『リデンプションリーパーズ』レビュー: 多勢に無勢な悲劇 – Redemption Reapers
厳しい戦いを頼れる仲間と戦い抜くストラテジー『リデンプションリーパーズ Redemption Reapers』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Redemption Reapers製品情報
タイトル | Redemption Reapers リデンプションリーパーズ |
---|---|
開発元 | Adglobe |
対応機種 | PS5, PS4, Nintendo Switch, PC |
ジャンル | ストラテジー, RPG, |
Adglobeは、高評価メトロイドヴァニア『エンダーリリーズ Ender Lilies』を手がけたデベロッパーだ。本作はゲームジャンルも異なる新規IPとなっている。
本稿では、PC版をゲームパッドでプレイした際のレビューを行なっている。
Redemption Reapersの攻略
ストーリー
モースがいっぱい
本作の舞台は、モースという化け物軍団が現れ、人類が殺戮されまくっている世界。
既にモース達は大暴れしており、国も街も小さな集落までもぶっ壊され、逃げ場のなくなった人々はモースに追い詰められていくのみという悲惨な状況から、物語は始まる。
モースとは一体何なのか、なぜ人間を執拗に滅ぼそうとしているのかは謎だ。
灰鷹旅団
そんな最悪な状況の中、モース相手に戦う傭兵団がいる。色々と訳ありな団員達で構成されている灰鷹旅団だ。
主人公は、そんな灰鷹旅団の一員であるサラ。
サラは仲間と共に、各地で生存者を見つけては旅団の隠れ里に避難させながらモースと戦っていた。
「なんて頼もしいんだ、人類の希望じゃん!」と思うけれど、実は、灰鷹旅団はみんなに愛されるヒーローというわけではない。
灰鷹旅団は、彼ら自身が辿ってきたとある過去のせいで、人々に忌み嫌われているのだ。
死闘の果てに
でも、人々に疎まれようとも、灰鷹旅団は止まらない。
それぞれ訳ありだけど、頼れる仲間と一緒ならきっと戦い抜ける、はず、たぶん。
- サラ
- 数年前の戦いを悔い続けている主人公
- グレン
- みんなのまとめ役で頼りになるリーダー格
- ルグ
- やたらと戦闘狂で過激な言動多め
- ウルス
- あからさまにタンク役のムキムキボディの持ち主
- カレン
- サバサバお姉さんで優しくもある
個性豊かなメンバーが揃う灰鷹旅団は過去に何があったのか、そしてモースの目的は何なのか。この戦いに終わりはあるのか。
気になる謎を抱えながらも、とんでもない数のモース相手に灰鷹旅団の死闘は続く。
攻略のポイント
物語とバトルを繰り返す
本作では、メニュー画面から何を行うか選択してゲームが進行していく。
- ストーリー
- メインストーリーのイベントとバトルが始まる
- 物語が次の章へと進む
- 遊撃戦
- クリア済みのメインストーリーと同じフィールドで新たなバトルを攻略できる
- レベル上げや取り逃がしたアイテム回収ができる
- 戦闘準備
- パーティーメンバーの装備付け替えができる
- 各メンバーの新たなスキルのアンロックもできる
- 商人
- 消費アイテムや装備品を購入できる
バトルでは、全敵を殲滅するという分かりやすいものから、特定の地点にたどり着くなど提示される目的を達成すればクリアとなる。
また、モースは脳筋大暴れ集団かと思いきや、実はボス格を頂点とする組織で動いており、敵将格を倒せばクリアとなるバトルもある。
少数精鋭タクティクスバトル
バトルはプレイヤーターンと敵ターンが交互に変わるタクティクスバトル。
プレイヤーターンでは、メンバーそれぞれの移動とスキル発動を行うことができる。全キャラのアクションが終わると敵ターンになる。
メンバーは、それぞれAP(アクションポイント)を持っており、各スキルには必要APが決まっている。
APの最大値はバトル開始時には全員10ポイントで、プレイヤーターンになる度に各自7ポイントずつ回復する。同じターン内でもAPが残っていれば複数のスキルを発動することができる。
更に、敵に上手くトドメを刺すなど活躍したキャラはAP最大値がそのバトル中だけ上がる。
これによって、AP10ポイント以上が必要な強力なスキルが発動できるようになったり、手数が増えたり、有利に立ち回ることが出来るようになる。
仲間と共に戦い、強くなる
本作では位置取りが重要で、味方が敵を攻撃した際に、その敵に隣接している仲間は追撃することができる。
味方が敵を攻撃した直後に、隣接している各キャラに対応したボタンが表示されるので、制限時間内に押せば追撃できる。
また、本作では敵に攻撃したキャラは反撃を受ける(逆に、敵ターン中に攻撃された味方は自動で反撃する)。
しかし、追撃した場合には、最初に攻撃したキャラだけが反撃され、追撃したキャラはAP消費もなく反撃もされずに攻撃だけが発動する。これを上手く利用して戦うのが勝利のコツだ。
バトル中には追撃含め行動を行ったキャラは経験値を獲得し、レベルアップしていく。
レベルアップ時にはスキルポイントを獲得し、バトルの合間の「戦闘準備」でスキルのアンロックや強化が出来る。
また、メインストーリーのバトル後には、クリアまでにかかったターン数や回復アイテム使用回数などのバトル内容が評価される。ここで好成績となると、追加の経験値が貰える。
この追加で貰える経験値はパーティー共有のものであり、溜めておくことができる。パーティー共有経験値は、任意のキャラに使用して成長させることができる。特定のキャラをレベルアップさせたい時に便利だ。
武器は壊れ、アイテムは残る
各キャラは武器を装備していないと攻撃スキルを発動できない。
しかし、各キャラの武器は、攻撃スキルを使用する度に耐久値が減っていく。
武器は5つ持った状態で出撃できるので、武器を持ち替えてバトル中に武器が壊れないように注意したり、バトルの合間にお金を払って修理しておかなければならない。また、武器はアイテムを消費して強化もできる。
お気に入りの武器や強い武器は強敵に備えて温存しておく作戦立ても必要となる。
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Redemption Reapersの評価と感想
物語の面白さ
惨劇、悲劇。冒頭から大量のモースに攻め込まれており、ずっと重くて暗い雰囲気で物語が進む。
バトルの前後にイベントシーンがあるけれど、派手な演出があるわけではない。
でも、常に切羽詰まっていて心苦しい展開が続く絶望感200%なので、もはやキャラ達よりもプレイ中の私の顔の方が悲壮感に包まれていたと思う。
正直なところ、悲劇満載なので冒頭では「うっ、お腹いっぱいになるかも」と思っていたけれど、仲間達が魅力的だしテンポも良いので、物語にぐいぐい惹き込まれていく。
壮大な戦いだけど、仲間を中心に物語が展開するので感情移入もしやすい。
暗い物語なので万人ウケはしないかもしれないけれど、「ダークな世界ドンと来い!」「悲劇こそ大好物!」という人におすすめしたい。
キャラクターの魅力
上述した通り、本作の魅力は仲間達だ。
訳ありなキャラが集まり、過去と現在に向き合いながら戦う。ゲームでよく見る筋書きではある。
でも、キャラそれぞれの性格がはっきり描き分けられていて、無駄に馴れ合うわけでも会話がくどくどしているわけでもなく、全員に愛着を持ちながらプレイ出来る。
「他人には言えない心の傷や過去があるぜ…」という中二病成分が全キャラに含まれているので、お気に入りのキャラが出来るはず。
操作の快適さ
操作としてはコマンドを選ぶのみなので、操作方法自体は特に問題なし。
追撃のボタン入力時間も余裕がある。
しかし、カメラ回転や拡大縮小ができない、攻撃対象選択時にはカメラ移動が出来ずにUIで対象が隠れてしまう、複数の敵の行動範囲が同じ一色で塗られてしまって分かりにくくなる、などなど、便利ではない点も多い。
でも、本作は複雑なゲームではないので、見えにくい場所があるからといって攻略に支障が出るほどは困らない。
そして、敵も味方も背景も、画面は黒色か灰色ばっかりだ。
灰鷹旅団って名前だし、団員はダーク色な服を着なければならない鉄の掟があるのかもしれない。モースもカラフルな見た目だったら雰囲気ぶち壊しだろう。
そのため、誰がどこにいて敵はどの種類かといったことがパッと見て把握しにくくなっている。
難易度バランス
難易度選択は出来ない。
でも、遊撃戦をプレイして、レベル上げやアイテム集めを怠らなければ、詰まることはない。
しかし、レベルアップしてもステータスはもりもり上がらないし、武器の修理も必須なので金欠も続く。
そして、どのバトルでも敵は大量だ。
回復スキルを習得するキャラもいるけれど、各キャラは回復アイテムをバトル中に1回だけ使用できる(ステージ上の霊脈マスに触れれば補充出来るけれど、全キャラ分の霊脈は設置されていない)。
限られた手段やリソースの中で、大量の敵を倒しきらなければならないのが本作の難しさだ。
敵の攻撃はパターンが少なく、仲間も限られているので、さまざまな作戦を立てるストラテジーゲームとしての難しさというより、サバイバルな難しさが味わえる。
ゲームシステムの面白さ
ストラテジーゲームとしてのシステムは複雑ではない。高低差やキャラの向いている方向、多彩なクラスの組み合わせなども考えなくていい。
5人が固まって攻めていくのが鉄則になるので、戦い方は偏ってきやすい。
でも、その分、少数精鋭メンバーに集中して、限られた中で最適解を考える面白さが味わえる。
物語は暗くて重い雰囲気なので人を選ぶかもしれないけれど、ゲームとしてはとっつきやすく分かりやすいので、ストラテジーゲームに馴染みがない人も理解しやすいと思う。
やりこみ要素の楽しさ
ステージ上には、宝箱とは別に遺物が落ちている。拾うと誰かの手紙などテキスト情報と共にアイテムが手に入る。
武器やキャラの強化ももちろんやり込み要素だけど、このテキスト情報の収集が1番のやり込み要素だ。
この遺物からは、モースに襲われる前の幸せな日常が綴られた誰かの日記や無念のうちに亡くなった人の遺書などが読める。
しっかり内容があるものが多く、灰鷹旅団の団員に関する「お!?」となる内容の資料もあるので、手に入れたら読んでみるのがおすすめ。
ただ、遊撃戦はメインストーリーと同じマップで敵配置ほぼそのままなので、何度もリプレイしたくなる気はあまり湧きにくい。
グラフィックの芸術性
高精細ではないけれど、カットシーンは3DCGで描かれている。
人物はリップシンクはしておらず、口がちょっぴりパクパク動いて表情は乏しめ。会話シーンでは静止した立ち絵のみということも多い。
というわけで、見ごたえがあるとは言えないけれど、物語や世界に入り込むには十分だ。カットシーンは意外と多い。
サウンドの魅力
本作の物語に入り込んだ1番の要因はサウンド。
カッコ良いBGMによって死闘感が増し増し。
そして、物語に見入ってしまうボイス。
私は声優さんに全然詳しくないので誰がどうとか分からないけれど、皆さん演技も声も良くて、無表情な会話シーンでも見入ってしまう。
キャラの魅力が上がっているのも明らかにボイスによるところが大きい。声のパワーってすごいな。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
Redemption Reapersレビューのまとめ
おすすめな人
- 同じキャラばかり使いたい
- ヒリヒリした緊迫感が好き
- 複雑なストラテジーゲームが苦手
- 物語を楽しみたい
おすすめではない人
- 戦略性高いストラテジーを楽しみたい
- 悲劇や重苦しい雰囲気が苦手
- 最先端グラフィックを求めている
総合評価良いところ&残念なところ
- 魅力的なキャラ
- 分かりやすいシステム
- 限られた選択肢の中で最適解を出すバトル
- 戦術の幅が狭め
- 便利な機能が少ない
- 似たような光景が続く
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エンダーリリーズ ENDER LILIES: Quietus of the Knights
本作開発元の代表作。
本作とは違いメトロイドヴァニアゲームだけど、こちらもダークな世界で悲劇が味わえる。
仲間になった魂が主人公の代わりに攻撃するというバトルシステムも魅力。
エンダーマグノリア ブルームインザミスト
上記『エンダーリリーズ』の続編となるメトロイドヴァニアゲーム。
さまざまな要素がしっかり進化しており、更に戦術の幅が広がったバトルが楽しめる。
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トライアングルストラテジー
ストラテジーゲームが好きなら、こちらもおすすめ。
地形を利用したり仲間との連携を狙う戦略性高いバトルが楽しめる。
選択によって物語が変化するのも魅力の高評価ストラテジーゲーム。
リデンプションリーパーズ Redemption Reapers
©︎ 2023 BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.
https://rreapers.com/ja/
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