『DE-EXIT Eternal Matters』レビュー: 安らかに永眠できない
『DE-EXIT Eternal Matters』とは、SandBloom Studioが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
3Dプラットフォーマー要素もあり、アクションアドベンチャーゲームでもある。
本作は、PS5、PS4、Xbox、PCでプレイ可能。私はPC版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
謎の目覚め
ゲームは、仮面のようなヘルメットを被ったスケルトンが巨大な怪物に襲われる場面から始まる。もはやラスボス戦。
ところが次の瞬間、全く別のスケルトンがどこかで目覚める場面に変わる。こちらのスケルトンはかなりシンプルなすっぴん状態だ。
で、このすっぴんスケルトンが本作の主人公。ゲームが進むと、ルクスという名で呼ばれるようになる。
ルクスが目覚めた場所は不思議な神殿。崩れかけている場所も多いけれど、とりあえず道が続いている方へと歩いていく。
そして、その先で、冒頭の仮面を被ったスケルトンに遭遇することになる。
死後の世界
実は、この世界は死後の世界だ。
死後の世界では、魂が快適に暮らし旅立てるように死者たちの街もある飛行船と呼ばれる空間があり、そこから魂の還っていくヴィタの樹との間に4本の柱が建てられて安定を保っていた。
さらに9人の死者から選ばれたスケルトンが、守護者として飛行船を守ってきた。
先ほどの仮面を被ったスケルトンは守護者の1人であるアシムだ。
そして、主人公は死者たちの街に辿り着く。そう、主人公は死んだばかりの新人死者だったのだ。
選ばれし新人
これからは死者の街でゆっくり過ごすのかと思いきや、そうはいかない。
実は守護者の一人ドノヴァンが狂ってしまい、他の守護者たちの魂を消してしまった。更に、ドノヴァンは4本の柱を停止して回っているという。
ドノヴァンがなぜそんなことをしているかは分からないけれど、そのせいで主人公はルクスになった。
9人の守護者に空席が空くと、次に死後の世界にやってくる死者はルクスと呼ばれ、新たな守護者になる定めになっているそうだ。
というわけで、うっかりしたタイミングで死んでしまい選ばれし者ルクスとなった主人公は、死後の世界を立て直す旅に出ることになる。
やれやれ、死んでも安らかな眠りにつけるわけではなさそうだ。
ゲームの特徴Features
守護者になる
本作では、物語の進行に伴って各地を旅することになる。
物語は章に分かれており、エリア間の行き来は自由にできない。
主人公は、不思議なライトや物を壊す力を持つアーティファクトの力を使って謎解きしながら進んでいく。
こうしたアーティファクトの機能は各エリアを攻略するごと解放されていく。
そうして新人であるルクスから守護者になっていくわけだ。
ステルススケルトン
上述した通り、アーティファクトの力を使って、ブロックを動かしたりギミックを作動させて先へと進んでいく。
しかし、道中ではカクレと呼ばれるモンスターなど敵が登場する。
モンスターに見つかると一撃必殺されるので、基本的には草むらや物陰にしゃがみながらステルスで進む。
ところが、カクレは姿が見えないので厄介だ。
そこでアーティファクトの出番。カクレが巡回しているエリア(黒いモヤがかかっている)では、アーティファクトのライト機能で周囲を照らすとカクレの姿を見ることができる。
しかし、ずっと照らし続けているとバレるし、音でも気づかれる。適度にライトで場所を確認しながら、敵の目を盗んで進んでいく。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
本作の世界は独創的。メキシコの死者の日を彷彿とさせるガイコツたちが暮らす死後の世界。
死者たちが築いた飛行船があるとか、ヴィタの樹へと魂が還っていくなど、独特の死生観を体験することが出来る。
主人公にはセリフはないけれど、NPCやテキスト情報から世界の成り立ちはしっかり学ぶことが出来るので分かりやすい。
ただ、「君の役割はこれね。はい、次はあっちへ行って。じゃあ、あれを取って来て下さい。」と手取り足取りで道案内されてしまうので、お仕事感が否めない。感情移入はしにくい。
キャラクターの魅力
3.5
本作の物語の進行役はNPCたち。
守護者の一人がご乱心中とはいえ、楽しいガイコツ達のにぎやかな世界だ。
ほとんど皆んな陽気で、よく喋ってくれる。セリフも多い。ただ、後述するけれど見た目上で感情表現がないのがちょっと残念。
ゲームプレイはやや単調になりがちだけど、NPC達が盛り上げ賑やかにしてくれている。
操作性
3.0
全体的に動きはもっさり。当たり判定も大味。
プラットフォーマーな場面も多いんだけど、足場の縁に掴まってくれる位置が謎。意外と遠くの足場でも掴まって登ってくれる時もあれば、頑として掴まってくれない時もある。
一方で、ステルスでは敵の警戒が超ざっくりで、ゴリ押しも効きやすい。
主人公も敵も大味な挙動なのでフェアではあるけれど、精度の高いアクションは出来ない。
ただ、ブロックを動かす際などに変な引っ掛かりが多発するのは、さすがにプレイしていて気になってくる。
また、同行者がいる場面では、NPCが正常に動いてくれないこともあって進めなくなることもあった。
アプデでの修正に期待したいところ。
難易度バランス
3.5
ステルスも謎解きも難易度はやさしめ。
もちろんハラハラする場面や試行錯誤する謎解きもあって、楽しみつつサクサク攻略出来る。
基本的に一本道だし、NPCが親切なので、詰まることはない。
ただ、上述した操作性の悪さで無駄に面倒になったりミス判定になる場面がある。でも、チェックポイントは小刻みでやり直しは楽なので攻略に詰まるほどではないのが救い。
ゲームシステム
3.5
物語と謎解きとステルスが楽しめる、というゲーム。
独特な世界設定が魅力だし、光を照らして敵の位置を確認するといった本作ならではの面白さはある。
アーティファクトの機能が一つずつ登場するけれど変化はあまり大きく感じず、NPCがお膳立てしまくってくれるせいもあってか、プレイしていると単調になってくる。
謎解きとステルスはあまり重くなく、物語を追うのがメインのゲームだ。
やりこみ要素
3.5
各エリアには残された記憶がある。
行くのが大変な場所などに隠されていて、これを集めるのが分かりやすいやり込み要素。
また、各地には日記や本など様々なテキスト情報が置かれている。
本作ならではの世界設定や過去に何があったかなどが分かるので、物語をより楽しむことができる。
グラフィック
3.5
全てボクセルで描かれている。
ボクセル一つ一つは大きめだけど、エリアによって異なる幻想的な風景が楽しめる。
ただ、本作の物語を楽しむゲーム性や演出をあまり活かせなくなっていると感じた。
私はボクセルグラフィックは好きだし、本作のグラフィックも素敵だ。
しかし、個性豊かなスケルトンたちや大型の敵に追いかけられる派手な演出も多いのに、キャラクターの表情は全くなく、豪快に崩れる建造物は大きな一塊となってしまっていたり、「もったいないな」と思ってしまう。
スケルトンなので表情があるのもおかしいかもしれないけれど、視覚的な感情描写やもっと緻密なボクセル、はたまたアートスタイルが違えば、本作の魅力をもっと活かせたんじゃないかと思う。
サウンド
3.5
BGMは主張なく、不気味だったり癒しだったり、その時の雰囲気を付け足するようなアンビエントな曲がホワーンに流れている。
本作で1番意外だったのが、セリフに明るめ口調のボイス付き(英語音声)ということ。
不思議さに全振りしているかと思いきや、ボイスによって一気ににぎやかさと親近感(人間ぽさ)が足されていて、物語にとっつきやすくなっている。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
独創的な世界設定
敵の位置を探しながらのステルス
残念なところ
操作性に難あり
やらされている感が出てくる
オススメな人
個性的な物語を楽しみたい
ステルスが好き
ボクセルアートが好き
オススメではない人
自由度が高いゲームをプレイしたい
快適操作じゃないと我慢できない
複雑なステルスや謎解きを求めている
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DE-EXIT Eternal Matters
安らかに永眠できない
独創的な死後の世界を、謎解きやステルスで攻略していくパズルアドベンチャーゲーム。
操作性は気になる部分はあるけれど、個性的なスケルトン達と出逢いつつ壮大なテーマを扱った物語が楽しめる。
De-Exit Eternal Matters
Developed by SandBloom Studio, Spain, and published by www.handy-games.com GmbH, Germany. HandyGames is a THQ Nordic Family Member. © 2021 All rights reserved.
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