『Blasphemous ブラスフェマス』とは

スペインのThe Game Kitchenが開発したメトロイドヴァニアゲーム。
高難易度アクションと独特な世界が好評で、さまざまな賞にも選ばれている実力派。
緻密に描かれた2Dドット絵グラフィックも特徴。ドット絵な分、マイルドではあるけれど、残虐なシーンも多い。
Nintendo Switch、PS4、PCでプレイ可能。
私はNintendo Switch版をプレイ。
あらすじ
クヴストヴィアという舌噛みそうな名前の不気味な世界が舞台。神の奇蹟によって、人々に呪いが蔓延している絶望的な世界だ。

神なのに人間を呪ってる?主人公も、もちろんそう思っている(はず)。
というわけで、主人公は、唯一の悔悟者として贖罪を行うために試練に立ち向かう。
でも、本当は神に「呪うのやめてよ」と直談判したいと思っている(はず)。

目覚めてから黙々と贖罪の旅へ
宗教的な話が出てきたり、出てくる単語も難しい。アイテムの説明文などを見ると、かなり綿密に世界設定が作り込まれていることが分かるけれど。

ちゃんと理解できるのかも…
一応、私の理解力で分かった世界設定は以下の通り。
神の言い分は「人間の神への信仰は偽りだったよね」ということ。で、神は、罰として、それぞれの人間の罪が具現化する呪い(奇蹟)をかけた。
ある者はモンスター化し、ある者は病に伏せる。

そして、世界は、救いのない陰鬱な状態に変わり果ててしまった。
しかし、主人公は、幸運にも奇蹟を生き延びた唯一の元気な人間。超個性的なヘルメットを被り、主人公自身の罪から生まれたという懺悔の剣を携えている。

主人公は、「陰鬱な世界のままじゃダメだ!」と一念発起して、世界を救うことに決めたようだ(たぶん)。

何考えてるのか全然分からないけど
ゲームの特徴
メトロイドヴァニア要素は全て完備
メトロイドヴァニアゲームなので、探索がメイン。
マップは意外なところが繋がっていたり、隠し通路や隠し部屋もある。

アイテムを拾い、主人公の基本ステータスを上げる場所を見つけたり、セーブポイントを解放したり。

そして、各地には、試練となるボスが待ち構えている。

ヘルメットマンのアクション
主人公の基本アクションは3種類。剣で攻撃、ジャンプ、そしてガード。

敵の軽い攻撃なら、ガードして斬り返すと大ダメージを与えられるパリィも可能。

敵ごとに異なった残虐演出が発動!
また、ゲームを進めていくと、奇蹟と呼ばれる魔法を使うことが出来るようにもなる。

様々な奇蹟が登場する
奇蹟発動に必要な奇蹟ゲージは敵を攻撃すれば回復していく。バンバン唱えまくりたいところだけど、装備できるのは1種類だけ。
ソウルライク
本作は、陰鬱でグロいし、不気味な物がそこら中に転がっているし、訳分かんない単語も満載だし。『ダークソウル』シリーズと雰囲気が似てる。
で、ゲームシステムも部分的に『ダークソウル』シリーズに似た部分がある。
敵を倒すと手に入る「償いの涙」。これがダクソシリーズでのソウルに当たる。
セーブポイントのシステムも同じ。
体力が全回復するし、回復に使うフラスコ瓶の使用可能回数も全回復する。それと引き換えに全ての雑魚敵が復活してしまうのもダクソシリーズと同じ。

死んでしまうと、直前に触れていたセーブポイントで復活する。
が、ここでダクソシリーズと大きく違うところが。
まず、死んでも償いの涙を失わない。
優しい!
というわけではなく、ちゃんとデスペナルティはある。
魔法使用に必要な奇蹟ゲージの最大値が減り、敵を倒した時に手に入る「償いの涙」の獲得量が減ってしまう。

バーの右端がツタでぐるぐる巻きになっている
この部分がデスペナルティで削られてしまった部分
でも、心配ご無用。
前回死んだ場所には、イバラのような木に巻かれた自分の魂「罪過の欠片」が立っている。それを回収すれば、ペナルティは解消される。

なんだ、やっぱり優しいじゃん。
いや、安心するのはまだ早い。このデスペナルティの怖いところは、蓄積されていくこと。

例えば「罪過の欠片」を回収できずに2回連続して死んだ場合、2回分のデスペナルティが発生する。
5回死んだうち、2つの「罪過の欠片」を回収できた場合は、3回分のデスペナルティが残る。
回収できていない「罪過の欠片」の数に応じて、奇蹟ゲージ最大値はどんどん減っていくし、「償いの涙」はどんどん手に入らなくなる。
とは言っても、所々にいる「告白者」に「償いの涙」を支払ったり、ボスを倒すと、一気にデスペナルティが解消されるという救済システムもある。

支払う「償いの涙」は多くなる
成長するヘルメットマン
メトロイドヴァニアなので、スキルを手に入れる度に行ける場所が増えていく。

それとは別に主人公のステータスを伸ばすこともできる。
大切なのが、時に必要となるゴリ押しには欠かせない攻撃力の成長。「懺悔の剣の祭壇」を見つけると、剣の攻撃力が上がる。

また、祭壇では「償いの涙」を消費して剣のスキルを解放することができる。
コンボフィニッシュ技や、落下攻撃など、基本のアクションをアップグレード出来る。

そして、体力と奇蹟ゲージの成長も。
剣が刺さりまくっている女神に会うことが出来ると体力の上限値が上がる。各地にポイッと置かれている杯を見つけると奇蹟ゲージの最大値が上がる。

やり込み要素もたっぷり
探索していると、様々な防具や収集品が手に入る。
ステータスが上がる装飾品や、代償付きで大きなボーナスが得られる「心臓」。

また、誰かの骨の一部を拾ったり、空中に浮かぶ赤ちゃんを助けるというやり込み要素もある。

そして、サブクエストもある。
絶賛呪いに苦しみ中のNPCに出会うと、サブクエストが発生する。クエストアイテムを取ってきてあげるといった内容が多い。

ちなみに、本作には分岐がある。真のエンディングを目指すこと、それもやり込み要素だ。
また追加DLCとして『Bloodstained: Ritual of the Night』とコラボしたクエストやボシュラッシュなどが配信される。
評価
簡単に言うと「訳わからない」。
でも、世界設定はしっかり作られていて、ちゃんと読み解けば深い物語を堪能できる。もちろん、「神に抵抗してやるぞ!」という理解くらいでもゲームプレイには支障ない。

一方で、サブクエストは多種多様で分かりやす異物が多く、NPCの行く末は結構気になってくる。
そして、主人公のヘルメットが個性的すぎて、それだけで十分記憶に残るゲームになる。
滑らかというよりキビキビ動いて、敵と戦ってて気持ち良い。あと、壁に剣を刺して登っていくのが楽しい。
魔法(奇蹟)はどれもアクションや挙動が違っていて面白くて、色んな魔法を使ってみたくなる。
アクションは面白いけど、よく死ぬ。でも、理不尽に死ぬということはない。
探索してれば強くなるし、デスペナルティからの救済もある。

死にゲー難易度だけど、丁寧にプレイしていれば、ちゃんとクリアできる良いバランス!
面白いマップ構造に成長要素、新たなスキルで行けるようになる場所の広がっていくペース。かなり良質なメトロイドヴァニア!
デスペナルティが蓄積されていくというのも面白い。
1、2度死ぬくらいでは「まだ大丈夫でしょ」って思うんだけど、そのうちペナルティがボディブローのように効いてくる。このバランスが絶妙!

収集品は多いし、寄り道も多くて、探索してるだけでも結構楽しめる。アイテム説明もかなり詳しくて考察も捗る。
サブクエストも豊富だし、やれること満載でボリュームにも大満足。
細かく描き込まれたドット絵が美しい。不気味だけど美しくて、残虐な演出までなんだか美しい。

特に、ボスのキャラデザインがかなり良い!気持ち悪さと気味悪さが抜群だ。
まとめ
- 良いところ
-
- 探索が楽しい
- アクションが気持ちいい
- 難易度バランスが絶妙
- 雰囲気やグラフィックが独特
- 残念なところ
-
- ストーリーが難解で感情移入しにくい
総合評価
4.5
- こんな人にオススメ!
-
- メトロイドヴァニアが好き
- 高難易度アクション、死にゲーが好き
- ダクソシリーズが好き
- ドット絵が好き
- オススメではない人
-
- アクションゲームが苦手
- 残虐な表現が苦手
- 不気味な雰囲気が苦手
メトロイドヴァニアが好きならオススメ!
アクション好きならコチラも!