『GRIS』とは、Nomada Studioが開発したアドベンチャーゲーム。
水彩画のような美しいグラフィックが特徴。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PC、スマホでプレイ可能。私はスイッチ版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
突然、主人公の女性が目覚めるところからスタート。
そこから主人公は、崩れた世界を歩いていく。
ゲーム内ではストーリーがテキストで語られることはなく、セリフも一切なし。

主人公の名前はGRIS。
辛い出来事をきっかけに声を失ってしまった。
そして、自分の精神世界を旅していく。これが大まかなストーリー。
哀しく泣いてトボトボ歩いていたGRISは、着ているドレスに不思議な力を宿しながら回復していく。

ゲームの特徴Features

GRISが旅する世界は、いくつかのエリアに分かれている。
その各所にある光る点を集めながらウロウロする。基本的には一本道だけど。
正規ルートとは別に寄り道もある。行きにくい場所には白い円があることが多い。
この白い円をどれだけ集めたかは、やり込み要素だ。
上述の通り、各地にある光る点を集めるとゲームが進行していく。
一定数の点が集まると、次に進む道が開かれる。
そして、何箇所かでは、光る点を集めることで、GRISのドレスに新たな能力が備わる。
石のように重たい立方体に変身したり、2段ジャンプ出来るようになったり。新たな能力を手に入れると、また行ける場所が増えていく。
この光る点を集める時には、それぞれちょっとした謎解きをしなければならない。
謎解きとはいっても、頭をひねって考えるようなパズルではない。
「あそこに行くには、どこから進もうか」「このタイミングでジャンプすれば進めそう」といったアクション要素のある謎解きだ。

本作では、敵と戦うとか落下死のようなことは起こらない。ジャンプに失敗しても、下の地面に着地する。
もちろん、また同じ場所に戻らなきゃいけない面倒くささはある。
でも、同じ場所に、何度でもチャレンジ出来るし、ペナルティも無いし、時間制限もない。

GRISの精神世界には、彼女の気持ちを象徴するような場所がある。これを見つけることもやり込み要素になっている。
評価と感想Rating

本作の1番の魅力は、なんといっても圧巻のアートワーク。
グラフィックは、どこを切り取っても1枚の絵画になってしまうほど芸術性が高い。
画用紙上に描いたスケッチに、水彩絵の具が滲んでいくようなグラフィック。
徐々に色鮮やかになっていく様を見るだけでも、このゲームをプレイする価値があるくらい完成度が高い。他のどんなゲームとも似ていない。
かといって、「雰囲気だけ」ではない。ゲームとしても面白く、謎解きも楽しめるし、滑らかなアクションも気持ち良かった。
特にドレスでフワフワと降下していく感じ。ピーチ姫だって出来るけど、それとは違ってGRISの場合は風を感じる浮遊感。
効果音やグラフィックで風そのものがハッキリと描かれているわけじゃないけど、確かに風を感じる。GRISの流れるような動きが心地いい風を感じさせてくれた。
そして、ストーリー。
明確には語られないけれど、なんだか分かる。言葉では説明できない「何か」を感じる。
特に終盤の演出が素晴らしすぎて、プレイしている自分の心にもフワッと風が吹いて自然と涙が流れた。文字がなくても伝えたいことが分かり、その上で泣くほど感動させるってなかなか出来ることじゃない。
美しく儚い、でも強い。心が蘇っていく様子がこんなにも素晴らしく描けるのかと、しばらく泣きながらボーッとしてしまった。
粉々に崩れても、ツギハギだらけでも、心はまた形を取り戻す。絶対忘れることのない素敵なゲームだ。
総合評価Summary
5.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
圧倒的な芸術性
テキストがなくても伝わるストーリー
浮遊感感じる挙動
解放されていくドレスパワーの面白さ
シンプルな操作
残念なところ
遠目の視点になると見にくくなる
オススメな人
芸術性が高いゲームが好き
癒されたい
謎解きが好き
個性的なゲームを探している
オススメではない人
文字で具体的に説明してほしい
本作が好きならオススメRecommendation
問題を抱える主人公の精神世界が海と波で表現されたアドベンチャーゲーム。こちらも本作と同じく、自身の心に向き合い再生していく物語。

巨人が棲む島を修理して回る少女が主人公のアドベンチャーゲーム。自分自身の性格的な問題に向き合っていく物語に泣ける。こちらも芸術性高いグラフィックが魅力的。

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