『Vigil The Longest Night』レビュー: 楽しくて気持ち悪い
『Vigil The Longest Night』とは、Glass Heart Gamesが開発した2Dアクションのメトロイドヴァニアゲーム。
本作は、2D版『ダークソウル』と呼ばれる名作インディー『Salt and Sanctuary』と元祖メトロイドヴァニアの『悪魔城ドラキュラ』に強く影響を受けて開発されたそうだ。
本作は、Nintendo Switch、PCでプレイ可能だったが、現在は配信停止になっているそうだ。私はNintendo Switch版をプレイ。
『Vigil The Longest Night』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
久しぶりの帰宅
夜警の仕事に就いているレイラが主人公。
しばらく街から離れて任務に就いていたみたいだけど、妹の誕生日ということで、久しぶりに街に帰ってくる。
そこから物語が始まる。
行方不明
しかし、街では騒動が起きている。
怪物が現れているらしいし、街の少女が行方不明になっているらしい。
「事件か?」と思いきや、どうやら少女は恋人と共に消えているらしく、「おやおや、駆け落ちですか?」な雰囲気。
レイラは、「ふーん、そうなのねえ」なんて思いながら自宅に帰ったけど、妹デイジーの姿が見当たらない。
もしかして、行方不明の少女と何か関係がある?
妹はどこ?
行方不明になった少女の情報を辿っていくと、どうやらその少女は駆け落ちしたわけではなさそうだ。妹も同じように行方不明になったんだろうか。
胸騒ぎがする。気持ち悪い怪物もたくさんいる!
なんだか、すごく恐ろしくて、おどろおどろしくて、どう考えてもヤバすぎる何かが起きている。
しかも、「守人の修行をせよ」なんて言ってくるローブを着た怪しい人の幻覚まで見えてくる。「試練を終えろ」ってどういうこと?
妹を探していたはずが、何かに導かれるように進んでいくレイラ。レイラの不気味な長い長い夜が始まる。
ゲームの特徴Features
メトロイドヴァニア
本作はメトロイドヴァニア。2D横スクロールアクションでプレイする。
敵を倒すと経験値を獲得し、レベルアップする。
レベルアップ時に手に入るスキルポイントで、コンボ技やステータスボーナスを得られるスキルツリーをアンロックすることが可能。
そして各地では、強いボスと戦うことにもなる。ボスを倒すと2段ジャンプなどの新たな移動スキルを習得し、行ける場所が更に増えていく。
こうしてどんどん探索していくのが本作のメインだ。
ソウルライク
バトルでは、主人公には体力ゲージとスタミナゲージがあり、奥義と呼ばれる魔法も使用できる。
武器や防具は多種類あり、鍛冶屋さんにアップグレードしてもらうことも可能。
セーブポイントは、大きなフクロウ。フクロウに触れると体力回復とセーブが出来る代わりに、雑魚敵が全て復活する。
というわけで、ソウルライクっぽいけれど、、死んだら単純にセーブした時点からのやり直しになる。
直前に死んだ場所に戻って経験値回収とか、死んでもギミックは起動したままとか、アイテム取得状態はそのまま、というわけでもない。
完全に純粋にセーブした時点からのやり直しだ。
サブクエが豊富
本作には、NPCが多数登場する。彼らと話していると、サブクエストが発生することがある。
アイテムを回収してくるだけのものから、誰かに話を聞いて、更に他の誰かにも話を聞いて…など、クリアに何段階かかかるものもある。
セーブポイント間でファストトラベルが出来るので、みんなのお願いを聞きながら、あっちへこっちへ行ったり来たりすることになる。
もちろんクリア報酬があり、便利な装備品や魔法を貰えることもある。
NPC同士の人間関係が分かるサブクエストも多いので、物語を楽しむためにも攻略するのがおすすめ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
『Salt and Sanctuary』の影響を強く受けているゲームか。
ふーむ。禍々しい何かが現れて、それを退治するストーリーだな!物語はすんなり理解しにくくて、アクションと探索を楽しむ感じかな。
と思ってプレイしたら、おやおや予想外。ストーリーがしっかり楽しめる。
物語の内容は、これまた「思ってたのと違う!」な展開に。先が気になって仕方ない!
もちろん訳分からない概念もモリモリ登場するので、「ソウルライクといえば!」な気持ち悪くて不気味な雰囲気も存分に味わえる。
キャラクターの魅力
4.0
ソウルライクなゲームといえば、訳わからない単語を羅列して一方的に喋ってくるNPCだらけというイメージ(※個人の感想です)。
だけど、本作では、普通に物語や会話が面白い。分かりやすいセリフばかりだ。
話を聞くことで町の住民同士の関係性が分かったり、サブクエストもあり、それぞれのNPCにもちゃんと設定が作られている。
操作性
2.5
ゲームプレイに関しては、開発者さんが「『Salt and Sanctuary』に影響受けました」と言ってる通り、よく似てる。
キビキビ滑らかというわけではなくて、重ためアクション。ボタン入力からの反映までのラグを予想して動く必要がある。
『Salt and Sanctuary』をプレイしたことある人なら同じ感覚を覚えるはず。プレイしたことがない人なら、このラグや癖のある挙動に慣れるのに少し時間がかかるかも。
そして、本作の1番の問題点。
エラーやバグが多すぎ!これ、違う意味で「死にゲー」なんですが。
突然のゲーム終了だけでなく、直前のセーブデータも吹っ飛ぶという恐ろしいことが起きる。高難易度アクションでの突然終了やデータエラーは、流石にいただけない。
アプデに大期待!
難易度バランス
4.0
高難易度アクションというわけで「死にゲー」を謳っているゲームだけど、イージーからハードの3段階から難易度が選べる。
私はノーマル難易度でプレイしたけれど、いい感じにドキドキハラハラしながらプレイできるレベルだ。
上述した独特な挙動に慣れてきたら、歯ごたえはあるものの詰まりすぎることもなく攻略できる。
ゲームシステム
4.0
難易度高めバトルもメトロイドヴァニアも、どちらもしっかり楽しめる。
マップ構造が面白くて、メトロイドヴァニア好きの探索したい欲を満足させてくれる。
タイミングよく攻撃すると敵がスタンしたり、バックスタブや魔法など、高難易度アクションならではの立ち回りを考えて敵と戦うバトルが面白い。
やりこみ要素
4.0
サブクエストがたっぷりあって、しかも、そこにちゃんとストーリーがあるので、やりがいがある。
どれだけサブクエストを攻略できるかが、1番分かりやすいやり込み要素だ。
また、ストーリー分岐もあるので、周回プレイ含めて結構やり込める。分岐があるということは、マルチエンディングだ。
グラフィック
4.0
手描きイラスト調のグラフィック。敵は、間違いなく気持ち悪い。
そんな気持ち悪い奴らの上に君臨してるボスの気持ち悪さは圧巻。
タイトル通り夜がテーマなので、画面は全体的に暗めだけど、よく見ると背景までしっかり描き込まれている。
絶景というわけではないけれど、ダークファンタジーっぷりが楽しめる。
サウンド
3.5
不気味で気持ち悪い世界だけど、BGMはカッコいい曲調が多い。
こうした雰囲気づくりも『Salt and Sanctuary』に影響を受けているようだ。
サントラはこちら
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
高難易度アクション
マップが面白いメトロイドヴァニア
ストーリーを楽しめる
残念なところ
エラーが多い
ロードが重い
オススメな人
死にゲーが好き
不気味な雰囲気が好き
物語を楽しみたい
メトロイドヴァニアが好き
オススメではない人
気持ち悪いものが苦手
キビキビな操作感じゃないと我慢できない
Salt and Sanctuary
本作開発元が大きく影響を受けた2DアクションRPG。2D版『ダークソウル』と称される高難易度アクション。メトロイドヴァニア要素も楽しめる人気作。
Blasphemous
ダークファンタジーなメトロイドヴァニアなら、こちらもおすすめ。難易度の高さも魅力の高評価作。不気味な敵や残虐な演出など、雰囲気も魅力的。
Vigil: The Longest Night
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