『Little Nightmares 2』とは

Tarsier Studiosが開発したパズルアドベンチャー。謎解きもアクションも両方しながら進んでいく。
ジャンルは、サスペンスアドベンチャーだったり、ホラーアドベンチャーと表記されていることもあるように、ハラハラしたり不気味で怖い演出も多い。
本作は、2017年に発売された『Little Nightmares リトルナイトメア』の続編。
リトルナイトメアシリーズは、他にもスマホ向けの『Very Little Nightmares ベリーリトルナイトメア』もリリースされている。本作がシリーズ第3作目だ。
ちなみに、本作の世界をより楽しめるデジタルコミックもスマホ向けに配信されている。本作に登場する舞台で展開する「誰か」の物語だ。
本作は、PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。
私はPS版をプレイ。
あらすじ
突然、森の中でハッと目覚める少年。傍には壊れたテレビ。
そこから物語が始まる。

特に何がどうしたという説明もなく、紙袋を頭に被った少年は森を進んでいく。
この少年が本作の主人公である「モノ」だ。
森を進んでいくと、かなり怪しげな『バイオハザード 7』が始まりそうな家にたどり着く。

人がいる気配はない。
いや、人いたーー!と思ったけど、動かない。なんか色々と身体から飛び出てる。

あれ?やっぱり『バイオハザード』かな?と思ってたら、何か音が聞こえてくる。オルゴールの音。
その音を頼りに進んでいくと、監禁されている女の子を発見。彼女こそリトルナイトメアシリーズの重要人物(過去作では主人公)の「シックス」だ。

斧でドアを壊して救出作業中
特に何か話し合うわけでもなく、2人は協力しながら進むことになる。
森を進んで街に着き、更にどこかを目指していく2人だけど、街の様子は異様。

人だけ一瞬で消えたかのように服だけ残されていたり、2人を執拗に追ってくるタイトル通り悪夢のような怪物たち(元は人間っぽいけど)に遭遇したり。

時々、嫌なノイズを流してくるテレビに映し出されている番組が全ての元凶なのか。2人はどこへと進んでいくのか。無事にどこかへ辿り着けるのか。

時系列的には、前作より前の物語になっているので、シリーズ過去作を知らなくても十分楽しめる。
もちろん、シリーズファンにとっては「あ、やっぱりシックスって…」と色々と考察が捗るので、より一層楽しめる。
ゲームの特徴
ひたすら道を探す
本作は、奥行きのあるサイドスクロールなアドベンチャー。
基本的に画面右へ右へと進んでいく。
しかし、時には障害物があったり、ドアに鍵がかかっていたりする。
障害物を排除したり、乗り越えたり、他の場所で鍵を見つけてきたり。ギミックを動かして道を空けたり。

その場にあるものを駆使して先に進めるよう考えながら、時にはタイミングよくアクションしながら進んでいく。
歩く、しゃがむ(屈みながら移動も可能)、走る、物を持つ、投げる、ぶら下がるといったアクションが出来る。
怪物から隠れながら進む時は、屈みながらゆっくり歩いて音を立てないようにしないと、もの凄い勢いで食い殺される。

時には、大爆走して怪物から逃げなければならない時もある。
体力やスタミナといったシステムはない。高所から落下した場合でも怪物に捕まった時も一撃死だ。
死んだ場合は、本作はオートセーブになっていて、チェックポイントからのリスタートとなる。
相棒に命を託す
本作の主人公は紙袋少年モノなので、彼を操作する。
そして、レインコート少女シックスはあとを付いてくる。
でも、シックスは傍観してるだけではない。積極的に謎解きに手を貸してくれる。

ちなみに本作はシングルプレイのみなので、シックスを操作しての協力プレイとかはない。AIとの協力プレイだ。
特定の場所に来るとシックスは必要なアクションを勝手にやってくれる。それが謎解きのヒントになったりもするので、彼女の挙動には要注目。
少し高い場所にはシックスが持ち上げてくれたり、一緒に重たい物を押してくれたり頼りになる相棒だ。

シックスが手を差し伸べてくれる
それでも、たまに「いや、そっちじゃなくて、ここに来て!」と言いたくなることもある。その場合は、シックスに「ヘーイ」と声をかけて呼ぶことが出来る。
評価
会話もないし説明もないし、じゃあ雰囲気とか画面から具体的な物語が読み取れるかっていうと、そういうわけでもない。
摩訶不思議、ひたすら不気味。
そもそも、モノとシックスの正体も不明で、なんで2人がせっせと街を進んでいくのかも全然分からない。
だけど、面白くて仕方ない。もう、この世界に惹き込まれたら、細かいことなんてどうでもいい。先が気になる。
次にどんな恐ろしい奴がいるのか、このあと何が起きるのか。ハラハラが気持ち良い。テンポが最強に良い。

しかも、具体的な説明は何もないのに、考察したくなるようなポイントがチラチラ現れる。壁に飾られてる絵とか、怪物たちの様子とか。
本当に魅力的な世界だ。いや、もちろん不気味で怖いし、実際にこんな街があったら、間違いなく近寄ってはいけない。でも怖いもの見たさな魅力がたっぷり。
モノとシックスは表情どころか顔もほぼ見えない。けれど、魅力的。
小さなボディで一生懸命走ったりしてて、可愛らしく見えるんだけど、実は2人が1番怖い。

ほっこりするけど実は残酷な小人同盟
そして、怪物たちが、これまた良い。
本当に悪夢に出てくる怪物そのもの。みんな良い味出してる。
プレイしていて、思わず「いや、もうホントどうした?なんでそんなことになった?」ってツッコミ入れたくなるくらい狂ってる。

操作性は、はっきり言って良くない。
もたつきのある挙動の方が恐怖感が増すから、ワザとだと思う。ゲーム性と合ってるし、それは異議なし。
ただ、画面全体が暗いので奥行きが分かりにくくなる場所がある。

そして、よじ登る場所や持つことができる物などに対してボタン入力しているのに受け付けてくれない時がよくある。
立ち位置の問題なのか、ボタンを押すタイミングなのか、よく分からない。
そうかと思うと、結構ずれた位置にジャンプしても、瞬間移動してよじ登ってくれる時もある。
自分としては同じことをしたつもりでも、許される時と許されない時がある。謎の判定。これも悪夢の一貫なのかもしれない。
でも、リスタートとなるチェックポイントが小刻みにあるので、ストレスが溜まるほどではない。

難易度としては、謎解きの難易度は高くない。頭をひねらなきゃいけないようなパズルではない。
それよりアクションのタイミングの方が大変。特に怪物から全力疾走で逃げる時など、一瞬の戸惑いで絶命する。

常に初見殺し多発なので、それを楽しく味わうのがオススメ。
死に方もちゃんとそれぞれの場所で変わる。シックスがリアクションしてくれる時もある。
雰囲気が抜群。これを楽しむ、それに尽きる。
常にハラハラ出来て、先が気になりまくるし、無我夢中でプレイしてしまう。
過去作と比べて、2人で進む新鮮さはあるけれど謎解きはやや単純になった。それよりアクション要素の方が強い。

やり込み要素としては、モノが被っている帽子を見つけることと、ノイズになった子供たちを見つけること。

どちらも正規ルートとは違った寄り道にあることが多いけど、どちらも見つけにくい場所にあるので、制覇するのは結構大変。
謎解きに関係ない場所に登れたり、特に意味のない物を持てたり壊したりもできるので、隅々まで探索するのが楽しくなる。

ファントムと呼ばれている
抜群の雰囲気が命のゲームなので、芸術性はピカイチ。気持ち悪さのセンスが最強。
でも、ただただ気持ち悪いだけではなくて、可愛さとか愛嬌もある。さじ加減が絶妙。
怖い絵本。そんな感じ。

BGMはほぼなくて、環境音ばかり。怪物の息づかいや何かを引き裂くような音、ノイズや誰かの話し声など。怖がらせようとしてくる。
本作はホラーなので、びっくりさせる演出も多くて、ドォーーンと突然大きな音が鳴ることもある。
怪物の狂った行動だけじゃなく、そこらへんに異様な状態の死体が転がってたりする。そして、モノやシックスが怪物にやり返すシーンもある。

本レビューでは、ネタバレになりそうな場面や気持ち悪い場面を極力避けて画像を載せているので、実際にプレイすると「うわぁ」な場面が盛りだくさん。
ホラーとしては、いつ殺されるかとハラハラする方向性の怖さ。お化けとか呪いとかの背筋が凍るタイプの恐怖ではない。
怪物に追いかけられるような悪夢を見た時に、逃げようとするんだけど、なぜか上手く逃げられない感覚、まさにアレ。それがゲームプレイで体感できるんだから、すごい。

まとめ
- 良いところ
-
- 不気味で悪夢な雰囲気やグラフィック
- ハラハラが続くテンポの良さ
- キャラが魅力的
- 残念なところ
-
- 操作性の悪さでもたついたりミスすることがある
- 謎解き要素は薄め
総合評価
4.0
- こんな人にオススメ!
-
- ホラーや気持ち悪い雰囲気が好き
- 謎解きが好き
- 緊張感が続くゲームが好き
- リトルナイトメアシリーズのファン
- オススメではない人
-
- 怖い雰囲気が苦手
- 気持ち悪いものは見たくない
- 初見殺しが許せない
- 快適な操作性じゃないとイライラする
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