『ABZU』とは、『風ノ旅ビト』『Flowery』を開発したthatgamecompanyのクリエイターが率いるGiant Squidが開発したアドベンチャーゲーム。

本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はPS4版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見れます。
あらすじStory
ゲームスタートすると、全身黒タイツ(ダイビングスーツ?)の主人公が海にザブーーーーン!とダイブするところから始まる。
おおお!?何だ何だ?と思うけど、その後も一切の説明はない。
テキストもセリフもなく、具体的なストーリーを理解するための手がかりもない。
とりあえず、なんとなーく泳ぎ始める。泳ぐうちに、ゲームのやり方は分かるけど、ストーリーはとにかく謎。

海中を泳いでいると、小型のマシンを見つけたり、不思議な空間で儀式みたいなことをすると海が色鮮やかになったり。
どんどんと泳いでいくと、何やら文明の跡のような遺跡をチラホラ見かけるようになってくる。
それでも、主人公も何も語ることはなく、パチリとした大きな目がクリクリ動くのみ。
一体、なぜ海中に遺跡や機械があるのか。主人公は一体何者なのか、目的は何なのか。
まあ、そんなことは気にせず、ゆったり泳ぎながら好き勝手に海中探検していく。そんなゲームだ。

ゲームの特徴Features

海中を探索していくアドベンチャーゲーム。ということで、ずっと海中が舞台であり、敵と戦ったり複雑なアクションは全くない。
とにかく泳ぐ泳ぐ泳ぐ、もしくは潜る潜る潜る。主人公は、泳ぎがめちゃくちゃ上手なので、あらゆる方向にも泳ぎ放題。
左スティックで泳ぎたい方向を向いてR2ボタン(PS4版)を押し続けると泳ぐ。×ボタンを押すと加速。タイミングよく加速すれば、どんどん速いスピードで泳ぐ。
左スティックを倒す方向は主人公が基準になっていて、画面の上下左右とは一致していない。

泳いでいると、海底の砂に埋まった小さい遊泳ロボットを見つけることがある。
掘り起こして、ちょいちょいと触ると復活。どうやら主人公はメカに強いらしい。
復活した機械は、主人公の周りを並走(泳)し、周りをライトで照らしてくれる。
更に、道を塞ぐ「壁のような何か」を壊してくれる。先に進むためには、この小型ロボットを探さなければならない。

上述のお助けロボットではなく、自ら仕掛けを動かすこともある。
なぜか頑丈な扉がいくつもあり、どれもしっかり閉まっている。しかし、鍵が必要というわけじゃなくて、ギミックを起動することで扉が開く。

当たり前だけど、海はひと続き。しかし、泳いでいると景色は変わっていく。
新しいエリアの入り口に来ると、周囲は暗くて不気味。その暗闇の中心に、ポッカリと穴が開いている。
その穴へ入ると、不思議な神殿のような場所に飛ぶ。
神殿にある泡のような物体に「何か」を捧げると、ブワァアアアアアッと生き物と光と色彩が溢れる。そうすることで、新しいエリアがアンロックされ、先に進むことが出来るようになる。

泳いでいると、海流に巻き込まれることがある。でも、気持ちよく、ただ身を任せて、流されてしまえばいい。
でも、それだけではない。海流の所々に魚の群れがいる。流されつつも魚の群れに近づくと、群れがピカーンと光る。
海流の出口までの全ての群れに触れると実績解除になる。でも、単純に自分の周りを魚の群れが泳ぐ姿が豪華で美しいので、たくさん群れに触れたくなる。
評価と感想Rating
良いところ

本作でやることは、スィイイイーーーと泳ぐのみ。で、このスィイイイーーーが、とんでもなく気持ちいい。
ここ最近プレイしたゲームの中で1番気持ちいい操作感覚。
音楽は包み込むように鳴り響き、グラフィックは色鮮やかで美しくて。
自分自身がゲームしているのか、本当に浮遊しているのか、いや、夢の世界にいるのか分からなくなるくらい癒されまくった。
泳ぐだけなら、ゲームとしてのやりごたえはないのかっていうと、そんなことは全くない。
先に進むためにはギミックを作動させなくてはいけなくて、そのためには、あちらこちらをしっかり探索しなければならない。
とは言っても、「この美しい海を隅々まで見たい!」と、探索が楽しすぎて全く苦にはならない。
そして、ストーリーも主人公の正体もよく分からないものの、物語の行方はかなり気になった。
深海ならではの不気味さや、遺跡にはなぜか高度な機械も溢れていて、ドキドキしながら潜っていく場面もあった。
癒しなだけではなく、随所の演出は心揺さぶるものとなっていて、特に終盤の演出はあまりにも美し過ぎて思わず涙が出たほど。
プレイ後には「なんか凄い体験してしまった」としばらく放心してしまった。本作は、もはやただゲームとして扱って良いのかどうか。
残念なところ

特になし
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
究極に癒される
操作感と挙動が美しすぎる
完成度の高いグラフィックとBGM
心掴まれる演出
残念なところ
特になし
オススメな人
芸術的なゲームが好き
癒しを求めている
難しいゲームは苦手
個性的なゲームを探している
数時間で終わるゲームを探している
オススメではない人
バトルをしたい
複雑なアクションをプレイしたい
極度の水中恐怖症
本作が好きならオススメRecommendation
本作開発元の、もう一つの高評価ゲーム。謎解きもバトルもあるアクションアドベンチャー。これまた流れるようなアクションが気持ち良すぎる。

本作開発者が携わった最高の雰囲気ゲー。

ABZÛ
https://abzugame.com
© 2016 Giant Squid