『The Touryst ザ ツーリスト』レビュー: 命懸けのおっさんバケーション
『The Touryst』とは、Shin’en Multimedia GmbHが開発したアドベンチャーゲーム。
エフェクトまで全てボクセルのみで描かれたグラフィックが特徴。
開発元は、これまでにも様々なゲームを開発してきており、任天堂の公式サードパーティにもなっているデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
Xboxでは日本語版が配信されていないので、本稿の画像は英語版のものになっています。Nintendo Switchでは日本語でプレイ可能です。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見れます。
あらすじStory
観光おじさん
物語は突然始まる。
アロハシャツにサングラスという、バケーション気分丸出しなオジサン(年齢不詳、本当は若いのかも)が、とある島に到着したところから物語が始まる。
このオジサン、何者かは分からない。
観光しに来たのか、ただダラけた休暇を楽しみに来たのか。
怪しいお爺さん
ここでどんなことができるんだろうかと、海岸に寝そべってるお爺さんに話しかけみると、「このリゾートには秘密があるんじゃよ」なんて言われる。
何言ってんだか。
とりあえず、バケーション的なことしようと周りを見渡してみると…、え!島がすっごい小さい!
で、すぐに暇になってしまったので、島にあるモニュメントのような遺跡のパズルを解いてみることにする。
謎の勧誘
パズルが解けた!
と思った瞬間に、おじさんは遺跡内に転がり落ちてしまう。
そこで、正体不明の触手に襲われる。どういう展開!?
戸惑いつつも、そこにあったスイッチを押してみると無事に触手怪物の撃退に成功。
「一体なんなんだ」と思っていたら、海岸に寝転がっていたさっきのお爺さんが登場。あとをつけてきていたようだ。
で、そのおじいさんから、「他にもこういう遺跡があるから、その謎解いてみちゃわない?」と誘われる。
主人公の休暇は何日続くのか分からないけれど、ダイビングや写真撮影などバケーションを満喫しつつ、リゾート各地にあるモニュメントの謎を解いていくことに。
一体何がどうなっているんだ。あのお爺さんは一体何者なんだ。
ゲームの特徴Features
命懸けの謎解き
いくつかあるリゾートな島を巡り謎解きしていくのが、本作の大きな流れ。
ショップなどで「ツアーガイド本」を手に入れると、新たな島に行けるようになる。船に乗れば、いつでも行ったり来たりできる。
そして、各地にあるモニュメントに入り(入口の解錠も謎解き)、謎解きをしながら進み、最深部にいるボスを倒してコアを手に入れて脱出する。
ボス戦といっても、剣や銃で戦うわけではなくて、ギミックを上手く作動させたりして倒すことになる。
穴に落ちたり、ボスの攻撃をまともに食らってしまうとゲームオーバーになり、直前のチェックポイントからやり直しとなる。
手に入れたコアは謎の観光客爺さんに渡す。
休暇でもお金は稼ぐ
休暇のはずだけど、主人公は各地でお悩み解決したりアクティビティに勤しんでお金を稼ぐ。
「ツアーガイド本」を購入するためなど、ある程度のお金はゲームの進行に絶対必要となる。
お金稼ぎの方法はかなりたくさんあり、サブクエストとして登場する。
どのクエストでお金を稼いでもいい。全部クリアしなくてもゲーム自体はクリア可能なので、得意なものややりたいものを選択していけばいい。
依頼された写真を撮ったりなど、ミニゲーム、おつかいクエストが多い。
が、なかには、もはや観光客のアクティビティ超えてるレベルに危険な宝石採掘なんかもある。
クエストによってはお金が必要なこともあるので、他のクエストでお金を稼いで…。いや、もう休暇なのかリゾートバイトしに来たのか。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
「バケーションに来たはずなのに、気づいたら正体不明の化け物と戦ってた」というシュールな面白さ。
NPCたちは、みんなバケーション満喫してるというのに、何故か主人公だけ命懸けで忙しくしてる。
エンディングでは、「ええええ!?」という展開に。
とはいっても、ストーリー要素はそんなに濃くはない。
なんだか楽しい。そんな感じ。リゾート地って、そこにいるだけで楽しくなってくるものだ。
キャラクターの魅力
4.5
主人公はセリフ無し。
本当は海岸で寝そべっていたいのか、それとも観光地で繰り広げられる突然の冒険にワクワクしているのか、全く分からない。
でも、黙々と謎解きをしていく姿は、単に見ていて面白い。
リゾート地ということもあってか、NPCもみんなユルい感じ。
操作性
3.0
全てがボクセルで出来ているけれど、動きは滑らか。動きが良すぎて、滑って落ちることが多い。
しかも、このボクセル1個単位でのアクション精度が求められる場面もある。
ブロックを投げたり、ジャンプで渡っていく足場など、正確な1ボクセルを狙わなければならない。
特に、とあるモニュメント内部の光る足場では、何回も落下死した。
暗闇に浮かぶ光る足場なので遠近感が分かりにくい上に、乗れる場所は1マス分。これを続けてジャンプしていくので、「さすがに不親切だろー!」と唸ったほど。
操作性はあまりいいとは言えない。
あと、何回かゲームがクラッシュすることもあった。
難易度バランス
3.5
上述した通り、細かい作業が要求されるけれど、操作性が良くない。
そのせいで無駄に難易度が高くなっているところが突然ある。
でも、ゲーム全体の難易度はそんなに高くない。
アクション部分の不満があるけれど、本来は謎解きがメインのゲームだ。
ゲームシステム
3.5
ちょこちょことしたサブクエストの積み重ねでメインストーリーが進む。
それぞれのサブクエストは、パズルやミニゲームみたいな感じ。
1つずつは軽めで特別やりごたえがあるわけではないんだけど、全体に流れている雰囲気がいい。ゆるーい感じ。
まさにバケーション。落下死や感電死の危険はあるけど。まあ、旅先でハメを外したら死ぬかもよってことで。
やりこみ要素
4.0
ビーチチェアに座れたり、ダンスしたり、ゲームクリアには関係ないちょっとしたリゾートなアクションに遊び心があって良い。
サブクエストがたくさんあるので、どれだけ攻略するかがやり込み要素となっている。
また、遺物を集めるなど収集要素もある。
グラフィック
4.5
グラフィックは何から何まで全てがボクセルだけど、綺麗なボクセル。
ボクセルというと大味になりがちだけど、本作は高解像度。なんと6K解像度でもプレイできる(需要があるかどうかは別として)。
遠景にはぼかしが効いてるし、色鮮やかだし、個人的にすごく好みなグラフィック。
各島は、実際のリゾート地がモデルになっていて、本当に旅行に行きたくなるくらい魅力的。
サウンド
4.0
BGMはあまり主張しない感じで、環境音の方が多め。波の音や鳥のさえずりとか。
リゾート気分を満喫出来る。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ボクセルだけで出来たグラフィック
リゾート気分が味わえる
気楽に楽しめる
残念なところ
操作性に難あり
距離感が掴みにくい場所がある
オススメな人
パズルやミニゲームが好き
数時間でクリアできるゲームを探している
リゾート気分を味わいたい
ボクセルグラフィックが好き
オススメではない人
直接戦うバトルを楽しみたい
たっぷり遊べるゲームを探している
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作と同じくユルく笑える物語と雰囲気が魅力のアドベンチャーゲーム。おつかいクエストや討伐クエストなどを攻略していくゲーム性も本作と近い。
ボクセルグラフィックが好きなら、こちらもオススメ。90年代のアメリカ映画を彷彿とさせる少年少女が未知の生物相手に奮闘するRPG。
The Touryst
命懸けのおっさんバケーション
ボクセルグラフィックで描かれるリゾート地と楽しくユルい雰囲気が魅力。
単純なサブクエストから、ちょっと悩むパズルまでたくさんの謎解きが楽しめる。
The Touryst
http://thetouryst.shinen.com
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