『Horizon Forbidden West』レビュー: 現実生活を休む覚悟
全てが高クオリティなオープンワールドを担いで最強戦士アーロイが帰ってきた『Horizon Forbidden West』をネタバレなしで詳しくレビュー。
関連作や似ているゲームも紹介する。
Horizon Forbidden West製品情報
タイトル | Horizon Forbidden West |
---|---|
開発元 | Guerilla Games |
対応機種 | PS5, PC PS4(本編のみ) |
ジャンル | オープンワールド, アクションアドベンチャー |
シリーズ | Horizon ホライゾン |
『Horizon Forbidden West』は、高評価作『Horizon Zero Dawn』から始まったホライゾンシリーズの第2作目となる。
本作には追加DLC「焦熱の海辺 Burning Shores』も配信されており、そちらも同梱されたThe Complete Editionも発売されている。
本稿では、PS5版をレビューしている。
Horizon Forbidden Westの攻略
ストーリー
Horizon Zero Dawnのおさらい
本作の前作にあたる『Horizon Zero Dawn』から始まったホライゾンシリーズは、文明崩壊後のアメリカが舞台となる近未来SFな物語。
世界は、とある事件をきっかけに文明崩壊したけれど、実は人類が再び繁栄できるようにエリザベト博士という超天才科学者が密かに用意周到な準備をしていた。
エリザベト博士の計画で大きな役割を果たす予定だったのは、動物を模した機械生物たち。
ところが、なんやかんやで機械生物たちは人間を襲うようになってしまった。
そのため、エリザベト博士の計画を知りもしなかった生き残った人々は機械は恐ろしくて良くないものと見なし、原始的な生活に戻っていた。
前作では、なぜ機械生物が凶暴化したのか、なぜ文明崩壊が起こったのか、その真相を明らかにする物語が描かれた。
落ち着かないアーロイ
本作の物語は、前作『Horizon Zero Dawn』のエンディング直後から始まる。
本作の主人公は前作と同じくアーロイ。様々な謎を解き、人類を滅ぼすために機械生物を暴走させていたAIのハデス(前作のラスボス)をぶっ壊した勇敢な戦士だ。
ところが、人類への脅威はなくなったと思っていたけれど、今度は赤い腐食が大地に広がり始めた。
どこからともなく植物や動物の命を奪う危険な赤いツタがウネウネと生えてきたのだ。このままでは人間にも影響が出てしまうだろう。
でも、主人公アーロイは、実は上述の天才エリザベト博士のクローンだ。赤い腐食にだって立ち向かう気満々。
頭脳も技術も天才博士レベルのアーロイは、エリザベトの遺志を継いで再び世界を救うため、前作エンディング直後から既に本作に向けて始動していた。
禁じられた西部へ
「赤い腐食って何なんだよ」という調査から物語が始まりそうだけど、実は有力な手がかりがある。
前作でアーロイを助ける素振りを見せつつ、実は己の知識欲のためにアーロイとAIハデスを利用していたサイレンスという男がいる。
サイレンスが全てを知っているはずだ。腐食蔓延の原因も解決策も、そしてエリザベト博士が遺したはずのポストアポカリプス後に生きる人類のためのデータも。それがあれば枯れた大地を再生できるはず。
前作終盤で行方をくらませたサイレンスを追って、アーロイは立ち入り禁止とされている西部へ向かう。
西部には残虐な殺人部族がいるという話だし、その更に西は、もはや誰も見たことがない地だ。
それでも超人アーロイが立ち止まるわけがない。やる気満々の前のめりでアーロイは旅立つ。西へ!
攻略のポイント
ぎっしりオープンワールド
本作はオープンワールドゲームだ。
各地に栄えた街や小さな集落も、ダンジョンや敵の拠点もある。サブクエストも各地にたっぷり用意されている。
探索中には様々な素材を採取することができるし、敵対勢力の人間や機械生物に遭遇すればバトルになる。
アーロイは素材を使って装備品を強化をしたり、回復アイテムなどをクラフトすることができる。敵がそこかしこで待ち構えているので、素材を集めてクラフトしながら歩くのが旅の基本だ。
しかし、アーロイは1人というわけではない。敵である機械生物はオーバードライブに成功すると、乗り物として移動手段になってくれたり、共闘してくれる。
機械炉と呼ばれるダンジョンを攻略するとオーバードライブできる機械生物の種類が増えていくので、優先して攻略しておくと旅が楽になる。
戦い方はよりどりみどり
バトルになると、多種多様な戦い方が出来る。これが本作の大きな魅力の1つ。
槍で近接攻撃、弓や爆弾で遠距離攻撃(属性付きの矢や弾もある)、罠を使って待ち伏せすることもできる。
本作では、フォーカスという周囲の情報をスキャンできるハイテクデバイスが大活躍する。ハイテクとは言っても、操作は右スティックを押し込むだけだ。
素材の場所が分かるなど、スキャンは探索中にも重宝するけれど、バトルでは敵の弱点部位や巡回路を把握することができる。この情報を利用してステルスプレイで賢く戦うことができる。
特に機械生物の弱点部位を破壊して入手できるパーツは貴重品で、クエスト攻略に必要になることも多い。
こうしたパーツは単に敵を倒してしまうと壊れて入手出来なくなることがあるため、与ダメージ量は低めでもパーツを切断できる武器を使わなければならない。切断に成功すれば敵を大幅に弱体化出来るので、有効な攻撃手段にもなる。
どの武器でどんな作戦で戦うかはプレイヤー次第だ。
超人アーロイは更に成長する
本作では、クエストクリア時や敵を倒した際に経験値を獲得する。
レベルアップすると最大体力が増え、スキルポイントを獲得する。
スキルポイントを消費すると、攻撃力が上がったり回復効果が上がるといったパッシブスキルや勇技という必殺技などスキルツリーをアンロックすることができる。
勇技は、敵の弱点を突くなど戦略的な立ち回りをした際に溜まる勇技ゲージを消費して発動できる。
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Horizon Forbidden Westの評価
物語の面白さ
色んな方向に壮大な物語だ。
部族間の確執、同じ部族内での政治的な思惑、見知らぬ文化を持つ人たちとの出会い、そして文明崩壊前から張り巡らされていた陰謀などなど。
「1つのゲームにここまで詰め込んでいいのだろうか」と変な心配をしてしまうくらい壮大。次から次へとドラマが起こる。
原始的な文化で巻き起こる人間ドラマを楽しみつつ、本筋はがっつりSFだ。前作でも感じたけれど、映画3部作くらいを一気に見ている気分になる。大長編で濃密。
サブクエスト1つ1つにまでしっかりストーリーがあり、多方面に先が気になってプレイがやめられなくなる。
ただ、これは、前作をプレイ済みの私の感想だ。
「前作はもちろんプレイ済みだよな!」という感じで序盤からガンガン話が進むので、本作からプレイした人は理解するのが大変だと思う。
前作を知っているとテンポが良くて最高なので、前作からプレイするのが圧倒的におすすめ。
キャラクターの魅力
アーロイは、勇敢すぎて頼もしすぎる主人公だ。
もちろん自分自身が操作しているわけだけど、バトルでピンチになっても「アーロイなら、きっとどうにかしてくれる」と、つい思ってしまう。
アーロイはぐだぐだ世間話することもなく、「私、世界を救うんだ!」と超高速前転で転がっていくくらい先へ先へと進みたがる。
もちろん、アーロイだって時にはちょっと感情的になるけれど、数秒で立ち直る。度胸がありすぎて無謀な行動に出ることもあり、思わず笑ってしまったこともあった。
NPCも気持ちの良い性格の人が多く、みんなたくましくて勇敢。嫌なヤツは、気持ち良いほどに嫌なヤツ。
というわけで、みんな魅力的だけど感情的な描写はサラッとしていて、一人ひとりに感情移入するというより物語の展開を楽しむ方がメインだ。
操作の快適さ
探索も近接攻撃も遠距離攻撃もステルスも全部文句なし。大満足の挙動と操作性の良さ。
武器種による挙動の違いや、当たり判定も精度高くて、普通の弓だけで戦っていても楽し過ぎる。
また、画面上にあるオブジェクトは全て飾りではないのも凄い。ちょっとした岩の出っ張りはちゃんと邪魔するし、腰をかがめればちゃんと下を通れる。作り込みが激しい。
「あ!こんな狭い空間に入り込んだら、引っかかってバグりそう!」と心配するところでも、全く問題なし。
崖上りでは左スティック倒せばズンズン登ってくれるし、ノンストレス。
そして、とてつもなく密度の濃いオープンワールドにも関わらず、ロードが速すぎて度肝を抜かれる。どうなってんだ、このゲーム。
難易度バランス
ゲーム開始時に5段階から難易度を選べる。私はデフォルトのノーマル難易度でプレイ。
下手打てば死ぬけれど、資源は豊富に手に入るし、詰まることなく攻略できる難易度だ。サブクエストなど寄り道しながら進めば、スキルポイントもザクザク溜まるので、成長もしやすい。
バトルでは、突然敵に殴りかかるより、どう立ち回るかを考えてから行動に移すのが本作の面白さであり、必勝法でもある。
敵は、アーロイに気づくと複数で一斉に攻撃してくるので、考えなしに突っ込むとすぐに窮地に陥る。
私はステルスプレイが好きなので、隠れながら敵の弱点部位を狙い打ち戦法を多用していた。どのバトルでもステルスできるくらい環境が整っている。
弱点を突くと機械生物のパーツがバァーンッと派手に外れて体力がガバッと減るし、人間の敵にヘッドショットすると周りにいる敵が「なんてことをー!」とリアクションしてくれるし、考えるバトルでありつつ爽快さも味わえる。
ゲームシステムの面白さ
本作を端的に表すと、最高品質の超過密オープンワールドゲームだ。
オープンワールドゲームとしての基本システムは、オーソドックスだ。ただ、全ての要素が最強に作り込まれていて最高に面白い。
そして、本作ならではの1番の魅力は、環境を活かしたバトル。
地形が高低差に富んでいてオブジェクトもぎっしりあり、ステルスや罠、そして敵と間合いを取る際にも、周囲の環境をがっつり利用できるし、それがちゃんと効く。
単に武器の種類やアクションの多さに頼ることなく、周囲の環境を利用するだけでも攻略できる良い地形ばかり。
滑空やワイヤーアクション、潜水などにより、縦にも横にもダイナミックに動きながら探索もバトルも出来る。
ハマらないわけがない。楽しすぎる。
やりこみ要素の楽しさ
サブクエスト、収集要素、成長要素はそれぞれ内容がぎっしり用意されている。
武器の改造も出来るし、ストライクというミニゲーム、バトルのテクニックを磨く闘技場や狩場など戦闘狂向けのチャレンジも完備されている。
トールネックというキリンのような巨大機械生物を攻略すると、そのエリアにある施設や探索すべき場所が開示される。その瞬間には、毎回その大量ぶりに圧倒されるほど、全てがてんこ盛り。
現実生活を忘れて没頭して遊びまくってしまったくらい、やり込み要素が特大ボリューム。現実生活はしばらく休む覚悟でプレイし始めた方がいい。始めたら、もう止まらない。ホライゾン中毒になる。
更に、エンディング後の物語が描かれる追加DLC「Burning Shores 焦熱の海辺」も配信されていて(PS5, PC版でプレイ可能)、そちらもがっつりボリュームだ。
グラフィックの芸術性
画面上がぎっしり!密度が高い!キャラの顔も濃い!
しかも、「これは、もはやカットシーンでは」という最高の映像美で常に滑らかに動く。アーロイの髪の毛なんて、会話中もウネウネ動いてるくらい滑らか。
廃墟と自然のコントラストが美しい絶景が多く、各部族のフェイスペイントやタトゥーなど細かなところまで拘りを感じるくらい描き込まれている。機械生物のメカメカなデザインもカッコよくて、凶悪さに拍車がかかっている。
映像美も本作の大きな魅力であるくらい、とてつもない高クオリティだ。
サウンドの魅力
壮大な世界設定と物語に負けず、BGMも壮大。
ファーラララーみたいな美しい女性の歌声が聴こてくる「地球の未来は私の肩にかかっている」と黄昏たくなる曲から、「全員まとめてぶっ飛ばしてやる!」と血がたぎる曲まで、様々な曲調のBGMが流れている。
NPC達もよく喋るので、特に街に着くとあちこちから声が聞こえてきて、ボイス面でも贅沢なゲームだ。
サントラはこちら
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Horizon Forbidden Westレビューのまとめ
おすすめな人
- たっぷり遊べる超大作をプレイしたい
- オープンワールドが好き
- バトルでの立ち回りを考えるのが好き
- 前作のファン
おすすめではない人
- 前作にハマらなかった
- 出来ることが多すぎると途方に暮れてしまう
- 気軽にプレイできるゲームを探している
総合評価良いところ&残念なところ
- 全要素が高クオリティで特大ボリューム
- 環境も利用できる多彩な戦い方が出来る
- 密度が高く高低差もある広大な世界
- 前作を知らないと物語を理解するのが大変
- 大ボリュームすぎて人によっては疲れる
Horizon Forbidden Westが好きならおすすめゲーム
関連ゲーム
Horizon Zero Dawn ホライゾン ゼロ ドーン
本作の前の物語が描かれる高評価オープンワールドゲームであり、ホライゾンシリーズの第1作目。
アーロイ自身の生い立ちや世界設定について詳しく分かるので、本作前にプレイしておいた方が良い。
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Ghost of Tsushima ゴースト オブ ツシマ
映像美も多彩なバトルも楽しめる超大作オープンワールドゲームなら、こちらもおすすめ。
鎌倉時代の日本が舞台で、オープンワールドゲームとしては珍しく主人公の感情に焦点を当てた描かれ方が特徴。
武士ならではの剣戟やステルスプレイも楽しめる。
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PS5ユーザーにおすすめしたいオープンワールドゲームなら、こちらも外せない。
スパイダーマンの糸を使った多彩なアクションが楽しめるし、敵の頭上からのステルスプレイは本作ならではの魅力。
Horizon Forbidden West
©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. Horizon Forbidden West is a registered trademark or trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
https://www.playstation.com/ja-jp/games/horizon-forbidden-west/
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