『Astria Ascending アストリアアセンディング』はArtisan Studioが開発したRPG。
開発陣には、FFシリーズのシナリオを手がけてきた野島さんや、同じくFFシリーズ等多くのゲームミュージックを手がけてきている崎元さんなどが参加している。
本作は、PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
あらすじStory
主人公は8人のヒーロー。隊長のアウラが中心人物。
物語の冒頭から、8人は既に選ばれし者でたり、仲間だ。
しかし、別に仲良しだとか、壮大な紆余曲折があって仲間になったわけではない。
本作の世界では、指名された者が世界の調和を守るデミゴットという役割を3年間務めるというルールになっている。
本作の主人公たちは、そのデミゴッドとして任務に就いている寄せ集め8人だ。

なぜデミゴッドという存在が必要なのか。
この世界には様々な種族がいる。互いに偏見があったりするものの、調和の実を食べ続けるといったルールを守って平和に暮らしている。
しかし、それだけでは平和を維持するのには不十分。ノイズという調和を乱す者たちがいる。まあ、モンスターのことなんだけど。
で、デミゴッドになった者は、ゾディアックパワーというスーパーパワーを身につけてノイズと戦い、みんなを守るのだ。
デミゴッドになると名声とたんまりの報酬が貰えるが、3年の任期を終えると死んでしまう。
名誉だけど残酷な役目だ。

物語は、8人はあと3ヶ月で任期終了という時から始まる。
ある日、街にノイズが入り込む。また、各地の街もノイズに襲撃を受ける。どうやらノイズを操っている人物たちがいるようだ。
長く続くデミゴッドの歴史の中でなかった事件が勃発しまくる。世界で何が起きているのか。
8人は事件の真相を暴こうと奮闘しつつも、それぞれの迫り来る死の期限に気持ちが揺れ動く。
そして、この世界で尊ばれる「調和」に隠された秘密とは?

ゲームの特徴Features

本作では、ダンジョンや街などのスポットごとに2Dサイドスクロール画面で探索する。
探索中にはリングコマンドという氷や炎を操るアクションがある。これで謎解きをして進む場所もある。
ワールドマップ的な広いフィールドはなく、メニュー画面のマップから選択して移動可能。
ダンジョン内を探索している時でさえも、基本的にマップを開けばいつでも各地点にファストトラベルが可能。
また、街中にいるときはHPとMPが自動回復していく。
ダンジョン内ではHPが自動回復するけれど、MPは回復しない。

バトルはシンボルエンカウト。上述のリングコマンドを組み合わせれば戦闘を避けることも可能。
バトルシステムは純粋なターン制のコマンドバトル。
バトル中には、いつでもメンバー入れ替えも可能。
更にFP(フォーカスポイント)というシステムを理解しておかなければいけない。
敵の弱点を突く攻撃をするとパーティー共有でFPが溜まる。
コマンド入力時に、溜めておいたFPを消費すると最大+200%まで威力を高めることが出来る。
逆に、敵が「抵抗」「吸収」してしまう敵が得意な攻撃をしてしまうと、溜めていたFPが減ってしまう。
このFPシステムは敵側でも同様。敵に弱点を突かれると敵のFPが溜まり、大ダメージを受けることになってしまう。

キャラごとに元々のベースジョブがあり、更にメインジョブ、サブジョブ、サポートジョブを選択することが出来る。
キャラごとに選べるジョブ違っているものの、組み合わせはかなり多い。
更に選択できる4種類のジョブごとにスキルツリーがあるので、どんなキャラに成長させていくかはプレイヤー次第。
ちなみにジョブによって、バトル中のキャラの外見が変わる。

本作のスキルツリーでは、バトル時に手に入るSPを消費してアンロックする。
しかし、順番にアンロックしていけるわけではない。
HP上限や攻撃力などステータスを上げるノードでは、能力エンブレムという消費アイテムが必要。
同じく、ジョブを選択する時もメインジョブエンブレムなど消費アイテムを使わないと選択できない。
消費アイテムが必要なので全員一斉に同じだけ成長していけるわけではない。

メインストーリーが進むクエスト以外にもサブクエストやモンスター討伐のクエストがある。
また、ダンジョンなどには宝箱もある。ギミックを使わないと到達できないものや罠付きの宝箱もある。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

3.5
私怨とか熱い正義感とかじゃなくて、義務だから戦う。死ぬことが分かってるけど、粛々と戦う。
世界救おうぜ系RPGではあまり体験したことがない淡々さで物語が始まる。
細かな説明は端折られることが多いし、ゆっくり会話っていうのも特になく、感情移入はややしにくい。
でも、魅力的な世界設定と個性バラバラの主人公たちのおかげで、プレイしているうちにちゃんと先が気になってくる。
キャラクターの魅力

4.0
セリフは事務的な内容が多い。チラチラッと仲間内で話すことがあるくらい。
本作は全体的にクラシックなJRPGという雰囲気で、キャラの描写もそんな感じ。結構あっさり。
キメキメなカットシーンはなく、誰かがいいとこ取りもせず、仲間全員で魅力的。群像劇だ。
でも、それぞれ種族も生い立ちも性格も違って、プレイしているうちにそれぞれに愛着が湧いてくる。
操作性

4.0
コマンドバトルなので、特に操作が複雑になることはない。
探索中はジャンプしたり少しアクション要素があるけれど、失敗しても特にペナルティもない。
メニュー画面の操作などその他の取り回しも問題なし。
たまにバグで表記ズレが起こるのは残念。アプデに期待。
難易度バランス

4.0
バトル以外ではHP自動回復してくれるので、ダンジョン探索は結構楽。
レベルが上がるペースやスキルポイントの入手テンポも良いくらい。
サブクエストなどもクリアしながらなら、難易度はそんなに高くない。
でも、難易度や経験値取得率などは設定からいじることもできるので、難しくすることも出来る。
プレイして感じるのは、敵がちゃんと賢い。敵もFPをちゃんと使いこなす。
状態異常もしっかりかけてくるので、うっかりすると苦戦することになる。
ゲームシステム

3.5
システムは完全にクラシックJRPG。特に新しく感じるシステムはない。
でも、なんかやっちゃう。
最新のゲームに慣れていると、派手さがなく物足りなく感じることもある。
でも、プレイしていると、いつのまにか数時間経ってることばかり。
あー、この感じ!今現在で、昔のドラクエとかFFをプレイした時の感覚!あれに近い!実家の安心感(?)。
やりこみ要素

4.5
サブクエストにモンスター狩り、ゲーム内ミニゲームのJ-Sterっていう対戦ボードゲームなどなど。
サブクエストは、ちょっと難あり。攻略の最後に依頼主に報告に行くのが一苦労。
本作は、最初から用語や名前が大量。サブクエストの依頼主の名前だけ表示されて「どこにいるか」は表示されない。
どこにいたか忘れると大変だ。無駄に人探しの旅が始まる。
1番の楽しいやり込みは成長要素。
選べるジョブが多くて、ここで悩む。更にスキルツリーではHPかMPの伸ばすか等、選択するノードもある。ここで、またまた悩む。
どんなパーティにしていくか、自分次第すぎて悩むのが楽しい。
グラフィック

4.0
手描きイラスト調のグラフィックがそのまま動く。
色鮮やかな水彩画風なアートスタイルで綺麗。
特に衣装が素敵。
ジョブによって変わる外見がどれも素晴らしくて、もはや外見重視でジョブ決めたいまである。
サウンド

4.0
本作は、日本語ボイス付き。
BGMは完全にファンタジーしてて、全体的に穏やかな曲調が多い。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
- 成長要素の自由度が高い
- クラシックJRPG
- 魅力的な世界設定
- ストーリーに感情移入しにくい
- サブクエストの目的地が分かりにくい
オススメな人
- 昔のRPGが好き
- コマンドバトルが好き
- 成長要素を楽しみたい
オススメではない人
- キャラをしっかり味わいたい
- 派手な演出が欲しい
本作が好きならオススメRecommendation
古き良きRPGであり新しさもちゃんとある傑作コマンドバトルRPG。

本作の開発者さんたちが手がけたファンタジー感溢れるFF。今プレイしても独特なバトルシステムにハマる。

© 2021 Dear Villagers. All Rights Reserved. Dear Villagers, Plug in Digital, dearvillagers.com, and the Dear Villagers logo are trademarks of Plug in Digital in the U.S. and/or other countries. Published and distributed by 3goo K.K. in Japan.
https://astria-ascending.com