『Horizon Forbidden West』とは、ソニーインタラクティブエンタテインメント傘下のGuerilla Gamesが開発したオープンワールドなアクションアドベンチャーゲーム。
本作は、2017年にPS4で発売された高評価作『Horizon Zero Dawn ホライゾン ゼロ ドーン』の続編。


本作はPS5とPS4でプレイ可能。私は前作プレイ済み。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
ホライゾンの世界
上述の通り、本作は『Horizon Zero Dawn』の続編で、前作のエンディング直後から物語は始まる。
「ホライゾン」の世界は、文明崩壊後の未来のアメリカが舞台。
機械は恐ろしい存在とされていて、人類は原始的な生活に戻っている。
しかし、実は文明崩壊後にも人類が繁栄するため、エリザベト博士という超天才科学者が中心となり、様々な準備をしていた。
その再繁栄計画で大きな役割を果たすために準備されていたのが機械生物たち。ところが、なんやかんやで機械生物たちは人間を襲うようになってしまっている。
前作は、その「なんやかんや」と文明崩壊の謎を解明する物語だった。

落ち着かないアーロイ
というわけで、様々な謎が解け、更に前作のラスボス戦では、人類を滅ぼそうと機械を暴走させていたAIのハデスをぶっ潰した主人公アーロイ。
平和になると思いきや、赤い腐食が大地に広がっている。植物や動物を死に至らしめる危険な赤いツタだ。このままでは人類にも影響が出てしまうだろう。
でも、実は主人公アーロイは、上述の天才エリザベト博士のクローン。
その頭脳と技術と遺伝子を持つアーロイはエリザベトの遺志を継いで世界を救おうと、前作エンディング後から続編(本作のこと)に向けて始動していたようだ。

禁じられた西部へ
「腐食って何なんだよ」というところから始まりそうだけど、実は有力な手がかりがある。
前作でアーロイを助ける素振りを見せつつ、実は己の知識欲のためにアーロイとAIハデスを利用したサイレンスという男。
アイツが全てを知っているはずだ。腐食蔓延の原因も解決策も、そしてエリザベト博士が残した人類が再繁栄するためのデータも。
サイレンスを追って、アーロイは立ち入りを禁止されている西部へ向かうことになる。
西部には非情な殺人部族がいるし、彼らの領地の更に西は誰も見たことがないと言われている。
それでも、超人アーロイはやる気満々で旅立つ。西へ!

ゲームの特徴Features
ぎっしりオープンワールド

本作はオープンワールド。
そこら中に街や集落、ダンジョンや廃墟が点在していて、もちろん敵の拠点もある。サブクエストもたっぷり用意されている。
道中では敵対する人間に遭遇することもあるし、機械生物に襲われることもある。
一方、街では、腕試しが出来る闘技場やミニゲームなどまである。
本作では、武器や防具の強化や消費アイテムの調達は、作業台などでクラフトすることになる。
そのため、そこら辺に生えている草や宝箱から資源を収集しながら歩くのが大切。
よりどりみどり

バトルでは、様々な武器を使って戦うことになる。
槍で近接攻撃(コンボ、電撃攻撃などもある)、弓や爆弾で遠距離攻撃(属性付きの矢や弾もある)、罠を使った待ち伏せ攻撃などなど。
本作では、フォーカスという周囲の情報をスキャンして探知できるハイテクデバイスが大活躍する。ハイテクとは言っても、右スティック押し込みするだけだ。
スキャンすることで資源の場所が分かるので探索に欠かせない。で、バトルでは、敵をスキャンすると弱点部位や巡回路をハイライトすることができる。
これを上手く使ってステルスも組み合わせて賢く戦うこともできる。どう戦うかはプレイヤー次第だ。
本作では、料理(一定時間バフが付く)や武器防具を購入する際には、通貨と共に素材となる特定のアイテムも必要になる。
特に機械生物の弱点部位を攻撃して得られるパーツが必要になることが多いので、バトルでは単に敵を倒すだけではなく、貴重パーツを切断して手に入れることも考えなくてはならない。
超人の進化

本作では、クエストクリア時や敵を倒した時に経験値が溜まる。
レベルアップ時には最大体力が増え、スキルポイントを獲得する。
スキルポイントは、遠距離攻撃、罠など種類ごとにスキルツリーが分かれている。
攻撃力が上がったり、回復効果が上がるなどのスキルがある。また、武器ごとに強力な攻撃を発動出来るようきなるスキルもある。
また、特定のスキルをアンロックすると、勇技という必殺技を使うことが出来るようになる。
バトル中などに敵の弱点を突いたり戦略的な立ち回りをすることで溜まっていく勇技ゲージを消費して発動できる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.5
色んな方向に壮大な物語。
部族間の過去のわだかまりを含めた対立や政治的な思惑、新たに出会う謎の集団、文明崩壊前から行われていた陰謀などなど。
「1つのゲームにここまで詰め込んでいいんでしょうか」って心配になるくらい壮大。次から次へとドラマが起こる。
サブクエストにもしっかりストーリーがあって、プレイをやめられなくなる。
ただ!これは、前作をプレイ済みの私の感想だ。
「前作はもちろん履修済みだよな!」て感じで序盤からガンガン話が進むので、本作からプレイした人は理解するのが大変なんじゃないかと思う。
既プレイヤーにとっては、テンポが良くて最高だけど。
キャラクターの魅力

4.5
アーロイが勇敢すぎて度胸ありすぎで頼もしすぎる。
操作してるのはもちろん私だけど、「アーロイなら、きっとどうにかしてくれる」って私自身も思ってしまう。
アーロイは、馴れ合ったり、ぐだぐだ世間話することもなく、「私、世界を救うんだ!」って前向きに進む。ちょっと感情的になる時もあるけど、数秒で立ち直る。
メンタルも最強すぎて無謀すぎて笑ってしまう時もある。
NPCも気持ち良い性格の人が多くて、みんなたくましくて魅力的。嫌なヤツは、気持ち良いほど嫌なヤツ。
アーロイだけじゃなく、敵も含めNPCも、人間の活き活きっぷりがハンパない。活きが良すぎて最高。
操作性

5.0
探索も近接攻撃も遠距離攻撃もステルスも全部文句なし。大満足の挙動と操作性。
画面上にあるオブジェクトは飾りじゃない。ちょっとした出っ張りは、ちゃんと邪魔になるし、でも、腰をかがめればちゃんと下を通れる。作り込みが激しい。
他のゲームなら、「あ!こんな狭いところに入っちゃったら、引っかかってバグりそう!」て心配するところでも、全く問題なし。
崖上りでは左スティック倒せばズンズン登っていってくれてノンストレス。
そして、とてつもなく密度の濃いオープンワールドなんだけど、ロードが速すぎて度肝を抜かれる。どうなってんだ、このゲーム。
難易度バランス

5.0
ゲーム開始時に5段階から難易度を選べる。私はデフォルトのノーマル難易度でプレイ。
下手打てば死ぬけど、資源も豊富に手に入るし、良いペースで攻略できる。
サブクエストなど寄り道を楽しみながら進めば、スキルポイントもザクザク貰えるので、強化しやすい。
バトルでは、どう戦うか考えるのが本作の面白さであり、必勝法。
私はステルスプレイが好きなので、隠れながら敵の弱点部位を狙い打ちするのが楽しすぎて病みつきに。
矢が当たると機械生物のパーツがバァーンッて派手に外れるし、人間の敵にヘッドショットすれば周りの敵が「なんてことをー!」とリアクションしてくれるし、バトルが楽しい。
でも、敵は複数で一斉に攻撃してくるので、考えなしに立ち回れば、すぐに劣勢となる。
ゲームシステム

5.0
本作は、最高品質で作られた超過密オープンワールドゲーム。
オープンワールドのシステム自体は、オーソドックス。ただ、全ての要素が最強に面白い。
本作ならではの1番の魅力は、環境を活かしたバトル。
地形の変化やオブジェクトがぎっしりあり、ステルスや罠、そして敵と間合いを取る際にも、周囲の環境をがっつり利用できるし、それがちゃんと効く。
単に武器の種類やアクションの多さに頼ることなく(豊富だけど)、周囲の環境を利用するだけでも攻略できる良い地形が続く。
滑空やワイヤーアクション、潜水などにより、縦にも横にもダイナミックに動きながら探索もバトルも出来る。ハマらないわけない、こんなの。楽しすぎ。
やりこみ要素

5.0
サブクエストは大量、収集要素、成長要素、成長要素、全部ぎっしりぎっしり。
武器の改造にストライクというボードゲーム、バトルのテクニックを磨く闘技場や狩場。
現実生活忘れて没頭して遊びまくれるくらい、やり込み要素が特大ボリューム。
現実生活はしばらく休む覚悟でプレイし始めた方がいい。始めたら、もう止まらない。ホライゾン中毒になる。
トールネックというキリンのような巨大機械生物を攻略すると、そのエリアにある施設や探索すべき場所が開示される。
開示された瞬間には、その大量ぶりに圧倒されるほど。
グラフィック

5.0
画面上がぎっしり!密度高い!キャラの顔も濃い!
しかも、「これは、もはやカットシーンでは」っていう最高の映像美で滑らかに動く。
アーロイの髪の毛なんて、会話中もウネウネ動いてるくらい滑らかヌメヌメ。
廃墟と自然のコントラストが美しい絶景が多く、各部族のフェイスペイントやタトゥーなど細かいところまで描き込まれてる。
機械生物のメカメカなデザインもカッコよくて、凶悪さに拍車がかかってる。
とにかくとてつもないクオリティだ。
サウンド

4.5
壮大な世界設定と物語に負けず、BGMも壮大。
ファーラララーみたいな美しい女性の歌声が聴こえる「地球の未来は私の肩にかかっている」って黄昏たくなる曲から、「全員まとめてぶっ飛ばしてやる!(物影から)」って血がたぎる曲まで。
もはや映画。
総合評価Summary
5.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
全てが最高クオリティ
特大ボリューム
様々な戦い方が出来る
密度の高いオープンワールド
残念なところ
前作をプレイしていないと理解するのが大変
オススメな人
たっぷり遊べる超大作をプレイしたい
オープンワールドが好き
知恵で戦うバトルが好き
前作のファン
オススメではない人
前作にハマらなかった
出来ることが多すぎると途方に暮れる
気軽にプレイできるゲームを探している
本作が好きならオススメRecommendation
本作の前の物語であり、ホライゾンシリーズ第1作目。本作の物語や人間関係をより楽しみたいなら、プレイしておくのがオススメ。


映像美と様々な戦い方がが楽しめる超大作オープンワールドゲームなら、こちらもオススメ。鎌倉時代の日本が舞台で、本作よりも主人公の感情面の描写も楽しめる。

Horizon Forbidden West
©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. Horizon Forbidden West is a registered trademark or trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.