『Axiom Verge』レビュー: デカすぎ顔面と歩む異世界
『Axiom Verge』とは、2Dサイドスクロールアクションのメトロイドヴァニアゲーム。
ゲームクリエイターのThomas Happさんが個人開発したという驚きのタイトルだ。プレイしたら、その凄さが分かる。
続編も『Axiom Verge 2』も発売されている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、Steamでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
爆発事故
アメリカのニューメキシコで実験中の科学者、トレース。彼が主人公だ。
何やら難しそうな実験をしていて…、ボガァアアアアアン。
大爆発。
卵から別世界へ
プレイヤーの私も、トレース自身も「これは死んだでしょ」と思いきや、卵型マシンで目覚める。周りは見慣れぬ景色。
どんだけの爆発を起こしてしまったんだ、世界が粉々に。
じゃなかった。本当に別世界に飛んでいた。
実は、この世界はトレースがいた世界とは別次元のスドラと呼ばれる地だ。
巨大な顔面
え、あの爆発事故は偶然にもワープ装置になってた?
というわけではなく、トレースは、スドラの地にいるエルセノヴァという巨大ロボットのような高次生命体に呼び寄せられたらしい。
スドラの地は、アテトスという極悪なヤツのせいでほぼ全滅状態。そして、何故だか分からないけれど、主人公トレースだけがアテトスに対抗できる体質らしい。
というわけで、やることもないし(?)、エルセノヴァたちに協力することになる。
ゲームの特徴Features
迷子になるのが醍醐味
本作はメトロイドヴァニアなので、とにかく探索、探索、探索。
一応、「あそこにいるあの仲間助けてくれる?」みたいなエルセノヴァからの指示はあるものの、目的地や道順はほぼ案内なし。
行ける場所から手探りで探索していく。エルセノヴァは、そんなに親切ではない。
武器と謎機能のコート
トレースの基本アクションは、様々な銃による攻撃とジャンプ。
科学者なので頭脳派と思いきや、めちゃくちゃ戦闘能力が高い。
探索していくと、遠隔操作できるドローンや壁抜けできるコート、岩を砕けるドリルなどを手に入れていく。
これらによって、探索できる場所が増えていくし、隠し部屋が見つかったりもする。
もちろん、各所にはボスもいる。
また、体力アップや攻撃力が増すアイテムも各地に隠されている。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
世界には現実とブリーチがあって、いくつもの次元があって。ふうん。オッケー。分かった。
そんなわけはない。分かるわけがない。
途中までは「へえー、そういう概念があるのか。ということは、主人公って実は…」とフムフム面白く見ていたんだけど。
終盤あたりは、もう「何を仰っているんでしょうか?」状態に。
複雑でパッとは理解しにくい物語。その分、考察が色々と湧いて来る。
キャラクターの魅力
3.5
主人公は、やたらと物分かりがいい。でも、巨大な顔面機械たちに文句を言うところは言う。
スパーッとサッパリしていて、アクションゲームの主人公として好感が持てる。
巨大な顔面たちは、完全に無機質。見た目のインパクトはすごいけど。
でも、トレースとの会話の中で顔面たちの感情が見える時があって、ちょっと可愛く見える時もある。
顔面たちに身体があったらどんな感じなんだろう。
操作性
4.0
キビキビ動く。特に問題なし。
本作をプレイしていて思い浮かぶのは名作『スーパーメトロイド』。立ち止まって斜め上撃ちする感じとか似てる!
でも、挙動や精度はレトロって訳じゃなくて、しっかり精密なアクションが出来る。
私は、主人公の移動は左スティックで操作していたんだけど、中盤から登場する「同じ方向2回入力」操作がやりにくかった。十字キー入力の方が成功しやすい。
難易度バランス
4.0
親切な道案内はなく、純粋に行ったり来たり。右往左往する。これがたまらない!
新たに手に入れたスキルを見て、「これであそこの道が突破できるぞ」と自分の記憶を探るも良し。「どこに行くんだー」とマップと睨めっこするも良し。
探索好き、迷子になるのが大好きマンにはたまらない。
ボスもしっかり強くて苦戦する。でも、ちゃんとボス部屋前にはセーブポイントがあるので、安心。
ゲームシステム
4.0
真新しい何かがあるわけではない。
でも、「何かありそう」の先にちゃんと何かがあって、偶然隠し部屋が見つかることもあり、行ける場所がなくなったと思いきや意外な場所から新しいエリアに入って行けたり。
めちゃくちゃメトロイドヴァニアしてる。よく練られたマップで、無事に探索中毒を発症した。
手に入るスキルは面白くて、他のゲームではあまり見ないものも多い。
特に銃の種類が豊富なんだけど、ちゃんとそれぞれ挙動が違うのが良いところ。「この敵にはこれが相性いいかな」と使いどころを考えるのが楽しい。
やりこみ要素
4.5
破壊魔のごとく壁をドリルで削りまくり、1人お祭り状態でピョンピョン飛びまくり。
それでも収集要素は全部見つからないし、武器を見つけるのも大変。
広いマップというわけではないんだけど、それでも、まだまだ探索しきれない。
ちなみに、本作には真エンディングがある。収集要素であるレポートとかメモとかテキスト情報を集めて回らなければならない。
さらに、スピードランモードもある。短時間でクリアを目指す、アレだ。
グラフィック
3.0
レトロなピクセルアート。正直、最近の他のピクセルアートなゲームと比べると見劣りはしてしまう。
でも、巨大な顔面たちは確実に記憶に残るデザイン。顔デカすぎ。
そして、ラストバトル。それまでボス戦ではボス部屋でワイワイやってる感じだったのに、ラストバトルのスケールアップっぷり。
ぜひ、ラストバトルの「うわぁああ」感は体験して欲しい。まあ、実際は、ラスボスの猛攻を避けるのに忙しくて、ゆっくり見てる場合じゃないんだけど。
サウンド
3.5
訳の分からない世界っていう感じがかなり増す良い曲揃い。カッコいい雰囲気の曲が多い。
ツボだったのは、敵に攻撃が当たった時の鳴き声(?)。小さい敵なのに「あ゛あ゛ぉゔゔ」みたいな野太い声なので、「え?今のお前の声!?」て二度見したこと多数。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
自分で道を探す楽しさ
メトロイドヴァニアの面白さが詰まっている
武器の種類が豊富
やり込み要素がしっかり用意されている
残念なところ
スティック操作では一部操作しにくいアクションがある
セリフが機械翻訳な部分が少しある
物語が難解でついていけなくなってくる
オススメな人
メトロイドヴァニアが好き
指示されずに自分で道を探したい
レトロな雰囲気が好き
オススメではない人
物語を完璧に理解したい
道案内やヒントがないと困る
最先端グラフィックを味わいたい
本作の続編。新たな主人公、新たな地、新たなスキルも多数登場する。
メトロイドヴァニアの元祖『メトロイド』シリーズ最新作。SFな雰囲気、銃で攻撃など、似ている部分が多い。
Axiom Verge
Axiom Verge is Copyright 2015 Thomas Happ Games LLC
Axiom Verge is a Registered Trademark of Thomas Happ Games LLC
http://www.axiomverge.com