『INFERNAX』レビュー: 自業自得ヒーロー
『INFERNAX インフェルナックス』とは、Berzerk Studioが開発したアクションゲーム。
2Dサイドスクロールで、レトロゲーム風なピクセルアート グラフィックが特徴。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
ただいま!あれ?
物語は、主人公のAlcedorが故郷に帰ってきたところから始まる。
Alcedorは聖戦のため遠征していたらしく、無事に戦いを終えて帰ってきたんだけど。どうも辺りの様子がおかしい。
ちなみに、Alcedorは公爵であり、故郷では名士として慕われている。
化け物だらけ
船から降りたAlcedorは、怪物だらけになった故郷を目にする。
人を喰らう怪物だけではなく、普通の人間まで怪物になっている。
良くない。非常に良くないことが起きている。
怪しげな城
町を襲ってきた内蔵飛び出ちゃってる怪物を追いかけていくと、怪しい城に行き着く。
どうやら、怪物の源はこの中のようだ。
しかし、意味ありげな5つの宝石で門が閉じられている。ははーん、一つずつ開けていかなきゃいけないやつだな。
Alcedorは、故郷の民を助けつつ、怪物退治に乗り出す。
ゲームの特徴Features
戦う公爵
主人公は、武器による攻撃と呪文とジャンプが出来る。
敵を倒すと獲得する経験値、敵がドロップしたり宝箱から手に入るコイン、この2つが主人公強化に必要になる。
経験値は、セーブポイントの像で、体力などの上限値のアップグレードに使う。
コインは、町で呪文を買ったり、ハートを買うために使う。
ハートは、いわゆる残機のこと。体力がゼロになってもハートが残っていれば、そのマップの最初からやり直せる。ハートがゼロになったらセーブポイントからやり直しだ。
選択する公爵
本作はメインストーリーが進んでいくメインクエストと別にサブクエストが多数発生する。
町などでNPCから依頼を受けて、モンスター退治に行ったりする。
その際、選択肢が現れることがある。例えば、目の前にいる怪しい人を成敗するか、話を聞くとか、助けるとか、究極の選択が登場する。
どっちを選んでも話は進み、その結果も変わる。
サブクエストだけではなく、メインストーリー上でも歩いただけでも突然選択が登場することもある。
どんな振る舞いをするか。選択によって物語が分岐していくマルチエンディングになっている。
24時間戦う公爵
本作のメインストーリーでは、各地にある城(ダンジョン)を攻略していく。
攻略すると新たな移動スキルを習得して、行ける場所が増えていく。
道中では常に時間が流れていて、一定時間で昼と夜が入れ替わる。
夜の方が強い敵が出現するけれど、夜しか発生しないクエストもある。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
怪物現れた、倒そう。非常に分かりやすい王道の物語。
が、その物語の印象は、自分が選ぶ選択肢によって変わる。
清く正しい心で悪を打ち負かすなら、もう完全に王道の英雄伝。
ところが、悪をもって悪を制すなら、物語の様相は変わってくる。
登場する選択肢は過酷なものが多いんだけど、良かれと思って選んだ選択肢でも「えっ!そうなるのか!?」という意外で悲惨な結末になることも。
キャラクターの魅力
4.0
NPCは必要最低限のことしか言わない。
が、やはり主人公だ。本作の最大の魅力は主人公の振れ幅が大きいこと。
選ぶ選択肢によって、民を助ける正義の味方になれるし、慈悲のない冷酷な公爵にもなれる。悪い奴に加担するゲスいヤツにも。
しかも、主人公の性格が一貫してないのが良いところ。
民にとって良ろしくない結果になった時でも「私は愚かな間違いをしてしまった」と後悔することは一切なく、「私の判断は正しい。これが当然の結果だ。」という態度。
選択をした通りの人物像になるのが面白い。
操作性
4.0
レトロゲームっぽく作られているので、操作性や挙動もレトロゲームそのもの。
ジャンプも攻撃も細かく調整することは出来ない。
レトロゲームに慣れていれば「こんなもんだ」という感覚だけど、馴染みがないと不便さを感じることはあるかも。
レトロゲームと割り切ってプレイした方がいい。
難易度バランス
4.0
本作は、歯ごたえがしっかりある。
敵が強いというわけではなく、レトロゲームの難しさ。
なんといっても、セーブが大変。ダンジョン内にはセーブポイントがなく、鍵をとったら死ぬ気で入り口まで戻ってセーブして、また出かけていく。戻る道中で死ぬことだって何度もある。
敵もレトロな挙動で、「なんでそこにずっといるの!?」という場所で永遠に攻撃を仕掛けてくるし。嫌らしい敵の配置になっている。
そして、もちろんレトロゲーム「あるある」の敵にぶつかっただけでダメージ受けるのに当たり判定が厳しかったり。
レトロゲーム好きなら「これこれ!これだよな!」となるはず。
でも、セーブポイントが増えるカジュアルモードも用意されているので、レトロの厳しさが苦手な人も安心(敵が弱体化するわけではないけど)。
ゲームシステム
4.0
レトロゲームな楽しさが味わえるのが良いけれど、やっぱり本作は分岐要素が1番面白い。
自分の選択によって罪なき人が死んだり、その後にお店が出来たり、強力な呪文がもらえたり。もちろん選択しなかった方の報酬は永久にもらえない。
しかも、村が壊滅して施設が使えなくなる選択まであって、かなり恐ろしい結果になることも。
単に物語上だけじゃなくゲームプレイにもがっつり影響してくる分岐になってるのが面白い。
やりこみ要素
3.5
本作では、画面切り替えによって敵が復活するので、お金や経験値は貯めやすい。主人公は強化しやすいと思う。
1番のやり込み要素は、やはり選択。セーブポイントが近くにある時は、わざとゲームオーバーになって最初は選ばなかった方を選択してクエストの別の結末を見るのも面白い。
もちろん、周回プレイもオススメで、完全な善人、完全な悪人となってプレイしてみるのも面白い。
グラフィック
4.0
完全にレトロなピクセルアート 。
カットシーンなどでは、ボスの気持ち悪いデザインがよく見れる。大体、内蔵が飛び出てる。
また、主人公の顔の変化が面白くて、セリフが表示される立ち絵は何故か白目剥き出しくらいの極限状態の顔してるんだけど。
ちょっと悪い選択肢を選んだ時に表示されるカットシーンでは、結構ゲスい顔してたりする。
サウンド
3.5
BGMも完全にレトロ。
効果音もレトロで、敵を攻撃した時のザシュッザシュッとか、敵を倒した時のボゴゴゴゴゴ…って音とか、レトロっぽさを突き詰めてる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
分岐要素がしっかりある
選択肢によってゲームプレイまで変わる
レトロゲームな雰囲気満点
歯ごたえのある難易度
残念なところ
挙動や当たり判定もレトロ
レトロゲームが苦手だと厳しい難易度
オススメな人
レトロゲームが好き
分岐要素が好き
2Dアクションゲームが好き
本気で悪い人になれるゲームを探している
オススメではない人
レトロゲームが苦手
分岐要素が嫌い
歯ごたえがあるアクションは苦手
残酷な描写が苦手
レトロ風2Dサイドスクロールアクションゲーム。レトロゲームのシステムを逆手にとった仕掛けがあり、物語も面白い人気作。
こちらもレトロゲームリスペクトで作られた2Dアクションゲーム。なぜかショベルを持って戦う騎士が主人公。他ゲームとコラボすることも多いインディーゲーム界の人気キャラ。
INFERNAX
http://infernax.com
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