『スナフキン ムーミン谷のメロディ』レビュー: 癒しのワイルド破壊活動
ムーミンの世界そのもの!で、物語も謎解きもステルスもちゃんと楽しいパズルアドベンチャー『スナフキン: ムーミン谷のメロディ Snufkin: Melody of Moomin』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
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スナフキン ムーミン谷のメロディ製品情報
タイトル | Snufkin: Melody of Moominvalley スナフキン: ムーミン谷のメロディ |
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開発元 | Hyper Games |
対応機種 | Nintendo Switch, PC |
ジャンル | パズルアドベンチャー |
本稿では、PC版のレビューを行っている。
スナフキン ムーミン谷のメロディの攻略
ストーリー
帰ってきたスナフキン
タイトル通り、本作は小説や絵本が人気のムーミンシリーズの世界が舞台だ。
原作を知らなくても、絶対に一度は目にしたことがあるだろう北欧の不思議生物ムーミン。決してカバではない。
そんなムーミンシリーズの主人公はムーミントロール。ムーミントロールは、大好きな親友スナフキンと冒険するのが大好き。
しかし、谷に冬が訪れると、ムーミン達は冬眠し、スナフキンは南へと旅に出る。それがいつもの冬の過ごし方だ。
ところが、春になって例年通りムーミン谷に戻ってきたらスナフキンは、谷の変わり果てた姿を目にすることになる。
様子がおかしいムーミン谷
ムーミン谷に戻ったスナフキンが見た光景、それは、枯れ果てた川や植物、切り倒された木々、極め付けは誰も楽しめそうにないヘンテコな公園だ。
ムーミン谷に住む皆んなもトラブルにに見舞われている。
この事態の元凶は公園番という偉そうな奴。谷のあちこちを破壊しながら公園を作って回っているらしい。
しかも、その公園には「あれやったらダメ」「これやったらダメ」というルールが描かれた看板や、パトロールする警察までいる。
もはや逆に何が出来るのか分からないほど禁止事項ばかりで、看板を立てるための看板公園になってしまっている。
ムーミントロールの行方
ところで、本作の主人公はムーミントロールではなく、スナフキンだ。
スナフキンは、自由と孤独を愛する孤高の旅人であり、とにかくルールが大嫌い。原作でも過激な方法で立て札を破壊している。
というわけで、スナフキンは居心地の良いムーミン谷の姿を取り戻すため、公園を破壊し始める。
しかし、看板を引き抜いてもスナフキンは安心できない。親友ムーミントロールの姿が見当たらないのだ。
春に再会しようと約束したはずの親友は、一体どこに行ってしまったのだろうか。
攻略のポイント
ムーミン谷を探検
本作の舞台はムーミン谷で、ある程度自由に探索して、謎解きしながら物語を進めていく。
谷の各地にはNPCがいて、彼らのお悩みを解決するサブクエストもある。
また、各地で拾えるアイテムはリュックに入れて必要な場所で使用することができるし、石を持ち運んだり、大きな丸太を押して橋渡しし足場を作り進んでいくこともできる。
楽器を使って謎解き
本作のゲームプレイのメインは、謎解き。
動物の助けを借りなければ攻略できない場面があり、その動物に対応した楽器を演奏すると協力してもらうことが出来る。
ただし、3種類ある楽器で演奏するメロディにはレベルがある。
茂みを揺らしたりクエストを攻略すると「ひらめき」が手に入り、これが一定量溜まるとメロディのレベルが上がる。
各動物には協力してくれるための楽器の種類とメロディレベルが決まっている。定められたメロディレベル以上になっていないと、楽器の種類が合っていても協力してくれないというわけだ。
相手の心を動かすより熱いメロディを奏でられるよう、ひらめきを集めながら探索しなければならない。
公園を破壊
各地には公園番が命じて作らせた公園があり、先に進めなくなっている。
公園には禁止ルールが描かれた看板とパトロールする警察がいる。
警察に捕まらずに全ての看板を引き抜くこと、これが公園での目標だ。
公園内にいる警察の視界から隠れたり、ギミックを動かして警察の目を逸らすなどして看板を引き抜いていく。ステルスプレイだ。
全ての看板を引き抜くと、ルールがなくなったので見張る必要がなくなったという謎理論で警察達がいなくなる。
そうすると、スナフキンは柵を壊したり豪快に公園を破壊し、自然の風景に戻すことができる。これによって先に進んでいけるというわけだ。
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スナフキン ムーミン谷のメロディの評価
物語の面白さ
本作はムーミンの原作が元になっており、その雰囲気がしっかり再現されている。
ムーミンは元祖ゆるキャラといえる可愛さだけど、原作の物語やセリフは意外と哲学的で、偏屈なキャラも多い。その良さが本作でもしっかり味わえる。
変に幼稚で可愛い調子にはなってしまってはおらず、大人も大満足出来る。いや、大人の方がより楽しめると思う。
シンプルだけど真を突くセリフが胸に刺さり、「う、ぐ、仰る通りです!」と癒されつつ身につまされる。心温まり、人生の教訓も教えてもらえる。素敵な物語だ。
メインストーリーはちゃんと先が気になる構成になっており、原作の様々なエピソードも盛り込みつつ、本当にムーミンの小説を読んでいるかのように楽しめる。
キャラクターの魅力
ムーミンの人気キャラが豪華共演総出演オールスターな勢いで、ほぼ全キャラ登場する。
各キャラのエピソードは軽いものの、その個性がしっかり反映されている。
原作ファンの人なら「くぉー、たまらねえ!」となるはず。一方で原作をあまり知らない人だと「なんかまた変なキャラ出てきた」との連続になるだろうけれど、気になったキャラがいたら是非原作も読んでみてほしい。
それぞれのキャラは、人間が抱える悩みや悪い部分もある性格を反映しているので、印象に残りやすいキャラばかりだ。
操作の快適さ
操作性は想像よりも良好で驚いた。
プレイして最初に思ったのは、「スナフキンって足が速い!」ということ。
ほのぼのしたパズルアドベンチャーといえば、移動速度含め全体的にゆったりしたゲームが多い。
しかし、本作のスナフキンはサササッと歩いて、スッとジャンプして、サクッとアイテムを拾って使う。
マップ画面やクエストリストも確認できるし、操作するボタンも逐次表示されるのでスムーズに攻略できる。
難易度バランス
謎解きとステルスを攻略することになるけれど、どちらも難しくない。
わざと茂みにぶつかったり寄り道しながら進めば、どんどんひらめきが溜まっていくので、「ひらめきを集めに戻らないと!」という面倒なことにもならない。
それぞれの動物に効果のある楽器は表示されるので、「うーん、ここではどの楽器を?」と悩む瞬間もない。
ステルスでは、警察の皆さんはスナフキンを見つけたとしてもすぐに警戒を解くのでゲームオーバーになるなんてこともない。大丈夫か、警察。
もし見つかったとしても、公園攻略のスタート地点からやり直しになるだけだ。
ゲームとしてあれこれするというより、ムーミンの世界を眺めながら楽しく物語を辿るゲームだ。
ゲームシステムの面白さ
上述した通り、ゲームとしての難しさや斬新な要素はほぼないに等しい。
でも、各キャラにちなんだ内容の異なるエピソードが入れ替わり立ち替わりテンポ良く出現するので、飽きたり単調になることはない。
とはいっても、これは私がムーミン原作やキャラを知っているからだと思う。「あ!次はこのキャラだ!このエピソードが再現されてるのか!」と嬉しくなるのでずっと楽しい。
しかも、ひらめきを集めるシステムによって移動中も退屈しないし、隅まで探索したいという気になるのも嬉しいところ。
一方で、「ムーミンって白いカバのあいつでしょ?」くらいの事前知識で、本作を謎解きゲームとしてだけ楽しむつもりでプレイしてしまうと、おつかいクエストばかりで簡単すぎると感じると思う。
やりこみ要素の楽しさ
全てのサブクエストを攻略することが、分かりやすいやり込み要素だ。
ゲームクリアには必須ではないサブクエストや収集要素もある。
じゃこうねずみのキャンプで料理をすると、スナフキンがダッシュする際に消費するスタミナゲージの最大値を伸ばすこともできる。
また、各地には、スナフキンが一息つくスポットもある。
特にゲーム攻略上何か起こるわけではなく、釣りをしたり、野原に寝転がったり、そこだけでの景色を見ることができる。癒しの時間でありファンサービスだ。
グラフィックの芸術性
水彩画のようなグラフィックで、ムーミンの絵本がそのままゲームになって動いていると感じるほどの再現度とクオリティの高さ。
一歩歩くごとに「写真撮って良いですか?」となるくらい、原作ファンとしては目が輝く素晴らしさ。
もしムーミンファンじゃなかったとしても、きっとムーミンの世界が大好きになるはず。
個人的には、スナフキンが公園を破壊する演出がお気に入り。柵も岩もぶん投げていて、「え、本気で破壊活動してるし、力持ちだし、ワイルドだな」とムーミン谷の可愛さとのギャップがツボに入った。
サウンドの魅力
穏やかで綺麗めのBGMが流れている。BGMだけ聴いていると眠ってしまいそうだ。
また、シガー・ロスの楽曲が使われおり、そのドリーミーな作風が本作にぴったり!
ちなみに、配信者さん向けに著作権に引っかからないBGMモードも用意されているけれど、シガー・ロスの曲を背にムーミン谷を眺めるのは格別なので、ぜひ一度は聴いてみてほしいと思う。
サントラはこちら
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スナフキン ムーミン谷のメロディレビューのまとめ
総合評価良いところ残念なところ
- 物語もグラフィックも雰囲気も原作再現度が高い
- サクサクと攻略できる
- 道中も退屈しにくい仕掛けがあり、操作性が良い
- ムーミンを知らない人にとっては、単なるおつかいクエストゲームになってしまう
- ステルスの歯ごたえがほぼない
おすすめな人
- ムーミンの世界が好き
- 物語やセリフを味わうのが好き
- 可愛い世界で癒されたい
おすすめではない人
- 歯ごたえのある謎解きに挑みたい
- 長時間遊べるゲームを探している
- ムーミンのことを全く知らない
スナフキン ムーミン谷のメロディが好きならおすすめなゲーム
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Planet of Lana
こちらも水彩画風のグラフィックが特徴のパズルアドベンチャーゲーム。
ステルスも謎解きもあり、本作よりも試行錯誤が求められる。
癒される音楽や、感動する物語も魅力。
Toem
こちらも世界を楽しむことがメインのパズルアドベンチャーゲーム。
モノクロで描かれた世界で様々な写真を撮って道を切り開いていく、リラックス度満点の高評価作。
Samorost 3
音楽が鍵を握っているパズルアドベンチャーなら、こちらもおすすめ。
あちこちを行ったり来たりしながら悩み甲斐のある謎解きが楽しめるポイント&クリックゲーム。
こちらも高い芸術性も魅力。
Snufkin: Melody of Moominvalley スナフキン: ムーミン谷のメロディ
© SNUFKIN: MELODY OF MOOMINVALLEY. Developed by Hyper Games. Published by Raw Fury AB. © Moomin Characters ™
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