『Terra Nil』レビュー: ハイテク花咲かじいさんの逆開拓
『Terra Nil』とは、Free Livesが開発したシミュレーションゲーム。
本作とは全く違うゲーム性の高評価2Dシューティングゲーム『Broforce』を手がけたデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、PC、iOS、Androidでプレイ可能(スマホ版はNetflixアプリ利用)。私はPC版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
不毛の地
ゲームが始まると、荒れ地が広がっている。
全て枯れ果て、新たな植物が育たなくなってしまった惑星が舞台だ。未来の地球かもしれない。
そして、1冊のハンドブックの表紙が開く。
「不毛の地に豊かな自然を取り戻して下さい」と書かれている。それだけだ。
そこからは、多くの開拓シミュレーションとは違い、せっせと自然を取り戻すという逆開拓の旅が始まる。
ゲームの特徴Features
不毛の地を渡り歩く
本作の大きな目的は、様々な荒れ地に自然を取り戻していくこと。
本作には、不毛の土地として複数のエリアが用意されていて、エリアごとに登場する環境や特徴が異なる。
各エリアはプレイ開始時にランダムなマップが作成されるので、毎回異なるプレイ体験ができる。
初プレイ時には、1つのエリアを攻略するごとに次のエリアがアンロックされていく。
各エリアでは大きく3つの工程を経て自然を取り戻していくことになる。
不毛の地の毒素を抜き植物を生やす、動植物が生育する環境を整える、設備を全て撤去して立ち去る。この3つだ。
植物を生やす
まず第一段階目。植物を生やす。
本作では土地を耕したり木を植えて、細々と地道に自然豊かにしていくわけではない。
機械を使って、大規模に自然を広げていく。
土地の毒素を浄化する設備や灌漑設備やポンプなどを設置する。設備ごとに配置できる地形や効果範囲が決まっている。
機械には電力も必要なので、発電設備も効果的に配置しなければならない。
こうした設備を配置する際には資源が一定量必要になる。本作での資源は葉っぱだ。
設備を設置する際には葉っぱを消費するけれど、それによって自然が増え分だけ葉っぱを獲得することが出来る。
葉っぱが尽きないように注意しながら、設備を配置して自然を増やしていく。画面左上のゲージが100%を超えるまで植物が増えたら、次の段階へ進むことができる。
環境を整える
自然が一定量まで増えると、次は気候や各エリアの特徴的な地形を整える段階に移る。
この段階になると、更に様々な設備がアンロックされ、沼地や砂地、ツンドラや火山地帯などを生み出すことができるようになる。
この段階では、画面左上に各地形(森林や岩場など)のゲージが表示されているので、その目標値を満たすように各地形の面積を増やしていく。
例えば、地面を掘削して溶岩を噴き出させ、そこを瞬間冷却装置で岩場に変え、更にそこに苔を生やさせて地衣帯にするといった感じ。
また、生み出した地形によって湿度や温度が変化し、天候が変化するようになる。
例えば湿度が高まると雨が降るようになり、灌漑設備がなくても自動的に植物が増えたり、特殊な生物や植物が姿を現し始める。
また、特定な設備は一定の湿度や気温が稼働条件になっていることもある。
動物に任せて旅立つ
地形が整ったら、いよいよ旅立ちの時だ。
やるべきことは、動物を誘導することと、設備を全て回収すること。
まず、動物。音波で一定の区画をスキャンし、作った環境のうち、動物が生息できる地形を見つけ出す。
例えば、オウムが好む広さの森林をスキャンしたら、そこにオウムが登場する。そうすると、自動で同条件の他の場所にもオウムが生息するようになる。
各動物が好む地形など生態をヒントに生息可能な区画をスキャンして見つけて、動物を増やしていく。
そして、リサイクル設備を使って、全設備を全て資源(葉っぱ)に戻す。資源に戻すとエアシップが組み上がっていく。
全設備を回収出来たらエアシップが完成し、次の荒地へと旅立つことができる。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
物語要素はないので評価なし
キャラクターの魅力
キャラクター要素はないので評価なし
操作性
4.0
私は、キーボード+マウスでプレイ。
操作性は全く問題なく、各設備の効果範囲や設置可能場所なども分かりやすい。
UIは見やすく、設備の説明も分かりやすくて、シミュレーションゲームによくある複雑さや数値だらけで複雑になってしまうということはない。
ただ、カメラの回転は出来ないので、高台や崖を作ると、視点の反対側がやや見にくくなるので注意。
難易度バランス
4.0
難易度は3段階から選択できる。
私はデフォルトの真ん中の難易度「エコロジスト」でプレイ。
特に行き詰まることはなく、楽しみながら攻略できる難易度だ。
ただ、本作では設置した設備を簡単に動かしたり消去出来ない(一手だけなら元に戻せる)。
つまり、無計画に設備を配置していると資源が枯渇したり、多種多様な地形を作りにくくなったり、撤収作業も大変になってしまうなど、後々に響いてくる。
ストラテジーともいえるこの難しさが本作の面白さでもある。
各設備は特定の地形を一定の広さ以上作らないとアンロックされないなど条件が決まっている。
また、3段階を順番通りに進めなければならない(マップ全体の灌漑が終わっていないうちに地形を作る設備はアンロックされない)ので、手持ちの設備だけで目標を一つずつ達成していく考える面白さも味わえる。
ゲームのクリア自体は難しくないけれど、初見からいきなり後述するオプション目標や全動物をアンロックするのは大変だ。
ゲームシステム
4.5
自然を創るという開拓=逆開拓の発想が面白い。
しかも、それが複雑すぎずも戦略性高くプレイできるゲームシステムに落とし込まれている。
限られた範囲と設備で、より多種多様な地形を創るというシミュレーションゲームでありストラテジーゲームにもなっている。
次を考えて悩みつつも、自分なりに絶景を創ろうと景観を考えるサンドボックス要素も味わえる。
そして、最大の魅力はとにかく癒されること。
設備を置いた瞬間に、ぶわぁああっと草原が広がったり、ニョキニョキニョキと森が育ったり、海に氷河が広がったり。
徐々に自然が広がるのではなく、一気にバッと景色が変わっていくのでテンポが良く、病みつきになりやすい。
癒されつつも爽快感も感じる。マイナスイオン大爆発!という感じだ。
やりこみ要素
4.5
上述した3つの段階を経て攻略していくことになるけれど、各エリアにはオプション目標が掲げられている。
一定の湿度や温度を達成すると、新たな植物や動物が姿を現すというものだ。
これを攻略するのが大きなやり込み要素。同じエリアでも一定の温度以上でないと達成できない目標もあれば、一定の温度以下が必須の目標もあり、一筋縄では全て攻略できない。
また、音波スキャンで全ての動物をアンロックするのもやり込み要素。
スキャン区画に複数の地形が同時に存在していないといけない動物もいて、これもなかなか難しくてやりがいがある。
また、ゲーム攻略を考えずに好きな景観をひたすら創れる禅モードという嬉しい癒しモードも用意されている。
グラフィック
4.5
はじめは本当に殺風景。
しかし、植物が生まれた瞬間から、パッと画面が色づく。
毒素が抜けた海には透き通った青色、野に花が咲けば赤やピンクに黄色も、雪が降れば全てをかき消すほどの真っ白。
火を入れれば大地が黒くなるけれど、その養分豊かな灰の上に森の緑色が勢いよく広がる。
自然って美しい。
拡大して見れば、動植物の姿が生き生きとした姿がじっくり見れる。
実際のところ本作では狙って自然を創ってるわけだけど、それでも自然美を感じる。
自作の景観でもなんだか絶景っぽく見えてしまう、緻密に描き込まれたクオリティ高いグラフィックだ。
サウンド
4.0
常に癒しのBGMが流れている。
上述した通り、本作はマイナスイオンが連続で大爆発しているので、BGMももちろん最高に癒し。
で、効果音がこれまた最高。
灌漑するとザワザワザワザワッと植物が生い茂る音がするし、動物が現れればそこかしこから鳴き声が聞こえてくる。
ゲームプレイもグラフィックもサウンドも丸ごとどの角度から見ても癒し。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
該当要素なし
良いところ
逆開拓という発想が新鮮
ストラテジーやサンドボックス要素も楽しめる
癒し度満点
残念なところ
視点の回転は出来ない
オススメな人
癒されたい
開拓系シミュレーションゲームが好き
サンドボックスが好き
オススメではない人
複雑な要素が絡む開拓を求めている
どんどん文明を築きたい
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Before We Leave
開拓してピープスと呼ばれる人々の社会を反映させるバトル要素はない穏やかなシミュレーションゲーム。島の間だけではなく、惑星間での流通まで出来るのが魅力。
Bear and Breakfast
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Terra Nil
ハイテク花咲かじいさんの逆開拓
不毛の地に豊かな自然を取り戻していくという逆開拓シミュレーションゲーム。 一定の範囲内で提示される設備を使い資源をやりくりするストラテジー要素や、美しい景観を創るサンドボックス要素も楽しめる。 自然が溢れていく様子が美しくて、かなり癒されるゲーム。
Terra Nil
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