『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』レビュー: 誰も乗せずに大冒険するチョコボ
『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』とは、スクウェア・エニックスが開発したローグライク要素のあるRPG。
本作は、初代PSから続く『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズの第3作目で、Wiiで発売されていた『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』のリメイク作。
過去2作とはストーリーの繋がりは無く、新たな世界設定になっているので、シリーズ過去作をプレイしていなくても問題ない。
FFシリーズでお馴染みのチョコボが主人公であり、チョコボが誰かを乗せて走るわけではない。
本作は、PS4, Nintendo Switchでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
チョコボが乗り物に乗る
相棒シドとお宝を探しながら旅をしているチョコボ。
近年のスタイリッシュチョコボではなく、2頭身の可愛いチョコボだ。
乗り物に分類されがちなチョコボだけど、なんとチョコボは車に乗って旅している。
忘れていく街へ
シドとチョコボが、とあるダンジョンを探索していると、突然ライバルっぽい女性と遭遇する。
しかし、その女性と会話していたと思っていたら、急展開。
シドとチョコボは不思議な力で吹っ飛ばされ別の世界へ。
2人(1人と1羽?)がたどり着いたのは時忘れの街。
一見平和そうな街だけど、実は鐘が鳴る度に住人たちが記憶を無くしていくという奇妙な現象が起きている地だ。
どうやらすぐに元の世界には戻れなさそうだ。チョコボは、住人の記憶を戻しつつ、街に眠る秘密を探っていくことになる。
ゲームの特徴Features
鮮度抜群ダンジョン
ゲームの進行に伴って、チョコボは街に隠されている神殿などダンジョンを攻略していくことになる。
各ダンジョンは、全て不思議なダンジョンになっている。
不思議なダンジョンとは、入るごとに地形が変わるランダムマップで、仕掛けられたワナの位置、敵や出現アイテムの種類も位置も変わるローグライクのようなシステムになっている。
ダンジョンでは、フロア(階)ごと探索していく。
各フロアでは下に降りる階段を見つけ出し、どんどん底へ潜っていく。ダンジョンが何フロアまであるかは、ダンジョンごとに決まっていて、基本的には最奥でボスを倒すとダンジョンクリアとなる。
ダンジョンによっては、様々なルール(縛り)が設けられている。
降りるか脱出するか探索するか
ダンジョンではローグライクに準じたシステムになっているため、ダンジョン内で死亡すると拾ったアイテムと所持金を失って地上に戻されてしまう。
しかし、死んでもレベルや経験値はそのままというローグライトなRPGでもあるので、死にながらでもダンジョンに挑戦し続ければ強くなっていく。
各フロアでは下に降りる階段にたどり着く度に、降りるかダンジョンから脱出するか選べる。
慎重にいくか、先を急ぐか、お宝狙いで更に探索するか、毎フロア決断が迫られる。
また、10フロア降りるごとに入り口からワープして来ることが出来るようになるので、まずは10フロアずつ目指しながら潜っていくのも作戦の1つ。
ターンベース
ダンジョン内では、敵味方全員がターンベースで動く。
ダンジョンはマス目で区切られていて、チョコボの行動が1ターンになる。
「1マス移動する」で1ターン、「たたかう」も1ターン、「アビリティを使う」のも1ターンになる。
チョコボが行動すると同時に、敵も同じく1ターンずつ行動する。
こちらが動かなければ敵も動かないので、敵と見つめ合ったまま、じっくり作戦を練ることもできる。
新たな職に就くチョコボ
チョコボはFFシリーズでおなじみの様々なジョブに転職出来る。竜騎士や黒魔道士など。
ジョブによって見た目もステータスが変化し、使えるアビリティも違う。また、リメイク版となった本作には新たなジョブが追加されている。
相棒
本作では、ダンジョンに入る時には、共にダンジョンを進む相棒(バディ)を連れて行くことが出来る。
相棒となるのは、街の住人からNPCから仲間モンスターまで、かなりの種類が存在する。
モンスターを倒すとその種類のモンスターのバディポイントを貯まっていき、一定数溜まると仲間モンスターに追加される。
街の住人など人間のNPCはストーリー進行によってバディになってくれることが多い。
バディは、共に戦ってくれるし、それぞれ使える技が異なる。
こうして、チョコボ自身のジョブと連れて行くバディによって、戦術を変えていくことが出来る。
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評価と感想Rating
敷居が低い
私はオリジナル版をプレイしたことがない。ちなみにチョコボシリーズ自体、ほぼ初プレイだ。
しかし、すぐに楽しめた。
ローグライクゲームでは、「死んだら全て失う」というルールが大前提。死んで失敗しながら、守るべきアイテムや、退くべきタイミング、危ない敵の種類を学んでいく。
その過程が面白くもあるけど、くじける時もある。
しかし、本作では、そうしたローグライク特有の序盤の学びの時間がスッと過ぎて、早々にダンジョンやバトルを楽しんで物語を先に進める段階に移れた。それぐらいシステムが分かりやすい。
でも、敷居が低いとは言っても、油断していると普通にダンジョンで行き倒れる。
ゲームスタート時に難易度が選べるけれど(ハードだと敵が強く、ゲームオーバー時に装備品も失う)、それとは別に自分のプレイでハラハラ度は変わる。
モンスターハウスでのボコ殴られ感はなかなかキツいし、調子に乗って強気に進んでたら貴重アイテムを大量に抱えて「階段どこですかー?」と駆けずり回ったり。
これは、やはりローグライクならではの面白さ。
特に「アイテム持ち込み無し」の縛りが発生するダンジョンでは、ローグライクのヒリヒリ感が楽しい。
RPGが上手くブレンド
ストーリーに合わせたダンジョンが現れて、クリアする度に物語が進む。お金やお宝といった自己満足作業ではなく、ストーリー性がしっかりある。
また、ジョブレベルを上げたりバディが増えたりといった育成要素や、釣りなどのやり込み要素もあって、RPGとしても楽しい。
ローグライクは、正直なところ「飽き」との戦いが始まることもある。
しかし、「これで住人が救われる」と思ってプレイすることになるので長続きしやすい。
ただ、派手な演出とかはない。リメイクされたとはいえ、ベースは2007年発売のゲームだ。
操作の面倒くささ
スティックでスイスイ動かせるため、ダンジョン内では結構危険。
うっかりスイスイーっと動きすぎて、無駄にターンを進めてしまう事故が起きがち。
ダンジョン内では十字キー使用の方が安心だ。
そして、気になるのが斜め方向への移動。斜めに移動したつもりが縦にスイッと動いてしまう。
斜め操作のみになるモードに切り替えなければ確実に斜め入力が出来なくて、いちいちモードの切り替えが面倒だ。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
システムが分かりやすい
物語性があり作業感を感じにくい
RPGとしても楽しめる
残念なところ
スティック操作だとミスしやすい
斜め移動入力が面倒くさい
オススメな人
RPGが好き
可愛いもの好き
ローグライクに馴染みがない
オススメではない人
本気のローグライクを求めている
手に汗握る物語や演出を楽しみたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作と同じく主人公の行動が1ターンになるなど、ゲームシステムがかなり近いローグライクゲーム。離れた場所に瞬間移動できるのも特徴。
RPGのようにプレイできるローグライクゲームなら、こちらもおすすめ。ローグライクなダンジョンでアイテムを手に入れてお店で売るという『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』を彷彿とさせるゲーム性が魅力の高評価作。
チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!
誰も乗せずに大冒険するチョコボ
チョコボが主人公の可愛いローグライクダンジョン探索とRPGが楽しめるシリーズリメイク作。
分かりやすいシステムやストーリー性の高さでやる気が続くローグライクが楽しめる。
共に戦うバディやジョブなどやり込み要素も豊富。
ただ、あくまでもオリジナル発売時のゲームであり、演出や展開は乏しめ。
チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!
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