『Behind the Frame とっておきの景色を』レビュー: 画面こすりまくり画伯
『Behind the Frame とっておきの景色を』とは、Silver Lining Studioが開発したアドベンチャーゲーム。
手描き調のグラフィックが魅力的なタイトルだ。
本作は、PS5、PS4、NintendoSwitch、Xbox、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私は、iOS版をプレイ。
発売当初のコンテンツに加え、新章が追加されており、私はその新章も合わせてプレイした。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
ある日の画家
主人公は、画家。
アパートの一室で、朝からせっせと絵を描いている。
何かのコンクールに出品予定らしく、絵を描き上げるまで家から一歩も出ない!という自主的な缶詰め状態だ。
ご近所さん
脇目も降らずに描く!とはいっても、ちょっと息抜き。
ふと窓から見えるお隣さんに目を向ける。
お隣さんは彼女と同じ画家のおじいちゃん。とっても絵が上手だ。
「おはようございまーす!」と声をかけてみる。
でも、おじいちゃんは彼女の呼びかけには見向きもしない。これまでも応えてくれたことはないらしい。
残念ではあるけれど、まあ、変わらぬいつもの朝ってわけだ。
絵に隠された秘密
お隣さんの様子をスケッチして気分転換しつつ、彼女は作品を仕上げようと絵の具を探し始める。
ところが、絵の具は部屋の妙な場所から見つかる。
「あれ?こんなところに絵の具置いたっけ?」彼女自身も不思議そうだ。
絵に色をつけていきながら、彼女は部屋全体から何かを感じ始める。
この部屋に隠された秘密とは?
そして、意味ありげなお隣さんは一体何者なのか?
ゲームの特徴Features
物語主導
本作は、何章かに分かれている物語を、ちょっとした謎解きを攻略しながら辿っていく。
随所にカットシーンがあるけれど、ゲームプレイ部分は主観視点。
でも、主観視点で動き回るわけではなく、周囲をぐるりと見渡して、気になる場所をタップするというくらいの操作だ。
絵を描く
本作の要となるのは、絵を描くこと。
筆に絵の具をつけて、キャンバスの上をサッサッサーとなぞる。
基本的に色と塗る場所が間違っていなければ良くて、はみ出しても大丈夫(はみ出た部分は着色されない)。
色塗りのような操作なので、絵心がなくても全く問題ない。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ちょっと気難しそうなおじいさんとの心あたたまる交流が始まるぞーっと思ってたら、物語は意外な展開に。
途中で、「え、実は不気味な話?」と思ったくらい予想外な話になる。
でも、ホラーとか怖い話ではないのでご安心を。
そして、雰囲気詐欺なんてことは決してない。しっかり、心がほっこりする。
自分で何かを感じ取る物語であり、エンディング後に余韻が残る良い物語が味わえる。
キャラクターの魅力
4.0
主人公、気難しそうなお隣さん、お隣さんが飼っているちょっとふてぶてしい猫。
キャラは少ないけれど、みんな魅力的。どのキャラも表情が素敵なので、感情移入しやすくなる。
操作性
4.0
操作性は特に問題なし。
絵を描く場面では、画面内のキャンバスの上をサササササと擦りまくる。あとは、簡単なタップ操作くらい。
スケッチする場面で、サササササとスケッチブック上をなぞるごとに絵が浮かび上がってくるのは気持ち良い。
本作はコンソールでもプレイ出来るけれど、この画面上を擦る操作が1番楽しいところ。
画面を直接タップ操作できるNintendo Switchかスマホの方がより気持ちよさを味わえると思う。
スマホアプリとしては、特にバッテリーが減りまくったり本体が熱くなることもなく、動作の問題はなし。
難易度バランス
3.5
主人公が「あれしよう、これしよう」とヒントを呟くので、特に詰まることはない。
物語は短く、謎解きもほんのりくらいなので、物語をテンポ良く見ながらエンディングまで辿り着ける。
ゲームシステム
3.5
色を塗る動作が楽しい。
「本当に絵を描いてるぞ!」とまではいかないけれど、「塗り絵楽しいぃい」という気分で画面を擦りまくる。
はみ出て色が付かないとはいえ、なんだか丁寧に塗りたくなる。
物語とゲームプレイがしっかり組み合っていて、主人公の落ち着いた朝のひと時をなぞりながら、プレイしているこちら側まで癒される。
目玉焼きを食べたくなるし、コーヒーも飲みたくなってくる。
やりこみ要素
3.5
メインストーリーをどんどん追いかけていくので、自由度はない。やり込み要素も、ほぼない。
ただし、発売後に追加された新章は必見。
本編で「ん?」と思った疑問点が補完されるし、登場人の事情や気持ちが更に明らかになって物語をより良く味わえる。
もはやここまでプレイしてはじめて物語を最後まで見届けたと言えるくらい。
グラフィック
4.5
ジブリだ。
本作を初めて見た時の最初の感想。
で、プレイしてみても、やっぱりジブリ映画そのもののようだ。
美しい手描き調のグラフィックがアニメーション映画のように滑らかに動く。
サウンド
4.0
ゲーム内でカセットを再生するとBGMが流れる。どれも穏やかなBGM。
また、食器が擦れる音やスケッチをする時の鉛筆が紙に擦れる音など、効果音も心地良い。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
美しいグラフィック
リラックスした雰囲気
絵を描く動作が楽しい
残念なところ
ボリュームが少ない
謎解きが単純
オススメな人
短時間で攻略できるゲームを探している
癒されたい
物語を楽しみたい
オススメではない人
複雑な謎解きを期待している
長時間遊べるゲームを探している
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Behind the Frame とっておきの景色を
画面こすりまくり画伯
絵を描く動作を実際に画面をなぞって行う操作が楽しい。
美しいアニメーショングラフィックと雰囲気に癒されながら、短編映画のように物語を楽しむアドベンチャーゲーム。
Behind the Frame とっておきの景色を
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