『Time on Frog Island タイム オン フロッグ アイランド』レビュー: 注文の多いカエルの島
『Time on Frog Island』とは、Half Past Yellowが開発したアドベンチャーゲーム。
見下ろし視点でプレイする。
また、本作のプロローグがPC向けに無料配信されている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
『Time on Frog Island』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
遭難
パイプをくわえた男性を乗せた小さな船が一隻。
彼こそ本作の主人公だ。どう見ても船員は彼1人しか見当たらないけれど、船長っぽい帽子を被っている。
そして、残念ながら船は冒頭から激しい嵐に襲われており、男性は絶賛遭難中だ。
ちなみに、本作にはセリフやテキスト情報は一切なく、主人公の名前は不明。
カエルとの出会い
主人公補正の強運で、船は難破したものの主人公はどこかの島に流れ着いた。
ところが、船に乗せていた植物を植えている植木鉢がない!
彼は植物好きなようで、この植木鉢がなにより大事みたいだ。
で、あたりを見回すと、やたらと足の長いスタイリッシュな二足歩行のカエルが、彼の植木鉢をモデルにして絵を描いている。
カエル…カエル!?蛙!
しかも、この島には絵描きカエル以外にも二足歩行カエルが沢山いるようだ。
カエルの島
なんだかヤバいところに来てしまったのかもしれない。
しかし、主人公の船は大きく壊れてしまっている。
仕方ない、この島で使えそうなものを見つけて船を修理しよう。
たとえカエルと一戦交えることになったとしても!
いや、でもカエルたちはそんな好戦的な雰囲気ではなさそうだ。それなら、猫の手ならぬカエルの手を借りることができるかもしれない!?
ゲームの特徴Features
物々交換
「一戦交える」とか上述したけれど、本作にバトル要素は一切ない。
島に住むカエルたちがそれぞれ必要としている物を見つけて渡す。
そのお礼に貰えた物は、また他の誰かが必要としている物につながる。
という物々交換を繰り返していくのが、本作のメイン。
上述した通り、本作にはセリフは一切ないので、カエル達の吹き出しに表示される絵から欲しがっている物を推測するしかない。
カエルの生活
ゲーム内では、常に時間が流れている。
カエル達は朝から行動始め、夜に自宅に帰って行くまで、それぞれ移動したり特定の行動を行っている。
つまり、日中にしか物々交換が出来ない。
各地にある焚き火で休むと次の日に変わるので、お目当てのカエルに出会いそびれたら時間を進めるしかない。
また、特定のアイテムは日をまたぐことで変化したり入手可能になることもある。
不思議な植物
島には様々な植物がある。
主人公は移動とジャンプ、そしてアイテムを担いで運ぶことしかできない。
ちなみに、一度に担ぐことができるアイテムは1個だけ。無尽蔵ポケットやアイテムボックスなんて便利なものはない。
となると、行ったり来たりしなければならないけれど、その間にも刻々と時間が経ってしまう。
しかし、大きな葉っぱを持って高台から滑空できたり、持つと加速できる植物など、移動を助けてくれる植物がある。
また、島のバーにある抽出機に特定のアイテムを入れてドリンクを作って飲むと、主人公が超人的なスキルを発揮する。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
本作にはセリフがないので、物語は推測するしかない。
だけど、全く複雑な話ではない。
世界の危機だ!とか、そんな壮大な話ではなく、ほのぼのしてて可愛いカエル達に癒される。そんなゲーム。
ひたすら穏やか。
何かに怒り狂っているカエルもいるけれど、問題解決すれば、みんなニッコニコだ。
キャラクターの魅力
4.0
カエル達は、それぞれ全く違う生活を送っているし、お仕事もさまざま。
数は多くないけれど、愛着が湧いてくるカエルばかり。カエル嫌いの人だって、きっと好きになる。
そして、主人公については完全に謎だけど、彼は毎晩寝るたびに夢を見る。
その夢の内容から、彼の事情や、なぜ植木鉢を大切にしているのかが分かってきて、ジーンとしてしまう。
操作性
3.5
主人公はドドドドドと結構な爆走ぶりを見せる。
狭い足場でも基本的に走るので滑り落ちることが多い。そういう挙動だ。
それより気になったのは、意図せずアイテムをぶん投げてしまうこと。
Nintendo Switch版ではYボタンをチョンと押せば足元に置くけれど、長押しと判定されやすく、投げる動作になってしまいがち。
至近距離からカエルの顔面にアイテムを投げつける乱暴者になってしまったことも多い。怒られはしないけれど。
「投げる」と「置く、渡す」が別のボタンになってるとスムーズだったと思う。
そして、バグも気になったところ。
プレイしていて特定のカエルが出現しなくなって進まなくなったことがあった。
ゲームを再起動したら再出現したけれど、「このゲームめちゃくちゃ難しい!?」と勘違いして、しばらくウロウロしてしまった。
難易度バランス
3.5
カエルが必要としているアイテムは絵でしか表示されないけれど、カエルはヒントも出してくれる。
でも、プレイヤーの記憶力が攻略の要。
地図もないし、誰が何を必要としてるか等、クエスト一覧みたいなジャーナルもない。
どこに何があって、誰がどこにいる、全て記憶を頼りにプレイする。
でも、住民はそんなに多くないし、島も広大というわけじゃないので、なんとなーく覚えるくらいでも攻略可能。記憶力が試されるゲームというわけではない。
ゲームシステム
3.5
ひたすら物々交換のおつかいクエストだ。
特に珍しいシステムはないけれど、穏やかで可愛い雰囲気や平和なゲーム性が本作の最大の魅力。
各カエルは、自分の欲しいアイテムのヒントしか言わないので、キノコを土に植えるとジャンプ台になるとか、自分で色々試してみて便利な移動方法を見つける手探り感も楽しめる。
ゲームとしてはちょっと物足りなく感じるところもあり、上述したバグがあるのも残念。
とはいっても、やはりカエルを満喫できるのが1番良いところ。
猫や犬などがゲームでも人気になりやすいけれど、モフモフしていなくてもカエルだって魅力的だ。カエル好きな人には特に嬉しいゲームだと思う。
やりこみ要素
4.0
メインストーリーは、船の修理。船が直ったら、物語が終わる。
が、本作にはそれ以外にもやることがたくさんある。
なんと、自宅まで建てられる。
お悩み解決済みのカエルにも積極的に話しかけると、別の展開が待っていることがある。これがやり込み要素に繋がる。
また、「こんなこともできるよ」とは誰も親切に教えてくれないけれど、ゲーム自体の実績リストがヒントになっている。
グラフィック
4.0
可愛い。
カエル可愛い。
それに尽きる。
やや大味なグラフィックではあるけれど、絵本みたいな可愛さ。
カエルキャラ好きな人には特にオススメ。
サウンド
3.5
ゲーム内容と同じく音楽も穏やか。
草むらを歩くときのザワザワとか、雪の上を歩くザクザクとか、効果音も心地がいい。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
可愛くて穏やか
文字に頼らない謎解き
試して発見する手探り感
残念なところ
ゲームボリュームは少なめ
進行不能になるバグが起こる
オススメな人
平和なゲームをプレイしたい
カエルのキャラが好き
試行錯誤するのが好き
オススメではない人
地図やガイドなどが欲しい
ゆったりプレイする気分じゃない
バトル要素が欲しい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
Wytchwood
おつかいクエストをこなすアドベンチャーならこちらもオススメ。素材を集めてアイテムをクラフトする魔女の物語。ボリュームもしっかりあり、面倒くささが楽しいタイトル。
Tails of Iron テイルズ オブ アイアン
ゲーム性は本作と全く違うけれど、カエルが登場するゲームならこちらもオススメ。こちらでは、カエルと戦うことになる。ネズミが主人公の歯ごたえのある2Dアクションゲーム。
Time on Frog Island
注文の多いカエルの島
可愛さと穏やかで平和な雰囲気が最大の魅力。
セリフに頼らない謎解きが楽しめるし、気づきにくい要素も多く試行錯誤する面白さも味わえる。
Time on Frog Island タイム オン フロッグ アイランド
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