『Moonglow Bay』レビュー: 一本釣りで町おこし
魚釣りに勤しむ穏やかなライフシム『Moonglow Bay』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Moonglow Bay製品情報
タイトル | Moonglow Bay |
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開発元 | Bunnyhug |
対応機種 | PS5, PS4, Nintendo Switch, Xbox, PC |
ジャンル | ライフシミュレーション, アドベンチャー, |
発売当初は日本語版が配信されていなかったため、本稿は英語でXbox版をプレイした際のレビューを行なっている。現在は日本語版が配信されている。
Moonglow Bayの攻略
ストーリー
第二の人生
主人公とパートナーはMoonglow Bayで仲良く暮らしていた。
主人公とパートナーはいくつかの選択肢から見た目を選び、主人公は名前も好きに付けられる。私は男性主人公で、パートナーは妻のCaseyを選択してプレイした。
2人はMoonglow Bayで老後、というより、セカンドライフを始めるためにMoonglow Bayと呼ばれる海岸沿いの町に越して来たばかりだ。
でも、2人でポーチに座ってのんびり暮らそうという雰囲気ではない。
実は、妻はやや寂れているMoonglow Bayを漁業で盛り上げるという夢を持っており、主人公はそんな妻について来たという形だ。
あなたの思い出と魚釣り
主人公が妻から魚釣りを教えてもらい「さあ、2人で漁師生活を始めるか!」というほのぼのした場面を見守っていると、突然時間がすっ飛ぶ。
次の場面は、3年後だ。そこに、Caseyはいなかった。
妻は海難事故に遭って帰らぬ人となってしまっており、主人公は家に引きこもって無気力な毎日を過ごしていた。
しかし、そんな主人公を心配して娘のRiverが訪ねてきたところから、物語は再び動き出す。
娘にお尻を叩かれ、背中も押されて、主人公は妻の夢を引き継ごうと決意し、ようやく家の外へと踏み出した。
もうすぐ滅びる町
主人公が外に出て町をよく見渡してみると、Moonglow Bayの町も様変わりしている。
実は、妻が巻き込まれた海難事故以来、住人たちは「この海は呪われている」「化け物がいる」と海を恐れて漁に出なくなってしまったのだ。
そのせいで、町の寂れっぷりは加速し、町中がゴミだらけで建物も壊れまくっている。
それでも主人公は海へと漕ぎ出す。Moonglow Bayの町おこしは俺に任せろ!
攻略のポイント
多忙な漁師ライフシム
本作は漁業がメインのライフシミュレーションゲームであり、常に時間が流れている。
本作には大きく分けて3つ大きな目的がある。
- メインストーリーを進める
- 住民の手助けすることで町が復興していく
- Moonglow Bay周辺を探索して伝説の真相を解き明かす
- 漁業
- 自分の船で海に出て釣りを行う
- 獲った魚は、そのままか料理して売ることができる
- 水族館を充実させる
- 獲った魚を水族館に寄贈する
- コレクションが増えるほど観光客が増えて、魚がが高く売れるようになる
もちろんサブクエストや、NPCに贈り物をして交流することもできる。
魚の獲り方
本作のメインである漁業では、さまざまな海洋生物が登場する。
ルアーや竿の種類、餌の種類、そして釣る場所によって獲れる魚が変わる。また、同じ魚でもそれぞれ大きさが異なる。
また、魚影に網を投げて一気に何匹も獲ったり、カゴを海中に仕掛けておいてロブスターなどを獲ることもできる。
ちなみに、釣りはミニゲームのようになっており、魚に引っ張られる方向と逆方向に竿を動かすなどの操作が必要だ。
ミニゲームな料理で作る漁師飯
獲った魚はキッチンで料理することができる。
料理は、冷蔵庫から食材を出すところから始まり、切る、揚げるなど各工程でタイミングよくボタンを押すミニゲームになっている。
出来上がった料理は、自動販売機にセットしておくと自動的に売れていく。売上も自動的に入ってくる。
また、料理はご近所さんにプレゼントすると、耳より情報を教えてくれたり、ジャーナルにサインしてくれるなど、NPCと仲良くなるためのアイテムとしても使える。
しかし、もちろんNPCには好みがある。住人は好みの料理を1日に1つしか受け取ってくれない。
投資で町おこし
上述のように料理を売ったり、水族館に魚を寄贈して、どんどんお金(本作の通貨は貝がら)を貯めていく。また、町の掲示板から依頼を受けて達成してもお金を貰うこともできる。
お金は、漁に出るための船や料理を売る自動販売機をアップグレードしたり、新たなレシピの購入するために必要となる。
また、一定額を払って町の壊れた建物をリフォームすることもできる。
新たな建物が登場すれば町が活気づき、ゲームプレイ場でも便利な施設がアンロックされる。
Moonglow Bayの評価と感想
物語の面白さ
ライフシムあるあるな設定だ。新天地で新生活して住民とも交流して、しかも怪しげな伝説やモンスターもいるぞ。その舞台がMoonglow Bayという入り江というだけ。
一見するとそう思ってしまうけれど、本作では主人公がシニアな年齢であるおかげで他のライフシムとは雰囲気が異なっている。
愛する人を失った切なさと寂しさ、でもそれを受け止めながら生活する穏やかな時間を体験できる。
「住人の誰と結婚しようかな」というわけでもなく、「がっつり稼いでやるぜ!」なパワフルな感じでもない。ご近所さんのトラブルには、主人公が年長者の立場からアドバイスする大きなあたたかさを感じることができる。
終始切なさと優しさが入り混じった空気が流れていて、ひたすら癒される世界だ。
一方で、海にはモンスターや不思議現象が潜んでおり、真相が気になるメインストーリーもしっかり楽しめる。
キャラクターの魅力
基本的に意地悪な人はいない優しい世界だ。
主人公と同じく海で大切な人を亡くした住人もいるし、町が廃れていくのを憂いている人もいる。
でも、ちょっぴり笑えるジョークを言い合ったり、主人公に忠告してくれることもある。みんなあたたかくて、セリフの内容にも癒される。
そして、NPCにお気に入りの料理をプレゼントすると、しっかりセリフも変わる。切ないエピソードも多いけれど、その人の事情を知ることができるので、積極的に好物を探るのがおすすめ。
操作の快適さ
釣りも料理もミニゲームになっている。特に料理では、食材を洗う手間までミニゲームになっていて驚いた。
でも、操作は複雑ではなく、ちまちま作業するのが楽しい。
ただ、本作のボクセルグラフィックの1ボクセルは大きめで、ちょっとした段差や物があると引っかかってしまったり、狭い場所から抜け出せなくなることがあるので注意。こまめにセーブしておいた方が安全だ。
また、設定でフォントの大きさが選択できるけれど、なぜか設定が反映されないのか異常に「文字小さっ!」な時もあるのが残念。アプデに期待!
難易度バランス
上述の通り、釣りや料理のミニゲームは複雑ではないし難しすぎもしない。
ポンポンと魚が釣れるし、ゲーム内時間も早過ぎもゆっくり過ぎもしない良いペースで進む。
最初からお金が貯まりやすく、ひたすら作業地獄にならないのでゲームを進行しやすいライフシムだ。
もちろん特定のレアな魚を狙ってもすぐ釣れるわけじゃないし、新たな建物のアンロックなどにはまとまったお金が必要なので、どんどんメインストーリーが進んでしまうわけではない。本当にちょうど良いペースで進む。
本作で1番大変なのは、ゲームプレイよりも魚の名前を覚えることだ。
クエスト受注やレシピや魚図鑑を見る際には、必要とされている魚を自分が今現在所持しているか表示されない。
必要な魚の名前を記憶して、それをいくつ持ってるか確認するというのが結構面倒くさい。
ゲームシステムの面白さ
ライフシムゲームというと農業も漁業も畜産も、さらには自宅のインテリアまで、やれることの多さに圧倒されてしまうこともある。
しかし、本作は漁業に専念!なので分かりやすく、気持ち的にもリラックスできる。
それでいて、そこかしこにミニゲームな作業が挟まれているので、ほどよく面倒くさくて手持ちぶたさになることはない。
また、目に見えて町が復興していく変化の分かりやすさも良いところで、やる気が続きやすい。
そして、プレイしていて意外だったのが、料理のミニゲームが楽しいこと。単純作業だけどちゃんとタイミングが重要で、自分でも驚くほどにこのミニゲームにハマった。
リラックスさせるゲーム作りに、ゲーマーが好む作業感を混ぜている。癒しバランスのとり方が上手い。
やりこみ要素の楽しさ
魚の種類は多い。まず、図鑑をコンプリートするのは大変だ。そして、住人みんなと仲良くなって、料理レシピを全てアンロックするのも大変。
ゲームが進むテンポは良いけれど、コンプリートしようとするとなかなか大変だ。漁業だけとはいっても、やり込みたい人にとっても、しっかり楽しめる。
気づいたら時間が溶けてるゲームなので、全要素制覇しようと意気込んでいたわけではないのに、気づいたらずっとプレイしてた。いつの間にかやり込んじゃってる病みつきゲームだ。
グラフィックの芸術性
全てボクセルで描かれている。高精細とは異なるボクセルグラフィックの良さが味わえる。
全体的に可愛いデザインで、メニュー画面などのイラストもオシャレだ。
魚も全てボクセルで描かれているけれど、釣った時はよく見えない。しかし、水族館で眺めるとしっかり作り込まれてており、見ているだけでも面白い。
サウンドの魅力
常に癒しのBGMが流れている。本作ならではの切なさを感じるメロディも多い。
こういう作業する系のゲームではBGMに飽きてきてしまうこともあるけれど、本作のBGMは主張しない曲ばかりなので飽きにくい。
サウンド面からもマイナスイオンが出まくっており癒される。
サントラはこちら
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Moonglow Bayレビューのまとめ
おすすめな人
- ライフシムが好き
- ゲーム内の釣りが大好き
- 癒されたい
おすすめではない人
- できることが多いライフシムを求めている
- NPCとの恋愛を期待している
- ミニゲームが嫌い
総合評価良いところ&残念なところ
- 漁業に特化している珍しいライフシム
- シニア世代ならではの物語や癒しの雰囲気が満点
- ミニゲームな操作にハマる
- 引っかかったり抜け出せなくなるバグが発生しやすい
Moonglow Bayが好きならおすすめのゲーム
似ているゲーム
Stardew Valley
ライフシムが好きなら、こちらもおすすめ。
『牧場物語』初期の頃をリスペクトして開発された大人気作。
自由度もやり込み要素もかなり膨大な長時間遊べるゲーム。
Dredge ドレッジ
こちらも漁業がメインのゲーム。
釣りだけでなく、網や仕掛け網なども使って漁業がたっぷり楽しめる。
ただし、こちらの海は怪物が潜む不気味な海が舞台で、海の謎を追う物語が楽しめる。
Moonglow Bay
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