『A Memoir Blue』レビュー: 涙の1時間
『A Memoir Blue』とは、Cloisters Interactiveが開発したアドベンチャーゲーム。
ポイント&クリックゲームであり物語主導型のゲームでもある。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、iOSでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
『A Memoir Blue』の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
浮かないチャンピオン
メダルを首にかけ、四方八方から写真を撮られ、インタビューのマイクが向けられている女性。
彼女が本作の主人公であり、水泳のスター選手だ。
どうやら何かの大会で優勝したっぽいけれど、当の本人は浮かない顔。
どうしたんだろう?
ぼんやり
自宅に帰ってからも主人公はぼんやり。
ちなみに家にはトロフィーがたんまり飾ってある。
でも、本人は何か満たされない様子。電話が鳴っても上の空。
そんな時、ラジオから流れてきた音楽と共に、彼女は思い出に誘われていくことになる。
ゲームの特徴Features
思い出のお手伝い
本作は物語主導型アドベンチャーゲーム。
主人公を操作するわけではなく、画面上に登場する物を動かしたり操作することで物語が進行する。
左スティックで画面上の白くて丸いカーソルを動かすことが出来て、アクションが起こる物の上ではカーソルが二重丸になる。
あとは、決定ボタンを押しつつ、特定の方向に動かしたり、スイッチをオンオフ等するだけだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
本作は、物語主導型ゲームなので、物語が全て。
愛情深い母親と、お母さんが大好きな娘。
でも、2人を取り巻く環境のせいで徐々に溝が出来ていって…。
セリフやテキストは一切なく、音楽と演出だけで感情にグイグイ突き刺さってくる。
プレイ前から予想はしていたけれど、涙がドババババ。
美しい演出の連続にドバーッと泣いてたらエンディングへ。というテンポの良さ。
キャラクターの魅力
4.5
主人公とお母さんが中心。2人ともの気持ちがよく分かる。
人物描写がうまくて、どちらにも感情移入してしまう。
セリフはないけれど、2人が何を喋っているか想像して更に泣ける。
もはや自分の妄想で泣いているという自給自足状態に。
でも、私のような妄想野郎じゃなくても、本作をプレイしたら、きっと自分なりのセリフが思い浮かんでくるはず。
操作性
4.0
複雑な操作は一切ない。
カーソルを左スティックで移動させるのが面倒なら、RTかLTボタン(Xbox版)を押せばアクションが起こる物に自動でカーソルが移動してくれる。
難易度バランス
3.5
本作は、ちょっとした謎解きどころでもなく、単に物を操作するだけ。
ヒントはないけれど、特に難しいこともない。あちこち触っていれば、「あ、こうして欲しいのか」とすぐ分かるはず。
物語を辿るペースを崩さなくていいけれど、ゲームとしては、もう少し考えさせるパズルがあっても良かったかも。
ゲームシステム
3.5
本作は、物語を辿るのがメインであり、ゲーム的な複雑さはない。
でも、物を動かした時に起こる演出は面白く、視点もどんどん変わっていくので退屈に感じることは一切ない。
ゆったりプレイしても1時間程度でエンディングに到達するので、短編小説を読むような感覚で楽しむのがオススメ。
やりこみ要素
3.5
寄り道などはない。ひたすらメインストーリーを辿るのみ。
でも、物語を進めるのには関係ない物もリアクションが起こることがあり、画面上のいろんな場所を突いてみるのも面白い。
グラフィック
4.5
本作は3DCGの部分と2Dアニメーションの部分が混ざっている。
これが物語に関わる仕掛けにもなっていて、最後までプレイすると「あ!」となるはず。
本作のテーマである水がひたすら効果的に使われていて、サウンドと共に癒される世界。
サウンド
4.5
まず、水の音に癒される。
そして、要所要所で流れてくる美しいボーカル曲。
涙の半分は音楽のせいだと思う。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
胸に響く物語
セリフやテキストに頼らない演出
テンポが良い
残念なところ
謎解きなどゲームプレイはオマケ程度
オススメな人
感動して泣きたい気分
短時間でクリアできるゲームを探している
芸術性が高いゲームが好き
オススメではない人
複雑なゲームプレイを求めている
たっぷり遊べるゲームを探している
こちらもテキストやセリフがないものの感動する高評価アドベンチャーゲーム。本作よりもボリュームがあり、アクションや謎解き要素やり込み要素が高い。
水中の心地よさを感じるなら、こちらもオススメ。バトル要素などはなく、最強に癒される水中探索ができる高評価アドベンチャーゲーム。
A Memoir Blue
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