『迷路探偵ピエール : ラビリンス シティ』レビュー: 最高のゴチャゴチャ
『迷路探偵ピエール: ラビリンス シティ Labyrinth City』とは、Darjeelingが開発したカジュアルなアドベンチャーゲーム。
人気絵本『迷路探偵ピエール』シリーズが原作。
『ウォーリーをさがせ!』のような所狭しと描き込まれた絵が特徴で、迷路と特定の絵柄を見つけ出す遊べる絵本シリーズだ。
本作の元になったのは、シリーズ第1作目の絵本『迷路探偵ピエール うばわれた秘宝をさがせ!』。
本作は、Nintendo Switch、PC、iOSでプレイ可能。私はiOS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
パズル大好きボーイ
本作の主人公は、タイトル通りピエール。
パズル好きの「迷路探偵」(よく分からない職業だけど)であり、助手のカルメンと活躍している。
宿敵
物語は、オペラシティーに展示されていた迷路ストーンが盗まれるところから始まる。
「よし、犯人を探し出すぞ!捜査だ!」ではない。
犯人は怪盗Xだということは、既に分かっている。
じゃあ、ピエールは何をするのか?というと、逃げた怪盗Xを追い詰め捕まえることだ。
ぐちゃぐちゃ
ところが、怪盗Xを捕まえるのは大変。
なぜなら、盗まれた迷路ストーンは全てを迷路に変えてしまうパワーを持っている。
そのせいか、ピエールの行く手は、大量の人混みや動物、何かよく分からない物などがゴチャゴチャと散乱し、迷路のように入り組んでしまっている。
あっちへこっちへ遠回りしているような気分になりつつ、ピエールは怪盗Xのあとを追っていく。
ゲームの特徴Features
順番に見つけていく
本作では、ステージクリア型でゲームが進行する。
各ステージでは、スタートから出発し、道中では特定の人物に会いつつゴールまで進む。
もちろん、その間は迷路になっている。
寄り道
迷路になっているので、分かれ道が多く、ゴールに辿り着けない行き止まりの道もある。
でも、本作ではゴールに向かうだけが目的ではない。
星や宝箱、怪盗Xのメモ書きなどを寄り道しながら見つけていく。
ステージごとにそうした収集要素やミニゲームが隠されているので、積極的に寄り道しながら進んでいくのがおすすめ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
原作は絵本なので、とてつもなく平和。
怪盗Xを追い詰めたぞー!あ、やっぱり逃げられたぞー!また探しに行くぞー!
という、楽しいお話だ。のほほん。
でも、ステージは毎回全く場面が違っていて、ドラキュラ屋敷から大森林、港町もあるし。新しいステージに進むのが楽しい。
更に、出会う人々は突拍子もないことしてたり、怪物に話しかけられたり。ひたすら楽しい。
キャラクターの魅力
3.5
主人公はセリフがないし、助手のカルメンは意外と登場シーンが少ない。
そんな2人よりも、本作では道すがら目にする人々の方が魅力的だ。
たくさんの人が「ヘーイ!」と呼び止めて話しかけてくれるし、面白いことばっかりしてる。
じっくり周辺を見ると、そこに描かれている人には必ず物語性がある。
ただ、日本語翻訳(原作は日本の絵本だけど、本作の開発元は海外デベロッパー)が妙なところがあり、セリフのコミカルさが失われているところがちょこちょこあって残念。
操作性
3.5
主人公は、実は背景通りには動けない。
ステージ上の道には、主人公が歩くことができる見えない範囲が設定されている。道の端から端まで動けるわけではない。
そのせいで、目で見た通りに操作していると、意図してない方向に主人公が曲がったり、妙な引っかかりにぶち当たる。
特に分かれ道では、「違う!そっちに行きたいわけじゃないのに身体が勝手に動いていくー!」という「迷」探偵ぶりをよく発揮する。
急ぐ必要がないゲーム性ではあるので攻略に支障があるわけではないんだけど、ちょっとストレスではある。
難易度バランス
4.0
ゴールまで辿り着くのは簡単。
所々に紫色の矢印があり、それがゴールへ続く道を示している。
寄り道を欠かさずに歩いていけば、初見プレイでも収集要素まで全コンプリート出来る。
文字通り、子供から大人までゲーム好きな人も馴染みがない人も楽しめる良い難易度。
ゲームシステム
4.0
本作は、ゴチャゴチャと描き込まれたステージの背景が1番の魅力。
『ウォーリーをさがせ!』とか、ぎっしり描かれている絵を見るのが好きな人なら絶対気に入るはず。
ゲームとしては単純だけど、こういう眺めて楽しい絵本が大人も楽しめるゲームになってるのはすごく良い。
毎ステージ全然違った風景だし、ずっと楽しい。
やりこみ要素
4.0
星、宝箱、怪盗Xのメモ、ミニゲーム。
1ステージ内に色んな収集要素があって、寄り道したくなる仕掛けがたっぷり。
攻略にも収集要素にも関係ないギミックも多いし、調べられる物や話しかけられる人も多い。
背景の人たちは絶えず騒がしくて、見ていて飽きない。
グラフィック
4.0
上述したけれど、本作の最大の魅力はぎっしり描き込まれた背景。
隅から隅まで事件が起きてて、喋る彫刻とかお化けもいるし、何かを企んでる人や観光中の人、道端に寝転がって道を邪魔している人。
空白全くなしでギュウギュウに描かれている。
サウンド
3.5
ステージのテーマに沿ったBGMが流れる。でも、怪物がいるステージだって、曲調はずっと楽しい。
そして、同じステージ内でも場所によってBGMがどんどん変わっていくので飽きない。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ぎっしり描き込まれた背景
誰でも楽しめる
終始楽しい
残念なところ
操作しにくい箇所がある
オススメな人
絵を眺めるのが好き
気軽に楽しめるゲームを探している
オススメではない人
難易度が高いゲームを探している
眼精疲労中
本作が好きならオススメRecommendation
モノクロの落書きのような絵から特定のものを探し出す。ドアを開けたり、誰かを突いたりして場面を動かさなければ見つからない物も多く、まさに現代版『ウォーリーをさがせ』。
細部まで描き込まれた絵が好きなら、コチラもオススメ。絵画のように幻想的で不思議な世界を旅していく高評価パズルアドベンチャーゲーム。
Labyrinth City 迷路探偵ピエール: ラビリンス シティ
Adapted from the book Pierre the Maze Detective by Chihiro Maruyama, and Hirofumi Kamigaki, published by Laurence King Publishing ©IC4DESIGN