『Gibbon Beyond the Trees』レビュー: テナガザルの腕力 – ギボン ジャングルを超えて
『Gibbon: Beyond the Trees ギボン ジャングルを超えて』とは、Broken Rulesが開発したアドベンチャーゲーム。
Broken Rulesは、高評価ADV『おじちゃんの記憶を巡る旅 The Old Man’s Journey』などを手がけたデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。私はApple Arcade版をiPadでプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作と似ているゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることができます。
あらすじStory
テナガザルファミリー
東南アジアのどこかのジャングル。
テナガザル一家が平和に暮らしている。
黄色とピンク色の大人猿と紫色の子猿の3匹。
ジャングルを飛び回る
操作するのはピンク猿。
黄色猿がジャングルの飛び回り方を教えてくれるので、それを真似ながらビューンビューンと木々の間を飛び移っていく。
人間との遭遇
楽しく飛び回っていたテナガザルファミリーだけど、人間の姿がチラホラ見えてくる。
しかも、木を切り倒したり、森で火を燃やしている!
これは、良くない。良くないことが起きそうだ。
ゲームの特徴Features
ジャングルの移動
ゲームはチャプターごとに分かれているけれど、物語はひと続き。
本作では、ランゲームのようにテナガザルが右へ右へと自動で移動していく。
操作はタップのみ(ゲームパッドも使用可能)。テナガザルが移動できる場所は基本的に木の枝。
指1本で画面タップ+ホールドすれば、木の枝をウンテイのように掴みながら移動する。
また、指2本でタップ+ホールドする枝を掴むのではなく枝の上を移動することもできる。この2種類が基本のアクション。
木から木へ
画面上にはたくさんの木がある。時には電線や電柱など人工物もある。
そうした掴めたり移動できる場所をジャンプしながら移動していく。
木の枝を掴みながら移動していても、枝の上を移動していても、右端に来た瞬間にタイミング良く指を離すと、グンッと右へジャンプする。
そして、次の木の枝などに前足が近づいたら、またタップ+ホールド。これを繰り返して、右へ右へと進んでいく。
加速ザル
上述のとおり、どんどん右へと飛び移っていくけれど、時には谷間を飛び越えたり、高い地点に行かなければならないことも。
枝の端でタイミング良く手を離す際にスワイプしながら離すと宙返りして加速、枝が下り坂になっている際には枝の上を移動すると加速するなど、スピードを上げることが可能。
で、スピードに乗れば乗るほど、より遠く高くまでジャンプすることが出来る。
また、他の猿と並走することもあって、空中で近づいた時に両手を繋ぐと、ブンッと遠くに投げてもらうことも出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
「気持ちよくジャングル巡りするゲームなんだな」と思ってたら、途中から急展開。
「な、なんてこったー!」というドラマが起きる。
ただ、セリフはなく、じっくり物語を味わう余裕もなく、ジャンプと爆走を繰り返しながら背景を眺めて物語を感じとる。
ちょっと忙しない。
物語としてはまとまっているんだけど、現実でも解決していない問題がテーマになっているせいか問題提起だけされる感覚。
プレイし終えた時は、木にぶらさがったテナガザルと同じく感情が宙ぶらりんになった。
キャラクターの魅力
3.5
テナガザルは可愛い。
ということだ。それに尽きる。
背景に人間は登場するけど、特定の誰かが目立つわけでもなく、あくまでも背景。
この可愛いテナガザルたちが平和に暮らし続けられる世界であって欲しい。
そう思ったなら、開発者さんからのメッセージをしっかり受け取れていると思う。
操作性
3.5
本作は、スピードに乗ってぐんぐん飛び移るのが魅力。
操作はタップのみで簡単。
気持ち良さそう!と思いきや、意外とそうでもない。
まず、木以外の部分が背景なのか掴める場所なのか分かりにくい。
確かにスピードに乗って気持ち良くなる瞬間もあるんだけど、次のイベントシーンが始まって途切れてしまう。
しかも、画面が自動でズームになったり遠景になったりして、スピードを感じにくい。
あくまでも右に移動しながら物語を追うゲームであり、アクションの気持ち良さをあまり感じられなくて残念。
難易度バランス
4.0
所々に飛び越えなければいけない谷間があって、そこまでスピードを上げておかなければならない。
初見では失敗してしまうこともあるし、物語を見るのがメインとはいっても、ちゃんとゲームとして攻略する面白さがある。
でも、小刻みにあるチェックポイントからやり直しになるだけ。
物語を追うテンポを崩さない程度の難易度になっている。
ゲームシステム
3.5
テナガザルが木から木へと飛び移っていく、独特なゲームプレイだ。
確かに独特ではあるんだけど、アクションやマップ構造にあまり変わり映えがなくて、目新しかったはずなのに単調になってくる。慣れって恐ろしい。
良い!けど、いま一歩惜しい。そんな感覚。
ストーリーは前日譚でありチュートリルで、後述する鳥チャレンジの方がゲームとしては本番って感じかな。
やりこみ要素
4.0
ストーリーをクリアすると、鳥を解放していくモードがアンロックされる。
ステージ上の檻に捕まっている野鳥を10羽ずつ解放するというものだ。
ステージは、ストーリーモードで登場した場所がランダム生成で登場する。
猿は自動で右に行ってしまうので、檻の上や下を素通りしてしまうと後戻りできず解放できない。大変だ。
ただ、あまり大きな変化があるわけではなく、ミニゲームといった感じなので、飽きずにリプレイし続けるのも大変。
グラフィック
4.5
あたたかみのある色鮮やかな手描き調のグラフィック。
壁紙にしたいくらい本当に綺麗。
それが滑らかに動いていくので、眺めているだけでも楽しい。
特にジャングルの景色は自然も色彩もたっぷりで癒される。
サウンド
4.0
途中から少し雰囲気は変わってしまうけれど、鳥などジャングルにこだまする動物の鳴き声が心地良い。
時々、テナガザルが鳴くんだけど、これがまた良い。
テナガザルという動物は、家族で一緒に歌うように鳴く動物らしい。
本作でも、テナガザルの綺麗な鳴き声を随所で聴くことが出来る。遠くまで響くような美しい声。
現実世界のテナガザルたち含め、今もジャングルのどこかで平和に歌っていて欲しい。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
木々を飛び移る独特なアクション
あたたかい雰囲気
テナガザルが可愛い
残念なところ
気持ち良さやスピード感を感じにくい
アクションが単調になってくる
オススメな人
雰囲気が良いゲームが好き
短時間でクリアできるゲームを探している
操作が簡単なスマホ向けゲームを探している
オススメではない人
複雑なアクションを求めている
自分のペースで動きたい
砂丘をサンドボードでひたすら滑り続けるゲーム。本作のようにタップのみの簡単操作だけど、奥深いアクションで、疾走感も感じる高評価作。癒される雰囲気も魅力。
本作開発元の代表作。地形を動かして道をつなげる斬新なパズル性と感動する物語も記憶に残る高評価アドベンチャーゲーム。
本作も類似ゲームも
Apple Arcadeでプレイ可能
Gibbon: Beyond the Trees ギボン ジャングルを超えて
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