『エンダーリリーズ Ender Lilies: Quietus of the Knights』レビュー: 悲劇の探索中毒

『Ender Lilies』は、Live WireとAdglobeが開発したメトロイドヴァニアゲーム。

彩度の低いイラスト調グラフィックで描かれる2Dサイドスクロールアクションだ。

本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。

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あらすじStory

真っ白な女の子

ゲームが始まると廃墟のような場所で少女が目覚める。

白いワンピースに白髪。

そんな彼女に声をかけたのは黒衣の騎士。騎士の声で目を覚ましたようだ。

この騎士は、か弱い少女を守ってくれようとしているんだろうか。

と、思いきや、黒衣の騎士は実体はなくなっており、赤い蛍のように少女の周りを飛びながらついて来る。

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壊滅した国

本作の舞台となるのは「果ての国」。

ずっと悪天候なんだけど、降っているのは死の雨

死の雨のせいで穢れに包まれてしまった元人間の穢者(けもの)やら、それを倒すために禁術に手を出した不死の戦士たち、そして権力者の思惑などなど。

どうやら、思いっきり戦いが繰り広げられた後のようだ。

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リリィの行く末

そんな崩れた国を進む主人公だけど、全く記憶がない。

リリィと呼ばれるようになった主人公は、実は白い巫女と呼ばれる特殊能力者の1人。穢れを浄化することができる。

穢れにやられた人々を浄化しながら、リリィは、この地に眠る記憶を辿っていく。一体この国で何が起きたのか。

そして、彼女は一体何をしようというのか、そして、どこを目指すのか。

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ゲームの特徴Features

リリィの冒険

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本作は、メトロイドヴァニア

各地で待ち構えているボスを倒すと新たな移動スキルなどを習得し、それによって進める場所が増えていくサイドスクロールアクションだ。

行った場所のマップ情報がアンロックされ、各部屋の出入り口も表示される。

また、マップ画面では、各部屋は青色で表示されるけれど、その部屋のアイテムなどを全て手に入れるとマップがオレンジ色になり、探索が完了したことが分かるようになっている。

リリィは手を出さない

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移動など直接操作するのはリリィだけど、攻撃するのは解放した魂たち。

ボスやエリート雑魚敵を倒すと、その魂をスキルとしてセットし、彼らの武器攻撃や技を使うことができるようになる。

PS版だと□ボタン、△ボタン、○ボタンに対応する3種類のスキルをセット可能。

組み合わせは自由だ。

各ボタンを押すと、剣、槍、大剣など、様々な武器を持った魂がリリィの横に現れて攻撃してくれる。

リリィは「きゃー!なんてことするのー!」みたいな感じで怯えている。発動してるのは彼女自身なんだけど。

魔法弾や自動攻撃してくれる犬などのスキルでは、使用回数や発動時間が限られているものもある。

この使用回数は、セーブポイントに戻ると全回復する。

「スキル=武器と魔法」みたいな感じだ。

強くなるリリィと魂

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本作では、敵を倒すと経験値が手に入る。

一定量溜まると、リリィがレベルアップして攻撃力が上がっていく。

そして、上述したスキルは強化することが出来る。

各地に隠されている残滓と呼ばれるものを一定数集めるとスキルごとにアップグレードが可能。

残滓は数に限りがあるので、どのスキルをどのくらい強くするかはプレイヤー次第だ。

また、各スキルには奥義がある。

敵に攻撃を当てまくって奥義ゲージが溜まると、強力な技を発動することが出来る。

更に、各地にはレリックと呼ばれる装備品が隠されていて、リリィが装備すると攻撃力が上がったりステータスボーナスの効果が得られる。

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

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4.0

最初からずっとずーっと悲劇。

起承転結なんてぶっ飛ばして、端から端まで悲劇

悲劇過ぎて鬱々としてきそうにもなるけれど、徐々にこの国に起きたことや世界設定が分かってくるのが面白い。

会話というより人の記憶を辿るという形だけど、結構複雑な人間関係や複雑な国の事情が描かれている。

しっかり世界設定から練られて作られている。


キャラクターの魅力

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3.5

上述のとおり、みんな悲劇だ。

それぞれ経緯は違うけれど、ボスとなってしまった穢者たちも含め悲劇的な最期を迎えている人ばかり。

色んな悲劇パターンの詰め合わせをドーンと渡された気分。

感情移入するというより、「今度はそういう悲劇ですかあ、ふむふむ」と思ってしまう方が強かった。

ボスを倒すとその人の記憶が語られるんだけど、正直なところ、みんな同じ雰囲気だ。ひたすら悲劇だ。まあ、この物語の雰囲気で、突然コメディな記憶が登場してもおかしいんだけど。


操作性

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5.0

「ボタンを押すたびに武器を持った幻影が登場して、そいつが攻撃するだと?」

というわけで、「ラグがありそう。もったりしてそう。」と、プレイする前は、ちょっと心配してたんだけど、完全な取り越し苦労。

サックサクだ。ボタン押した瞬間に現れて、現れつつ攻撃してくれてる。

死してなお、働き者の騎士たちだ。

というわけで、操作性はめちゃくちゃ良い。リリィももじもじしてそうに見えて、きびきび動く。

スキルによって、攻撃発動が遅めになったり素早かったり挙動も変わるので使い分けるのも面白いし、操作してるだけで楽しい。


難易度バランス

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4.0

本作は、セーブポイントに触れると全回復し、使用回数が決まっている体力回復魔法の「祈り」の回数も全回復する。

しかし、雑魚敵は全て全復活する。ちょっとソウルライクっぽい。

ボスはちゃんと強くて、攻撃パターンを見極めて立ち回らないとすぐ死ぬし、地形ダメージ満載の嫌なエリアもある。

でも、デスペナルティはないし、便利なスキルやレリック、HP上限アップアイテムも手に入る。

探索するほど確実に強くなっていく

逆に探索しまくってると強くなりすぎて、ラスボス戦の歯ごたえが…。


ゲームシステム

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5.0

メトロイドヴァニアとして、がっつり面白い。

探索できる場所、隠れているアイテム、行けそうで行けない場所、どれも豊富。

進む順番はある程度決まっているけれど、「あっちにもこっちにも進める!」という感覚になるので、探索好きとしては病みつきになった。

かなり夢中になってプレイした楽しい楽しいメトロイドヴァニア。

主人公自身が戦わないというのが独特で新鮮だった。

敵からダメージを受ける当たり判定(リリィ自身)と、攻撃判定(魂が現れた位置)がズレていて、それを利用して敵との間合いを見極めたり、立ち回りを考えるが面白い。


やりこみ要素

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4.5

まず、隠されているアイテムが豊富なので、探索ごたえがある。読み物もたくさん落ちているし。

また、本作はマルチエンディングとなっている。

真エンディングの条件は、そんなに難易度は高くなく攻略しやすいので、やり込みやすい。

また、スキルやレリックの種類も多いので、自分の好きなスキルと装備セットを組み立てるのも面白いところ。


グラフィック

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4.0

鬱々としてるものの幻想的な雰囲気で、繊細で綺麗な線で描かれるイラスト調グラフィック。

騎士に抱き抱えられてダッシュしたり、奥義の時にはポーズとったり、リリィの仕草はかなり細かく作り込まれている。

背景もしっかり描き込まれていて、死の雨ではあるんだけど、水の表現が特に美しい。

ただ、物語と同じく背景も悲劇2000%なので、どのエリアも同じ雰囲気になってしまってて、ちょっと一辺倒な感じもしてしまう。

これは完全に個人的な好みなんだけど、本作のキャラデザインはあまり私の好みではないので、残念ながら「お気に入り!」とはならなかった。

ゲームプレイはかなり面白いので、あくまでも好みの問題だ。


サウンド

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3.5

こちらも物語やグラフィックと同じく、ずっと悲劇の音楽。

悲しく美しいメロディなんだけど、ボス戦でも曲調が変わらないのは、うーん。

ボスの最終形態になると少し曲調が変わるけれど、それでもいまいち気分が盛り上がらない。

本作は高難易度アクションということなので、壮大なり燃えるなりカッコイイなり、戦う気持ちが盛り上がるBGMだともっと良かったな。

\\サントラはこちら//

メインアーティスト:Binary Haze Interactive & Mili

総合評価Summary

4.0

物語の魅力

ゲームプレイの快適さ

ゲームとしての面白さ

芸術性

 

 

 

 

良いところ

探索が楽しいマップ構造とアイテム配置

主人公と攻撃者が違う独特な間合い

少しずつ分かってくる物語

探索するほど強くなる

残念なところ

ずっと悲劇で同じ雰囲気が続く

レベルが上がりすぎると難易度バランスが崩れやすい

オススメな人

メトロイドヴァニアが好き

強いボスと戦いたい

プレイするほど強くなりたい

悲劇が好き

オススメではない人

主人公自身が戦ってほしい

派手な演出やドラマチックな展開が欲しい

難易度が高めのアクションが苦手

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エンダーリリーズ
総合評価
( 4 )

Ender Lilies エンダーリリーズ
©Binary Haze Interactive Inc
.https://ja.enderlilies.com

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