『Gangs of Sherwood』レビュー: 予想外のロビンフッド ー ギャング オブ シャーウッド
『Gangs of Sherwood ギャング オブ シャーウッド』とは、Appeal Studiosが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
本作は映画や小説でも有名な「ロビンフッド」がベースになっているけれど、本作では設定から全てオリジナルストーリーが描かれている。
本作はPS5でプレイ可能。また、Xbox版、PC版は2023年12月1日に発売予定。私はPS版をプレイ。
本作は最大4人で協力プレイが可能だけど、本稿はソロプレイ(オフラインモード)でのプレイレビューとなっている。
『Gangs of Sherwood ギャング オブ シャーウッド』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。尚、本ゲームは、3goo様よりご提供いただきました。
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あらすじStory
物語のはじまりはじまり
道化師アラン・ア・デイルが人形劇を披露している。
獅子心(ライオンハート)と呼ばれる強力な力を秘める石を手に入れたノッティンガム代官が、その力を使って様々な兵器を生み出し、市民から法外な税を厳しく徴収している。
そんな本作の世界事情がアランによって面白おかしく語られ、観客たちは人形劇に夢中だ。
アランはめちゃくちゃ怪しい見た目でボスのアドバイザーでもやっていそうだけど、大丈夫。彼は市民の味方だ。
というわけで、道化師アランは、明らかに悪役であるノッティンガム代官の配下によって捕えられてしまった。
4人集結!
そんなアランを助けるために、本作の主人公である市民を守る義賊4人が駆けつける。
まず、1人目はご存じロビン。弓の名手で、ノッティンガム代官には個人的な恨みも持っている。
2人目は、マリアン。ノッティンガム代官の娘だけど、悪行を働く父のことは見限っており反乱軍に参加している。
3人目はタック修道士。人々の苦しい生活を良くしたいと奮起したパワフルに戦う修道士さん。
4人目はリトル・ジョン。もともと王に仕える騎士だったけれど、義賊の考えに賛同し、戦いに加わった。
そんな頼もしい4人組は颯爽と道化師アランを助け出し、反乱軍の拠点へと戻って行った。
ノッティンガム代官と息子達
シャーウッドの森にある古い教会。
しかし、その中では、ノッティンガム代官の圧政から逃れた人々が身を寄せ暮らしている。反乱軍の拠点だ。
ノッティンガム代官はというと、獅子心の力を使って巨大な大砲どころか、自身の息子たちの体を改造して各地でやりたい放題している。
やたらと息子が多いノッティンガム代官の暴走は激化していく一方だ。
ロビンたち4人は、教会に市民を避難させつつ、ノッティンガム代官を倒すため戦いへと飛び出していく。
ゲームの特徴Features
ミッション攻略型
本作はミッションクリアでゲームが進行していく。
拠点である古の教会で、バトルの準備やスキルの確認(模擬戦が可能)を行い、ミッションを選択して出発する。
ミッションでは、探索しながら先へ進んでいく。
バトルが始まると全敵を倒さなければ先に進めず、基本的に後戻りは不可能でどんどん進むしかない。
全く違う4人
本作では操作キャラを上記の4人の義賊から選べる(ミッションごとに変更可能)。
キャラによって武器や挙動、スキルも全く異なる。
例えばロビンは通常攻撃が弓矢。強攻撃では弓で敵をぶっ叩く近接攻撃に変わる。
また、コンボを決めるとスターアローという分身した弓が出現し、ロビンの攻撃に合わせて追撃してくれる。
マリアンは狙った敵にダガーを飛ばし、タック修道士は大槌で溜め攻撃可能、リトルジョンは拳でタイミング良く攻撃を続けると強力なパンチを繰り出せる。
といった感じで、それぞれの武器に合わせた特殊攻撃が出来る。
お金が強さ
敵を倒したり、宝箱やその辺の空き箱を壊すとお金が手に入る。
本作では敵を倒しても経験値を獲得するわけではない。
ミッション内の各所にあるチェックポイントにたどり着いた際に所持しているお金が一定以上だとレベルアップして最大HPが増える。
義賊なので、厳しい税に苦しむ民にお金を分け与えて支持を得る=ヒーローとしての強さというわけだ。
ただし、このHP上限のアップグレードは、そのミッション内でしか有効とはならない。
多彩なスキル
ミッションを無事に終えると、総獲得金額が民からの評価になり義賊としてのランクが上がっていく。
そして、拠点ではランクに応じた新たなスキルを購入することができるようになる。
新たなコンボ技だけではなく、必殺技のようなスキルも登場する。
敵を攻撃していると反乱ゲージが上がっていき満タンになったら、一定時間パワーアップ+HP自動回復すると共に、その一定時間にしか発動できないスキルも使用可能になる。
こうしたスキルはキャラごとに多種類用意されている。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
冒頭から唐突にどんどんと物語が展開していく。
物語要素は軽めで、ミッション前に道化師アランがそのミッションに至るまでの経緯を人形劇で語るくらい。
本作の物語に興味が湧くかどうかは、どのくらい「ロビンフッド」の物語を知っているかによると思う。
中世ヨーロッパな話ではなく、スチームパンクな世界になっていて、マリアンがノッティンガム代官の娘になっているなど、意外な設定が面白い。
また、ミッション中に仲間同士での会話が多く、その掛け合いはにぎやかで面白い。
キャラクターの魅力
4.0
上述した通り、じっくり人間ドラマというわけではないし、義賊4人については道化師アランの人形劇でさらっと紹介されるだけで物語が始まる。
でも、仲間同士での会話を通して性格の違いは徐々に分かってくる。よく冗談も言い合っていて、仲が良さそうだ。
ちゃんとキャラが立っている分、もっと物語の描写が欲しかったところ。いい役者が揃っているのに勿体ない。
ロビンフッドをベースにした意外な設定が面白いので、もっと見せつけて欲しかった。義賊4人は強気だけど、そういうとこは意外と控えめだ。
また、NPCは少なく、スキル購入画面などで見れる人物紹介で彼らについて知るしかない。
操作性
3.5
本作のバトルはハイペース。
近くにいる敵を自動で攻撃し(ロックオンも可能)、キビキビと動く。当たり判定は甘めでガンガン攻めることができる。
4人それぞれ挙動が違うので、操作キャラによってしっかりプレイ体験が変わる。
反乱ゲージなどが溜まると画面に「反乱本能使えるよ!」というお知らせも出るし、操作は分かりやすい。
ただ、ジャンプして空中ダッシュした際の制御が効かず、更に着地時にそのまま滑ってしまうことが多く、足場を渡っていく際に無駄にミスしやすいのが気になるところ。
特にジャンプ関連の挙動や精度は大味だ。
難易度バランス
3.5
難易度は各ミッション開始時に3段階から選択可能。
私は、全てデフォルトの「普通」でプレイ。
ソロプレイでの難易度は操作キャラによってかなり変わる。
遠距離も近距離も攻撃できるロビンが強く、敵は柔らかめで、あまり苦戦することもなく攻略できる。
反乱本能スキルを使用中はHPが自動回復していくし、ソロプレイでも攻略に支障はない。
一方で、挙動が重ためで近接攻撃特化なタック修道士とリトルジョンは、遠距離攻撃タイプの敵を他キャラがいなしてくれていると活きるキャラだと思う。
そのため、ソロプレイで近接攻撃タイプの2人を選択すると、なかなか厳しい。
特にリトルジョンのヒートゲージを溜めていく攻撃は面白いので、マルチプレイで使いこなすと楽しいはず。
リトルジョンを初めて操作した時は「1人だけ突然格闘ゲームが始まったんだが!」と意外なバトルシステムに驚いた。
ゲームシステム
4.0
ゲーム全体としてはオーソドックスなミッション攻略を繰り返すアクションアドベンチャーゲーム。
本作はキャラによる違いが面白いところ。
マルチプレイならそれぞれの強みを活かして適材適所で戦う面白さが味わえ、ソロプレイならキャラによってプレイ体験自体が変わる。
バトルでの違いだけではなく、ステージ上には特定のキャラしか通れない道があり進み方も変わる。
また、バトル中には常に評価が表示されていて、華麗にコンボを繋げていると評価が上がっていき、それによってボーナス金貨も貰える。
ハイペースなバトルの中でどれだけ良い立ち回りを組み立てるかアクションの腕を磨く楽しさが味わえる。
ただ、敵の攻撃パターンやバリエーションが少なめなので、「このコンボが最強だぜ」が決まると、ほぼ変える必要がなくなってしまうのが残念。
やりこみ要素
3.5
各ミッションには、サブクエスト発注キャラがいる。
そのNPCは拠点にも出現して、話しかけるとサブクエストが始まる。特定のアイテムを集めるとか、特定の敵を一定数討伐するといったものだ。
また、ステージ上の各所には捕まっている市民がいたり、義賊の手配書が貼られている。
市民を助けたり手配書を回収しておくと、ミッション後の市民からの指示が増えるので、よりランクアップしやすくなる。
よく見ながら進むのがおすすめ。
グラフィック
4.0
グラフィックは高精細とまではいかないけれど、背景までぎっしり描かれた3DCG。
スチームパンクな雰囲気むんむんで、キャラ名を知らなければ、まさか「ロビンフッド」がベースになっていると全く気づかないかも。
ミッションによって風景がガラッと変わるので楽しい。
また、各キャラはコスチュームで見た目を変えることも出来る。
サウンド
4.0
上述した通り、スチームパンク寄りな世界だけど、音楽は中世な雰囲気。
これによって、「中世なのに機械がある?」という本作の奇妙な世界ぶりを実感できる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ハイペースでにぎやかなバトル
キャラによる違いが明確
ロビンフットの新たな物語が楽しめる
残念なところ
敵側の変化が乏しい
物語の演出や描写が断片的
挙動が大味
オススメな人
コンボ技を狙うのが好き
立ち回りを極めたくなる
フレンドと共闘できるゲームを探している
オススメではない人
バトル内容を評価されたくない
物語を楽しみたい
レベルアップで強くなりたい
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Devil May Cry 5
上手くコンボ技を決めると評価されるアクションが好きなら、こちらもおすすめ。スタイリッシュアクションの元祖的な人気シリーズで、こちらも操作キャラによって全く異なるスキルを楽しむことができる。
トライン5 ぜんまい仕掛けの陰謀
キャラによる違いを活かして攻略するなら、こちらもおすすめ。3人のキャラを使い分けて謎解きとバトルを攻略する。こちらもソロプレイも協力プレイも可能。
Gangs of Sherwood
予想外のロビンフッド
武器やスキルが全く異なる義賊4人となり、にぎやかにハイペースに戦うアクションアドベンチャーゲーム。
アクションの挙動はやや大味だけど、コンボ技を繋げて立ち回りを組み立てたり、4人の特色を活かした協力プレイができるのも魅力。
「ロビンフッド」の原作とは異なる設定も面白いところ。
Gangs of Sherwood ギャング オブ シャーウッド
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