『ブレイブリーデフォルト 2』レビュー: JRPGの良心 – BRAVELY DEFAULT II
『ブレイブリーデフォルト 2』とは、スクウェアエニックスが開発したRPG(ロールプレイングゲーム)。
本作は、2012年に3DS向けに発売された『ブレイブリーデフォルト』のナンバリングタイトル第2作目。
第1作目の続編は『ブレイブリーセカンド』として発売されているけれど、本作は過去作とは全く関係ない物語や設定になっている。
本作含めブレイブリーシリーズは、『オクトパストラベラー』などHD-2D作品で知られるスクエニの浅野さんチームが手がけている。
本作はNintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
船乗りと王女の出会い
とある浜辺に漂着した船乗りのセス。彼が本作の主人公。
浜辺に倒れていたセスは、グローリアという王女様とスローンという護衛の剣士に助けてもらう。
王女といっても、実は訳ありで、グローリアの国ミューザは滅ぼされてしまっている。そして、彼女は奪われてしまったクリスタルを探し出す旅をしているらしい。
クリスタルとは、各地で起こっている異常気象などの災厄を鎮めることが出来るめちゃくちゃ重要なもの。
グローリアは、クリスタルを取り戻して災厄を止めようとしている正義の塊のような王女様だ。
更に2人追加
元気になったセスは、ひょんなことからエルヴィスとアデルという学者・傭兵コンビと出会う。
エルヴィスは、とある魔導書を解読するためにアスタリスクという石を探して旅している。アデルはその用心棒だ。
そこで偶然にも、グローリアからミューゼの国からクリスタルを奪った奴らはアスタリスクを持っていたという有力情報が明かされる。
そんなトントン拍子に進む上手い話があるのか、これが運命ってやつなのか、みんなの目的が一致してる。
4人旅
あれ?セスの目的は何だっけ?脇役?と言いたくなるところ。
大丈夫。セスが主人公だ。セスは、主人公補正のおかげで早々にクリスタルに選ばれた光の戦士だと判明する。
実は、彼には光の戦士として生きるしかない理由がある。
というわけで、4人は共にクリスタルを取り戻す旅に出ることになる。
なぜクリスタルは奪われたのか、災厄によって世界や4人の旅路はどうなってしまうのか。
ゲームの特徴Features
王道RPG
ストーリーや雰囲気だけでなく、ゲームシステムも全て王道RPGだ。
フィールドを進みダンジョンや街を訪れて、メインストーリーが進んでいく。サブクエストもある。
ジョブとアビリティ
4人はバトルを繰り返して経験値を得てレベルアップしていく。
そして、ジョブとアビリティがたくさん登場する。
特定のボスを倒すとアスタリスクと呼ばれる石が手に入り、新たなジョブが解放されていく。
各キャラごとに、ステータスや見た目が決まるメインジョブと、習得したアビリティだけ使えるサブジョブの2つを設定出来る。つまり、バトル時には2種類のジョブのアビリティが使えるわけだ。
バトルに勝利すると、経験値とは別にJPを獲得する。
JPはメインジョブに溜まっていき、一定量溜まるとジョブレベルが上がり新たなアビリティがアンロックされる。
ちなみに基礎ステータスは同レベルなら全キャラ全く同じなので、完全に好きな組み合わせにできる。
ブレイブする?デフォルトする?
本作の1番の特徴は、タイトルにもなっているブレイブとデフォルトを使ったバトルシステム。
バトルでは、各キャラごとに「たたかう」や「魔法」などコマンド選択して1回行動できる。これが基本。
ところが、ターンが回ってきた時にデフォルトのコマンドを選ぶと、防御のみ行いBPと呼ばれるバトル時のみのゲージを1ポイント溜めることができる。
逆に、一気に2回以上行動することもできる。これがブレイブだ。
例えば、2回ブレイブのコマンドを選択すると、そのターン分と合わせて一気に3回分の行動を選択できる。
ちなみに、BPポイントがゼロ以下になる回数分ブレイブも出来る。その場合、BPポイントはマイナスになる。
BPがマイナスになった場合は、その次からターンごとに1ポイントずつ回復していく。BPポイントがゼロに戻るまでの間は無防備で何も行動することは出来ない。
攻め時ならブレイブ、守って次に備えておくのならデフォルトという感じだ。
雑草駆除やら船旅やら
サブクエスト以外にも、ちょこちょことやれることがある。
バカにならないのが剣で雑草刈り。フィールドやダンジョンの草などをバサッバサッと刈ることができる。で、そこからアイテムや装備品にお金も見つかる。
また、バトルはシンボルエンカウントだけど、この際、モンスターの背後から接触すると先制攻撃できる。更に敵に接触する際に剣で斬りかかると全キャラのBPが1溜まった状態でバトルが始まる。
そして、船旅。主人公セスが船乗りという設定がほんのり活かされている。
街の施設で船旅に出るを選択してNintendo Switchをスリープ状態にする。すると、その間に船旅に出てアイテムを手に入れておいてくれる。経験値アップやステータスアップなどのアイテムが手に入る。
また、カードバトルなどオマケ要素も色々と用意されている。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
王道ファンタジー。王道の中の王道。
ちゃんとストーリーが展開するサブクエストもあって、続きが気になるからどんどんプレイしたくなる。
個性的なキャラがカッコよく立ち回るとかキャラの精神が複雑とか、そういうノリとは違う。正直なところ、他の最新ゲームに比べれば物足りないし、派手さもない。
でも、なんだか物語を辿りたくなる。良い意味でクセが強くない。『FF6』くらいまでの往年のFFシリーズが好きな人なら気に入ると思う。
ただ、王道とはいえ物語は二転三転するんだけど、中盤以降は冗長気味なのが残念。中盤までのワクワク感は良かったんだけど。
キャラクターの魅力
4.0
主人公たちは、ひねくれてもいない、純粋に良い人達だ。困っている人を見つけたら助けよう、そんな精神。
グローリア王女の清廉潔白ぶりに辟易してしまう時もあるほど正しき人たちだ。
一方、悪役はゲスい奴ばかりで、逆に言うとめちゃくちゃ悪役に徹してくれていて、キャラが立っている奴ばかり。
どちらかというと敵のおかげで物語が魅力的になっているまである。
これは感覚的なものなんだけど、まどろっこしいセリフ回しが多い。実際に長編ではあるんだけど、体感的により長く感じてしまう。
操作性
4.0
バトルはコマンド入力だし、特に複雑な操作はなし。
バトルスピードは変更可能で、フィールドでは常に爆走できるし、ダンジョン内にはワープ地点もあるし、もたもたしないための配慮があって嬉しい。画面が切り替わる時などロード時間は長めだけど。
欲を言えば、バトルで「デフォルト」コマンドにボタン割り当てがあると良かった(「ブレイブ」コマンドはRボタンで一発入力出来る)。
あと、サブクエストの数が結構多いので、全クエストが確認できる画面へのショートカットがあるともっと便利なのにな。
難易度バランス
4.0
難易度は3段階から選べる。私はノーマル難易度でプレイ。
ちゃんとプレイしないといけない難易度だ。
「たたかう」連打でいいやっていうヌルい難易度ではなく、考えて戦わないと痛手を負う。
そこらへんの雑魚敵でさえも、ちゃんとブレイブとデフォルトを使いこなしてる。ゲームシステム熟知した敵ばかりで、地味に嫌な行動をしてくる。
ただ、ブレイブで手数を増やすのが前提となっているためか、敵のHPが多め。
特にボス戦は長くなりやすい。戦略的に攻略するのが面白いところだけど、単にボスのHPが大量すぎて戦闘が長引いていることもある。
特に終盤は「またすぐ長期戦か、これから何分かかるんだろう」と、バトルに飽きてきやすい。
ゲームシステム
4.0
良心。RPGの良心。RPGってコレだよなあ。この感じだよなあ。
もちろん、ブレイブとデフォルトを使いこなすバトルシステムや、新しく見るジョブやアビリティもあるし、新鮮さも楽しい。
今回は一気にブレイブしてみようかな、とか、今度はこっちのジョブを試してみようかな、とか。選択肢が多さが魅力。
でも、特段目新しい要素はなくて、上述した通り物語も尖っているわけではない。
「JRPGってこの感じだよな」と安心して楽しめる一方、「なんだか飽きちゃった」にもなりやすい。
やりこみ要素
4.0
豊富にある成長要素やたくさんのサブクエストなどやり込み要素は大量。
特にジョブの種類が豊富なので、キャラとジョブの組み合わせを考えて成長させるのが1番楽しくやり込みたくなることろ。
また、物語がしっかり楽しめるサブクエストも多いので、メインストーリーそっちのけでサブクエストを追いたくなることも。
グラフィック
3.5
正直、「ちょっと昔のゲーム?」というグラフィック。最初見た時は何かのNintendo Switchへの移植作かな?と思ったほど。
街やダンジョンではカメラ固定で、イベント時にはキャラだけが動いて話すのみ。とても最新ゲームとは言えないグラフィックと演出だ。スクエニのゲームだから期待してしまうというのもあって残念に感じてしまう。
マップもダンジョンもオブジェクトなどの密度が低くて、正直寂しささえ感じるところもある。
でも、可愛い。
ジョブを変えると見た目が変わるんだけど、キャラごとに衣装が細かく違うのは見ていて楽しい。
サウンド
4.0
キャラの頭身が低く全体的に絵本のような世界だし、深刻な物語ではあるけれど、癒される雰囲気が流れている。
で、その雰囲気は、特に音楽によって作り出されてると思う。良い曲揃いだ。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
王道RPG
成長要素が豊富
やり込み要素がたっぷり
癒される雰囲気
残念なところ
最新とはいえないグラフィック
中盤以降が冗長気味
ボス戦が長引きがち
オススメな人
昔ながらのJRPGが好き
戦略や編成など考えるのが好き
やり込み要素などたっぷり楽しみたい
オススメではない人
成長要素の選択肢が多いと面倒くさくなる
最先端グラフィックや派手な演出が好き
短時間でクリアできるゲームを探している
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作開発元が手がけた高評価RPG。HD-2Dで描かれる群像劇が描かれる。ジョブやアビリティもあるし、ブースト使ったバトルなど、本作に近いバトルシステムが楽しめる。
頭身低めなグラフィックのJRPGが好きなら、こちらもおすすめ。ドラクエ10がシングルプレイ用のオフラインゲームになってリメイクされたRPG。
ブレイブリーデフォルト 2 BRAVELY DEFAULT 2
JRPGの良心
多彩なジョブとアビリティで編成を考えるのが楽しい王道JRPG。
ブレイブとデフォルトを使って戦略的に戦うのが面白い。
メインストーリーだけでも長編で、更にたっぷりのやり込み要素も味わえる。
BRAVELY DEFAULT II ブレイブリーデフォルト 2
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