして、ストーリーやグラフィックだけじゃなく、アクションの挙動が滑らかで動かしていて気持ち良かった。

美しく、時には不気味になる街は探索しているだけでも十分面白い

誰かからの手紙やカモメを見つけるなどやり込み要素もあるし、風景も綺麗で、無駄に寄り道したくなることが多かった。

プレイしている最中に「ああ、どういう結末になるんだろう」とドキドキワクワクしていたけれど、意外とスッと終わった。最後の盛り上がりが抑え気味だったのは少し残念。

とは言っても、エンディングでは、「ああ!良い物語だった!」と納得と充足感でいっぱいに。良いゲームだ。

総合評価Summary

4.0

物語の魅力

ゲームプレイの快適さ

ゲームとしての面白さ

芸術性

 

 

 

 

良いところ

心理描写が丁寧な物語

不気味さも美しさも抜群な雰囲気

滑らかな挙動

残念なところ

終盤の展開がやや物足りない

オススメな人

ストーリーを楽しみたい

芸術的なゲームが好き

10時間程度でクリアできるゲームを探している

オススメではない人

心理的な物語に興味がない

怪物と戦いたい

極度に水が怖い

本作が好きならオススメRecommendation

オススメ
GRIS

自分の精神世界を旅していくアクション要素のある高評価パズルアドベンチャーゲーム。テキストやセリフはなく映像のみで美しく心理描写される感動の物語。

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オススメ
Minute of Islands

巨人が棲む島を主人公が、島の修理をしながら自分自身の内面と向き合う物語。自分の気持ちを認め素直になりたいと葛藤する物語を体験することができる。

Sea of Solitude
https://www.ea.com/ja-jp/games/sea-of-solitude
©i 2019 Jo-Mei GmbH.

この記事を書いた人

Taca KGO
運営者

どんなジャンルにも飛びつき、探索好きな涙もろい大人ゲーマー。世界中のゲーム情報をチェックするのも大好き。

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