『Wytchwood』レビュー: ナベ頭の秘薬

魔女が薬を調合しまくって、ちょっと残酷なおとぎ話問題を解決して回る、クラフトに夢中になるアドベンチャーゲーム『Wytchwood 』をネタバレなしで要素ごとに詳しくレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
ゲーム製品情報Game Info
- タイトル
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Wytchwood ウィッチウッド
- 開発元
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Alientrap
- ジャンル
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アドベンチャー, クラフト
- 対応機種
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PS5, PS4, Nintendo Switch, Xbox, PC, iOS, Android
本稿ではNintendo Switch版をレビューしている。
Wytchwoodの内容Features
あらすじ
目覚めたのは魔女
何かの音が聞こえて目を覚ます主人公。ゲームでよくある定番のオープニングだ。
しかし、目覚めたのは選ばれし者でも、これから勇者になる少年少女でもない。
お鍋を頭にすっぽり被った魔法使いのおばあちゃんだ。
魔女は、勝手に家の中に入り込んで暴れ回っている黒ヤギがたてる騒音のせいで目が覚めたようだ。

偉そうなヤギ
黒ヤギに叩き起こされる羽目になって、魔女はイラついている。
ところが、この黒ヤギは単に迷い込んだ野生のヤギではない。
実は喋ることができる黒ヤギさんは、「お前との契約、また終わってないからな!」と魔女に話しかけてくる。
契約?はて、何のことかサッパリ分かりませんけども。
魔女は寝ぼけているわけではなく、どうやら記憶を失っているようだ。

お伽話で魂集め
魔女は、黒ヤギによるチュートリアルを伝授してもらいながら、魔法のカンを取り戻していく。
そして、黒ヤギに促されて自宅近くの祠のような洞窟に入っていくと、そこで眠り姫のように寝ている女性を発見する。
「この女性は一体誰なんだ」と眺める魔女に、黒ヤギは「彼女を救うために魂を集めてこい」と告げる。
「は?なんで?」と言いたいところだけど、黒ヤギによると、この眠り姫を助けたいとヤギに頼んだのは、他ならぬ魔女自身らしい。
一体どういうこと!?
全く事情は飲み込めないけれど、記憶を取り戻すにも、とりあえず魂を集めるしかなさそうだ。

ゲームプレイの特徴
魔女のクラフトは調合

本作では、素材を集めて薬などアイテムをクラフトするのがゲームのメイン。
NPCから依頼されるアイテムをクラフトして渡すと、物語が進んでいく。
一筋縄ではクラフトできないものが多いし、いくつかの細かなクエストを経てやっとメインクエストが攻略できることも多い。
クラフトは魔導書のレシピを元にして行う。何段階のクラフトを経てやっと完成するアイテムもある。
お伽話の世界

魔女は、お伽話を模した様々な場所を探索することになる。行き来は自由だ。
複数のクエストが同時発生することが多く、同時進行できる。
どのクエストの次に何をするかという目標は画面右上に表示させることが出来る。
探索できる場所は物語の進行によって広がっていく。ファストトラベル出来る場所もある。
素材の集め方と戦い方

クラフトに必要な素材は、そこら辺に落ちている木の実や枝なら、そのまま拾って収集出来る。
特定の素材の採取には道具が必要で、その際には画面下部に表示されるインベントリから斧やハサミを選択して使用する。
また、探索中には、野生動物やゴブリンなど魔女を攻撃してくる敵もいる。
しかし、本作の魔女はお薬調合系の魔女であり、杖で叩いたり魔法を発動して敵を直接攻撃したりはしない。
魔女は、クラフトした罠や魔力を込めたアイテムを作って敵を撃退する。
特定の敵を倒さないと手に入らない貴重な素材もあるので、時には積極的に戦いを挑まなければならない。
魔女の目

上記の通り、岩などのオブジェクトや敵から素材を手に入れる際には、特定の罠や道具が必要となる。
Yボタン(Nintendo Switch版)を押すと魔女の目が発動して時が止まり、画面上のカーソルを自由に動かせる。
その際に、岩などのオブジェクトや敵にカーソルを合わせると、何を使えば壊したり倒せるかという弱点が表示される。
弱点として表示されたアイテムが初めて見る物だった場合は、同時にそのレシピがアンロックされる。
冒頭の黒ヤギが魔導書のページを食べてしまっており、魔女自身がアイテムを見てクラフトレシピを思い出していくという設定になっている。ヤギめ。
各要素の評価Review
物語の面白さ

ゲームでもおとぎ話でも、大事な局面で登場しがちな森の魔女。無理難題押し付けてきて、引き換えに強力な魔法の薬を勇者やお姫様に授けてくれるヤツだ。
本作は、そういう、いけすかない魔女が主人公。この設定だけでもかなり魅力的だ。
各エピソードは、まさにおとぎ話みたいで、テンポ良くお話を読んでいる気分でプレイ出来る。
ただ、主人公は魔女だ。可愛らしいメルヘンおとぎ話というわけではなく、「うわぁ、うへぇ」となるちょっと不気味な展開が多い。実は怖いおとぎ話的な感じだ。これが良い。
ただ、意味が分からないほどではないけれど、妙な日本語翻訳になっている部分があるのは残念。
キャラクターの魅力

主人公は、イメージ通りのおばあちゃん魔女だ。
「腰が痛い」「家でゆっくりしたい」と言いつつ、口が悪くて「お前のことなんか蹴り上げてやるぞ」と威勢がいい。
でも困ってる人にはなんだかんだ優しい。魅力的な主人公だ。
そして、NPCは、皆んなおとぎ話の登場人物を彷彿とさせる。
間が抜けていたり、ずる賢かったり、果てしないほど不運だったり。個性豊かだ。
「次のページにはどんなヤツが出てくるんだろう」とおとぎ話を読んでいる感覚で、ワクワクしながら物語を楽しめる。
操作の快適さ

操作性は全体的に良好。
クラフトすることが多いので、レシピ選択画面でのちまちました作業が続く。クラフトといえば作業が楽しさでもあるので、特にストレスは感じない。
ただ、素材の採取に多用する斧やハサミなどの道具はインベントリ上で切り替えなければならず、それが十字キーでしか操作できないのは結構面倒くさい。
よく使う道具はRボタンで切り替えとか、押しやすいボタンに設定されてると移動しながらサッと持ち替えられて便利だったと思う。
あと、気になったのはちょこちょこ発生するバグ。ゲームがフリーズしたりエラー落ちしてしまうこともあった。
オートセーブや手動セーブの方法が分かりにくいのも気になったところ。
難易度バランス

物語に沿ってクエストを攻略する。次にやることがしっかり表示されるので迷うことはない。
でも、素材を求めてあっちやこっちに行かなければならないし、一気に目的のアイテムをクラフトも出来ないし、面倒くさい。
この「面倒くさい」は褒め言葉だ。
クラフトを楽しむゲームは程よい面倒くささが1番楽しいところ。
「面倒くさすぎるだろ!」とはならない良いくらいの面倒くささで、楽しくプレイできる。
また、敵はいるけれど、回復アイテムをすぐクラフトできるし、罠を仕掛ける余裕もしっかりあるので、攻略に詰まることはない・
ゲームシステムの面白さ

雰囲気や物語の展開が楽しくて、一度プレイを始めたら長時間プレイしてしまうくらい夢中になる。
素材はポロポロあちこちに落ちてるし、一定時間経つと再出現するので、歩きながら「あ、あそこにある、あ、あっちにも」とついつい歩き回ってしまう。
この作業感が最高だ。
ゲームとしてはアイテムクラフトとメインストーリーを追いかけるということで、派手さや斬新さがあるわけではない。
でも、楽しい。ついつい、あともう一個クラフトしたらやめよう、あ、やっぱりあともう一個!とやめられなくなる。
世界設定とエピソードやNPCのバラエティの豊かさが素晴らしくて全く飽きない。
やりこみ要素の楽しさ

メインストーリーを追うのみで、特に寄り道などはない。
でも、複数発生するクエストをどの順番で攻略するかは自由だ。
ひたすら素材を集めて、どんなクエストが来てもいいように大量のアイテムをバッグに詰め込んで歩いても良いし、必要な時に必要なものだけクラフトしても良い。
ちょうど手に入った素材で攻略できるクエストから片付けるなど、どれだけ効率的に攻略するか、逆にまったりプレイするかはプレイヤー次第だ。
グラフィックの芸術性

絵本の挿絵になりそうなくらい、おとぎ話!という雰囲気満点のイラストレーショングラフィックで描かれる。
色鮮やかだし、キャラクターのデザインも素敵だし、かなり芸術性が高い。
そのままアートブックにできそうなくらい高クオリティだ。
サウンドの魅力

サウンド面でもおとぎ話の雰囲気を盛り上げてくれる。
墓場や沼など不気味な場所では不安になるBGM、田園や海辺などでは癒されるBGMが流れている。
グラフィック含め、本作は雰囲気がめちゃくちゃ良い。
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Little Witch in the Woods
薬を調合してクエストを攻略していく魔女なら、こちらもおすすめ。
こちらは、まだ修行中の幼い魔女が主人公。
森で素材を探してクラフトし、寂れた町を復興していく物語が楽しめる。

たまごっちアドベンチャーキングダム
穏やかに癒されながらクラフトで攻略するゲームなら、こちらもおすすめ。
家具をクラフトして拠点を装飾したり、料理もできる。
たまごっちを知らない人にも大人にも楽しい、気軽にプレイできるリラックスゲーム。

Potion Craft
薬の調合をさらに本格的に楽しみたいなら、こちらがおすすめ。
薬草の種類だけでなく、調合方法によって出来上がるポーションが変わるクラフトシミュレーションゲーム。
自分のお店で客と値段交渉しながら売るお店経営も楽しめる。

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まとめSummary
おすすめな人
- 芸術性の高いゲームが好き
- クラフト作業が好き
- 魔女になりたい
おすすめではない人
- 直接敵を攻撃したい
- 行ったり来たりしたり作業が嫌い
- 長いセリフを読むのが面倒くさい
総合評価

- 雰囲気が抜群に良く、芸術性も高い
- 展開を追うのが面白いお伽話を模した物語
- クラフトだけで攻略するというゲームシステムに夢中になる
- 日本語翻訳が怪しい
- バグが発生する
Wytchwood ウィッチウッド
Whitethorn Digital & Alientrap 2021
http://www.alientrap.com/games/wytchwood/







