『TOHU』レビュー: 魚にはエンジンがある
『TOHU』とは、Fireart Gamesが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
ポイントアンドクリックでプレイする、手描き調グラフィックが魅力的なタイトル。
本作は、Xbox、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私はiOS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
魚が浮かんでる
様々な惑星が浮かぶ、どこかの不思議空間。
それぞれの惑星は魚だ。
「何でどうして魚なんだ?」という質問にはお答えできない。
そういう世界だ。魚空間だ。
何かが激突
ある日、とある惑星魚に何かが衝突する。
そこに住む主人公ガールがあたりを見渡すと、惑星魚は謎の機械たちに侵略され、魚のエンジンも壊れている。
「魚のエンジン?」残念ながら、その質問にもお答えはできない。
惑星魚には聖なるエンジンがある。そういうもんだ。
修理の旅
このままでは、ガールが住む惑星魚が死んでしまう。
ガールは助けを求めるため、他の惑星魚に出発する。
この騒動の裏には、暗躍する何者かがいるようだ。
でも、ガールには頼もしいロボットの相棒キューバスがいるから、きっと大丈夫。
ゲームの特徴Features
ポイントアンドクリック
本作は、ストーリー進行に沿って様々な惑星魚を巡っていくことになる。
1つの惑星魚上には、いくつかの場所があり、行ったり来たりしながら謎解きしていくことになる。
iOS版では、気になるところをタップしてアイテムを手に入れたり、ギミックを操作する。
ちなみに、前の惑星に戻ることは不可能。ストーリー進行に合わせてどんどん進む。
ガールとキューバス
ガールをスワイプすると、ムキムキロボットの相棒キューバスに切り替わる。
ガールはNPCと会話が出来るし、狭い穴に入って行ったり、高い場所にジャンプして登ることも出来る。
一方のキューバスは力持ちなので、重たい物を移動させたり、大きな物を引っこ抜いたり出来る。
この2人の異なる特性を活かして謎解きしていく。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
魚が惑星で、その魚にはエンジンがあって、ロボットのキューバスが相棒で。
もう「何それ!おもしろ!」な要素がてんこ盛り。
かなり摩訶不思議な世界設定で、理解できない部分もあるけれど、「分かるように説明してよ」というのは野暮ってものだ。
興味惹かれる不思議世界で、不思議な不思議で不思議になりました。それで良い。
でも、煙に巻かれて終わりというわけじゃなく、物語の大筋は理解しやすい。
キャラクターの魅力
4.0
本作に登場するNPCたちは、まず外見が素晴らしい。
とんでもない生物ばかり。
そして、本作は一見ほんわかした世界に見えるけれど、NPCたちは全然穏やかじゃなくて、結構強烈なキャラが多い。
詐欺師まがいの守銭奴や、薬を飲んで全身がバッキバキに変形するヤツなどなど。
1人残らず記憶に鮮明に残るヤツばかり。
操作性
3.5
基本的にはゆったり謎解きすればいいので、操作性が問題になることは少ない。
ただ、タイミングを見計らって操作しなければいけない時には、もったりした動作にハラハラすることもある。
特にガールが上の足場にジャンプする時には、ジャンプして着地して「ふぅ」とひと呼吸置く動作まで終えなければ、次の操作を受け付けてくれなかったり。
また、気になるところをタップしても、ちょっとしたズレで反応してくれないところもある。
ゆったりした気持ちでプレイした方が良い。
難易度バランス
4.0
謎解きは1つとして同じようなものはなく、特に説明もないし、そもそも謎解きがどこにあるか探し当てるところから始まる。
一筋縄では解けない良い歯ごたえ。
難しければ、ノートを見ると目標が書かれている。これで大まかな「今やるべきこと」が分かる。
更に踏み込んだ情報が欲しいなら、ヒント機能がある。ただ、ヒントを開示するにはちょっとしたミニゲームをクリアしなければいけない仕様。
「自力でやってやる!」から「誰か教えてー!」まで、自分に合った難しさでプレイ出来る。
ゲームシステム
4.0
上述もしたけれど、謎解きはどれもこれも全く違う。
どの謎解きも良く練られて作られてて、謎解き好きも大満足なクオリティ。
しっかり考えて解くパズルあるし、とりあえず動かしてみて分かってくる謎解きもある。
ボリュームも良いくらいで、魅力的な不思議世界でアイデア満載の数々の謎解きが楽しめる。
やりこみ要素
3.5
各地には、奇妙な虫がいる。
虫だけど、虫じゃない。機械なんだけど、完全な機械ってわけでもない。
そんなヤツが画面上のどこかに紛れているので、タップすると「見つけましたよ」カードとして収集されていく。
でも、探すのは難しいわけじゃない。あくまでも、オマケ。
グラフィック
4.5
手描き調の可愛いグラフィック。全体的に紫色が多く使われていて色味が綺麗。
そして、登場キャラのデザインが秀逸。
訳分かんない生物ばかりだけど、どこか必ず面白さが漂ってる。
背景もしっかり描き込まれていて、謎解きそっちのけで鑑賞していたくなる。
サウンド
4.0
上述の通り、コミカルさのある不思議な雰囲気が魅力だけど、音楽は美しく幻想的。
ちなみに本作の音楽は、『Hollow Knight ホロウナイト』の神BGMを生み出したChristopher Larkinさんが手がけている。
\\試聴できます//
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
不思議な世界と雰囲気
見惚れるグラフィック
アイデア満載の謎解き
ヒント機能があり
残念なところ
動きがもったり
物語は理解しにくい
オススメな人
謎解きが好き
芸術性高いゲームが好き
摩訶不思議な世界が好き
オススメではない人
ゆったりしたペースが苦手
物語にはっきりと説明が欲しい
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可愛さもある美しいグラフィックと謎解きを楽しむなら、こちらもオススメ。巨人が棲む島を直しつつ、主人公の精神的な問題に向き合う物語が楽しめる。
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TOHU
美しく不思議な雰囲気と高い芸術性が魅力のポイントアンドクリック謎解きアドベンチャーゲーム。
アイデア満載の謎解きやパズルがしっかり楽しめる。
TOHU
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