『Hyper Light Drifter』レビュー: 高速すぎて事故る吐血戦士
『Hyper Light Dfifter』とは、Heart Machineが開発したアクションRPG。
ジブリ映画や『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』に影響を受けて開発されていて、それらを感じる風景やキャラなどが登場する。
本作は、PS4、Nintendo Switch、PC、iOSでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作は見下ろし視点でプレイするけれど、本作開発元が手がけた第2作目の『Solar Ash』は3Dアクションとなっている。
また、本作と同一世界線が舞台となる開発中の新作『Hyper Light Breaker』も3Dアクションになるそうだ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
不思議な世界
どのくらい古いものか何のためなのかも分からない遺跡が点在する世界が舞台。
遺跡は朽ちているけれど、かなり高度な文明があったらしい。
主人公はドリフター
主人公は、そうした遺跡を訪れて過去の文明を解き明かしていくドリフター。戦う探検者みたいな感じ。
しかし、主人公は不治の病を患っている。古代文明を解き明かすことで自分の病を治すことができないかと願っている。
淡い期待を持ちながら、各地の遺跡を巡っていくことになる。
物語は妄想する
主人公が遺跡を探検していると、持病が悪化して倒れてしまう。
しかし、幸運にも何者かに助けてもらい、とある街で目覚める。そこからゲームが始まる。
でも、本作には、セリフやテキスト情報は一切登場しない。NPCとの会話も絵のみ。
栄えた都市があったけれど、なにか大変な事件が勃発して、派手に滅亡したことが分かるくらい。
あとは、プレイヤー自身があれこれと想像を膨らませるしかない。
ゲームの特徴Features
探索とボス
本作では、拠点となる街から東西南北にある4つのダンジョンを訪れ、奥で待ち構えているボスを倒していくのが大きな流れ。
各ダンジョン内では、雑魚敵と戦いつつ、スイッチを一定数押すと奥への道が開き、ボス部屋に入って挑戦することができるようになる。
探索すると強くなる
ダンジョンには、上述したボス部屋入場に必要な数以上にスイッチが隠れている。
余分なスイッチを起動すると隠し部屋に入れるようになり、主人公の能力アップグレードのために必要なバッテリーなどの貴重なアイテムが手に入る。
ハイスピードバトル
バトルでは、近接攻撃と銃を使った遠距離攻撃を組み合わせて戦う。
そして、主人公はピュンとダッシュが出来る。走り続けるというわけではなくて、高速ステップのような感じ。これが本作で1番重要なアクションだ。
このダッシュは探索でもバトルでも大活躍する。
動きが早い敵もいるし、大群の敵が一気に攻めてくることもある。敵の合間を上手くピュンピュンと避けつつ戦うことになる。
また、探索中にも、急いで移動しなければならない時があり、連続でダッシュして高速移動する。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
物語は、ほぼ分からない。NPCのセリフとして表示される絵を見ても、正確な物語は分からない。
でも、雰囲気だ。雰囲気勝ち。分からなくても雰囲気が良い。「昔は栄えていたんだけど、今は…」という切ない感じが流れている。
ヒントはいくつもあるので、考察好きの人にとってはたまらないだろう。
逆に「何がなんだか分かんないや」な理解でも、ゲームプレイに問題が出るほどストーリー要素が重いわけではないので、考察は苦手という人にも安心。
キャラクターの魅力
4.5
主人公にはセリフがないんだけど、本作には吐血システムがある。
ドリフターくんは不治の病にかかってるので、ハイパーに動けるとはいっても、根本的に元気ではない。
ダメージ受けて、体力が2ゲージ以下になると吐血しちゃう。ずっと吐き続ける。
回復アイテムがないと、床一面に血を撒き散らしながら戦うことになる。これが見ていて痛々しくて、「回復できなくてゴメン」と主人公に謝りたくなる。
吐血しながら戦うドリフターくんの姿には胸が締め付けられる。
操作性
5.0
かなりハイペースなバトル。主人公はキビキビ軽快に動く。
操作性はかなり良くて、遠距離攻撃を交えながらでも素早く立ち回ることができる。
ダッシュを何回も繋げられるようになると(上限回数をアンロックした上で、タイミングよくボタンを押さないと連続ダッシュできない)連続ピュンピュンが病みつきになって、よく勢い余って崖から落ちる。
そんなミスに懲りず、ついつい何回もダッシュしすぎて事故を繰り返してしまうくらいダッシュが楽しい。
難易度バランス
4.5
難易度は高め。雑魚敵が大量に襲ってくるし、ボスはものすごい勢いでたたみかけてくる。
特にボス戦では、攻撃パターンを覚えて立ち回りを考えなければならない死にゲー難易度。
でも、理不尽というわけではないし、ボス戦手前からリトライできるし、クオリティの高い死にゲーだ。
ゲームシステム
5.0
拠点が中央にあって、最初から4つのダンジョンを好きに進められる。
ファストトラベルもあり行ったり来たりできるので、好きなペースで各ダンジョンを進めていくことができる。
ボスはしっかり強いので、他のダンジョンを回って色々とアップグレードしてから戻ってくるのも有効な攻略法だ。
強いボスに心が折れちゃうゲーマーにとっては、ありがたい。
やり込み要素
4.5
主人公を全開でアップグレードしようとなると、強化アイテムを全て見つけるのは大変。探索しがいがある良いマップで、隠しエリアが多い。
アップグレードに必要なアイテムは、よーく探さないと見つからなかったり、純粋に取りに行く道中に求められるアクションのテクニックも難しい。
グラフィック
5.0
とにかく美しい。
本作はアクションの面白さも魅力だけど、強烈に記憶に残るのは美しいピクセルアート 。
どこを切り取っても絵になる。これは、もう、芸術作品。モダンなドット絵デザインと配色がセンス良すぎる。
サウンド
4.0
アクションは激しいけれど、音楽は廃墟だらけの世界を表す物哀しい旋律。
雰囲気も最高に良いゲームだ。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
歯ごたえのある難易度
ハイペースアクション
美しいピクセルアート
探索が面白い
残念なところ
物語は分かりにくい
オススメな人
素早いアクションが好き
ドット絵が好き
探索が大好き
オススメではない人
忙しいバトルが苦手
ストーリーをしっかり把握したい
本作の開発元Heart Machineが、本作後に発売した3Dアクションゲーム。ピクセルアートグラフィックではなくっているけれど、独創的な世界せていや配色センスは健在。なめらかな高速移動が楽しめる。
見下ろし視点で歯ごたえあるアクションゲームなら、こちらもおすすめ。ソウルライクなシステムになっており、探索も面白い。NPCたちの寿命が減っていくという独特なシステムも特徴。
Hyper Light Drifter
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