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『FAR: Lone Sails』とは、Okomotiveが開発したアドベンチャーゲーム。
本作は、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私は、iOS版をiPhoneでプレイ。
続編『FAR Changing Tides ファー チェンジングタイド』も発売されている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作と似ているゲームも紹介する。
画像はクリックもしくはタップすると拡大して見ることが出来ます。
物語が始まると、誰かのお墓の前にいる赤い服の主人公。誰かを亡くしたばかりなのだろうか。
私には赤いレインコートを着た少女に見えた。
本作にはテキスト情報やセリフは一切ないので、全て妄想するしかない。
主人公は、自宅と思われる家で何かを決意し、外へと出て行く。
家から出た主人公は、大きな潜水艦のような車のような乗り物に乗り込み、どこかへ進み始める。
砂ばかり。水はない。ちなみに、他の誰もいないし、周りには崩れた廃墟しかない。色彩もない白い土地が延々と続く。
この地には栄えた街がたくさんあったのだろう。でも、今は全て崩壊している。いわゆるポストアポカリプスだ。
主人公は、どこに何をするために旅に出たんだろうか。
ギィギィ金属音が鳴る乗り物を黙々と操縦しながら、ひたすら画面右へと進んでいく。
画面右の果てには、一体何が?
ゲームのメインは、大きな乗り物を動かして右へと進むこと。
操縦は忙しい。乗り物内を駆け回らなければならない。
その辺に落ちている木箱や燃料缶を拾ってきて、乗り物後部の燃料投入部に乗せて、天井にあるスイッチをジャンプして頭突きで押す。
そうすると、燃えて出来た燃料が乗り物前方に溜まる(青色の液体)。
そして、その燃料ゲージ近くのスイッチを押し込んでエンジンをかける。
更に追い風が吹いていたら、乗り物の上にある帆を開くと加速する。
乗り物が動き出しても安心はできなくて、エンジンが熱くなってきたらスチームボタンを頭突きして、熱を放出する。これによりグッと加速もできるし、オーバーヒートすると故障してしまう。。
文字で読んでも何が何やらだと思うけど、とにかく1箇所で楽に運転出来るわけではなく、乗り物内を一人で駆けずり回りながら動かすということだ。
ゲームが進んでいくと、少しずつ船は改造されていく。
そして、乗り物の故障も増えていく。天候や運転ミスのせいだったりで、火が出たり電気系統がバチバチとショートしてしまう。
故障してしまったら、消火ホースを引っ張ってきて消火、バーナーで修理する。運転以外にもやるべきことが増えていく。
いくつかの地点では、乗り物が先に進めなくなる。ガレキの山や大きな扉が閉まっていたりなど障害物が邪魔をする。
そこからは、謎解きだ。乗り物を降りて、周りを探索してギミックを作動させて、開通作業を行う。
物語の面白さ
4.0
物語はぜんっぜん分かんない。だけど良い。
誰も何も説明してくれない。そもそも、誰もいないし。でも、良い。
何かあったのは間違いない。しかし、人々は突然いなくなったのか、徐々に減っていったのか。主人公は最後の人なのか。妄想が止まらない。
タイトル通り孤独で物哀しい。「誰か、誰かいませんかー!?」と願いながら進む。
そして、「おおお、これが結末なのか」という終わり方。ゲームが終わっても妄想は止まらない。芸術作品のようなゲームだ。
序盤では、正直そんなに没頭しないかなと思ったんだけど、結局一気にクリアまで突っ走ったくらい魅力的な世界。
キャラクターの魅力
3.5
主人公だけを見続けることになる。主人公にはセリフはないし、愛想を振りまいてくれるわけではない。
主人公が走り回るトテテッタタタッという足音が静寂に響く。ただ黙々と忙しなく乗り物を運転する。
自分の身の丈ほどある燃料缶を持ち上げて、時には重たい乗り物を一生懸命引っ張る。
気づいたら「頑張れー頑張れー。1人でも負けるなー。」と応援していた。いつのまにか赤い服のこの子に夢中だ。
操作性
3.5
主人公は常に全速力で走ってくれるし、キビキビとジャンプしてくれる。
私はスマホでプレイしたけれど、画面左下に左右に移動するボタンが間隔狭く並んでいて、タップを間違えやすい。正直スマホでは操作性が良いとはいえない。
視点は3段階切り替えられる。乗り物全体が見れる遠め視点、乗り物内部が見える中距離視点、主人公を大きく見れるズーム視点の3つ。
先に何があるか見たいから遠め視点にしたいんだけど、乗り物を操縦しなきゃいけないから中距離視点にしなきゃいけないくて、と、なかなか面倒くさい。しかも、たまに視点切り替えすると乗り物内部が見えなくなる。
ちょこちょこと忙しく操作するのが本作の醍醐味ではあるけれど、快適にプレイするならスマホ以外のプラットフォームがおすすめ。
難易度バランス
3.5
ストーリーだけでなくゲームプレイ上も何も情報なし。
そう、チュートリアルがない。途中で乗り物が改造されても「こんなことが出来ますよ!」っていう情報もなければ、改造されたことに気づかないことさえある始末。
手探り。本気で手探り。このボタン押すとどうなるんだろう。ポチッ。ふむふむ。自分で学ぶしかない。
謎解きもヒントは一切なし。
不親切ではあるけれど、それを自力で解くのが面白い。ちゃんと気づいてクリアできるようになっている。
乗り物は前後のホース(ワイヤー?)を引っ張ると自力でゆっくり動かせる。とりあえず、これだけお伝えしておく(私はこれに気づかなくて、しばらく右往左往した)。
ゲームシステム
4.0
孤独で静かな世界。一歩間違えば飽きて眠たくなってしまう。
しかし、乗り物の操縦がめちゃくちゃ忙しい。燃料が足りなくなってしまわないか常にハラハラ。乗り物の故障にも目を光らせる。
このギャップが素晴らしい。緩急つきまくってる。
乗り物の操縦部分だけでも本作特有のゲームプレイだし、このゲーム全体に流れている空気感はなかなか醸し出せるものじゃない。
長編でもないし、印象的なキャラが登場するわけでもない。でも、記憶にしっかり残る良いゲーム。
やりこみ要素
3.5
ただひたすら右へと進むので、寄り道とかやり込み要素はほぼない。
でも、ところどころで燃料以外のものが見つかる。植木鉢やおもちゃのような物。それらは乗り物内に飾ることができる。崩壊した世界だからこそ遊び心は大切だ。
そして、1番のやり込み要素は妄想。背景から色々と物語を想像できる。するつもりなくても、絶対妄想してしまう。何か感じずにはいられない。
グラフィック
4.5
ほぼ灰色な世界。廃墟とガレキだらけ。そして舞う砂。
そこに主人公の赤い服が映える。
物語も含めて芸術作品のようなゲーム。荒廃した世界だけど、何度も「綺麗だなあ」と思っていた。
サウンド
4.5
風の音。はためく帆の音。ギィギィ軋む金属の音。燃料を燃やすゴォオオッという音。
何もない世界に環境音が響く。これが、余計に孤独感を増してくる。
でも、謎解きが解けた時や、グングン進む追い風の時などは、BGMが流れる。これも良い曲ばかり。
\\サントラはこちら//
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
忙しく夢中になる乗り物の運転
想像をかきたてる世界
芸術性の高いグラフィックと音楽
スマホでは操作ミスしやすい
視点操作がやや面倒くさい
妄想や考察が好き
個性的なゲームを探している
謎解きが好き
チュートリアルやヒントが親切じゃないと嫌
物語をハッキリ説明してほしい
本作から続く『FAR』シリーズ第二弾。乾燥地帯の本作からガラリと変わり、大洪水後の世界を進んでいく。本作をプレイしていると、より物語を楽しめる仕掛けがあるので、本作後にプレイするのがオススメ。
抜群の雰囲気と想像を掻き立てる世界。謎解きしながらアクションも楽しめるアドベンチャーなら、こちらもオススメ。
孤独に忙しい赤い服の人
文明崩壊した世界を大きな乗り物を操縦しながら進むアドベンチャーゲーム。
操作も謎解きも一切ヒントがなく、手探りで攻略していくのが面白い。
静寂を感じつつ妄想をかきたてる雰囲気が抜群に良い。
FAR LONE SAILS ファー ローンセールズ
https://www.far-game.com/#
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