『Outcast A New Begining』レビュー: ジェットパックと異世界の運命を背負って空を舞う – アウトキャスト 新たなる始まり
ジェットパックと異世界の運命を背負い、文字通り縦横無尽にオープンワールドを飛び回る『Outcast A New Begining アウトキャスト 新たなる始まり』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Outcast A New Begining製品情報
タイトル | Outcast – A New Begining アウトキャスト 新たなる始まり |
---|---|
開発元 | Appeal Studios |
対応機種 | PS5, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー, オープンワールド, TPS |
シリーズ | Outcast |
本作は、1999年に発売された『Outcast』の続編。
1999年はPS2発売前であり、まだまだゲーム1本のボリュームはそんなに大きくなかった時代だ。そんななか発売された前作はオープンワールドゲームの先駆けとして今もなお高く評価されており、『Outcast: Second Contact』としてリメイクもされている。
しかし、前作を知らなくても、特に問題なく本作を楽しむことができる。
本稿では、PC版をレビューしている。
Outcast A New Beginingの攻略
ストーリー
正体不明の男カッター・スレイド
本作の主人公であるカッター・スレイドは、登場した途端に上空からどこかの遺跡派手に落下した。
かなり唐突な始まりだけど、この唐突ぶりはこれで終わりではない。カッターは人間ではない種族の戦士と遭遇したり、ロボットに撃たれたり、てんやわんやだ。
とりあえず冒頭で分かることは、カッターは地球とは別次元のアデルファという世界にやって来たということ。以上。
それ以外は全て不明だ。カッターは落下したせいか記憶喪失になっており、プレイヤーに事情説明もしてくれない。ただ、彼は次元の狭間に迷い込んだというわけではなく、内容は忘れたけれど目的があってアデルファにやって来たようだ。
タランの危機と救世主
カッターが辿り着いたアデルファという世界では、ややこしい事態が起こっている。
断片的にイベントが起こり、カッターの思考もあちこちに飛ぶので簡単に要約すると、まず、アデルファの世界で暮らしているのはタランという種族だ。
しばらく前からロボットを率いる侵略者がアデルファで何かを探すためやりたい放題しており、多くのタランが犠牲になっている。
このままでは、タランたちは絶滅に追い込まれてしまうだろう。
で、そこに現れたのがカッターだ。カッターは、タランに伝わる予言の救世主ウルカイとして、タランと共に侵略者に立ち向かっていくことになる。
カッターの事情
え、そんな都合よく話が進む?と思うけれど、本当に都合良く話が進むのだ。
実はカッターは少しずつ記憶を取り戻して自分に娘がいることを思い出したため、絶対に家に帰りたいのだ。
しかし、カッターは次元を超えて帰る方法が分からない。
そこで、次元を超越する知識を持っていると思われる気難しいタランの巫女アルマイエルの協力をとりつけるため、カッターは救世主として認められようと率先して問題解決に乗り出すわけだ。
カッターは、ヨッドというアデルファの神からのメッセージがなぜか聞こえるので、救世主と言い張ってもあながち間違いではないだろう。
侵略者の裏にいる人物、そして娘と自身の驚きの真実が明らかになるとも知らず、こうしてカッターもとい救世主ウルカイはアデルファの地に飛び出していく。
攻略のポイント
ジェットパックでオープンワールド
本作の大きな特徴はジェットパックでの移動。背中に背負ってジェット噴射するアレだ。
ジェットパックはゲーム冒頭から使用可能で、大きくジャンプしたり滑空したり、果てには超高速空中飛行まで出来る。
このジェットパックによってアデルファを好きに探索していくことが出来る。
各地にはタランの集落があり、それぞれの街ごとにメインクエストもサブクエストも発生し、同時進行が可能だ。
また敵の拠点攻略やアクションの腕が試されるチャレンジなども用意されており、どこから攻略するかは完全に自由だ。
カッターの戦い方
主人公カッターは、銃と近接攻撃で戦う。いくつかの種類の銃が登場し、射程や挙動を考慮して、敵に合わせて持ち替えながら戦う。
武器はパーツの装着が可能で、パーツ連射機能など追加効果を付与したり、多方向に飛ぶように銃弾の挙動を変えることまでできる。
また、シールドでの防御や回避も可能で、発動後にクールタイムが必要な必殺技なスキルも使用できる。
本作では、特定の敵を倒したりクエスト攻略すると、ナノシェルやらブルーヘリディウムなど様々な鉱石状の不思議物質を手に入れることが出来る。
それぞれの物質は対応したスキルツリーのアンロックに使う。スキルツリーは、ジェットパックや戦闘などに分野ごとに別々に用意されており、それぞれに対応した不思議物質を持っていないとアンロック出来ない。
そこら辺の雑魚敵を狩り続けていればレベルアップ出来るわけではなく、ちゃんと様々なチャレンジを攻略しなければバランス良く成長させることが出来ない。
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Outcast A New Beginingの評価
物語の面白さ
異次元が舞台の本作。本当に異次元だ。
タランという種族は文化が全く異なっており、タラン専門用語も大量に飛び交う。
知っている人なら映画『Avatar』に近いと思うかもしれない。人間とは全く違う種族の中に飛び込んで仲間になり、人間相手に戦う。めちゃくちゃSFだ。
アデルファの文化や世界設定はよく練られて作られており、集落ごとに特色も異なっていて街を訪れるのが楽しい。
が、描き方が断片的なのが残念。カットシーンもぶつ切りで挿入されるし、物語は滑らかに続いていない。
カッターは記憶喪失だと言っていたのに、突然全てを把握していたり、いきなり「タランを助けるのは俺だ!」とやる気に満ち溢れていたりする。「え、カッター、ちょっと待って!プレイヤーを置いていかないで!」と思うことが多い。
ただし、本作はNPCとの会話がめちゃくちゃ豊富だ。しかも会話中にタラン専門用語を確認しながらセリフを聞ける手厚いサポートまで付いている。
残念ながら感情移入はしにくいけれど、NPCとの会話を通してアデルファという世界をしっかり味わうことができる。
キャラクターの魅力
NPCはほぼタランで、全員気難しそうに見える。
侵略者に果敢に戦いを挑むタランの抵抗軍や巫女など、厳格な雰囲気のキャラが多いので深刻ムードな物語になるかと思っていた。
ところが、カッターはだいぶ陽気で強気だし、街にいるタラン達は愚痴をこぼす若者や呑んだくれ親父や変なこだわりを持つ自意識過剰な奴など、見た目は全く人間じゃないけれど性格は人間と同じ。怖そうなのは完全に見た目だけだ。
全体的に元気で活き活きとした面白い奴が多く、物語は明るい雰囲気で進む。
敵と戦っている最中でもカッターはジョークを飛ばすし、だいぶノリが軽いおじさんだ。
本作をパッと見ると洋ゲー感ゴリゴリだと思うけれど、かなりとっつきやすいゲームなので、洋ゲーに馴染みがない人にもおすすめ。
操作の快適さ
操作は分かりやすい。
バトルはTPSだけど、きめ細やかなカバーリングまで考えなくていいし、エイムアシストの調整もできるし、攻撃しやすい。
銃は撃ち続けているとオーバーヒートして一定時間使えなくなるけれど、リロードはなく、ボタン一発で武器を切り替えられるので手元でガチャガチャ操作することがほぼない。
またクエストの確認画面がかなり見やすくて、各クエストが関連図のように描かれているのは把握しやすくて便利だ。
本作では一気にたくさんのクエストを同時並行できるけれど、「ここでは何してたんだっけ?」とNPCに再度確認しなくてもいいくらいクエストリストが分かりやすい。
そして、ジェットパックで高速移動が本作最大の魅力で、本当に気持ち良く疾走できる。一気に長距離移動できるので移動しやすく終始快適に探索できる。
ただ、かなり高速になるし、ジャンプも大きくなるため、逆に細かな操作はしにくい。特に街中などオブジェクトが密集しているところでは動きにくくなる。
その他のアクションも全体的に大きく動きやすい挙動になっており、細かく精度高いアクションというわけではない。やや大味な印象だ。
難易度バランス
難易度は4段階から選択できる。私はデフォルトのノーマルでプレイ(4段階中3段目の難しさにあたる)。
バトルで苦戦することはない難易度だ。
あちこちにたくさんチャレンジや サブクエストが用意されているので、報酬がジャカジャカ手に入り、どんどんカッターを強化できる。そして、特に武器のパーツにかなり優秀な性能のものが多く、武器はめきめきと使いやすくなっていく。
道中で目に入ったチャレンジを攻略しながら進めば、メインストーリー攻略で苦戦することはまずない。
最初からジェットパックで旅できるし、多くのゲームで中盤くらいに感じる「あれこれ使いこなせるし、雑魚敵にも有利に戦える」状態になるまでが早い。
ゲームシステムの面白さ
上述もしたけれど、本作はゲームの立ち上がりが早い。
いや、ロード時間とかゲーム起動にかかる時間の話ではなく、序盤の「後からあそこに行けるんだろうな、後からこんなこと出来るようになるんだろうな」と思う期間がすっ飛ぶのだ。
一気にどこでも行けるし、何から攻略してもいいし、主人公を爆速で成長させることも出来る。
このゲーム序盤からの加速ぶりが本作の大きな魅力の一つ。すぐにゲームの一番美味しいところに齧りつけるので本作に夢中になるスピードも速い。
ジェットパックという他のゲームならチートアイテムになりそうな移動手段が最初から使えるのも面白さが増すところ。
「オープンワールドとはいっても、なんだかんだほんのり順番が決まってるよね」というのは全くなく、本気で最初から自由。オープンワールドの先駆けは、新作になってもやはり本気でオープンだ。
やり込み要素の楽しさ
サブクエストの攻略、各地のチャレンジ制覇など、やり込み要素は豊富に用意されている。
チャレンジとしては、敵の拠点攻略、バトルチャレンジ、プラットフォームアクションの腕が求められるもの、収集要素などなど多岐に渡る。
同じ種類のチャレンジではあまり変わり映えを感じられないけれど、どれもが主人公の強化に直結するので、やる気は続きやすい。
また、会話中にも確認できる用語解説は、メニュー画面でしっかり読むことができる。
セリフでの細かな説明は省かれることが多いので、たまにメニュー画面で予習と復習をしておくのがおすすめ。主人公カッターの素性でさえ、メニュー画面で確認しなければ知り得なかった。
グラフィックの芸術性
アデルファは自然豊かで景色が本当に綺麗。
色とりどりの不思議な植物が広がる美しい風景が3DCGで描かれる。カッターは空中移動ができるため、高低差に富んだ地形が多い。
ジェットパックで高速飛行しながら風景を眺めるのがめちゃくちゃ楽しくて、まずは世界を見て回りたくなるはず。
時々、カッターが口を全く動かさずに喋る腹話術バグが発生するけれど、会話中はタランも人間も表情豊かだ。
サウンドの魅力
異次元が舞台のSF。というわけで、BGMは壮大だ。大冒険している気分が盛り上がる曲が多い。
そして、驚いたのが本作はフルボイスで日本語に吹き替えられている。
上述した通りNPCとの会話が豊富に用意されており、それが全て日本語音声になっている贅沢ぶり。この部分も洋ゲーな雰囲気が苦手という人にもおすすめしたいとっつきやすさだ。
タラン達は感情豊かなので、活きの良い会話を日本語で堪能することができる。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
Outcast A New Beginingレビューのまとめ
総合評価良いところ残念なところ
- ゲーム序盤から一気に自由度が高くなる
- ジェットパックでの高速移動が気持ち良い
- NPCとの会話が豊富
- 物語の描写が荒い
- 細かな行動が操作しにくい
おすすめな人
- 自由度が高いゲームが好き
- 探索しやすいオープンワールドゲームが好き
- ジェットパック大好き!
おすすめではない人
- 物語に感情移入したい
- リアルな挙動のTPSバトルを求めている
- 攻略順の動線が欲しい
Outcast A New Beginingが好きならおすすめなゲーム
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Horizon Forbidden West
原始的な生活と高度文明が入り混じるSFなオープンワールドゲームなら、こちらもおすすめ。
ステルスや罠など多彩な戦術がとれるバトルも、壮大な物語も魅力の超大作。
Star Wars JEDI Survivors
人間とは異なる種族の世界を冒険するSFなら、こちらもおすすめ。
Star Wars世界が舞台のオリジナルストーリーで、様々な種族が登場し惑星ごとに全く違った景色や雰囲気が楽しめるアクションアドベンチャーゲーム。
Outcast – A New Begining アウトキャスト 新たなる始まり
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