『Wytchwood ウィッチウッド』とは、Alientrapが開発したアドベンチャーゲーム。
手描きイラスト調の鮮やかなグラフィックが特徴で、見下ろし視点の2Dでプレイする。
本作は、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作はどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
目覚めたのは魔女
何かの音が聞こえて目覚める主人公。ゲームの定番の始まりだ。
だが、目覚めたのは勇者でも、これから勇者になる少年少女でもない。
お鍋を頭にすっぽり被った魔法使いのおばあちゃんだ。
家の中に入り込んで暴れるヤギのせいで目が覚めたようだ。

偉そうなヤギ
ヤギに叩き起こされる羽目になってイラついている魔女。
ところが、このヤギは単なるお邪魔してきた野生のヤギではない。
喋ることができるこの黒ヤギさんは、「お前との契約、また終わってないからな!」と言ってくる。
契約?何のことかサッパリ。どうやら魔女は記憶を失っているようだ。

魂集め
魔女は、ヤギにチュートリアルしてもらいながら魔法のカンを取り戻していく。
そして、ヤギに導かれて祠のような場所に入っていくと、そこで眠り姫のような女性を発見する。
女性は寝ているようだけど、彼女が先ほどヤギが言っていた魔女とヤギの間の何らかの契約に関係しているらしい。
そして、ヤギは「彼女を救うために魂を集めてこい」と魔女に告げる。
「は?なんで?」と言いたいところだけど、ヤギによると、この眠り姫を助けたいとヤギに頼んだのは、他ならぬ魔女自身らしい。
一体どういうこと!?
記憶を取り戻すにも、とりあえず魂を集めるしかなさそうだ。

ゲームの特徴Features
ゴッドハンド調合

本作は、そこら辺に落ちている素材を集めてアイテムをクラフトするのがメイン。
物語に沿ってNPCから依頼される物や必要なアイテムをクラフトしていく。
もちろん、一筋縄ではクラフトできないものも多い。
中間素材のクラフトをいくつか経て、はじめて完成品がクラフト出来るものもある。
素材の集め方

そこら辺に落ちている木の実や枝はそのまま収集出来る。
また動物やゴブリンなど、魔女に攻撃してくる奴らもいる。
しかし、本作の魔女はお薬調合系の魔女であり、魔法で敵を直接攻撃したりはしない。
罠や魔力を秘めたアイテムなど作って敵を撃退する。
特定の敵を倒さないと手に入らない貴重な素材もあるので、時には積極的に戦いを挑まなければならない。
また、木や草など特定の素材は、画面下部に表示されるインベントリから斧やハサミを選択して手に持った状態にしてからでないと採取が出来ない。
魔女の心眼

上記の通り、特定のオブジェクトや人から素材を得るには、特定の罠や道具が必要となる。
Yボタン(Nintendo Switch版)を押すと魔女の目が発動して時が止まり、素材や敵にカーソルを合わせると、何を使えば壊したり倒せるかという弱点が表示される。
弱点として表示されたアイテムが見たことがないものだった場合は、その際レシピがアンロックされる。
実は冒頭の黒いヤギがレシピ本のページを食べてしまっていて、一つずつレシピを魔女自身が思い出していくという設定になっているのだ。ヤギめ。
様々な場所

魔女は様々な場所を探索していく。
複数のクエストが同時発生することが多く、同時進行も可能。
どのクエストの次に何をするかという目標は画面右上に表示させることが出来る。
また、いくつかの地点にはファストトラベル出来るポイントもある。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
ゲームでもおとぎ話でも、大切な局面で登場する森の魔女。無理難題押し付けてきて、引き換えに強力な魔法の薬を勇者やお姫様に授けてくれるヤツだ。
本作は、そんないけすかない立ち位置になりがちな魔女が主人公。
その設定だけでもかなり魅力的。
各エピソードは、まさにおとぎ話みたいで、テンポ良くお話を読んでいる気分でプレイ出来る。
ただ、主人公は魔女だ。可愛らしいおとぎ話ってわけではなく、「うわぁ、うへぇ」となるちょっと不気味な展開が多い。本当は怖いおとぎ話的な。これが良い。
ただ、意味が分からないほどではないけれど、日本語翻訳がチグハグしてる部分があるのは残念。
キャラクターの魅力

4.0
主人公は、イメージ通りのおばあちゃん魔女。
口が悪く、「腰痛い」「家でゆっくりしたい」と言いつつ、「お前のことなんか蹴り上げてやるぞ」と威勢がいい。
でも困ってる人にはなんだかんだ優しい。魅力的な主人公だ。
そして、NPCは、皆んなおとぎ話の登場人物っぽい。
間が抜けていたり、ずる賢かったり、果てしないほど不運だったり。個性豊か。
絵本のページをめくっていくみたいに、「次はどんなヤツが出てくるんだろう」とワクワクが止まらない。
操作性

3.5
操作性は全体的に良好。
クラフトがメインなので、ちまちました作業が続く。
斧やハサミなど手に持つものをインベントリ上で切り替えることが多いけれど、それが十字キーでしか操作できないのは結構面倒くさい。移動しながら切り替えしにくい。
Rボタンで切り替えとか、押しやすいボタンに設定されてると良かったと思う。
あと、バグがちょこちょこ。ゲームがフリーズしたりエラー落ちしてしまうこともあった。
オートセーブや手動セーブの方法が分かりにくいのも気になったところ。
難易度バランス

4.0
基本的に物語に沿っていくだけ。次にやることもしっかり表示されるので迷うことはない。
でも、素材を求めてあっちやこっちに行かなければならないし、一気に目的のアイテムまでクラフトも出来ないし、面倒くさい。
この「面倒くさい」は褒め言葉だ。
こういうゲームって程よい面倒くささが1番楽しいところ。
「面倒くさすぎるだろ!」とはならない良いくらいの面倒くささで、楽しくプレイできる。
ゲームシステム

4.0
雰囲気や物語の展開が楽しくて、一度プレイを始めたら長時間プレイしてしまう。
素材はポロポロあちこちに落ちてるし、一定時間経つと再出現するので、歩きながら採集しまくるのが楽しい。
この作業感が最高だ。
ゲームとしてはアイテムクラフトとメインストーリーを追いかけるということで、派手さや斬新さがあるわけじゃない。
でも、楽しい。ついつい、あともう一個クラフトしたらやめよう、あ、やっぱりあともう一個!とやめられなくなる。
世界設定とエピソードやNPCのバラエティの豊かさが素晴らしくて全く飽きない。
やりこみ要素

3.5
メインストーリーを追うのみで、特にやり込み要素はない。
でも、複数発生するクエストをどの順番で攻略するかは自由だ。
ひたすら素材を集めて、どんなクエストが来てもいいように大量のアイテムをバッグに詰め込んで歩いても良いし、必要な時に必要なものだけクラフトしても良い。
ちょうど手に入ったものや、近くに来たついでに満遍なくクリアしていくなど、効率的に攻略するなど、プレイヤー次第だ。
グラフィック

4.5
絵本の挿絵になりそうなくらい、おとぎ話!という雰囲気満点。
色鮮やかだし、キャラクターのデザインも素敵だし、かなり芸術性が高い。
サウンド

4.0
サウンド面でもおとぎ話を盛り上げてくれるBGMばかり。
墓場や沼など不気味な場所では不安になるBGM、田園や海辺などは癒されるBGMが流れている。
グラフィック含め、本作は雰囲気がめちゃくちゃ良い。
\\サントラはこちら//
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
雰囲気やグラフィックが抜群に良い
面白く悲惨な展開もある物語
クラフトだけで攻略するシステム
残念なところ
日本語翻訳がイマイチ
バグが発生する
オススメな人
芸術性の高いゲームが好き
チマチマ作業が好き
魔女になりたい
オススメではない人
直接敵を攻撃したい
行ったり来たりや作業が嫌い
たくさんのセリフを読むのが面倒くさい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
The Wild at Heart
不思議な森が舞台のアドベンチャーゲーム。ピクミンのように小さな精霊たちを操って謎解きし戦う。本作と同じく不思議な魔法を感じる癒される雰囲気。

ドラゴンクエスト ビルダーズ 2 破壊神シドーとからっぽの島
クラフトといえば高評価作のドラクエビルダーズ。サンドボックスゲームでありRPGでもあるけれど、本作のようなチマチマ作業が好きなら、時間が溶けて消えるやみつきゲーム。

Wytchwood
ナベ頭の秘薬
問題解決、敵への攻撃も素材採取も全てクラフトで攻略するシステムが面白いアドベンチャーゲーム。
何重にも中間素材を経たり、作業が楽しくなる。
美しいグラフィックで描かれる、ちょっぴり残酷さもあるおとぎ話の世界が魅力的。
Whitethorn Digital & Alientrap 2021
http://www.alientrap.com/games/wytchwood/