『Gunbrella』レビュー: 銃付きの傘なのか、傘付きの銃なのか – ガンブレラ
『Gunbrella ガンブレラ』とは、doinksoftが開発したアクションゲーム。
2D横スクロールでプレイする。
本作は、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はPC版をプレイ。
『Gunbrella ガンブレラ』とはどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
ある男の事情
キノコを摘んでいる男性。
山高帽を被ってコートを羽織っており、とてもキノコ狩りにはそぐわないファッションだけど、黙々とキノコを摘む。
ところが、次の瞬間、男は摘んでいたキノコを投げ出し、走り始める。
なんと、遠くに見える自宅が燃えている!
急いで自宅に戻った男は膝から崩れ落ちた。
彼が目にしたのは、床に横たわった妻の姿。何者かによって無惨にも殺されたようだ。
どこのどいつが、一体なぜ!?
列車に乗って
場面が変わり、一隻の船がどこかに辿り着く。
その船から出てきたのは、最愛の妻を亡くした先ほどの男性。
帽子にコートというファッションは同じだけど、以前と違うのは手に抱えた大きな銃。
涙に暮れるわけでもなく、警察に頼るわけでもなく、キノコを摘み続けるわけでもなく、男が選んだのは復讐の道。
まずは、妻の仇を突き止めなければならない。
手がかりを探すなら、人がたくさんいる街だ。聞き込み調査開始!
ガンブレラの謎
大きな街に行こうとしたけれど、復讐の道は険しい。
街に向かう列車の乗車券を手に入れるのも一苦労だし、列車が通れなくなっている場所まである。
更にあちこちで物騒なトラブルに巻き込まれてしまう主人公は、銃と傘を駆使して戦う。
ん?傘?
そう、主人公が持っている武器はガンブレラと呼ばれ、銃には傘が付いている。いや、傘に銃が付いている?
このガンブレラは、主人公が趣味で改造して作ったわけではないようだ。
実はこのガンブレラが彼の復讐の鍵を、いや、物語の鍵を握っている。
この面白武器ガンブレラから明らかになる驚きの真相とは!?
ゲームの特徴Features
復讐の旅
本作は、物語の進行に伴って攻略する場所が変わる。
列車で移動できる複数のエリアが登場し、ある程度自由に行ったり来たりできる。
各所にあるベンチかベッドで休むと体力全回復が出来て、その時点での進捗がセーブされる。
ゲームオーバーになった場合は、直前のセーブからリスタートとなる。デスペナルティはなく、純粋にセーブした時点からのやり直しだ。
また、セーブした時点で倒していた敵は復活しない。
ガンブレラアクション
主人公の武器は、ガンブレラ。
銃部分はもちろん攻撃に使う。様々な種類の弾があり、狙いをつけて撃つ。
そして、ガン「ブレラ」の傘部分は、防御と移動に活用する。
傘を開くとガード出来て、ジャストガードすると敵に攻撃を打ち返すことが出来る。
また、ダッシュや滑空、大ジャンプなども傘を開くことで行える。
主人公はダメージを受けると体力が減り、包帯や薬を使うと回復出来る。
一方で、料理を食べると体力回復ではなくアーマーを得る。これによって体力上限以上のハートを得ることも出来る。
ガンマンの選択
本作では、各地で様々な依頼を受けることができる。サブクエストだ。
選択肢が提示されることもあるし、解決手段はプレイヤー次第。
それによって物語が変わったり、報酬を貰うこともできる。分岐要素だ。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
2頭身のピクセルアートで描かれるキャラ達。
可愛く見えるけれど、物語は激渋なノワールパンク調。
危険なカルト教団や独自の信念のあるギャングが登場し、エネルギー問題や政治思想の違いなども描かれているシリアス路線の物語だ。
主人公の境遇や世界設定が少しずつ分かってくる物語構成になっていて、先の展開が気になってどんどん攻略したくなる。
意外な展開が多くて驚いたり切なくなったり、主人公と共に敵への怒りで歯軋りギリギリすることもある。
日本語翻訳がかなり良く、アクションを楽しむゲームだと思ってプレイしていたら、いつの間にか感情移入して物語の行方に夢中になっていた。
特に分岐要素が面白くて、受け答えや行動によって、攻略にも影響を及ぼす明確な変化が起こるのが面白い。
キャラクターの魅力
4.0
主人公は無駄口は叩かない渋いおじさん。
ところが、意外とお茶目だったり、選択肢を選んでいると表情が細かく変わっていたり、実は密かに活発なリアクションを見せる魅力的な主人公だ。
治安が悪く、全体的に退廃的な雰囲気なので、NPC達は皆んなどこか怪しい。みんな腹に一物どころか十物くらい抱えている。
その分、NPCが絡む選択肢ではかなり迷う。
全員が幸せになれない選択が多いので、「報復されるかも!」とヒヤヒヤしたり、「うわー、ごめん!こっちを選択したせいだ」とNPCの末路にいたたまれなくなることもある。
その分、各NPCへの思い入れも強くなるし、意外と同じ人物が長く関わってくるので、印象に残るNPCが多い。
でも、シリアスだとかノワールだとか書いているけれど、あちこちにネタや面白演出が仕込まれていて笑える場面も多い。
操作性
4.5
かなりキビキビした挙動で快適。
傘を開くという他のゲームにはない独特なアクションが含まれていて、同時に右スティックでエイムを行うので、傘を使いこなすまでには少し慣れが必要。
でも、スティックを倒す方向で傘アクションが変わる操作方法は直感的で分かりやすい。
慣れてしまえば、かなりサクサクと大きく動くことが出来て、部屋内の雑魚敵を丸ごと無視して進むなんてこともできる。
1ピクセルが大きめなので、当たり判定はやや甘めではあるけれど理不尽さはなく、その分ジャストガードも狙いやすい。
難易度バランス
4.0
難易度は3段階から選択可能。私はノーマル難易度でプレイ。
敵に触れるだけでダメージを受けるし、体力が残り1になると歩くスピードが遅くなるし、回復アイテムの使用には時間がかかる。
特にボスは連続で激しく攻撃してくるので何回か負けることもあるし、適度に歯ごたえのあるプレイが楽しめる。
でも、敵が強いというよりは、プラットフォームアクションの上手さが求められるゲームだ。
雑魚敵戦でもボス戦でも、傘アクションが攻略の要。
探索中も傘を使いこなして空中を渡っていく場面もあり、正確な傘操作が求められる。
ゲームシステム
4.0
なんといっても、ガンブレラという面白武器が本作最大の魅力。
攻撃と防御、移動までもまかなう武器だ。
シューティングも滑空なども2D横スクロールアクションでよくあるアクションではあるけれど、それを一本の武器で扱うというのは新鮮。
そのためガンブレラによる機能を同時に行えないのが難しさであり面白さ。瞬時の判断と正確な操作が求められる。
また、アクションだけではなく、登場するショップやNPCが変わるなどゲームプレイにまで影響する分岐要素も面白いところ。
やりこみ要素
4.0
やり込み要素の一つ目は、成長要素。
パーツを集めてガンブレラを強化することが出来る。
また、サブクエストなどの報酬でハートの欠片を集めると体力の上限値をアップグレードすることもできる。
そして、本作の魅力の一つである分岐要素。
選択による影響はすぐに現れないこともあり、しばらく先で伏線回収のように「そう繋がるのか!」と思わず唸るような分岐につながる。
「そ、そんなことになるとは思わなくて!」と後悔することや「これで良かったのかな」と選ばなかった選択肢が気になることも多く、テンポ良く進められるので周回プレイもおすすめ。
グラフィック
4.0
ノワール調の雰囲気に合わせた彩度抑えめのピクセルアートグラフィック。
でも、会話時には口が大きく動いたりなど、キャラの動きが活き活きとしていて、ポップな印象を受けるアートスタイルだ。クオリティが高い。
吹き出しの横に表示されるキャラの顔も細かく変化している。
また、フィルムグレインやブルームの効果を調節することも出来る(本稿の画像はフィルムグレイン無し設定)。
ただ、暗いなか照明が明滅する場面があり、演出としては良いけれど、ゲームプレイ上は見づらい。
ちなみに、本作では敵を攻撃する度に血飛沫が飛び散り、倒された敵はバラバラに散らばる。ピクセルアートなのでマイルドだけど、そうした演出がかなり苦手ならご注意を。
サウンド
4.0
ノワールパンクな渋い雰囲気を表すBGMが流れている。
でも、銃を撃つ時はかなり大きな音が鳴るし、敵の断末魔はピギャープギャーと激しいので、決して静かというわけではない。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ガンブレラという個性的な武器
キビキビとした操作性の良さ
分岐要素のある物語
残念なところ
見づらい演出あり
オススメな人
プラットフォームアクションが好き
個性的な武器に興味津々
選択で分岐する物語が好き
オススメではない人
残酷な演出や展開が苦手
取り返しがつかない要素があると嫌だ
探索を楽しみたい
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Katana ZERO
主人公が渋く、意外な展開など物語も楽しめる2Dアクションなら、こちらもおすすめ。敵も主人公も一撃必殺で、刀で攻撃も防御も行う歯ごたえのあるバトルが楽しめる。
Infernax インフェルナックス
選択によってゲームプレイまで変わる分岐要素が好きなら、こちらもおすすめ。NPCの運命に主人公が関与することで、町一つが吹き飛ぶほど劇的に分岐する。
Gunbrella
銃付きの傘なのか、傘付きの銃なのか
攻防だけでなく探索にも利用出来る、銃と傘が合体したガンブレラという個性的な武器を使ったアクションが面白い2D横スクロールアクションゲーム。 キビキビした操作性が気持ちよく、プラットフォームアクションの適度な歯ごたえも味わえる。 プレイヤーの選択によって、しっかり変化が起こる物語の分岐要素も面白い。
Gunbrella
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