『Timespinner』レビュー: 時代を超えるメトロイドヴァニア

『Time Spinner』とは、Lunar Ray Gamesが開発したメトロイドヴァニアゲーム。

スーパーファミコン時代を彷彿とさせるレトロなドット絵グラフィックが特徴。また、続編『Timespinner 2 Unwoven Dream』も発表されている。

本作は、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。

本作はどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。

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あらすじStory

時を操る一族

キーラン族という時間を超えることができる一族の一員であるルーネが主人公。

キーラン族には、各世代から時の使者が1人選ばれる習わしがある。

選ばれた者は、一族に危険が迫った時や一大事が起こった時に、その内容を別の時代の一族に警告しに行く任務を背負うことになる。

で、物語の始まりは、祝いの宴が開かれようとしている場面。

主人公であるルーネが、母の跡を継ぎ新たな時の使者に任命される夜だ。

突然の初任務

しかし、突然、襲撃者たちがやってくる。

実は、キーラン族が住むウィンデリアという地は、多数の星を支配しているほど強大なラキエム帝国から長年狙われている。

ちょうど祝宴の夜に、そのラキエム帝国が攻めてきてしまったのだ。

もはや祝ってる場合じゃない、母と共に時代を遡り過去のキーラン族たちに警告しに行かなければならない。

ルーネの時の使者としての最初にして失敗できない重大任務が始まる。

突然の別れ

ルーネは、母に指導を受けながら時を超える装置であるタイムスピナーを無事に起動する。

さあ、いよいよタイムスリップのお時間です！

が、その直前に、なんと母は皇帝に殺されてしまう。

既にタイムスピナーに入ってしまっていたルーネは母に駆け寄ることもできず、タイムスピナーによってまさかの憎きラキエム帝国の土地に飛ばされてしまう。

ここから、ルーネの打倒ラキエムの戦いが始まる。過去と現在を行き来できる時の使者の力が、ルーネの最大の武器だ。

ゲームの特徴Features

過去と現在

本作はメトロイドヴァニアなので、新たな移動スキルを習得しながら探索していく。

本作では、過去と現在の同じ土地を行き来しながら探索する。単純にマップが2倍ということだ。

各所にポータルがあり、同じ時代の違う場所だけでなく、別の時代のポータルにもファストトラベルが可能だ。

過去と現在は似ているようで地形は微妙に違うし、登場する敵も違う。

更に、過去で物語が進行すると、現在に変化が起きる。タイムパラドックスが心配になるけれど、この変化を起こさせることが攻略の鍵を握っている。

ちなみに、過去でどういう行動を取るかによって分岐するマルチエンディングになっている。

オーブで殴る

ルーナの武器は、ふよふよ浮かぶオーブ。

オーブなので魔法っぽいけれど、意外なことにオーブで直接敵を殴るなど物理的に攻撃する。

オーブには様々な種類があり、剣や斧に変化するものもあれば、魔法っぽく炎や氷が発動できるものもある。

オーブは右手と左手に1つずつ装備出来て、左右でで別々のオーブを装備することも可能。

直接殴るという意外な使い方をするオーブだけど、もちろんオーブによって魔法も使える。

新しいオーブを入手し、ネルというNPCに特定の素材を渡してネックレスを作ってもらうと、新たな魔法が使用可能になる。

また、指輪も作製可能で、属性攻撃ができるようになったり隠し通路を見えるなど、オーブに追加効果を付与することができる。

時よ止まれ

ルーネは時を超えるだけでなく、短時間なら時を止めることもできる。

画面左上に時の砂時計ゲージがあり、砂が下に落ちきるまでの間なら、ルーネ以外の時を止めることが出来る。

本作では、敵に触れただけでルーネはダメージ受けてしまいノックバックしてしまう。しかし、時が止まった状態なら、敵に触ってもダメージ判定とはならない。

更に、一時停止している敵の頭の上に飛び乗って高い場所に到達するなど、大胆というか敵にとっては失礼な探索方法も可能。

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

4.0

プレイを始めてから一気にエンディングまで突っ走った。

それくらい魅力的な世界で、壮大でよく練られた世界設定が味わえる。

時の使者は時を超えると自分自身の存在がその時間軸から消えてしまうという設定があって、これはルーネにとっては厳しい掟。

「時を超えれるって便利だね」だけでは済まされない厳しさもしっかり描かれている。

キャラクターの魅力

3.5

敵味方両方の事情やNPC達の葛藤もちゃんと描かれていて、それぞれのキャラのことがよく分かる。

NPCは多くないけれど、本作にはサブクエストもあって、攻略していくと各キャラの事情がよく知ることができる。

操作性

3.5

一気に最後までプレイしたのは、ストーリの面白さだけでなく、アクションと探索が楽しかったのも理由。

ドカドカとオーブで殴りつけるアクションは単純に楽しい。アクションの挙動が気持ちいい。

ただ、当たり判定がエグい。

本作では敵に触れるとダメージを受けてしまうけれど、「え！ここでもダメですか？」と言いたくなるくらい当たり判定が厳しい。

「ちゃんと時を止めて戦えよ」という仕様なのかもしれないけど、巨体の敵相手ともなるとやたらとダメージ判定を受けてしまって「理不尽だー！」と思ことがあった。

難易度バランス

3.5

上述した当たり判定のエグさでモヤモヤッとすることはあるけれど、苦戦するような難易度ではない。

本作では、敵を倒すたびに経験値を獲得してレベルアップしていく。

で、マップを切り替えると敵が復活するので、オーブ攻撃が楽しくてついつい敵を倒しまくってしまいレベルが上がりすぎてしまった、

難易度がヌルくなってしまい残念、というか、反省。

ゲームシステム

4.0

本作の大きな魅力の一つは、時を止めるシステム。

時を止めて敵を利用して探索を進めるのが面白い。もちろんバトルでも時を止めるシステムは大活躍する。

そして、もう一つの大きな魅力は、過去と現在のマップがリンクしていること。

「過去でこうだったから、現在でもここに道があるはず」と勘をはたらかせて道を探ることができる。

しかし、ダブルジャンプやダッシュなど便利なスキルを習得していくごとに、本作の魅力である時を止める必要がどんどんなくなってしまったのは残念。

やりこみ要素

3.5

上述もしたNPCに関するサブクエストがやり込み要素。

ちゃんと物語があるサブクエストなので、やる気が湧きやすい。

そして、全てのサブクエストを攻略するのはそんなに難しくもない。

逆に、「もう少しサブクエストあっても良かったのにな」と物足りなさも感じる。

マルチエンディングも条件は厳しくなく、普通にプレイしていても全部見ることができる。

グラフィック

3.5

レトロなピクセルアートグラフィック。

全体的に暗めのマップが多くて、描き込みは少なめでちょっと寂しい。

画面比率含め、レトロゲームが好きな人にとっては懐かしさを感じるはず。

サウンド

3.0

BGMもレトロで90年代な雰囲気なのが良い。が、いまいち盛り上がりに欠けるBGMが多い。

サウンド面でもちょっと物足りなさを感じてしまう。

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Time Spinner
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