レビュー【夢物語の街】依頼人の秘密 | 片付けだけでは終わらないシミュレーションゲーム Whisper of the House

住民からの依頼を受けてお片付けや掃除をしつつ、彼らの物語も辿っていくカジュアルなシミュレーションゲーム『夢物語の街 Whisper of the House』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- ハウスキーパーとして赴任した街で様々な謎を垣間見ていく物語
- 攻略
- 依頼人の希望に沿って様々なお家の片付けや掃除のお仕事をこなしつつ、自宅を好きに装飾もできるシミュレーションゲーム
- 評価
- 片付けから謎解きへ繋がっていくのが面白く、アイテムの種類が豊富で装飾にも夢中になる
夢物語の街の概要
タイトル | 夢物語の街 Whisper of the House |
---|---|
開発元 | 元气弹工作室(GD Studio) |
販売元 | 元气弹工作室(GD Studio) |
発売日 | 2025年8月27日 |
対応機種 | PC |
ジャンル | シミュレーション, カジュアル |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(マウス+キーボード使用) |
夢物語の街のストーリー
新しい街に到着

ゲームは主人公(名前は自由につけられて、外見選択が可能)が、とある街に着いたところから始まる。
主人公はハウスキーピングの会社に勤めており、舞台となる街に赴任してきたところだ。
そして、会社が用意してくれた新居へ家具や荷物を運び込むところから主人公の新生活が始まった。
自宅が整ったら、早速街の住民から依頼された仕事に取りかかる。
主人公が勤めているのは「お家のことならなんでもお任せ!」という会社らしく、荷物の搬入や掃除など次から次へと色々なお仕事が舞い込んでくる。
謎が潜む街

しかし、最初のお仕事から不穏なことが起こり始める。
主人公と同じく引っ越したてという依頼人の荷解きをしていると、間取り図にはないはずの空間が見つかる。
しかも、そこには誰かが住んでいる気配がする。
あれ?依頼人は越してきたばかりなのに?
そして、街には42という数字が浮かぶピラミッドがある。
さらには、街を歩いているとグリッチのように輪郭がぼやけている石像や電話ボックスが目に入ってくる。
おかしい、なんだかこの街はおかしいぞ。
プレイヤーはお仕事をこなしつつ、この街に隠された謎を覗き見ていくことになる。
夢物語の街の攻略情報
依頼を攻略する

本作のメインは、街に住む住民からの依頼(クエスト)を攻略していくこと。
まず、転居後の荷解きや開店準備や家の掃除など様々なハウスキーピングのお仕事がメールで届く。
依頼人に指定された場所に行き、全ての荷物を適切な場所に収納したり汚れを掃除しきるなどクエストごとに設定されている目標を達成すると、報酬をもらってお仕事完了となる。
また、ゲーム内では常に時間が経過している。
しかし、依頼の締切や主人公の活動可能時間などは設定されていない。
主人公は昼夜問わず活動でき、好きな時間に仕事に取りかかることができる。
空腹や体力ゲージなどもなく、眠らなくても活動し続けることができる。
では時間経過は何に影響するのかというと、主に後述する謎解きに関わってくる。
謎を解く

上述した通り、各クエストは目標を達成すれば終わりだ。
しかし、依頼人の荷物や家具の中には、変化させたり中を調べることができるものがある。
例えば、メモ帳を覗き見たり、勝手にキッチンを使って何かを作ったりできる。
これによって家や住民の秘密を知ることができ、グリッチ化している物を見つけることができる。
グリッチ化している物は輪郭がガビッカビッとしており、調べることでグリッチを解くことができる。
これが街全体の謎に繋がっていくので、グリッチ化している物を見つけることも大きな目標となっている。
ちなみに街中にもグリッチ化している物が点在しているため、それらを見つけてグリッチを解消していくことも忘れてはいけない。
特定の時間帯だけ出現するものもあるので、様々な時間帯に探索することも大事だ。
家具を集めて自宅を装飾

主人公の自宅では、手持ちの家具で自由に装飾を楽しむことかできる。
本作の通貨は代金券であり、クエストの報酬やいらなくなった家具をリサイクルすることで稼ぐことができる。
街中には様々な食べ物屋さんや家具屋さんがあり、それぞれのお店で新たな家具を買うことができる。
またクエストの依頼主からお礼として家具をプレゼントされることもある。
さらに、街中のゴミ拾いをしたり買い物をすると主人公は経験値を得る。
レベルアップするごとに図鑑がアンロックされるなど新たな機能が登場する。
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夢物語の街のレビュー
物語: 穏やかだけではない面白さ

本作は穏やかなゲームだ。
ただひたすらにお片付けに没頭するだけでも楽しめる。
しかし、街の謎という大きな物語があり、さらに依頼主同士が知り合いだったりクエスト内容自体でも物語に連続性がある。
しかも、住民や家に隠された謎には驚きの内容や不気味なものなどしっかり面白いので、物語にも夢中になる。
住民の荷物を片付けながら「なんだ、これ?」「え、これってもしかして…」と見てはいけない秘密のプライベートを垣間見てしまう感覚で謎を暴いていくので、「見てはいけないからこそ余計に気になる」という人間の好奇心をくすぐってくる。
ゲーム版「家政婦は見た」だ。
お片付けゲームは近年増えているけれど、不穏なことも起こる物語も楽しめるのが本作の大きな魅力であり、「片付けするだけだとつまんないなあ」という人には特におすすめ。
物語を目的にしてプレイしても十分楽しめるはずだ。
ただし、翻訳抜けや妙な機械翻訳な箇所もあるので、今後のアプデに期待したいところ。
操作性: 快適にお片付け

本作はゲームパッドでもプレイできるけれど、装飾やクエスト攻略時は主人公の姿はなく物だけをどんどん置いていくので、マウス操作の方が圧倒的に快適だ(屋外では主人公自身を動かす)。
カメラズームも十分にできるし、アイテムを持ったまま間取り図から部屋間の移動もでき、かなり快適に操作できる。
また、特定の目標が設定されているクエストでは、クエストリストをクリックすると間違った場所に置いてしまっているアイテムが赤色にハイライトされるのも分かりやすい。
プレイしていて特に進行不能になるようなバグにも遭遇しなかった。
難易度: 謎解きを見つけることが第一関門

お仕事の内容は難しくはなく、攻略できないなんてことにはまずならない。
狭い部屋にある程度家具をひとしきり置いた後に、やたらとデカい家具が登場して(荷物を箱から取り出す順番は選べない)、「えっ、全部配置し直さなければ」となることもあるけれど、面倒なだけであり難しいわけではない。
しかし、街や住民の謎を暴くには、様々な場所に目を光らせる必要がある。
のほほんとプレイしていると見過ごしてしまいやすい。
家具にカーソルを合わせると表示される説明文から手がかりを得たり、既に置かれている家具をわざと移動させてみたり、まずは謎解き自体を見つけなければならない。
意外な方法で解ける謎もあるので、ゲーム全体によく気を配っておくことが大事。
システム: 片付け以上の面白さ

上述もした通り、本作は物語というか謎が面白い。
お片付けゲームが良い方向に進化したゲームだ。
物や家具を動かすことで隠された物が見つかったり、物から物語を汲み取っていくなど、お片付けゲームだからこそできる物語描写と謎解きが面白い。
クエストによって目標は異なり、さらに各住民の謎はそれぞれ趣向が異なっているので、どのクエストも楽しくプレイできる。
またアイテムが超大量に登場し、装飾できる家も1つだけではない。
自分好みの部屋作りに夢中になるのは間違いない。
さらに攻略済みの家に再びお邪魔してまた家具の配置換えを変えることができるのも嬉しいところ(見逃した謎は後から回収もできる)。
住民にとっては、「こいつ一体何しに来たの?」と思われているだろうけれど。
芸術性: 可愛いピクセルアートと豊富な効果音

全てが可愛いピクセルアートで描かれる。
可愛い物や家具をチマチマぎゅうぎゅうに配置するのは楽しい。
ピクセルアート好きな人も装飾好きな人も夢中になるはずだ。
様々なテイストの家具が登場するので、新しい家具が手に入る度に模様変えしたくなってくる。
サウンド面は穏やか。リラックスして装飾を楽しめる。
そして、配置する物や家具によって置いた際の効果音がしっかり変わるのも楽しいところ。
お片付けゲームでは、家具を置いた時の気持ち良さが装飾する楽しさを加速してくれるので、音にもこだわって作られているのはプレイしていて嬉しくなるポイント。
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夢物語の街の総合評価
Whisper of the House

総合評価
多彩なアイテムとクエストでお片付けや装飾をしっかり楽しみつつ、住民と街の謎が気になって仕方なくなる物語も楽しめるお片付け系シミュレーションゲーム。可愛いピクセルアートも大きな魅力。
長所と短所
良いところ | アイテムが豊富 クエストの種類が多彩 | 片付けや装飾から謎解きにつながっていく面白さ
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残念なところ | 日本語翻訳の質が安定していない |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- お片付けゲームが好き
- 謎解きを考えるのが好き
- ゲームの装飾要素にハマりやすい
おすすめではない人
- 装飾願望がほぼない
- 片付けだけしていたい
- 明確なヒントが欲しい
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