『Lumino City』レビュー: 可愛いを超えたミニチュアと禁書
『Lumino City』とは、State of Play Gamesによって開発されたパズルアドベンチャーゲーム。
実際に、紙や木を使って手作りしたミニチュアを撮影。それをゲームのグラフィックとして使っているという驚異の工程で作られたゲームだ。
本作は、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私は、iPhone版でプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。
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良いところ
1番の魅力
本作の主人公はルミちゃん。
突然、行方不明になったおじいちゃんを探すためLumino Cityへ旅立つという物語だ。
このゲームの最大の魅力は、やはりグラフィック。上述したけれど、実際に作られたミニチュアがそのままゲームの舞台になっている。
手作りとはいっても、もちろんプロの手作り。半端ないクオリティ。
その、猛烈にアナログな世界が、スマホというデジタルの画面内で動いている。
紙で出来たルミちゃんが動くのが、小さな豆電球が勝手に点灯するのが、あまりにも自然。
本当にミニチュア作品の中に入り込んだような感覚になる。隅から隅まで恐ろしいほどの作り込みと完成度だ。
パズルを見つける
本作は謎解きががゲームのメインなので、もちろん「パズル解くぞー!」となる。だけど、まずは、パズルを探さなくてはいけない。
「さあ、このパズルを解きたまえ」とは、誰も教えてくれない。
街の人はヒントっぽいことは喋ってくれる。しかし、周りにだれもいない時は色んなところを探し回るしかない。
お膳立てされすぎずに、自力で謎解きを探して解くというのが面白い。
パズルの難易度
ルミちゃんは、パズルを解いて、Lumino Cityに起こっているトラブルを解決していく。
パズルはいくつも登場するけれど、全て趣向が違う。
パズルは簡単すぎたり、脈絡のない解き方だったりすることは一切ない。芸術性が高いゲームだからといって、悪い意味での雰囲気ゲーではない。
テキスト的な指示とかルール説明は一切なし。目で見て何を解くのかを考えるところから謎解きが始まる。
パズルのクオリティもすごく高い。
しかも、パズルもギミックももちろん手作りで出来ていて、これまた、デザインが凝りまくっている。
パズルとなるとプレイヤーが実際に触ったり動かす部分が多いけれど、だからといってデジタルっぽくなることはない。
残念なところ
おじいちゃんが残した本
ゲームがスタートしてすぐに、ルミちゃんはおじいちゃんが置いて行った本を手に入れる。
実はこの本、恐ろしいことに、全てのパズルの答えが書かれている。
機械のマニュアルと書かれているけれど、気軽に開いてはいけない。
おじいちゃんが最初のページに注意書きしている通り、緊急事態用だ。どうしても謎解きで詰んでしまった時だけ開いたほうがいい。
無条件で最初から全ての謎解きの答えそのものを見ることができてしまう。
さすがにヒントくらいまでか、段階的に開示するようにした方がいいと思う。
謎解きで詰まった時って、「いや、ズバリ答えそのものじゃなくて、ヒント!ヒントだけちょうだい!」ということが多い。
謎解きのとっかかりを知るという使い方ができなくて残念。
赤字とかでしっかりと「この本はネタバレの禁書」とかはっきりと書いておいてほしい。
最初から、全てチェックするプレイヤーだと、序盤からうっかり壮大なネタバレに遭う事になる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
オススメな人
芸術性の高いゲームが好き
謎解きが好き
数時間でクリアできるゲームを探している
オススメではない人
キビキビとした挙動が好き
物語要素が強めのゲームを探している
本作のような手作りされた工作の世界が楽しめるアクションゲーム。かなり可愛くて癒される雰囲気が魅力。わざと下手な部分もあり手作りっぽさが味わえる。
手描きのあたたかさを感じるパズルアドベンチャーゲームなら、こちらもおすすめ。サウンドまでこだわられた芸術性の高いゲームで、悩みがいのある謎解きもたっぷり楽しめる。
Lumino City
© State of Play Games
https://www.stateofplaygames.com/luminocity