『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスター』レビュー: ぼっちにも優しいダンジョン周回
『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスター』とは、スクウェア・エニックスが開発したアクションRPG。
タイトル通り「リマスター」というわけで、オリジナル版は2003年にゲームキューブで発売された。
クリスタルクロニクルは、ファイナルファンタジーシリーズのスピンオフで、当初は任天堂ハードでのみ展開してきたシリーズだ。
ちなみに、本作のオリジナル版が、クリスタルクロニクルシリーズ第1作目だった。
FFCCシリーズは、4つの種族が存在する世界が舞台で、クリスタルがしっかりテーマになっているのが特徴。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、iOS、Androidでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作はマルチプレイも可能だけど、本稿はシングルプレイでのレビューを行なっている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
クリスタルバリア
ヒトの命を奪うほどの毒ガスのような瘴気が立ち込める世界が舞台。
この世界にはクラヴァット、リルティ、ユーク、セルキーという4つの種族が暮らしているけれど、どの種族もこの瘴気から身を守るためクリスタルを町や村に設置している。
クリスタルがバリアのようなものを発動して、みんなを守ってくれるのだ。
しずくを献上
しかし、クリスタルパワーは無尽蔵ではない。
1年に一度、ミルラのしずくをクリスタルにたっぷりと献上することでパワーが保たれる。
ところが、ミルラのしずくはそう簡単には手に入らない。
なぜか各地の危険なダンジョン奥にばかりにある特別な木から採取することができる。
しかも、一本の木から取れる雫は、ほんのちょっぴり。
というわけで、各地の木を回って雫を集めるのだ。
危険な任務ではあるけれど、それぞれの村は強い村人を選抜して「キャラバン」を作り、しずく集めの旅に派遣している。
瘴気の謎
主人公が故郷の村のキャラバンに加わるところから物語は始まる。
ちなみに、主人公は好きな種族、好きな性別から選ぶことができる。
世界はこのまま瘴気に毒されたままなんだろうか。
昔は瘴気もモンスターもいなかったらしいけど、この瘴気のそもそもの原因は何なんだろうか?
主人公は、旅を通して世界の謎にも迫っていくことになる。
ゲームの特徴Features
好きなダンジョンで雫をもらう
ワールドマップからダンジョンを選択して入り、探索しながら進んで奥にいるボスを倒して「ミルラのしずく」を貰う。
これを繰り返す。
ダンジョンをいくつか周り、「しずく」が一定量溜まったら自動的に1年が終了する。
故郷のクリスタルに「しずく」を捧げ、宴だ。
宴では、その1年に起きたイベントが主人公の淡々とした語り口の日記と共に流れる。
で、また次の1年が始まる。
ただ前の年に「しずく」をもらったダンジョンでは、連続して「しずく」がもらえない。木が「しずく」を作るのには時間がかかるらしい。
さらに、年が変わるとダンジョン内のモンスターが強くなる。
地形は一緒だけど、去年はいなかった強敵が出現するようになる。
1つだけに集中
主人公は武器での近接攻撃、必殺技、防御、魔法で戦う。
でも、バトルで使えるボタンは、PS版では○ボタン1つだけ。
L1ボタンかR1ボタンでコマンドを切り替え、○ボタンを押した時のアクションが変えながら戦う。
種族によって武器や防具が異なる。また、必殺技と魔法は発動まで時間がかかる。
また、ダンジョン内では入口からボス部屋まで「ミルラのしずく」を入れる杯を持ち運びながら移動しなければならない。でも、杯を持っていると攻撃やアイテムを拾えない。
シングルプレイだと、モグが杯を担いで付いてきてくれる。が、マルチプレイでは、杯運び係を誰かが担うことになる。
ローグライトっぽい
ダンジョンの奥でボスを倒して「ミルラのしずく」を杯に入れたら、ダンジョンクリア。
クリアすると、探索中に手に入れたアイテムと戦利品を持って帰ることが出来る。
戦利品は、道中で手に入れたアーティファクトや素材。どれか1つだけ選ぶことができる。
本作はマルチプレイが想定されているので、獲得品を分けるシステムになっているわけだ。
本作では経験値ではなく、手に入れたアーティファクトによるステータスアップによって強くなっていく。
ダンジョンに入る度に宝箱はランダムに補充され、モンスターからドロップするアイテムもランダム。
また、モンスターがドロップする魔石によって新たな魔法が使用可能になる。
シングルプレイでは、メニュー画面で魔石を合体させて魔法を強化させることが出来る。
マルチプレイでは同じ敵などに各プレイヤーが魔法を重ねがけすることで強化魔法に変わる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.0
マルチプレイで、みんあでダンジョン攻略するのがメインとなるゲームなので、ストーリー要素は軽め。
オープニングから唐突に物語が始まる感じ。
物語が始まった後も、街道で突然他のキャラバンと遭遇したりして、突然物語が展開することが多く、断片的な感じが否めない。
世界の謎は気になるけど、正直あまり物語に惹きつけられなかった。
キャラクターの魅力
3.5
物語中の会話などでは、主人公自身の個性はあまりない。
でも日記の語り口調が面白い。淡々としてるんだけど、ちょっと皮肉っぽく、それでいてやや天然キャラ。
操作性
3.0
挙動は、ややもったり。
さらに敵の位置が分かりにくい。
特に飛んでいる敵との主人公の位置関係が分かりにくい。
空中の敵はどの位置で攻撃が当たるのか、見やすい敵の影などがあるとプレイしやすくなったと思う。
また、マップ移動やイベントなど画面の切り替えが多いんだけど、ロードが重たすぎる。
そのせいで、「なんかこのゲームって全体的にモッタリしてるなあ」という印象が強くなってしまっている。
難易度バランス
3.5
シングルプレイを選択することができて、シングルでもクリアできるようになってるのは嬉しい。
難易度は易しめで、ゲームオーバーになるようなことはほぼない。
ゲームシステム
3.5
分かりやすくてプレイしやすい。
バトルシステムはシンプルだけど敵やダンジョンの種類が多くて、飽きないようになっている。
ダンジョン周回になるけれど、年を経るごとに難易度が上がるし、挑戦するダンジョンが選べるのも良い。
でも、結局は同じことの繰り返しなので、マルチプレイの方がより長く楽しめると思う。
やりこみ要素
3.5
装備品作りや作物栽培(実家の家族がやってくれる)やモーグリの家を回ってスタンプ集めなどのやり込み要素がある。
また、オリジナル版からクリア後の高難易度ダンジョンも追加されている。
どのダンジョンを選ぶか。どこまで主人公を強化するか。
はたまた他の種族のキャラでもプレイしてみるか。
どこまで周回するかが最大のやり込み要素だけど、正直シングルプレイではそんなにやる気が続かない。
グラフィック
3.5
リメイクによって綺麗にはなってるけど、古い感じがする。大味なポリゴン。
ダンジョンもやや味気ない見た目。
キャラクターは可愛いけれど、リマスターされているとはいえ、最近のゲームに比べると見劣りしてしまう。
サウンド
4.0
ファンタジーっぽくてあたたかい曲調のBGMが多い。癒される。
FFナンバリングタイトルとは違い、クリスタルクロニクルシリーズはおとぎ話っぽい雰囲気が魅力。
サントラはこちら
総合評価Summary
3.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
可愛い雰囲気
システムがシンプルで分かりやすい
シングルプレイでも攻略できる
残念なところ
挙動がもっさり
物語が断片的
同じことの繰り返しなので単調になりがち
オススメな人
気軽に遊べるゲームを探している
ほのぼのした世界が好き
シングルでもマルチでも遊びたい
オススメではない人
歯ごたえのあるアクションをプレイしている
物語を楽しみたい
周回プレイが嫌い
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ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスター
ぼっちにも優しいダンジョン周回
FFナンバリングタイトルとは違った、可愛くあたたかい雰囲気が魅力。
シングルプレイでもマルチプレイでも攻略できる安心設計だけど、マルチの方が楽しめる。
挙動のもっさり感が残念。
ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル
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CHARACTER DESIGN: Toshiyuki Itahana