『メトロイドドレッド』レビュー: ストーカーロボット付き惑星観光
『メトロイドドレッド』とは、任天堂が開発した2Dアクションゲームでありメトロイドヴァニア。
『メトロイド』シリーズは、メトロイドヴァニアというジャンルの語源になっている通り、元祖探索型アクションゲーム。
ファミコンで1986年に第1作目が発売されてから続く人気シリーズ。
本作の物語は2003年発売の『メトロイド フュージョン』の続きとなっており、シリーズの中で1番未来のストーリーになっている。
ちなみにFPS『メトロイドプライム』シリーズとは直接は話はつながっていない。『メトロイドプライム』シリーズは、『メトロイド』第1作目と第2作目の間の物語となっている。
本作はNintendo Switchでプレイ可能。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
不穏な銀河
主人公は、シリーズお馴染みのサムス。
パワードスーツという名前だけでも強そうな頑丈なスーツを着ている銀河を股にかけるバウンティハンターの女性。
彼女は、これまでメトロイドやXと言った危険生物を駆逐してきた。
しかし、惑星ごとぶっ飛ばしたはずの危険生物Xが、とある惑星で元気に生存している映像が見つかる。
サムスしかいない
「これは由々しき事態だ!」というわけで、銀河政府は強くて賢くて大きなE.M.M.I.という調査ロボット隊を問題の惑星へ派遣した。
ところが、E.M.M.I.と音信不通になってしまう。
こうなったら、サムスの出番だ!
なぜなら、サムスは過去の戦いでXに対抗できる体質になっているからだ。
怪しい惑星へ、いざ出発!
あれ?サムス?
目的の惑星へ着陸準備。カウントダウン…。5..4..3..。
が、次の瞬間、サムスが惑星の地面に倒れてる!
着陸に失敗したのか!?時間が吹っ飛んだ?
ではなく、惑星に着陸後、鳥人族(高度な文明を持っていたが消滅したと言われる種族)と思われるヤツと戦いになり、負けたらしい。
そんな記憶がサムスの頭にぼんやり残っている。
しかも、気がついたら、色々と失っている。パワードスーツの能力が奪われてる!
下から出発
で、サムスが目覚めた場所は惑星の地下深くのようだ。
乗ってきた宇宙船スターシップに搭載されたコンピュータのアダムからの指令に従い、地表にあるはずの宇宙船に向かうことに。
しかし、その途中、音信不通になってた調査ロボットのE.M.M.I.がサムスを襲ってくる。あれ?味方じゃなかったっけ?
どうやら、何かよろしくないことが起きているらしい。
E.M.M.I.に対抗しつつ、能力を取り戻しつつ、サムスは惑星を進んでいく。
そして、あの強キャラ鳥人族。あいつは一体何者なんだ。
ゲームの特徴Features
メトロイドヴァニア
本作は2D横スクロールアクションのメトロイドシリーズ。というわけで、もちろんメトロイドヴァニアだ。
様々な移動スキルを手に入れるごとに探索できる場所が広がっていく。
もちろん、各所にはボスもいる。
撃って、迎え打つ
サムスは右腕についたキャノンで戦う。
L1ボタンを押しながら左スティックを操作すると、立ち止まって正確にエイムすることも可能。
キャノンでは、ミサイルなど様々な弾種を撃てる。が、標準装備の弾以外には弾数の概念がある。
敵を倒すことで残弾数を補給しなければならない。
各所にあるドアはキャノンで撃つことで開くものが多いけれど、特定の弾種で撃たないと開かないドアも多い。
また、敵が黄色に点滅する攻撃を繰り出してきた時は、タイミング良くメレー(近接攻撃)を発動すればパリィができる。
パリィに成功した直後に敵を撃つと、普通に倒した時より多くの体力回復アイテムやミサイル弾が手に入る。
恐怖のE.M.M.I.
敵になってしまったE.M.M.I.は、執拗にサムスを狙ってくる。
E.M.M.I.は特定のエリアをパトロールしていて、サムスが動く音に反応する。近くを歩いてるだけで感知する。
E.M.M.I.は音に気づくと聞こえた地点まで急行してくる。更に視界にサムスが入ると、絶対殺すマシンと化して、ものすごい勢いで襲ってくる。
サムスは、ひたすら逃げる、ファントムクロークというスキルを使って透明になる(一定時間だけだけど)といった方法で、E.M.M.I.を回避するしかない。
E.M.M.I.に捕まるとゲームオーバーになってしまう。しかし、めちゃくちゃ見極めればパリィも可能。
E.M.M.I.は最強だけど各地にある特殊な弾を手に入れると、サムスの肩越し視点になってE.M.M.I.を撃ち倒すことが出来る。
E.M.M.I.を倒せる弾は撃つとなくなってしまうので、別のE.M.M.I.に遭遇したら、また特殊弾を探しに行かなければならない。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
冒頭から気になることだらけ。
めちゃくちゃ強い鳥人族。なぜE.M.M.I.はサムスを狙うのか。そして、舞台となる惑星にはハイテク設備がたくさんあるんけれど、これは一体?
増えていく謎と、少しずつ明らかになる新事実。テンポが良くてハラハラが止まらない。
NPCはコンピューターのアダムくらいで、くどくど会話があったり細かい説明がない分、余計にハラハラ感が増す。
この緊張感が良い。中だるみさせないし、常に絶体絶命な状況が心地良い。
ちなみに、オープニングで過去作のおさらいをしてくれるので、過去作を知らない人にも安心。
キャラクターの魅力
4.0
愛嬌のない敵、無慈悲なE.M.M.I.、無機質なアダム。
本作のキャラの魅力は全てサムスが一手に引き受けている。それで十分満足できるくらいサムスは魅力たっぷり。
サムスは表情は分からないしセリフもないんけれど、ボスを倒す時など猛烈にかっこいい。スーツの下で絶対ドヤ顔してると思う。
上述した通りハラハラ緊迫感が続くので、プレイしているうちに1人で奮闘するサムスに自然と感情移入できる。
操作性
4.5
素早く滑らかに動く。
エイム操作や当たり判定も精度が高いし、ストレスを感じることは全くない。
スキルはたくさん登場するけれど、操作しやすいように工夫されている。
メトロイドシリーズ名物のモーフボール(サムスがダンゴムシ状態になって移動)も、狭い隙間に近づくと自動で発動するようになっている。
過去作をプレイしたことのある人ほど「うわ、便利になってる!」と感じると思う。
難易度バランス
5.0
ヒントは出され過ぎず、行ける場所もギミックや敵の倒し方も自分で探る。
これ!これ!メトロイドヴァニアの理想形。
そして、ボスがしっかり強い。苦戦もゲームオーバーもしっかりする。
E.M.M.I.の縄張りに入っていく時は、思わず深呼吸してから入る。
それくらい恐ろしさが素晴らしい。賢くて執拗。敵として完璧です、E.M.M.I.先生。
でも、パリィの判定時間は優しめだし、体力回復アイテムもドロップしやすくて、良いバランスになっている。
ゲームシステム
5.0
期待を裏切らない、本当に巧みに面白く作られたメトロイドヴァニア。
先に進めそうで進めず、他のエリアに戻ってみると道が開けたり。行ったり来たりさせるサジ加減が絶妙!
チュートリアルやヒントは少ないけれど、プレイヤー自身が新たな道に気づくように色々と仕込んであるのも巧い。
そして、E.M.M.I.。単に探索だけではなくて、絶対勝てない相手に追い回されるという恐ろしく焦るエリアが小刻みに登場するのが本当に面白い。ずっと刺激的。
更に、バトルでは、E.M.M.I.を倒す時に2Dじゃない視点になるのも面白い。
ちゃんとエイムしなきゃいけないというバトルシステムも、探索だけではない面白さを発揮している魅力的なポイント。
やりこみ要素
4.5
メトロイドヴァニアなので、もちろんどれだけ探索するかがやり込み要素。
意外と壊せる壁が隠れているので、壁を撃ちながら移動するのがオススメ。
敵やボスを倒すことでステータスが強化されるわけではないので、体力上限アップやミサイル保持数のアップグレードをするためには探索する必要がある。
また、シリーズ恒例の短時間クリアなど、極めるプレイも可能。
また、アプデによって、ボスラッシュなども追加されている。
グラフィック
4.0
最先端グラフィックというわけではない。
でも、ボスにトドメを刺す時の大立ち回りなどカットシーンがカッコいい。2Dだからといって決して地味ではない。
サウンド
4.0
特に印象的なBGMがあるというわけではない。
でも、常に不穏なBGMで、ドキドキハラハラ感を盛り上げてくれる。
BGMより耳に残るのは効果音だ。
E.M.M.I.の足音とセンサーの音を聞くと、自然と心拍数が上がるようになってしまったくらい効果音が良い仕事をしている。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
探索が面白いマップ構造
スキルの種類が多く個性的なものが多い
良い緊張感が続く
残念なところ
グラフィックはやや荒め
オススメな人
メトロイドヴァニアが好き
メトロイドシリーズのファン
ハラハラしたい
オススメではない人
追い詰められるのが嫌い
探索するのが面倒くさい
しっかりヒントを出して欲しい
Ghost Song
スーツを着ている謎の主人公が、未知の惑星を進んでいくメトロイドヴァニアゲーム。シューティングや近接攻撃もあり、本作に近いゲームプレイが楽しめる。
Axiom Verge
メトロイドシリーズ好きに刺さるレトロさも魅力の高評価メトロイドヴァニアゲーム。さまざまな銃を使ったり、ドローンを利用する探索も面白い。
メトロイド ドレッド
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