『UNSIGHTED』レビュー: 時間がないけど寄り道する
『Unsighted』とは、Studio Pixel Punkが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
見下ろし視点のゲームプレイで、グラフィックはピクセルアートで描かれている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
記憶がないロボット
ゲームが始まると、どこかの荒れ果てた施設で目覚めたロボット。
このロボットが、本作の主人公Alma。
この地は、ロボットと人間が争いを繰り返してボロボロになっているようだ。
記憶を無くしているAlmaは、道中で出会った小さなロボットに案内され、クレータータワーという場所に向かう。
感情を持つロボット
ところが、クレータータワーに着くやいなや怪物に襲われてしまう。
しかし、気絶したAlmaは他のロボットに助けられ、ロボットの集落で目を覚ます。どうやらみんなAlmaの知り合いらしい。記憶を無くしている彼女のために皆んなが色々と教えてくれる。
この世界では、Animaという不思議な物質のおかげでロボット達が自我や感情を持っている。
しかし、人間がそんなことを許すはずもない。ロボットは人間のために働くモノだから。
というわけで、人間はAnimaの発生源を封じ込めてしまった。
ロボット達が持っているAnimaは徐々に減っていっている。無くなってしまうとロボット達は自我を失い暴走するUnsightedになってしまうのに!
という崖っぷちロボット勢のもとにAlmaは帰ってきたようだ。
戦闘用ロボット
しかし、ここで朗報。Almaは、対人間用に作られたロボットだ。そんじょそこらのロボットより高性能らしい。
Almaは、ロボットたちの期待を一身に背負い、Anima発生源を解放するために旅立つことに。
優しかった人間の博士、恋人だったロボットRaquelの存在を断片的に思い出しつつ、Almaはロボットの最後のチャンスを懸けて戦う。
残された時間はあとわずか!
ゲームの特徴Features
あっちへこっちへ
Almaの旅は、Anima発生源が眠るメテオタワーに入るためのメテオシャードを集めるところから始まる。
各地にメテオシャードを持っている大ボスがいるので、探索しながら進み、討伐していく。
マップは、上層、地上、下層の三層に分かれていて、各エリアが複雑に繋がっている。
特定の道具がないと進めない場所や機械を起動しないと進めない場所などもある。
便利なツールが手に入るたびに進める場所が広がっていく。
右手と左手
Almaは、近接武器や遠距離武器を使いこなす。
武器は右手と左手に武器を装備出来る。スタミナシステムがあり、、近接武器使用時やダッシュ、ジャンプ時にはスタミナを消費する。
体力回復はシリンジを使うけれど、このシリンジは敵に攻撃を当てるごとに溜まっていき、100%になると1回使用可能になる。
また、本作ではゲームオーバーになると、所持金を半分失う。が、前回ゲームオーバーになった場所に戻れば回収可能だ。
チップとかコグとか
本作では主人公はレベルアップはしない。
体力上限アップなどパッシブ効果が生じるチップや、一定時間攻撃力が上がるなどバフが付くコグを装備することで強くなる。
チップもコグも武器もショップで購入可能だし、武器は強化も可能。
でも、敵がドロップする素材と設計図があれば、自分でクラフトも出来る。
ロボットの残り時間
ロボット達が持つAnimaが減っていくという物語は、ゲームプレイにも活かされている。
ゲームプレイしていると、主人公含め各NPCのAnima残量が減っていく。そう、ゲーム内では常に時間が流れているのだ。
しかし、探索で見つかるAnimaの塊であるメテオダストを渡すと24時間ずつ残り時間を増やすことが出来る。
NPCによっては、一定量のメテオダストを渡すと貴重アイテムをくれたりする。誰に渡すか、主人公自身に使うか、プレイヤー次第だ。
でも、この残存時間が減っていくシステムは、設定でオフにすることもできる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
ロボットにも生命がある!極限状態でも諦めずに戦おう!
SFでよく見るストーリー。ロボット同士の恋模様が描かれてたりもするけど、次の展開は予想しやすい。
でも、セリフがしっかりあって、日本語翻訳もいい感じ。「あるある」な分、逆に安心して物語がしっかり楽しめる。
ただ、「よく分からない奇跡が起きてロボットが自我持ってる」じゃなくてAnimaという物質のおかげという設定は新鮮で、この物語上の設定がゲームプレイにがっつり効いてるのは面白い。
キャラクターの魅力
3.0
上述の通り、「あるある」なので、「あるある」なキャラたちがズラリと並ぶ。
主人公は「記憶ないんですぅ、私」状態だったのに、世界の成り立ちを聞くや否や、ぶちキレて拳を震わせてる。ひたすら理解が早いので、話の腰を折らずテンポを崩さない良い主人公だ。
操作性
4.0
本作でのバトルはハイペースだけど、操作性は良好。
サクサクキビキビ動く。
探索中にはプラットフォームな操作も求められるけど、ノンストレス。
ただ、探索に必要な道具が増えてくると、武器の付け替えをすることが増える。
これが、メニュー画面開いて、たくさんある種類から武器を選択して…となるので、結構面倒くさい。
付け替えたい武器のセットを作っておいてサッサッとボタン1つで切り替えられる等のシステムがあれば、もっと楽なのにな。
難易度バランス
4.5
敵も敵の配置も、ボス戦も、全部良い難易度バランス。
雑魚敵もボスもしっかり強い。
良い意味で苦戦することが多くて、所持金半分なくなるデスペナルティ、キャラのAnima残量が減っていく時間制限もあり、緊張感がずっと続く。
でも、本作は探索要素も豊富なので、時間制限だけオフにできる機能は探索好きとしてありがたい。
ちなみに本作はマルチプレイも可能だけど、本稿はシングルプレイの感想だ。やりごたえのある難易度を求めるならシングルプレイがオススメ。
ゲームシステム
4.5
探索がめちゃくちゃ面白い。
複雑につながってて、少しずつ行ける場所が増えていくし、しかも攻略していく順序は自由(おすすめ順は表示されるけど)。
上層から下層までの上下のつながりも上手く作られてて、見下ろし視点だけどメトロイドヴァニア的な面白さ。
武器によって挙動がしっかり変わり、スタミナ管理しながらのバトルも面白く、パリィも可能で歯ごたえのあるバトルも楽しめる。
かなり良く出来てて夢中になってプレイしてしまう面白さ。
やりこみ要素
4.5
まず、探索だけでもたっぷり楽しめる。
釣りや宝探しもあるし、バフがつくアイテムや装備品のクラフトも出来るから自分なりのプレイスタイルを考えるのも楽しい。
そして、どのNPCにどれだけAnimaを渡していくか。これが結構悩みどころ。
特定のNPCに渡すと強力な武器が貰えるし、でも他の様々な特典にも使える。めちゃくちゃ悩むのが楽しい。
あと、犬を連れて行くことも出来る。共に戦ってくれるけど定期的に餌をあげなければならない。
グラフィック
3.0
通常のプレイは、描き込まれたピクセルアートでいい感じ。
ただ、立ち絵のクオリティが、うーん。
少女漫画っぽい感じのデザインなんだけど、「どうしてそうなった?」と言いたくなるくらい目が巨大だったり突然崩れる顔のバランス。
ここだけが、本当に残念。好みの問題なのかもしれないけれど、それでも、なんかグチャッと感が。
他の要素がめちゃくちゃ良いだけに残念。
サウンド
3.5
同じ感じの曲調が多くて、あまり曲数は多くない印象。
でも、バトルになるとアップテンポの曲調になって、ボス戦ではかっこいい曲に変わる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
探索が楽しい複雑なマップ構造
歯ごたえのあるバトル
緊張感が続くシステム
やり込み要素もたっぷり
残念なところ
立ち絵のクオリティがイマイチ
よくある物語
オススメな人
アクションゲームが好き
探索が好き
SFが好き
歯ごたえのある難易度を求めている
オススメではない人
デスペナルティがあるゲームが苦手
ハイペースなバトルが苦手
短時間でクリアできるゲームを探している
本作が好きならオススメRecommendation
見下ろし視点のハイペースなアクションゲームといえば絶対オススメなのがコチラ。攻略していく順番が自由で、美しいピクセルアートも魅力。
たっぷりのやり込み要素と探索が楽しめる見下ろし視点ドット絵グラフィックのアクションRPG。謎解き要素もセリフ量も豊富でボリューム満点のタイトル。
Unsighted
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