
死にゲーの老舗フロム・ソフトウェアのゲーム初プレイで、死にゲー耐性もほぼない。
そんな初心者から見た『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のクリア後レビューと感想。
ゲーム内容やネタバレなしレビューは、こちら ↓
『SEKIRO』の難易度
そもそも初心者でも楽しめる?
アクションのカッコ良さに惹かれて『SEKIRO』を購入した。
このカッコ良さが、最大のご褒美。
「しめしめ」と敵の死角から隠密忍殺(ステルスキル)決める時、苦戦した(ほぼ全員だけど)ボスを斬り崩して真正面から忍殺をぶちかます時、脳汁がドバーッ、ブシャアアア。

自分が凄腕ゲーマーかと勘違い出来るアクションのカッコ良さに取り憑かれれば、初心者だろうと根性なしだろうと楽しめる。
ハマるには、始めが肝心
敵と斬り合い、弾き合いが出来るようになると、ぐんぐん面白くなる。
『ダークソウル』や『ブラットボーン』など全くプレイしたことがないので、1番最初はフロムソフトウェア的ボタン操作を覚えるのに集中。
ほぼ全てのボタンを押すし、プレイしてきた他のどのゲームとも似ていない。

覚えるシステムも多いので、チュートリアルは丁寧に。
「なんだよこれー!」と思いながらでも、序盤にじっくり練習する。
練習しているうちにコツを掴んで、いつの間にかどハマりすることになるし、「弾き」という必勝スキルに早く慣れることが出来る。


序盤こそ「何となく倒せた」や「ゴリ押しで倒せた」で進まない方が面白さが分かるし、後々のバトルがかなり楽になる
ステルス好きにおすすめ
アクションの腕に自信がある、何度死んでも立ち向かい続ける根性と度胸いっぱいプレイヤーは、正面からガンガン攻めて楽しめる。
しかし、『SEKIRO』では、ステルスプレイも最初から最後までしっかり通用する。

そんなわけで、根性なしでも生き延びていける。
『メタルギアソリッド』みたいな本格派ステルスゲームではないので、テンポよくサクサクとステルスしていける。

難しすぎる?
発売から約2ヶ月。
ネット上には色々な口コミがあるけど、根性なし初心者でもクリア出来たくらいなので、大丈夫。

もちろん、難しいし、厳しいし、甘えもゴリ押しも効かない。
しかし、理不尽さは全くない。
主人公のアクションも敵の挙動も、すんごーく上手く調整されている。

「え?なんで?」と不可解に負けることはない。
もちろん、初見の敵が強すぎて「え?はい?」となることはあるけれど。
初心者なりの探索法
忍は忍ぶ
ボス戦以外では、フィールド中を雑魚敵がたらふく警備している。
しかし、どのエリアでも安全ステルスキルルートがある。

全敵を隠密忍殺していくという、果てしなく忍らしい立ち回りも出来る。
姑息だろうかなんだろうが、忍者なので忍んでいく。
大声で自己紹介しながら斬りかかっていくサムライ魂は持ち合わせてなくてもいい。
忍ぶ道
鉄砲や弓の遠距離攻撃部隊と、カンカンと鍋(?)を鳴らす警報機部隊は、目と耳がいい。
そういう敏感兵はエリアの端の方にいることが多い。
ステルスルートは、エリアの端からぐるっと回って隠密忍殺していくように組み立てると安全。

敏感兵を倒したら、次は巨体兵を優先的に隠密忍殺。
巨漢との攻防は長引きやすく目立ってしまうので、「何じゃ?なんじゃ?」と周囲から敵がワサワサと集まってきてしまう。

一旦、ステルスルートを確立してしまえば、もはや自分の庭
探索中に死ぬことはあまりなくなる
周りを見渡す、駆け抜けてもぎ取る
鉤縄は、意外なところに引っ掛けられる。
特に頭上に注意。

そして、敵がワラワラとたむろしている場所。
中心地には貴重品が置いてあることが多い。
本作では、アイテム取った瞬間に説明が表示されるが、敵の動きも一時停止する。
それを利用して、駆け抜けてアイテムをぶんどっていくのもいい。

体力と体幹ゲージが上昇する「数珠玉」、そして、回復瓢箪を増やす「瓢箪の種」が意外なところに落ちている。
初心者なりの戦い方
強敵も隠密忍殺
上述の通り、隠密忍殺ライフを送るが、中ボス(強敵)との戦いでも、そのスタイルは変えない。
ほとんどの中ボスは2回忍殺が必要だが、1回目は隠密忍殺出来ることが多い。
ハンパない血しぶきが飛ぶ忍殺に耐えることが出来る強靭ボディをもつ強敵だが、かなり警戒レベルが低い。

中ボスとの戦いは、周りの雑魚敵をステルスキルで一掃し、ボスに気づかれずに近づけるルートを確保することから始まる。
剣戟鑑賞会
上述の通り、姑息にも隠密忍殺決めた後は、中ボスは文字通り「死んでも」見逃してくれない。
そして、大ボスは、もちろん1ゲージ目から全方位スキがない。

心折れずに挑み続けるほど根性はない。
なるべく早くボスに慣れて、斬り合いを楽しめるようになるには、始めの数回は、ボスの華麗な剣戟鑑賞会にしてしまう。
「わぁ、つよーい、かっこいいー」と眺めるわけではない。
まあ、見惚れるくらい格好いいボスが多いんだけど。

剣戟鑑賞会では、ボスの攻撃パターンのうち、自分にとって得意なパターンを探す。
スキが大きい攻撃、自分にとって「弾き」が合わせやすく斬り返しやすい攻撃を見つける。

そして、もう1つ。
弾きやガードで異様に自分の体幹ゲージがたまってしまう敵の攻撃パターンも覚えておく。
そうした攻撃をしてきたら、事故が起こらないように、ダッシュやステップで徹底的に避けるようにする。
前半と後半に分ける
ボス戦では、基本的に敵にチャンスを作ってもらう。
敵の攻撃を待って弾くスタイル。
そのなかで、得意な攻撃パターンが来た時に、2回斬る。
「ここだー!」と欲張って何回もボタン連打しない、2発でガマン。
ボス戦の前半は、得意なパターンを全てモノにするくらいの勢いで斬り返しを積極的に狙う。

ほっそり体型ボスは約1/4、がっしり体型ボスは約2/3 ~1/2体力を削ったところから後半戦が始まる。
後半戦では、ボスの体幹ゲージが回復しにくくなるので、「弾き」を頑張る。
こちらからの攻撃は、あまり考えなくていい。
ボス戦中は、敵の攻撃を見分けるのに忙しいので、シンプルな目標にした方が頭がスッキリする。

危険は希望
敵の危険攻撃が一番のチャンス。
敵の「突き」に対する「見切り」、敵の「下段攻撃」に対する「踏み付け」。
この2つは絶対に狙う。
敵の体幹ゲージが大きく溜まる。
そして、ボスに張り付く。
友達か恋人かのように傍にいる。
ほとんどのキャラは、主人公より体格が良い。
戦国時代の日本に、こんな長身の人いたの?!と思うくらい、でっかい。

リーチで負けてしまうので、懐に飛び込む。
怖い。ボスは怖い。
それでも近くにいると、ボスはせっせとこちらを攻撃してくれるので、ボスの体幹ゲージが回復しにくくなる。
大助かり忍術
優先したスキル
上述の通り、私の操作する隻狼はステルスライフを送っていたので、ステルス関連の常在効果を最優先した。

それと、序盤にスキルポイント溜めまくって、忍殺すると体力回復するスキルも早々に習得。
雑魚敵が回復瓢箪に見えてくる素敵なスキルだ。

そして、お金やアイテムがドロップしやすくなるスキルも優先した。
後述する出稼ぎキャンペーンを行う時に便利だった。
すぐ稼げる!と思えば、死んで所持金が減るのが気にならなくなる。
重宝した流派技
あまり多用しなかった、というより出来なかったけど。
それでも、一番使ったのは、中盤までは「奥義 浮き船渡り」、終盤は「奥義 仙峯寺菩薩脚」。

敵の攻撃待ちスタイルなので、斬り込むためというより、敵に大きな隙が出来た時に素早くたたみ掛けられて便利だった。
義手忍具
こちらもあまり多用しなかった。
戦闘中は「弾き」と「斬り返し」で忙しすぎて、なかなか余裕がなかった。
「上手く義手忍具使えたら、もっと便利で楽しいんだろうなあ」と思う。

そうは言っても、お世話になった。
基本的な使い方のみだけど。
獣に爆竹、飛ぶ敵に手裏剣、鬼に炎といった感じ。
優先して強化したのは、手裏剣と仕込み傘。

仕込み傘は首無し等オバケ対策のためだけど、手裏剣はただ好きだから。
そんな程度にしか使いこなせなかった。

個人的に上手くいったこと
どっしり構える
ボスが怖いからと言って、あまり動かない方がいい。
「弾く」「見切り」「踏み付け」全て左スティックを動かすと上手く発動しない。
敵の攻撃待ちしている時は、「よし、来いやぁあ!」な気分でどっしり構える。

勘違い
初めて葦名城天守閣に辿り着いた時、主人公の左腕を斬り飛ばした「犯人」がいた。

あれ?ラスボス?
勝手にクッパ大魔王(弦一郎)からピーチ姫(御子)を助け出す物語だと思っていた。
そして、死にゲーのボスの絶望感が分かっていなかった。
「ああ、強くなってから来いよってことか。この人、流石に強すぎだもんなー」と、これまた勘違い。

いろんな場所をウロウロ。
しかし、肝心そうなところから先に進めない。
よく分かんないから、久しぶりに天守閣で再戦。
すると、今度は散歩していた間にステータスが強化されていて、心折れずに撃破出来た。
もちろん、何回も負けはしたけれど。

いくつかのエリアを同時に進めていくことができるので、詰まったら他のエリアに行っていれば心折れずに強化もできる。
紫色の炎から逃亡
異様な見た目と恐怖の「怖気ゲージ」、そして、執拗にお尻を狙ってくる「首無し」。
完全にトラウマになった。
攻撃が効くようになる「神ふぶき」は、勿体無い。
しかし、終盤になると「神ふぶき」が買えるようになり、仕込み傘の強化も出来て、まともに戦えるようになる。

咳の音は聞こえない
デスペナルティとして発生する「竜咳」。
死にまくっていると、周囲からゼェゼェゴボゴホ聞こえてくる。
聞こえない。聞こえない。耳は閉じる。
竜咳を患ったNPCイベントは進められなくなる。

しかし、竜咳を治す「竜胤の雫」は貴重品なので、皆さんには申し訳ないけど、ホイホイ使えない。
NPCイベントは、何人か分まとめて一気に進める。
その間は、強敵にちょっかい出さず、安全第一で話を進める。

出稼ぎキャンペーン
稼ぐ時は稼ぎのみに徹する。
「状態異常を防ぐ瓢箪」や、店頭に並んでいる「数珠玉」や「瓢箪の種」を買う時に出稼ぎに出た。
そして、ボスに負け続けて心が荒んできた時も。

お金を稼ぐ時は、葦名城「武者侍り」と「名残り墓」周辺。
「武者侍り」は、敵は少ないけど、1人1人がお金持ち。
「名残り墓」周辺は、安全に確実に稼げる。
「名残り墓」から「天守閣」までの葦名城マラソン大会を開催することもあった。

スキルポイントを溜めるには、「水生村」。
雑魚敵が大量に湧き出て来るので、夢中になって倒しまくっていると、いつの間にかスキルポイントが溜まっている。
終盤では、「源の宮」の貴族狩り。
貴族はやはりお金持ちでスキルポイントも貴い。


感想: 印象に残ったところ
苦労した強敵
自分でもびっくりだが、全ボスのなかで「火牛」が1番きつかった。
「弾き」や「斬り返し」が通用しにくくて、「はあ?は?は?」とよく分からなかった。

結局、全体を通してみても「火牛」は異質な気がする。
アップデートで弱体化したそうだが、そうなるのも納得。
避けまくって、チクチク斬っていく『SEKIRO』っぽくない敵だった。
圧巻の和風景
血生臭い戦いに、蟲付きとか言う魑魅魍魎、エゲツない戦いが繰り広げられるが、背景は静かで厳か。

火がゴーゴー燃えていても、暴れ狂う猿がいても、どこか静寂さを感じる。
いい雰囲気だなあと思いながらプレイしていたけど、その魅力が大爆発したのが「源の宮」。

本当に本当に美しいエリア。
そこにいるイカ宇宙人な風貌の貴族は、気味悪さ抜群だっけど。

切ないストーリー
御子を守ってあげたい感が自然と湧いてくるいいストーリーだった。
御子の仰せのままに「御意」「御意」って言ってると、切ない結末に。

NPCイベントでは、穴山さんと小太郎の結末に涙した。

アクションや難易度に注目しがちなゲームだけど、ストーリーも素晴らしかった。
弦一郎の圧到的主人公感
生い立ちがやや複雑、国のために禁術に手を出す、人間やめる覚悟の崖っぷちさ。
何より、初めて巴の雷をまとった姿を見た時のカッコ良さと体格の良さ。

弦一郎が主人公でもゲームが出来そう。
最後の最後まで大活躍して欲しかった。

剣聖とは
剣の超達人が槍と鉄砲出してきた時に、「え?剣じゃなくて?」と思った。

剣聖と呼ばれているので「戦ってみたい」とは思っていたが、なぜ戦うのか、なぜ銃を持ち出すのか不思議で仕方がない。
クリア後も病みつき
私は、「ガード?カウンター?そんなもの飾りでしょ」な脳筋プレイ大好きマン。
加えて根性無しなので、連続で何十回も挑み続けたり、長期戦に粘り勝つっていう正統派(?)「死にゲースタイル」はムリ。

そんなヤツでも工夫すれば集中力きれない程度で攻略出来るよう作られているのって、本当にすごいと思う。
フロムソフトウェア初心者なので比較しようがないけれど、本当に最高で最強のゲーム。

クリア後に攻略サイトを見てみたら、もっともっと気になるNPCイベント、そして何より他のエンディングがあることを知った。

周回するごとに難易度上がるらしいけど、2周目以降に挑戦してみちゃう?

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
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