『Feudal Alloy ブリキの騎士』レビュー: 金魚鉢ロボット騎士のメトロイドヴァニア
『Feudal Alloy ブリキの騎士』とは、本作の主人公「アッツ」の名前と同じAttu Gamesが開発したメトロイドヴァニアゲーム。
全て手描きイラスト調のグラフィックが特徴で、主人公や敵はロボットだけど、中世の雰囲気が漂っている。
本作は、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
ほのぼのロボット
農業用ロボットであるアッツが主人公。
農業しながら退役ロボットのお世話をしており、平和でほのぼのとしたロボットライフを送っている。
アッツは、退役ロボット達から冒険の話を聞かせてもらうのが楽しみ。そして、冒険に憧れるようになっていた。
大事なヒマワリオイル
しかし、ある日、盗賊団が現れた。
アッツが作っているヒマワリオイルを強奪して行ってしまう。
アッツは、一念発起し、ヒマワリオイルを取り戻すまでは故郷に戻らないと決心してダンジョンに向かう。
頭部の謎
ちなみに、本作の一番の謎。なぜ主人公も敵もロボットの頭部が金魚鉢なのか。
どうやら、ロボットたちは、この金魚鉢で泳いでいる金魚がコントロールしている。
そう、実は本体は金魚であり、金魚同士の戦いだ。
これはネタバレというわけではなくて、ゲーム内では、頭部が金魚鉢なのは当然の常識として扱われている。
ゲームの特徴Features
剣で闘い、オイルを注入
アッツは、剣で戦う。攻撃の基本は、剣振り回し。
敵をビシバシ斬る。とはいっても、ズバァッという斬れ味ではなく、剣でドコドコ叩いているような感じ。
近接武器以外に、様々な爆弾を投げることもできる。爆弾は、探索でもバトルでも役に立つ。
画面左上には、オイル量が茶色ゲージで表示されていて、これが体力。敵に攻撃されたり、敵にぶつかっただけでもダメージを負ってしまう。
ダメージを受けると、アッツの頭(金魚鉢)にヒビが入りオイル漏れを起こして体力が減る。
しかし、お店やダンジョンで手に入るオイルを追加すれば体力が回復。
ちなみに、オイル注入時には、頭の金魚鉢をパカッと開けて、ボディ部分にダイレクトにドボドボとオイルを注ぐ。
オーバーヒートにご注意
アッツはロボットなので、一気に過剰に動くとオーバーヒートしてしまう。
休まずアクションを繰り返していると、アッツからブクブク湯気が出てきてオーバーヒート。
画面左上の温度計の赤いところまで温度が上がってしまうと、攻撃を行うことが出来ない。スタミナゲージみたいなものだ。
でも、冷却液を使うと、オーバーヒート状態から回復できる。
ダンジョン内には、ボイラー室のような立っているだけでオーバーヒートしてしまうエリアもある。
ちなみに、オーバーヒートしても移動やジャンプは普通に出来る。そういう構造のロボットらしい。
強化ロボット
本作は、メトロイドヴァニアゲームだ。ダンジョン探索しながら、新たなスキルを手に入れて少しずつ行ける範囲が広がっていくのが特徴。
各所で宝箱から「チップ」が手に入れることでアッツの能力が増えていく。
二段ジャンプやダッシュ、ロボットらしく電気を使った技も覚えていく。
本作では、敵を倒すとバラバラバラと壊れて部品が散らばる。この部品が経験値となる。
一定量溜まるとスキルポイントを獲得し、スキルツリーを解放していくことが出来る。
レベルアップシステムではなく、スキル解放によって攻撃力やスタミナが強化される。
ちなみに、デスペナルティは無い。死んでも手に入れた経験値は失わない。
着せ替えロボット
ダンジョンを探索していると、各地でテントを発見する。お店だ。
お店では、消費アイテムだけではなく、装備を購入することも出来る。剣だけでなく全身のパーツが売られている。
金魚以外全てを付け替えることが出来る。やはり金魚が本体なのだ。
もちろんパーツの種類によって、体力が上昇するなど特性がある。
大切な人(ロボット)の写真
襲撃してきた盗賊団は、アッツがお世話していた退役ロボの貴重品も盗んでいる。
その退役ロボットの持ち物であろうロケット(写真付きペンダント)が各地に放置されている。
これが収集要素であり、やり込み要素となっている。
評価と感想Impressions
金魚が気になりすぎる。なにがどうしてそんなコンセプトになったのか。
頭で金魚飼ってるロボットって何なんだ。
いや、金魚が本体で、ロボットをコントロールしてるのが金魚。そうだとしても、なんで金魚?
しかし、本作の一番の魅力であり個性である「金魚」に言及はなく、さらりとゲームが始まるシュール感。もう、心は鷲掴み。
そして、手描き調のグラフィックも個性的ですごく良い。
一方、肝心なゲーム性の部分。
メトロイドヴァニアらしく、マップが入り組んでいて、意外なところと意外なところが繋がっていて探索がしっかり面白い。
広大マップとまではいかないけれど、少しずつ行ける範囲が広がっていく楽しさがしっかり味わえる。
アクションは、刃先1mmを見極めるような細かいものではないし、ぬるぬる動くという感覚とは違う。
でも、これがちょっと錆びついたロボットの挙動そのもので、世界設定に合っていて良かった。
しかし、戦闘は大味ということはなく、雑魚敵にもちゃんと苦戦する。
それなりに死ぬけど、操作性の問題とか敵の挙動がズルすぎるとか理不尽さを感じることはなかった。
とは言っても、難しくはなく、爆弾や電撃技もあるけれど、実際には近接攻撃のみでも攻略できる難易度。
ただ、セーブ出来る場所がそんなに小刻みに設置されていないので、死んだら、結構戻される。
隠し部屋もあり、パーツ買ってアッツのロボファッション極めたり、やり込み要素も楽しい。
しかし、終盤になってくると、なんだかアッサリ味に。
終盤になると、主人公の攻撃も防御も強化されているし、出来ることも多くなっている。でも、それを存分に活かしきれないまま突然のラスボス。
あれ?もう終わり?
しっかり楽しかったので不満だというまでではないんだけど、面白いからこそ、もっともっと盛り上がりたかった。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
探索しがいのあるマップ
金魚鉢ロボという全てを凌駕する個性
雑魚敵がちゃんと強い
コミック調の美しいグラフィック
残念なところ
終盤の尻すぼみ感
敵の種類が少なめ
オススメな人
メトロイドヴァニアが好き
2Dアクションが好き
手描き調グラフィックが好き
金魚ロボに興味がある
オススメではない人
物語をしっかり楽しみたい
高難易度アクションを求めている
本作が好きならオススメRecommendation
ロボットが主人公のメトロイドヴァニアならコチラもおすすめ。西部劇テイストのスチームパンクで、採掘しながら探索するのが特徴の高評価作。
手描き調メトロイドヴァニアなら、コチラもおすすめ。本作よりも難易度が高く死にゲーでもある名作。マップも広大で複雑。バトルも探索もたっぷり楽しめる。
Feudal Alloy ブリキの騎士
©2019 Attu Games. Licensed to and published by Rainy Frog LLC.