『Ghost Song』とは、Old Moonが開発したメトロイドヴァニアゲーム。2D横スクロールアクションでプレイする。
なんと約9年間かけて開発されたそうだ。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
おはようございます
主人公は、ずっと停止していたデッドスーツというキャラ名がついた誰か。
人間なのかロボットなのか、はたまた全く別の生物なのか。
スーツの内側は正体不明な主人公が、とある惑星で目覚めるところからゲームが始まる。
なぜ停止していたのか、なぜ目覚めたのか、本人には記憶がないらしいので、とりあえず周辺を歩き回ってみる。

超危険な惑星だった
進めそうな方へと歩いていると、凶悪エイリアンのようなモンスターたちに遭遇する。
モンスター達は主人公を見つけるやいなや、雄叫びを上げて襲ってくる。
更に、人間っぽい見た目のやつにも遭遇する。しかし、彼らもなぜか敵意剥き出しで襲ってくる。
凶暴な巨大昆虫もたくさんいるし、一時停止していたとはいえ、主人公はこんな惑星でよく無事でいられたな。

人類を発見!
「この危険な惑星を1人で生き抜いていくのか、よし、覚悟を決め…」と思っていたところで、人類に遭遇。
大丈夫?敵じゃない?攻撃して来ない?
いや、そんな心配は無用だった。
人類は1人どころか何人もいるし、気さくだ。
どうやら彼らはこの惑星に不時着してしまい、宇宙船を直そうとしているところらしい。
「…私、手伝おうか?(戦えるし)」
まともに会話できる人が見つかって嬉しかったのか、主人公はそっとお手伝いを申し出る。
こうして、地中に眠る宇宙船の部品を探す旅が始まる。
プレイヤーとしては主人公が一体何者なのか分かるかもしれないという期待も胸に、超危険地帯の地中に向かっていく。

ゲームの特徴Features
お好きにメトロイドヴァニア

本作はメトロイドヴァニア。
目的地は地図上に表示されるけれど、どこから探索していくかは自由。
道中では新たな移動スキルを習得していく。もちろん特定のスキルがないと進めない場所もある。
各地にはセーブポイントとなる植物と、レベルアップが出来る像がある。像から像へは高速移動(ファストトラベル)も可能。
撃って殴る

主人公は銃による遠距離攻撃と武器を使った近接攻撃が出来る。
LT長押し(Xbox版)すると、立ち止まって狙いをつけて撃つことも可能。
銃の弾にはいくつか種類があり、通常弾は無限で、特殊弾はエネルギーを消費して撃つ。
しかし、弾を連射していると銃身がオーバーヒートして赤くなり連射速度が遅くなってくる。
が、銃身が赤くなっている間は近接武器の攻撃力が上がる。熱くなった銃身で殴っているわけだ。
ナノジェル

敵を倒すとナノジェルと呼ばれる経験値を獲得する。通貨にもなる。
上述した各地にある像では、一定の経験値を消費して3種類のパラメータから好きなものをアップグレードしてレベルアップ出来る。
道中では回復コアで体力回復が出来る。回復コアはセーブポイントでチャージ可能。
また、ゲームオーバーになると所持しているナノジェルを全て失い、最大体力の上限値が減ってしまう。
ナノジェルは前回死んだ場所に戻れば回収可能だけど、最大体力は像でナノジェルを支払って完全修理しないと戻すことが出来ない。
つまり、修理せずに死にまくっていると、どんどん体力上限が減っていってしまうわけだ。
モジュール

ボスを倒した時や探索中には、モジュールを手に入れることがある。
モジュールとはスキルのようなもので、スーツにインストールすると新たな機能が解放される。付け替えは自由。
しかし、各モジュールを装備するにはスーツのパワーが一定量必要だ。パワー最大値を超えないように組み合わせを考えて装備することになる。
パワー上限値はレベルアップによって増やすことが出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
得体の知れない化け物だらけの地下を進む。
地下は暗いし、何かの卵とかブツブツしたものが群生してたりする。
不気味だ。
ところが、本作には最初からずっと物哀しい雰囲気が漂っている。
廃墟となった施設に淡く光る花が咲いていたり、誰かが力尽きた亡骸があったり。切ない光景も多い。
そんな雰囲気のなか、主人公が何者なのかという謎が気になって仕方なくなる展開が続く。
NPCやボスからこの惑星の情報が良いテンポでチラチラと小出しにされるので、先が気になりすぎる!
あまり良い予感がしないものの怖いもの見たさで物語を進めたくなる、そんな感覚だ。
キャラクターの魅力

4.0
魑魅魍魎モンスターたちに囲まれて1人で暮らすのかと思ってたら、意外とNPCは多い。
上述したとおり、NPC達は気になる情報を教えてくれるんだけど、実は狂っている人が多い。
敵なのか?味方なのか?常に疑心暗鬼。
そして、1番の謎なのが主人公。
記憶がないせいか純粋で、像に話しかけたり花に話しかけたり可愛らしい面も多い。
しかし、名前や身元を訊かれて口をつぐむ場面では、自分が操作している主人公とはいえ毎回不気味さを感じる。
操作性

4.0
ややもっさりした挙動とジャンプが軽すぎる感覚もあるけれど、操作性は概ね良好。
ダッシュやジャンプなど身体が大きく動くはずの動作でも直立不動のままな感じで、大味な挙動ではある。
でも、操作は分かりやすく、当たり判定も正確。
敵は撃つ部位によって与ダメージ量も変わる(大体の場合、頭部が弱点)。
唯一気になったのは、主人公が向いている方向と逆方向にダッシュ回避したい時に、たまに向きを変えるスティック操作が認識されないこと。
そのせいで敵の方向にダッシュしてしまう時がある。しっかり向きを変えてからダッシュ回避しなければならない。
難易度バランス

4.0
銃を連射して、オーバーヒートしたら近接攻撃。これを交互に行う立ち回りが面白い。
形態を変える敵もいるし、敵によって攻撃スピードもかなり違うので丁寧に対応しながら戦う必要がある。
プラットフォームアクションの難易度よりバトル難易度の方が重め。
特にゲームオーバーになって体力上限の減少するデスペナルティが蓄積されていくのが難しいところ。
完全修理出来る像の場所は限られているので、進むか像まで戻るか悩む。
これが面白さであり、本作の良い歯ごたえになっている。
ちなみに、ゲーム最初に2段階から難易度選択が可能(私はデフォルトの「オリジナル」でプレイ)。
ゲームシステム

4.5
まず、メトロイドヴァニアのメインである探索がめちゃくちゃ面白い。
マップは複雑で、意外なところでエリア同士が繋がっていたり、隠し通路は寄り道かと思っていたら意外とそこから道が開けたり。
「ここはどこに繋がっていくんだろう」とワクワクしながら探索出来る。
ゲームプレイは『メトロイド』シリーズに似ているけれど、本作ならではの連射すると近接攻撃力が上がるシステムが面白い。
銃がオーバーヒートしたら「冷めるまで敵の攻撃を避けまくろう」という受け身になるはずの時間が、敵に近づくリスクがあるものの最大の近接攻撃チャンスになる。
これによって立ち回りを考える幅が広がって、バトルが楽しい。
あと、大ボスを倒してひと段落にならない仕掛けも面白い。ボス戦が終わっても緊迫感が続くので、最初は「な、なんてこった、まだ一息つけないのか…」と思わずつぶやいてしまった。
やりこみ要素

4.0
各地を隅々まで探索して様々なモジュールを手に入れていくのが最大のやり込み要素。
種類が多いほど色んな戦い方が出来る。
また、各地にはゲーム攻略に関わるボスとは別にネームド(名前が表示される)の強敵がいる。
そいつらに挑むのもやり込み要素の一つ。
探索中には新たな回復コアを見つけることもあり、体力回復可能回数が増える。
探索するほど主人公を強化できるってわけだ。
かなり探索しがいのあるマップ構造なので、壁を撃ちまくって隠し通路を探しながら探索するのがオススメ。
グラフィック

4.0
高解像度グラフィックというわけではない。ちょっと荒めだ。
でも、静寂さえ感じる不気味さは抜群。
また、誰かの亡き骸が倒れている場所には淡く光が差していて、見ているだけで切なくなる。
一方でモンスターは気持ち悪い(褒めてる)。
形態を変える敵が多いんだけど、「うわー、そんな姿になっちゃって」と思うほどの驚きの変身ぶりを見せてくれることも。
サウンド

4.0
本作に漂う切なく哀しい雰囲気作りの最大の立役者はBGMだ。
異形のモンスター相手に銃をぶっ放しまくるゲームプレイとは裏腹に、綺麗な旋律のBGMが多い。
ただ、モンスターの鳴き声が結構うるさいので、雄叫びが苦手な人は音量低めに設定した方がいいかも。
また、主人公がジャンプする時などにはキュッという効果音が鳴るんだけど、それがなんだか可愛い。
一見ゴツそうに見えるんだけど、意外とキュートなスーツだ。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
探索が楽しいマップ構造
不気味さと切なさが共存している
オーバーヒートで近接攻撃力が上がるシステム
残念なところ
ダッシュ回避時に振り返りが効きにくい
やや大味な挙動
オススメな人
探索が大好き
独特な雰囲気のゲームに興味がある
物語を楽しみたい
歯ごたえを味わいたい
オススメではない人
分かりやすいマップ構造がいい
デスペナルティーがあるゲームは苦手
不気味な雰囲気が苦手
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
2D横スクロールでエイムしながら撃つバトル+メトロイドヴァニア好きなら、こちらもおすすめ。本作とプレイ感覚が近い。メトロイドヴァニアの語源にもなっている人気シリーズ。


本作のようにデスペナルティが蓄積されていく緊張感が好きなら、こちらもおすすめ。過去に死んだ場所全てで自分の分身を回収しない限りデスペナルティが残ってしまうという高評価メトロイドヴァニア。

Ghost Song
スーツの中身は絶対秘密
正体不明の主人公が、とある惑星の地中へと探索していくメトロイドヴァニアゲーム。 探索が楽しいマップ構造と謎に迫っていく物語に夢中になる。 遠距離攻撃と近接攻撃を織り交ぜるバトルが面白く、デスペナルティによって歯ごたえもしっかり味わえる。
Ghost Song
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