『トライン5 ぜんまい仕掛けの陰謀』レビュー: でこぼこファンタジートリオ – Trine 5 A Clockwork Conspiracy
『トライン5 ぜんまい仕掛けの陰謀 Trine 5 A Clockwork Conspiracy』とは、Frozenbyteが開発したパズルアクションアドベンチャーゲーム。
トラインシリーズは、2009年から続いているシリーズで、後述するお馴染みの3人がずっと主人公を務めている。
物語は続いてはいるけれど、タイトルごとに別の事件が描かれていており、本作からプレイしても支障ない。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
また、本作はマルチプレイも可能だが、本稿はソロプレイでのレビューとなっている。
本作がどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
3人それぞれの人生
本作の主人公は、盗賊のゾヤ、騎士のポンティアス、魔法使いのアマデウスの3人。
職業も性格も全く異なる3人だけど、トラインという遺物に触れたことで不思議な力を手に入れ、更に3人は運命共同体となっている。
トラインの力を借りつつ、過去作で王国の窮地を救ってきた3人は英雄として讃えられており、城下町に彼らの石像がデデーンと飾られているほどだ。
とはいっても、3人は好きに暮らしいている。
ゾヤは相変わらずお宝求めて盗賊稼業に精を出しているし、ポンティアスは相変わらず妙な悪者退治に派遣され、アマデウスに至ってはスパでダラダラ暮らしていた(妻に自宅から追い出されたためらしい)。
騙された3人
そんな3人は、とある招待を受けて久しぶりに再会する。
3人を讃えるパーティーが開催されるらしい。
讃えられるなら悪い気はしない。意気揚々と現れた3人だったけれど、パーティー主催者のレディ・クラウンズデールに檻に入れられてしまう。
ははーん、パーティーに付きもののサプライズ?ドッキリ的な?
…というわけではなかった!
レディ・クラウンズデールは最近王国で大活躍中の機械兵達を総動員して、英雄であるはずの3人を亡き者にしようと襲ってくる。
汚名返上へ!
ど、どういうことですか!?何なんですか!?
事態が飲み込めない3人は、命からがら逃げ延びるけれど、どんどんと追い詰められていく。
レディ・クラウンズデールには壮大な計画があるらしく、しかも用意周到。
なんと王国アカデミーを吹っ飛ばし、街に機械兵を放ち、一連の犯人はトラインの英雄3人だと仕立てあげていく。
お尋ね者になってしまった3人は、時に憎まれ口を叩き合いながらも、王国に渦巻く陰謀を止めるべく戦いを挑んでいくことになる。
ゲームの特徴Features
3人の旅路
本作は、2D横スクロールでプレイし、基本的に画面右へと進んでいく。
物語は複数の章に分かれていて、各章にはいくつかのステージがある。
攻略済みのステージは、任意のチェックポイントからリプレイも可能。
本作では、緑色の水晶がステージのあちこちに置かれている。
これは本作の経験値であり、ステージ選択画面では各ステージの未取得の水晶の数を確認することができる。
3人それぞれの得意技
ステージでは、3人を操作する。
各キャラは武器もスキルも全く異なる。
盗賊のゾヤは、弓矢とグラップリングフックを使うことが出来る。フックを2箇所に掛けて綱で足場を作ることもできる。
騎士のポンティアスは、剣と盾を使い、突進や大ジャンプが出来る。剣や盾は足場にすることもできる。
魔法使いのアマデウスは、物を自在に浮かせて動かすことができる。また、何もない場所に魔法のブロックや板を出現させることも出来る。
3人を上手く使い分けて、謎解きとプラットフォームアクション、そしてバトルを攻略していく。
ちなみにソロプレイでは、キャラ1人だけがステージ上に現れ、操作キャラを切り替えてプレイする。
マルチプレイの場合は各プレイヤーが選択した操作キャラが同時に登場する。最大4人でプレイ可能であり、同じキャラを複数登場させられるモードもある。4人のポンティアスで攻略するという脳筋部隊も可能というわけだ。
多才な3人
英雄3人にはそれぞれスキルツリーがある。
上述した緑の水晶を25個集めると1スキルポイントを獲得する。
スキルポイントは3人共有のもので、各キャラの新たなスキルをアンロックできる。
スキルポイントの振り直しはいつでも可能。
また、ゲーム進行によって新たにアンロックされるスキルもある。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ちょっと軽めのノリのファンタジー物語。
ヒーロー然とはしていない3人が、トラブルに巻き込まれながら珍道中。そんな感じだ。
感情移入するようなドラマではないけれど、中世ヨーロッパの雰囲気ムンムンで先が気になる物語構成となっており、軽快に楽しめる。
ステージの合間にはナレーション付きで状況説明が行われるし、おとぎ話を読み聞かせてもらっている気分だ。
起承転結がはっきりしていて、分かりやすい。
キャラクターの魅力
3.5
主人公3人とも全く事情も個性も異なるけれど、分かりやすい性格をしている。
騎士や魔法使いというと堅いキャラのイメージがあるけれど、どちらも結構マヌケな面があり、親しみが持てる。盗賊が1番しっかりしているという事態だ。
トラインによる繋がりがなければ、共に行動することさえなかったと思うほど全く違う3人なので、会話時の応酬が面白い。
3人の会話はそこかしこで自動で発生し、にぎやかな旅路が楽しめる。
ただ、物語要素は軽めなので、キャラ描写もサラッとしている。
操作性
4.0
キャラの挙動は問題なし。
ブロックなどは物理演算で動き、動かした物が荒ぶる時があるけれど、攻略に支障が出るようなとんでもない事故は起こらない。
主人公3人それぞれは出来ることが全く違い、操作法も異なる。
ソロプレイしていると、キャラを切り替えた瞬間に頭も切り替えなければならないので、なかなかの頭の体操だ。
この操作方法の違いを面白いと感じるなら、本作が楽しめる。
本作はバトルもプラットフォームアクションもあるけれど、メインは謎解きだ。操作方法含めて頭を使うのが面白さ。
キャラごとの操作方法の違いを面倒に感じるなら、主人公たちと同じように協力プレイしてくれる仲間2人を現実世界でも集めるのがおすすめ。
難易度バランス
4.0
バトルは厳しくない。上述もした3人それぞれの操作方法の違いでもたついて自滅するくらいだ。
ソロプレイでは、キャラそれぞれに体力ゲージがあり、誰かの体力が尽きるとライフ(残機数)がひとつ減って、その場に蘇る。
ライフを使い切るとゲームオーバーとなり、直前のチェックポイントからやり直し。
チェックポイントは小刻みにあり、到達するたびに残機数が回復するので、攻略に詰まることはない。
謎解きの方は、どんどん複雑になっていく。でも、たまに悩むことはあるけれど、テンポよく攻略できるレベルだ。
もし悩んで立ち往生してしまっても、3人がヒントを呟いてくれるので安心。
本作はプレイ人数によって難易度が変わる。謎解きをしっかり楽しみたいならソロプレイがおすすめ。
マルチプレイだと協力ゴリ押しが出来る。謎解きを力技でねじ伏せるという、また違った楽しさが味わえる。
ゲームシステム
4.0
本作は謎解きをしっかり楽しめるのが最大の魅力。
パズルアドベンチャーゲームは、物語や雰囲気を楽しむ方がメインというゲームも多いジャンルだけど、本作はパズルが主戦力。
特性が異なる3人、更に3人それぞれに異なるスキルがある、という解く手段が多いパズルが楽しめる。
解きながら別の攻略法を思いつくことも多く、正解が決して1つではないのも面白いところ。
ボス戦も発生するけれど、バトルは謎解きの合間の箸休めみたいな感覚だ。
でも、敵によって相性の良いキャラが異なるなど、バトルでも3人の違いが活かせるのが面白い。
やりこみ要素
3.5
1番のやり込み要素は、経験値である緑の水晶を集めること。
隠し部屋も多く、色んな場所に隠されている。
正規ルートとは違った、更にひと手間かふた手間の謎解きが必要な場合も多く、更に謎解きが楽しめるので、積極的に探しながら進むとより本作を楽しむことができる。
また、隠し部屋には宝箱が置かれていることがあり、中に入っている誰かの手紙を読むことができる。
物語を膨らませてくれる情報が書かれていて、主人公3人がコメントすることもある。
グラフィック
4.0
本作のゲームプレイは2D横スクロールだけど、奥行きもしっかりある2.5Dグラフィックになっている。
背景までしっかり描き込まれていて、クオリティの高いグラフィックが堪能できる。
カットシーンなどではキャラの動きは固く高精細とはいえないけれど、最近のゲームでは意外と珍しくなってしまったド直球の中世ファンタジー世界でワクワクしてくる。
サウンド
4.0
BGMも完全にファンタジーで、その時の光景にに合った曲が流れている。
全体的に明るい曲調が多く、軽快な物語と相まって、かなりとっつきやすいゲームだ。シリーズものだけど、本作からでもとっつきやすいのが良いところ。
効果音もキララーン、シャララーンといった感じでファンタジーな雰囲気たっぷり。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
謎解きがたっぷり楽しめる
軽快で美しいファンタジー世界
様々なスキルを扱える
残念なところ
物語描写は軽め
操作が煩雑になる
オススメな人
謎解きが好き
ファンタジーな雰囲気が好き
ソロでも多人数でも遊びたい
オススメではない人
シンプルな操作方法が好み
バトル要素に期待している
物語をメインに楽しみたい
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謎解きもプラットフォームアクションも楽しむなら、こちらもおすすめ。雰囲気や物語は本作とは全く異なり不気味、でも可愛さもある。人気シリーズ。
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キャラを切り替えて謎解きで進むアドベンチャーゲームなら、こちらもおすすめ。主人公と相棒の小動物を操作して道を切り拓き、時にはステルスしながら進む。美しい風景もおすすめ。
トライン5 ぜんまい仕掛けの陰謀
でこぼこファンタジートリオ
武器もスキルも性格も異なる3人を操って謎解きがたっぷり楽しめる高品質なパズルアクションアドベンチャーゲーム。
解き方がいくつもあるパズルや、アクションやバトル要素も楽しめる。
見応えのある2.5Dグラフィックで描かれるファンタジー世界も魅力。
Trine 5 A Clockwork Conspiracy トライン5 ぜんまい仕掛けの陰謀
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