『A Monster’s Expedition』レビュー: 丸太をゴロゴロモンスター
『A Monster’s Expedition』とは、Draknek & Friendsが開発したパズルゲーム。
『A Good Snowman Is Hard To Build』などパズルゲームを手がけてきたデベロッパーで、『Bonfire Peaks』にも共同制作として参加している。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。私はApple Arcade版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
観光モンスター
ゲームが始まると、とある島に船で到着する黒いモンスター。
本作開発元が手がけた『A Good Snowman Is Hard To Buid』の主人公と見た目はそっくり同じなモンスター。だけど別にストーリーが繋がっているわけではない。
リュックを背負っていて、どうやら観光に来たらしい。
主人公の黒モンスターくんは「Human Englandland」という発掘現場を訪問しに来たところだ。
人類?
Human Englandlandはかつて人間が住んでいた土地らしく、出土した人間の遺物が展示されている。
既に人類がいなくなった未来の世界なんだろうか。
ちなみに、博物館なので、もちろん発掘者による解説文付き。
しかし、この博物館はまだ工事途中なのか、一筋縄では観賞出来ない。
発掘現場は、細切れの島になっているので、黒モンスターくんは木で道を作りながら鑑賞を続ける。
ゲームの特徴Features
木をドーン、ゴロゴロ
本作の舞台となる発掘現場は、小さな島に分かれている。
で、各島の間を繋ぐ道を丸太で作る。それが本作のパズルだ。
島に生えている木をドンッと押すと、木がスパッと切れて丸太になる。あとはこの丸太を隣の島との間に浮かべるだけだ。
島には様々な遺物が展示されているので、それを鑑賞しつつ道を作って先へ先へと進んでいく。
転がる方向
主人公は、木を一撃で切り倒すという怪力の持ち主だけど、木を持ち上げることは出来ない。
切り倒して地面に転がった丸太が、主人公に対して水平に転がっているなら、押すとゴロゴロッと転がる。水に落ちるか、何かにぶつかるまで転がっていく。
主人公に対して丸太が垂直なら、ゴロンゴロンと丸太をサイコロのように回転させながら運ぶ。地面に垂直に立った時なら方向転換も可能。
このシンプルだけど、もどかしいルールに沿って隣の島へ道を作っていく。
イカダでスイーッ
水に落とした丸太は浮かぶ。主人公は、丸太の長辺方向にしか渡れない。
しかし、同じ場所にもう一本丸太を落としてみる。
そうすると、イカダの出来上がり!イカダの上ではタテにもヨコにも進むことが出来る。
更に、イカダの上に乗った状態で、目の前にある岩をドンッと押すと、イカダがスイーーッと流れていく。
次に進む島が見当たらない場合などは、イカダで遠出して進んでいく。
実はオープンワールド
本作はパズルゲーム。
しかし、どこから進んでもいいというオープンワールドでもある。
丸太で道が出来る限り、どこから進んで行ってもいい。
道中にある郵便ポスト間ではファストトラベルも出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ストーリーはない。何にもない。ただ人類の遺物を見て回るだけ。
でも、遺物の解説文が面白い。
遺物を発掘したモンスターには人間の文明が理解できないようで、ほぼモンスターの妄想が書いてあるんだけど、どれもクスクス笑ってしまう内容。
モンスターから見たら、人間の生活って奇妙だ。でも、言われてみると確かに「人間って変だよな」と、笑いつつもナルホドと思わせてくれる。
キャラクターの魅力
3.5
主人公である黒モンスターくんには、顔がないから表情もない。
でも、操作せずにパズルに悩んでいると、画面のこちら側に向かって手を振ってくれたり、水辺に足を垂らして黄昏れたり。
さらにはコーヒー飲んで一息つく。
なかなか愛嬌がある。
操作性
3.5
黒モンスター君は怪力すぎて、歩いてるだけのつもりが、うっかり木に接触して切り倒してしまう。
これが1番操作で困ったところ。
「木を倒す」のが選択できるコマンドやボタンがあると良かった。
でも、ボタン一つで一手戻すことができるし、ボタンを押し続ければ更に巻き戻しができるし、さらには、一気に島全体のリセットも可能。
操作はシンプルで分かりやすい。
難易度バランス
3.5
分かりやすいルールだけど、しっかり悩む。
可愛らしい雰囲気だからと侮るなかれ。詰まってしまうと詰まりまくる。
歯ごたえがあってパズルとしては面白いんだけど、徐々に飽きてきやすい。
新たな遺物が見れるとはいえ、やる気を持続してくれる変化が欲しいところ。
ゲームシステム
4.0
丸太を動かして道を作るというめちゃくちゃシンプルなルール。
それだけでここまでたくさんのパズルが作れちゃうとは。こんなに頭を抱えることになるとは。
よーく練って作られていて、パズルとしてのクオリティが高い。
やりこみ要素
4.0
やり込み要素は、どれだけたくさんの展示品を見るか。それに尽きる。
どの遺物の解説文も面白いので一見の価値あり!日本語訳も良い感じで、読むのが面白い。
グラフィック
4.0
あたたかく穏やかな雰囲気が漂う手描き調グラフィック。
主人公の黒モンスターは珍妙でヘンテコで可愛い。
パズルでは悩むことになるけれど、見た目は癒し。
サウンド
4.0
めちゃくちゃ癒される。
癒しな曲調に水が流れる音も聞こえてくるし、パズルに悩みながら思わずウトウト…。
サントラはこちら
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
シンプルなルールだけど悩む
遺物の解説文が面白い
癒される雰囲気
残念なところ
やる気が持続する要素が少ない
触っただけで木が倒れてしまう
オススメな人
パズルゲームが好き
ゆったりプレイできるゲームを探している
クスッと笑いたい
オススメではない人
ヒントが欲しい
解けないとイライラしやすい
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本作のようにシンプル操作だけど、パズルのルールを変えるという斬新なシステムが面白い高評価パズルゲーム。
本作開発元も参加している高評価パズルゲーム。ひたすら荷物を焚き火で燃やすという倉庫番系のパズル。不思議で雰囲気のいい世界も魅力。
A Monster's Expedition
丸太をゴロゴロモンスター
丸太を転がして道を作るというシンプルだけど悩むパズルゲーム。
珍妙なモンスターと人間の遺物に関する面白いコメントが面白く、癒しの雰囲気も魅力。
A Monster’s Expedition
© 2020 Draknek Limited
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