『Röki ロキ』レビュー: バケモノと姉弟
『Röki ロキ』とは、POLYGON TREEHOUSEが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
絵本のようなイラスト調のグラフィックが特徴。
本作は、PS5、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
姉弟
本作の主人公は、トーブ。赤いニット帽がよく似合う女の子。
彼女は、まだ幼い弟のラースと仲良し。といっても、面倒をみてる感じだ。
実は、彼らにはお母さんがいない。どうやらお母さんは亡くなっているようで、父と子供2人の3人家族。
しかし、頼りにしたいお父さんは、お母さんの死から立ち直れず酒浸りのようだ。今日もぐうぐう寝ている。
家にビッグパンチ
ちょっと問題は抱えつつも穏やかな毎日。
ところが、ある夜、トーブが弟ラースのお気に入りである森の神話を読み聞かせ、寝かしつけていると…
ゴォオオオオ、ドッカーーーン!
え、家に大穴開いたんですけど!
怪物
突然、巨大な怪物が登場!
トーブは弟ラースを連れて必死に逃げるものの、ラースは怪物に捕まり、どこかに連れ去られてしまう。
「何が目的なんだー!なんでラースなんだー!」という怒りと心配と不安を抱えつつ怪物の後を追いかけるトーブは、いつの間にか不思議な世界へ足を踏み入れる。
何がどうなっているのか分からないけれど、それでも諦めずに、トーブは弟ラース救出のために奔走する。
あれ?そういえば、お父さんは?
ゲームの特徴Features
あっちでこっちで謎解き
本作はパズルアドベンチャーなので、謎解きを攻略することでゲームが進行していく。
マップはいくつかのエリアに分かれていて、各地でアイテムを手に入れて誰かに渡したり、ギミックを動かしたりして謎解きする。
ただ、謎解きは、各エリア内で完結するわけではない。
こっちで手に入れたアイテムはあっちのエリアの謎解きに使う、といった感じで、エリアを超えて謎解きすることになる。
リュックの中でゴソゴソ
各地で見つけたアイテムは、リュックに入れて持ち歩く。とてもリュックに入らなさそうな大きな物もグイグイ詰め込んで行く。
ちなみにPS版だと左スティック押し込み操作をすると、落ちているアイテムや調られる場所がハイライトされるので、探索の助けになる。
手に入れたアイテムは、画面上部のリュック内持ち物リストから使える場所にドラッグすると使用可能。
また、リュック内でも2種類のアイテムをドラッグして重ね合わせると新たなアイテムに変化させられることもある。
書き込みぎっしり日記
謎解きに使用するアイテムやギミック以外にも調べられるものは多い。
小さな物はコレクションとして日記に貼り付けていく。
また特定の行動を行うとバッジが手に入る。実績解除だ。
この2つがやり込み要素になっている。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
本作のテーマは家族。
怪物だとか神話だとかも登場するけれど、家族愛が描かれている。
プレイ前に予想していたより、心理描写などがしっかり描かれていて物語がじっくり楽しめた。
そして、終盤は涙。特に親から子への愛に感動!
悲しい展開もあるけれど、決して重くなりすぎず、テンポ良く物語が楽しめる。
ただ、日本語翻訳があやしいところがチラホラ。特に漢字の誤字脱字が多め。
キャラクターの魅力
4.0
トーブも弟ラースも、その他のキャラもみんな魅力的。
特に弟ラースはものすごく可愛くて「私の弟に手を出すなぁあ!」と思い、弟を助けるというトーブの物語に感情移入しやすくなった。
主人公であるトーブは、大人から見ると心配になるくらいしっかりしてるんだけど、徐々に子供らしさが見えてくる。
ああ、「しっかりしよう」としていたんだな。と、トーブにも愛着が湧きまくりだ。
崖を登ったりする時に「頑張れ、トーブ!」などといったトーブが自分自身を励ますセリフも多く、操作してるのはもちろん私自身だけど、「頑張れ、頑張れ、トーブ!」と応援しながらプレイしてた。
操作性
4.0
特に問題なし。
謎解きなので、特に急がなきゃいけないことはない。
持ち物をドラッグしたり各所を調べるくらいなので(中盤からは別の操作も加わるけれど)、操作は簡単。
難易度バランス
3.5
謎解きが豊富で、謎解きのレベルも良いくらい。
複数のエリアで謎解きが進行していくので、「こっちはこれで、あっちにもこのアイテム使える?」と予想しながら進むのが楽しい。
謎解きはどんどん複雑になっていくので、謎解き好きも納得の面白さ。
しかし、本作のグラフィックはフラットなイラスト調。そのせいで通れる場所や落ちているアイテムに気づきにくいところがある。
詰まった時は、何かを見落としてるだけなのが原因と言っても過言ではないくらい。
また、謎解きのヒントとなるNPCのセリフが一度しか表示されないこともあるので、注意。
ゲームシステム
4.0
物語も謎解きもどちらもしっかり楽しめる。
特に謎解きが物語にハマり込んでるのが良いところ。
物語とは関係のない脈略のないパズルを解くということは一切なく、ちゃんと物語性のある謎解きになっている。
「謎解きたい=物語を知りたい」になっているので、どんどんプレイしたくなる。
謎解きはどれも違っていて、ダレることなくプレイできる。
やりこみ要素
3.5
収集要素やバッジの種類はたくさんある。
でも、収集要素から何か物語が更に分かるというわけじゃなくて、ひたすら収集だ。
日記を埋めていく収集アイテムはかなり小さいので、しっかり目を凝らして見つけ出さなければならない。
グラフィック
4.0
あたたかいイラスト調のグラフィック。オシャレ!
雪国が舞台なので雪景色ばっかりなんだけど、トーブの赤色帽子が映えてて可愛い。
上述した通り、フラットなアートスタイルなので、ゲームプレイ上では必要な物を見逃しちゃう原因になることもあるけど、私は本作のグラフィックが好きだ。
キャラクターデザインも素敵。
サウンド
4.0
主張控えめなBGMなので、ゆったりした雰囲気で謎解きできる。
本作はフルボイスではないんだけど、弟ラースが「トーブ!」と呼んだり、トーブが「パパ」と呼びかけるボイスは入る。
このボイスがすごく良い味出してて、トーブとラースは声もめちゃくちゃ可愛い。この姉弟、可愛すぎ。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
物語も謎解きもしっかり楽しめる
芸術性が高い
キャラクターが魅力的
残念なところ
見落としやすい部分がある
日本語訳の誤字が多め
オススメな人
謎解きが好き
物語をしっかり楽しみたい
感動したい
雰囲気が良いゲームを探している
オススメではない人
小さいものが見づらい環境でプレイしている
サクサククリアできるゲームを探している
ポイント&クリック型のパズルアドベンチャーゲーム。本作と同じく色んな場所を行ったり来たりしながら謎解きしていくオススメゲーム。
本作と同じように心理描写も充実した物語が楽しめるアドベンチャーゲーム。アクション要素もある。
Röki
バケモノと姉弟
行ったり来たりして解いていく謎解きが楽しい良質なパズルアドベンチャーゲーム。
家族愛を感じる感動の物語とオシャレなグラフィックも魅力。
Röki ロキ
RÖKI ©2020 CI Games S.A. All rights reserved. Game content ©2020 Polygon Treehouse Ltd. Used with permission. “RÖKI” is a trademark of Polygon Treehouse Ltd. All rights reserved. United Label S.A. is an exclusive worldwide game licensee. “United Label” is a trademark of United Label S.A. All rights reserved. Published in Asia by H2 Interactive Co., Ltd.